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四季便りバックナンバー
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2007.12.31
昨日は昼間に工場の大掃除をして、夕方から工場の中で、室内バーベキューの忘年会をやりました。炭火で焼くと、ホントおいしいです。一匹まんまの鴨や、1kg以上ある塊の牛肉、他にも鳥や野菜やブリカマなど、普段木の香りの工場が、たちどころにおいしい匂いでいっぱいになりました。

鴨や牛肉の切り分けで活躍したのが、元料理人の細沢君です。表面がカリッと焼けて、中がジュワッとジューシーで絶妙です。「やっぱり道間違えたんじゃない?」とからかわれたのは、言うまでもありません。これで今年は仕事納め。感謝感謝の1年目でした。

一夜あけて今日は、HPを開設した8月からの「四季便り」を振り返って読んでみました。いまだかつて、日記と言う物が続いたためしのない小野ですが、とりあえず5ヶ月間はなんとか続けて来られました。きっとこれは「一人ではない…」と言う意識があったからできたことだと思います。

時々「いつも読んでるよ」と声をかけられたり、メールをいただいたりすることがあります。あの人も読んでくれているんだ、この人も読んでくれているんだ、と思うと、文章を書きながらその人の顔が浮かんだりします。

これは日記ではなく手紙なんだ…と自分で意識するようになったのは、書き始めてから2〜3か月経ってからのことです。「四季便り」と言うネーミングに深い意味があったわけではないのですが、文字通りこれは便りだったのです。…って自分で言ってたら世話がないですが、来年も引き続き書いていきますのでよろしくお願いいたします。

読んでくれている皆様、本当に感謝です。皆様にとって2008年もよい年でありますように。
小野
2007.12.26
久しぶりにテーブルを作りました。12月2日に仕入れてきた栃の木の板を、「どんなデザインのテーブルにしようか」…としばらく悩んでいました。設置場所が古い日本家屋なので、他の和家具などとの兼ね合いもあり、ちょっとエイジング(わざと古く見せる)してみることにしました。

実は、これには他にも理由があります。ひとつは、材料そのものに節や割れなどの欠点があることです。それを前提に割安な材料を仕入れてきましたので、欠点を意匠に活かしてしまおうということです。

もうひとつの理由は、四季の家工房は家具製作が専門ではないので、あまり繊細な加工をする道具や機械が揃っていません。大工道具と木工道具は共通するものも多いですが、厳密に言うと多少違うのです。加工方法を考えるのもデザインの重要なポイントになります。
テーブルの製作この3枚の板をつないで天板を作ります。板の表情を見ながら並び順を決め、欠点部分を取り除き、大まかな木取りをしていきます。
テーブルの製作これをプレーナーという機械に通して、正確な平面と直角を出します。
テーブルの製作継面にヤトイザネ(補強材)が入る溝を掘って仮組みしてみます。この時、継面を横から透かして見て、微妙な光の透け具合で部材同士の加工精度をチェックします。ですから、太陽と材料と自分の位置関係も重要です。
テーブルの製作仮組がOKなら、接着してロープで固定します。ふつうはハタガネと言う締め具を使うのですが、四季の家工房には無いので超ローテクを駆使します。

ロープで縛るだけだと十分な締め込みができないので、ロープの間に棒を差し込んでヨリヨリとねじっていくとギュ〜と締まっていきます。さらに材木の切れ端をはさんでダメ押しです。江戸時代の指物師が使っていたワザをいただきました!
テーブルの製作天板ができたら、ひっくり返して裏側に吸い付き桟を入れます。これは天板が反って変形するのを防ぐ、昔からの伝統技法です。「蟻(アリ)」と言う台形をした仕口を用います。おもしろい言い方ですが蟻のアゴにちなんだのでしょうか…?

同じ仕口を、海外では「ダブテイル(鳩のしっぽ)」と言います。違う文化なのに同じ形が生まれるのは、物事の本質なのでしょう。どちらも生き物にちなんでいる所も興味深いです。
テーブルの製作吸い付き桟が入ったところです。「なんで、わざわざこんな面倒な仕口を作るの?接着やビス止めでもいいんじゃない?」と聞かれることがあります。でも、吸い付き桟は「完全に固定しない」ということが肝心なのです。

木は長さ方向と幅方向で伸縮の大きさが違います。そのため、完全に固定してしまうと、湿気や乾燥の影響で板が割れたり反ったりという不具合が出ます。なので、台形の溝に台形の桟を差し込み、嵌っているだけの状態を作るのです。
テーブルの製作…で、いきなり完成の写真でスミマセン。脚をつけて、表面をブラシやサンダーで荒らして、微妙に凹凸をつけてから黒っぽく塗装しました。最後にケヤキ、カリン、コクタンを使って、天板のつなぎ目に蝶々型のチギリを入れて完成です。

長さ2m10cm、幅85cmのテーブルです。6人なら余裕で座れるサイズです。(8人座ることもできます。)本日納品ですが、年末年始にこのテーブルで楽しい会話が飛び交うことを想像すると…う〜ん感慨深い!
小野
2007.12.19
「木曽路はすべて山の中である」…この書き出しを読み始めたのが7月、フランスに向かう飛行機の中のことでした。あれから足かけ6ケ月、島崎藤村の「夜明け前」をようやく読破しました。第一部上下、第二部上下の全4巻…それにしても時間がかかりました。

毎日寝る前に読むのですが、数ページも読み進まないうちにすぐ目がトロトロになってきてしまいます。時には、昨日読んだところを探しているうちに眠ってしまいまうので、進むどころか戻ってしまうこともしばしばでした。

物語は幕末から明治にかけての中山道馬籠宿が舞台です。これまで読んだ維新モノと違い、坂本竜馬や勝海舟と言った歴史のヒーローが活躍するわけではありません。田舎に暮らす普通の人々の日常を淡々と描きつつ、それでいて国が大きく動いていくことが感じられます。普通の人に自分を重ねるので、なんだかその時代を疑似体験しているような不思議な感覚になります。

それにしても、歴史っていったい何なのだろう?と考えさせられる本でした。教科書に書いてあることが歴史とは言い切れません。公文書として残るものが歴史の真実とは言い切れません。今まで知っていた「明治維新」は、実は全然違うものなのかも…と感じてしまいました。

特に後半のテーマの一つでもある「木曽山林事件」は、現在の僕たちの仕事にも多少なりとも係わりがあります。木曽五木…主に桧(ヒノキ)ですが、「官材」とか「民材」と言う言い方があります。一般論として簡単に説明すると、「官材」は尾張徳川藩が管理した天然林で、「民材」は戦後の植林も含めその他民間の木です。大雑把に言うとだいたいこんな感じです。

これまでの僕のイメージでは、尾張徳川藩による木曽五木の管理は、「木一本首一つ」と言われるほど厳格なもので、要するに「盗伐=斬首刑」と言う風に単純に理解していました。ところが「夜明け前」を読んでみると、確かに厳重な管理はされていたものの山林を細かく区分していたようです。

用材や薪炭など生活に必要なものは自由に採取できる山林は「明山」として、かなりの広範囲で開放していました。又、山を管理する分、今で言う減税措置などを取り均衡を保っていたようです。

そこに明治維新です。言葉からは何もかもが新しく自由になったような印象を受けますが、廃藩置県により赴任してきた官僚は非情なほどの圧政を敷いた様子です。彼らにしてみれば、新しい国から命を受けて張り切って任地にやって来たのでしょうが、張り切り方の方向がちょっと違っていたようです。

民を見ず、自分の評価を得るために国の方ばかりを見ていたようです。結果、全ての山林は閉鎖されました。絞れるだけ絞り取る…と言う表現が正しいかどうかわかりませんが、ただでさえ貧しい山間部にあって、生命線である山を使えなくなることは死活問題です。

物語の結びは明治20年頃の時代です。若き日に理想を描き、維新に胸躍らせた主人公が、新しい体制に失望し、狂人となって寺に火をつけ、幽閉の中に生涯を終える所で完結します。このころに植えられた木が、現在では100年生を超える木に成長しています。

通常の建築用材は50〜80年生を使うので、100年を超えた材はお寺などに使う特殊材の部類に入ってきますが、それでも僕たちと多少なりとも係わりのあるものです。日々扱っている材木の歴史にも触れたような「夜明け前」でした。

余談ではありますが、本屋さんで「夜明け前ください。」と言うと、「在庫がないのでお取り寄せになります」と言われました。これが1軒や2軒ではありません。意地になって書棚に置いてある本屋さんを探して買いました。本屋さんも商売なので、売れ筋ばかり置きたがるのはわかるのですが、日本を代表する名作、大作くらいいつでも揃えておいてよ〜…と思うのは僕だけでしょうか?

いつだったか「本屋にトルストイがない」と嘆いておられた大先輩がいましたが、その気持ちがよくわかりました。
小野
2007.12.14
又々ノルマンディの写真です。このところ立て続けに写真が届きますが、少し余裕が出てきたのかな?なんだか四季便りがノルマンディ便りみたいになってきました…。

以下後藤君のコメントです。

シードル作り昨日はシードルを作りました!

ここのところ、天気もよく気持ちがいいですが何だか寒いです。

日本のような寒さではありませんが寒いですね。

現場の写真またメールしますね。
写真は林檎を絞り機に放り込む、フィリップと三男のジョイかな?

シードルは林檎の発泡酒です。ノルマンディはカマンベールチーズの産地として有名ですが、シードルやシードルをさらに蒸留して作る林檎のブランディ「カルバドス」の産地でもあります。

ブルターニュ方面にドライブすると、道の両側に自家製シードルを売るお店が並ぶ「シードル街道」もあるほどです。この時期は生牡蠣のスタンドもたくさん出ていて、好きな人にはたまらないことと思います。

霧の中を薄日が射し、冬なのに緑は青々と濃く、白い息を吐いて湿った空気を肺いっぱい吸い込む…けっして気候が良いわけではないのですが、この時期のフランスは大好きです。…というか、この時期にばかり行ってたのですけどね。

後藤君もこの空気感をいっぱい吸って、一生忘れない思い出を作って来てね。
小野
2007.12.11
ノルマンディーの「藁の家」の現場から、またまた写真が届きました。後藤君の赴任期間(?)も、あと2週間を残すばかりになりました。7月に上棟したことを思うと、進んだんだか進んでいないんだか良くわかりませんが、言葉の通じない職人たちとやり取りしながら、がんばっているようです。
材料の板吹抜けのあるリビングです。斜めの材木は、階段の位置を決めるための、仮の目印…かな?階段の後ろ側は、洗面と浴室になります。お風呂は日本風のゆったり浸かれる湯船にするそうです。
材料の板その吹き抜けの上部です。間仕切りの後ろ側が各個室、手前が吹き抜けに面した廊下です。

外周の壁は腰板も張れて、おおかた仕上がっている様子です。この壁の中に30cmの厚さの藁が詰まっているのです。天井板の上も藁がびっちり入っています。
材料の板高校1年生の長男クロードです。きっとこの家づくりは一生忘れないことでしょう。

…でも、なんで半袖なの??12月のノルマンディで。
材料の板これが後藤君です。おいおい顔みせろよ〜。彼のライフワークは現代美術の彫刻です。
小野
2007.12.05
四季の家工房代表の宇佐美です。初の四季便りですが、これからちょくちょく書きますのでよろしくお願いいたします。

今回は新しいメンバーの紹介をしたいと思います。名前は「森 正幸」と言います。森君とは旧宇佐美建築の頃から付き合いがあり、土岐市のK様邸名古屋市のK様邸関市のA様邸などの現場では一緒に家づくりをしてきた仲間です。家づくりの楽しさや考え方を共有でき、理解しあえる「友」でもあります。

実家の森建築の兼ね合いもあり、残念ながら四季の家工房スタート時のメンバーに加わってもらうことはできませんでしたが、僕は強〜いアピールと強引な誘いを続けてきました。その甲斐あってか、とうとう森君も四季の家工房の仲間になる決意をし、この11月よりスタッフとして加わることになりました。

…思い起こせば7年前、まだ独立したての頃には一人で家づくり(木工事)をしていましたが、今となっては良き仲間が増え、みんなでアイデアや意見なども出し合い、協力しながら楽しく仕事をしています。(みんな真剣なので、たまには衝突することも…。)

やっぱり打ち解けあえる仲間っていいですよね!これからもこんな仲間を増やしていきたいです。
宇佐美
2007.12.02
ダイニングテーブルのオーダーをいただいたので、材料を探しに白鳥の森林組合「木遊館」さんに行ってきました。ここは「木とふれあい探検隊」でもお世話になったところですが、ドライブイン的な立地なので日曜日もオープンしていてありがたいです。

まずは店頭にあるものをチェックしますが、なかなか寸法や予算にあったものが揃いません。幅が良ければ長さが足りないとか、寸法は良いけど予算オーバーとか、樹種が同じでも色目が合わなかったり、生物原料の難しいところであり、おもしろいところでもあります。

材料の板周辺に点在する倉庫をめぐって、なんとか写真の物を揃えました。それでも無欠点の物ではないので、「この節は活かして、割れた部分を取り除く」とか、「皮ははずして、虫喰いの穴はデザインに取り込む」とか、加工の段階でも悩みそうです…。

午後はとってかえして、大垣でFP(ファイナンシャルプランナー)のセミナーを受講してきました。FPの資格をお持ちの方は結構いらっしゃいますが、たいていは金融機関や保険会社の方です。なので、どうしても営業のための情報提供になるのは仕方の無いことだと思います。

しかし、本日の講師の方は独立したFPとして個人の人生設計をコンサルされている方でした。常に中立の立場で物事を判断されていましたが、立ち位置が違うだけで話の内容はずいぶんと変わるものです…。

しかも、このコンサル料がびっくりするくらいお値打ちです!住宅取得等で大きなローンを組む時などは、一度相談してみると良いかと思います。きっと損はしないはずですよ。ご興味のある方は小野までお尋ねください。
小野
2007.11.28
ノルマンディに渡った後藤君から、「藁の家」の進捗状況が届きました。以下後藤記です。

藁の家近況二階の間仕切りをたて始めました。

この間の日曜に、クロウドと二人で寸法を取り直しプランを立て直しましたが、それでも昨日今日となんだかんだ部屋の広さで家族がもめていました。

明日はトーマの部屋を一部やり直します。今はもうオサチューだらけになっていますが、目標は今月中に1階に下りること!…できるかな?

藁の家近況この写真は軒天を貼っているところです。ちょうどマミーの母屋の屋根を直していた屋根屋さんに機械を借りました。1時間の約束でかなり急いでやりましたよ!

トーマと二人で先端のバケットの中で奮闘しました。しかしこの重機は何に使うため?とクロウドに聞いたところ、「こうやって使うんだよ!」との答えが…。えっ!はっきり言って危ないんだけど…。まぁ無事終わったので良かったのですが…。

昨日、断熱材やらフロアに敷くコルクのボードなどを仕入れてきたので、また写真で説明しますね。面白い素材です。ここ2日は前回のように朝は8:45スタートの20:00までやってます!楽しくなってきました。
後藤君、早くも1ヶ月が過ぎようとしていますね。12月に入るとノエルの雰囲気も盛り上がってきます。霧に浮かぶイルミネーションもお見逃しなく!後半の1ヶ月は、これからどんどん寒くなるし陽も短くなるので、あんまり無理しないでね〜。

ついでに言葉の解説をちょこっとしておきます。クロードはフィリップの長男(16歳)で、トーマは次男(14歳)です。もうひとり三男のジョイ(12歳)もいるのですが今回は登場していません。マミーは彼らのお婆さんのことです。つまりフィリップの母親ですね。

オサチューとは「OSSATURE」のことです。フランス語でツーバイフォーの柱を意味しますが、語感が面白いので何故か日本人大工の流行語となりました。語源はオス(骨)だそうです。
小野
2007.11.23
今日は祝日で会社もお休みなので、お客様と一緒に設備メーカーのショールームに行ってきました。ユニットバスの仕様を決めるのが目的です。小野としてもこの秋に変わった最新のカタログが欲しかったので、ちょうど良い機会でした。

ショールームにわざわざ足を運ぶのは、やっぱり実物を見て決めるのが確実だからです。カタログでも選定はできるのですが、手触りや質感、光の反射の具合などを確かめるには実物が最適です。なんと、実際に湯船につかってみることもできます。…もちろんお湯は入っていないですけどね。

で、選んだ形状や色をパソコンに入れていくと、全体のイメージ図が出来上がってきます。それとは別に、本物と全く同質の材料でできた1/10位のイメージモデルを組み合わせていくと、これまたリアルにイメージすることができます。

デジタルとアナログ両面でのプレゼンの説得力は、1+1ではなくてそれ以上の効果がありますね。それを説明係の女性が「ちゃっちゃっちゃっ」とやってくれるので、さすがメーカーさんはうまい仕掛けを考えるものだなぁ…と感心させられます。

家づくりを考えてみえる方は、一度ショールームを覗いてみるのもおもしろいと思います。機能や質感をチェックしたり、掃除のしやすさを検証したりするには現物を見るのがイチバンです。

ショールームに行く時のアドバイスをひとつ。実際にお風呂(湯船)に入ってみることが大切ですので、脱ぎやすい靴と動きやすい服装がお勧めです。ブーツにミニスカートはやめておきましょう。
小野
2007.11.22
11月8日の四季便りで書いた「水屋」のその後です。

「鉄のことは鉄の専門家に」と、引き出しの金物の再生方法について鉄の専門家に相談してみました。専門家と言うのは「カフェささや」のご主人さんです。この方、お店を始める前は金型製作をやっていて、金属の特性や加工方法についてとても詳しいのです。ちょこちょこ相談に乗っていただいています。

今回ご紹介いただいたのが、N熱処理さんと言う工場です。ここでサンドブラストをかけてもらうことにしました。僕の住んでいる関市は刃物の町なので、金属加工の工場があちこちにあって、こういう時は助かります。

Nさんは、錆びた古い引き手金物を見て「どの程度きれいになるかわからないよ…」と言いつつ、早速マシンに投入。フタを閉じて、あとは待つこと5分間。マシンの中の様子は外からはわかりませんが、仕組みはいたって簡単で、高圧の空気で砂粒を吹き付けて磨く機械です。

で、5分後にフタをあけてびっくり!なんとピカピカです!…と思ったら「まだちょっと残ってるなぁ〜、もう5分やろうか」とNさんはまたフタを閉じてしまいました。と言うわけで、予想をはるかに上回る仕上がりに感激です!

この気持ちを誰かに伝えたくて、とりあえずその足でカフェささやのご主人さんに報告に行くと、「当たり前だよ。サンドブラストしたんだから」と素気ない反応…。そりゃそうですね、その筋の人なんだから当り前か。仕方ないので宇佐美を驚かしてやろうと工場に持って帰ると、思った通りのリアクションをしてくれて僕も大満足です。

ところがここでまた問題発生…きれいすぎるのです。いずれにしても、そのままにしておくと赤錆びになってしまうので何かしらの表面処理をしなくてはいけないのですが、ペンキを塗るのはちょっと違うような気がします。

できれば黒光りする黒錆がほしいのですが、意図的に黒錆を出すのはかなり難しい技が必要とのこと…刀のツバに黒錆をつける方法などは秘伝だそうです。

で、思いついたのが、材木のタンニンと鉄が水分で反応して黒くなる現象です。上棟後の梁の上に釘や金槌を置きっぱなしにすると、夜露で反応して翌朝には黒く染まってしまっていることがあります。よくカビと間違われるのですが、これは木と鉄と水のいたずらなのです。これを利用できないかと考えました。

柿渋をつけるタンニンと言えば、柿渋の渋味の成分がタンニンです。ためしに柿渋をちょっとつけてみたら、たちどころに黒変していきました。

こちらの写真は柿渋をつけたところです。ピカピカの部分と黒い部分の差がはっきりと出ています。
オガクズでこするこのままでは、反応によってできたぼろぼろの弱い被膜が表面にこびりついたままですので、オガクズでこすって余計なカスを取り除きました。

…う〜ん、イイ感じだ!ピカピカが落ち着いて「いぶし銀」のようになりました。赤錆びが出ては困るので、油にドポンとつけて今日のところはここまでとしておきます。
小野
2007.11.17
荻上直子監督の「めがね」を観てきました。前作「かもめ食堂」に輪をかけたユル〜い映画です。スクリーンいっぱいに広がる海と空の青が、全編にわたりゆったりとした空気感をかもしだしています。春という季節の設定もイイですね。

そして映画を印象付ける名脇役でもある、フツーのごはん達。食べ物を箸で口に運ぶという単純な動きの一場面一場面が、とても丁寧に描かれていました。ゴハンは工場で作られるのではなく、台所で作るものだということを再確認させられます。毎日毎日、ゴハンを作り続けてくれる妻に感謝ですね。

注目は加瀬亮さん演じる「ヨモギ」です。この人イイですね。「オリオン座からの招待状」でも、宮沢りえちゃんとイイ味をだしてましたし、「それでも僕は…」も良かった。正確な表現は忘れましたが、彼のセリフで「旅の始まりは何かのはずみだけど、旅の終わりは自分で決めなくてはならない…」というような意味の言葉がありました。うん、まさにその通り!

主人公のタエコと、20年前リュックサックを背負ってヨーロッパやアフリカを旅していた頃の自分の姿が、ダブって見えました。何となく旅の終わりを予感しつつも、ずるずると旅を続けていた自分。「旅を終わろう」と心に決めることは、新たなスタートを決断することと同じ意味をもちます。こんな感覚を味わえただけでも、放浪の旅を経験した甲斐があったのかなぁ〜と思ったりもします。

だから、いつか自分の子供にもひとり旅はさせてあげたいです。時間がたっぷりある若い頃がいいですね。無理やり「行ってこい」と突き放す必要もありませんが、自分から「旅立ちたい」と思えるような環境を作ってあげるのも親の役割かもしれません。

この映画は一般的には「癒し系」とか言われるのかもしれませんが、見どころはそれだけではないような気がします。ゆるいのが退屈に感じられる方にはお勧めできませんが…。
小野
2007.11.15
現在、古いお宅をリフォームしています。とっても広い家を二人のお婆さんでお住まいなのですが、何故か寝起きしている個室は奥まった暗いお部屋を使われていました。そこで、南側の玄関横の使われていないスペースを寝室に改造する工事をしています。

昔の家は、土間から床までの高低差が大きな作りが多いです。高温多湿の日本ならではの暮らしの知恵なのですが、高齢の方にはかなりの障壁になっていることも事実です。このお宅も例外ではなく、土間から床までの高さが約50cmもありました。
水屋日本家屋の玄関の趣を壊さずに、この段差をいかに吸収するか…色々とイメージを巡らせて描いたのがこのスケッチです。

寝室からまっすぐ玄関に下りるのではなく、一度曲げることによって道程を長くました。それにより段数も稼ぎ、一段の高さを12cm程度にできました。土間に対してまっすぐ下りないので、恐怖心も和らぐはずです。
取っ手で、できたのがこの写真の状態です。これに柿渋で着色して、完成となります。
新築と違い、リフォームは現状に合わせて作っていかなくてはならないので、きっちりとした図面を作成することはできません。それよりも、スケッチで「完成のイメージ」を考えて、「作り方」は現場で判断した方が完成度が高くなる場合が多いです。

スケッチはお客様への提案ツールであると共に、自分自身の頭の中を整理できたり、大工とのコミュニケーションツールに使えたり、色々と役に立ってくれる有効なツールなのです。
小野
2007.11.12
残念ながら今日は天気が悪いですが、よく晴れた秋晴れの日には畳を干してみてはいかがでしょうか?時期的には1ヶ月くらい前がベストシーズン?だったと思いますが、話題にするのを忘れていました…ゴメンナサイ。

僕が子供の頃は、春と秋の風物詩のように庭先に畳を立てかける風景を良く見かけました。僕たち子供はと言うと、その中をくぐって遊んだり、倒してしまって怒られたり…懐かしい思い出です。でも、最近はあまりこの風景を見かけなくなりました。

干す場所が無いということや、干す暇が無いなんて理由もあるのかもしれませんが、モノが増えたということも畳を干さなくなった一因だと思います。畳の上に大きな家具を据えてしまうと、事実上畳を上げることはできなくなってしまうからです。

住まいのつくり手としては、畳の間であっても、家具が置かれることが想定される位置…例えば壁際の45cmくらいは、板張りにしてしまうこともご提案しています。ちょっとした工夫で、畳を快適に使うことができるようになるんです。

畳は干すことが大前提です。良く干された畳は本当に気持ちがいいです。逆に、湿っぽい畳ほど気持の悪いものもありません。もしも干せないのであれば、畳をちょっと持ち上げて裏側に空気を通すだけでも効果はあります。

具体的に説明すると、畳の片方を持ち上げて畳と荒床の間に何か物(空き缶などでOKです)をかませます。この状態で半日置けば、かなり状態は良くなるはずです。一度お試しください。
小野
2007.11.08
水屋現在、とっても古い家の一部をリフォームしています。

お客様から「これ、どこかに使えないかなぁ」と相談されたのが写真の水屋です。長い間、納屋の中で眠っていたのでかなり埃をかぶっていましたが、作りは大変良くほとんどガタも来ていません。

工場に持ち帰って掃除と点検をしました。古い物なのでそこらじゅう細かいキズは付いていますが、本体は修理が必要なほどでもありません。柿渋とオイルで磨けば、歴史を刻んだ表情を残したままきれいに再生できると思います。

取っ手取っ手の金属部分はかなり錆が進行おり、これをいかに使うかがポイントになりそうです。新しいものに交換してしまうのがてっとり早い方法ですが、どうもそれはしっくりきません。…さて、どうしたものかなぁ〜。

引き渡しは年末ですので、新しい年を生まれ変わったモノたちと迎えていただけるよう、試行錯誤してみます。
小野
2007.10.30
上映時間167分ということをノーチェックでふらっと観に行ってしまった「グッド・シェパード」…第二次大戦とその後の冷戦を背景に、CIA創設期を描く長く重たく、秋の夜長にはぴったりの見ごたえ十分は映画でした。

諜報モノですが、ほとんどと言っていいほどアクションは出てきません。暗く重圧的な映画です。決して気が晴れるような内容ではないので、007を想像して観に行かれる方にはあまりお勧めでないかも…。特に最初の1時間はストーリーの展開がなく断片的な状況説明が続くのですが、頭の中で整理する作業と見る作業を同時進行させるのに本当に疲れました。(僕だけかも…?)

ストーリーには触れず、見どころをちょこっとだけ…。何といってもマッド・デイモンの無口&無表情がイイ!CIAという組織の陰の部分を、彼の仏頂面がすべて物語っています。デビュー作の「グッド・ウィルハンティング」を見た時から、陰気な秀才振りが何と似合うのだろうと思っていましたが、今回のはまさにハマリ役です。

そして、彼に関わる二人の女性。一人は言わずと知れたアンジェリーナ・ジョリー。あの唇は一度見たら忘れません!なんだか、もったいないくらいチョイ役的な扱いでしたが、若き日の天真爛漫なお嬢さんよりも、不幸が板についた40代のほうが印象的でした。

そしてもう一人は、学生時代の恋人の耳の不自由な女性です。(スミマセン、誰だかわかりません。) この人が結構イイ味出してました。特に浜辺のシーンが良かったです。

最近のこの手の映画は、取材がしっかりしているのか脚本が優れているのかわかりませんが、とっても完成度が高いモノが多いと思います。デカプリオの「ブラッド・ダイヤモンド」などもそうでした。なんだか、綿密な設計図で建てられた建物を見ているみたいです。

あまり映画のことを書くのはやめておこうと思っていたのですが、いいなぁと思う映画は一人でも多くの人に見てもらいたいのでちょこっと書いてしまいました。特に11月は気になる映画が目白押しです。毎週観ても間に合いそうにありません!
小野
2007.10.23
宇佐美の友人のTと言う大工さんに頼まれて、屋根作りのお手伝いに行ってきました。この大工さん、けっこうカッコイイ家を作る人で、普段は設計も大工仕事も全部一人でこなしています。とは言え、上棟や屋根など一気にやってしまわなければならない仕事がある時は、仲間の応援を呼ぶわけです。

頼まれれば、よっぽどのことでもない限りお引き受けするようにしています。こちらで手が欲しい時は、逆にお願いすることもあるのでお互い様です。それに、よその建築現場を見ることはとても良い刺激になります。だから、たまにあるこう言う機会は、応援に行く方としてもけっこう楽しみだったりもします。

今日は屋根の断熱材と通気層を作る作業でした。仕事自体は何も難しいことはないのですが、下ごしらえが大変綿密だったので作業がとてもスムーズでした。

断熱材は幅・長さ共に丁度良い寸法にあらかじめカットされていて、それを軒先から上の方に順番に敷いていくとちょうど棟の位置で止まるようになっています。しかもニクイ事に、棟が合わさる位置が屋根の勾配に合わせて斜めにカットされていますので、両側から登ってきた断熱材が頂点でぴったりくっつくようになっています。

これって簡単そうで案外難しいんです。で、これがうまくいくと大変気持ちが良いのですが、かと言って自慢するわけでもないのです。照れ隠しに「もうちょっと隙間があくはずだったんだけどなぁ〜」なんて言ってましたが、きっと心の中でニヤリと笑っていたはずです。
小野
2007.10.18
ガソリンの価格が上がっていますが、一部の建材類(合板など)の価格は多少下がりました。ほんの数ヶ月前までの、異常とも言えるほどの高値はいったい何だったのでしょう?たいていはガソリン価格につられて他の物価も上下するのですが、今回は逆の動きです。察するに、どうやら6月20日の建築基準法の改正に関連しているようです。

建築確認の審査内容が厳しくなり、提出する側も審査する側も非常に混乱しています。確認検査機関や行政によって対応が違ったり、「様子見」も含めて全体の着工数が急激に減少しています。

業界内では改正以前から懸念されていたことですが、ようやく新聞などでも取り上げられる社会現象になってきました。前年比43.3%ダウン…と言うのですからハンパな数字ではありません。中小工務店(ウチのこと?)にとっては死活問題です。

合板の一時的な高値に関しては、「どこかの大手問屋が出し渋っている」とか「○○ハウスメーカーが買い占めている」とか色々な憶測も流れましたが、あれはいったい何だったんでしょうか…。結局、需要が減っての大放出ということなのでしょうか…。

四季の家工房としては、合板はそんなに多用するわけではないのですが、床面の剛性をとるための厚合板は欠かせないアイテムです。嬉しいんだか悲しいんだか、よくわからないご時世です。
小野
2007.10.14
安桜山の桜植樹会に行ってきました。先月草刈をした広場は、更に場ならしがされていて植樹のポイントも表示されていました。準備の皆様ありがとうございました。ウチの植樹場所はベンチのまん前で、花見時にはちょうど良い位置でした。

植樹を終えたら、最後に子供たちが風船を空に放ってセレモニーの締めとなります。晴天無風の中、ふわふわと空に昇っていく風船は見るもの全てを童心に戻してくれますね…皆、空を見上げていい顔をしていました。風船はもちろん生物分解されるものとの配慮もされていました。

夜は、フランスに旅立つ後藤君の壮行会…という名目でパーティーを開きました。1年半ノルマンディーに滞在した料理人のケイタ君も丁度先月帰国していたので、長野からわざわざ駆けつけてくれました。

ケイタ情報によると、「藁の家」はボツボツとゆっくりしか進んでいないようです。主戦力の子供たちの学校が9月から始まったのと、料理人兼大工?のケイタ君の帰国で実働部隊がいないことが原因のようです。

たまにニコラ達が来てちょこちょこっといじってはいくようですが、目に見えた動きはないようです。11月には2週間の秋休みがあるので、子供たちと後藤君が合流して、少しは進捗が見られるかもしれません。

パーティーの会場は関市の「カフェ・ささや」さんにお願いしました。以前、お店作りに協力させていただいたので自分で言うのも何ですが、隠れ家的で落ち着くお店です。料理は奥さんの心づくしのお任せメニューで、材料や器、盛り付けまでもがこだわりの家庭料理!週休3日(日月火)ですが、お近くにお寄りの際にはどうぞご利用ください。
小野
2007.10.11
100%自然素材の左官材料(塗壁)のメーカー「高千穂」さんの商品説明会に行ってきました。既に四季の家工房では定番の材料になっているのですが、最新の情報やさらなる施工テクニックを習得するため、左官の山口業務店の山口さんを伴って参加してきました。

会場には設計事務所、工務店、左官職人といろいろな方面から人が集まっていました。前半はパワーポイントを見ながらの商品説明でしたが、「健康」「安全」「自然」の3本柱に加え、消臭効果や調湿効果、化学物質の吸着効果など壁の持つ機能をわかりやすく説明していました。

左官実演後半は会場に壁下地のボードや練り合わせた材料が登場して実演の時間です。居ても立っても居られないような左官の職人さんが飛び入りでコテさばきを見せてくれます。

なでたり、こすったり、カキ落としたりしながら壁に模様をつけていきます。皆さん少しずつ手つきが違っていて、見ていて飽きません。施工する人によって違うところが左官仕上げの面白いところです。

説明会終了後も個別に質問したりなかなかの盛り上がりで、山口さんも熱い思いをぶつけていました。こういう材料が特殊なものではなく、ごく普通に使われるようになるといいなぁと思います。

そのためにはメーカーさんに少しでも安く提供できるように努力してもらって、私たちも勉強していかなければなりません。そして何より建て主さん自身も勉強して意識ある家づくりを楽しんでもらいたいと思います。
小野
2007.10.9
先日プレカット工場からもらってきた柱の端材を、ようやく小学校に納品?して来ました。サイコロ状にカットするのは、堀部さん小林クンが手の空いた時間にやってくれたので、小野は運んだだけです。

300個と言うとけっこうな量になります。軽トラの荷台に軽く一杯といった感じですが、荷降ろしは下校途中の子供たちが手伝ってくれたのであっという間に終わりました。「すげ〜いい匂いがする」と、材木に鼻をこすりつけている子もいました。

さっそく明日から制作が始まるそうですが、きっと教室中が桧のいい匂いになるのでしょうね…。やっぱり体感してもらうのが一番です。それだけでも材料を提供した甲斐があります。

個々が作った作品を積み上げて大きなひとつの作品にするそうで、完成した作品は11月に関市役所に展示されるとのことでした。楽しみですね。
小野
2007.10.7
見たかったのに見逃していた映画「フラガール」がTVで放映されました。確か去年の今頃、話題になっていた作品です。その頃は現場がちょうど3つ重なっていて、映画を見に行けるような状態ではなく、タイミングを逃して、その後は記憶からも遠のいていました。

新聞のTV欄を見たら「あっ、フラガールやるんだ〜。」と思い出しました。小学校1年生の息子も「フラダンスの映画見たい!」と、張り切っています。母はダメと言うけれど、連休中でもあるし、たまの夜更かしはいいでしょう。…ということで、TVで映画を見ることはめったにないのですが、珍しく家族揃っての映画鑑賞会?となりました。

案の定質問攻めにされます。「あの人、何で顔がまっ黒なの?」に始まり、「あのバス、ぼろいねぇ」「何飲んでるの?」「あの人、なんで返事しないのかなぁ?」「あの人、本当は一緒に来たいんでしょ」…1年生には難しすぎると思ってましたが、結構細かい所も見ているようです。人の気持ちを読み取れるようになったとは、彼も成長しているんですね。

映画の方は、評判通りの素晴らしい内容でした。願わくば、スクリーンでもう1回見たいものです。
小野
2007.10.3
息子の通う小学校の先生からのご依頼で、工作用の材木を提供することになりました。そもそもの発端は「端材でよければトラック一杯でも用意しますよ!」と言う僕の軽い一言からなのですが、実際に依頼を受けた内容は「10センチ程度のサイコロ状の木を300個」と言う内容です。ヒェ〜ッ、寸法指定ときたか〜、しかも300個とは!!

正直少々面食らいましたが、まぁなんとかなるだろう…と更なる安請け合いをしちゃいました。これ、もちろんボランティアなんですけどね。子供たちが木と親しんでくれるなら、一肌脱いじゃいましょう。

10センチのサイコロと言うと、柱をぶつ切りにしたようなものです。柱の端材といえば、プレカット工場がピンときます。そこで、「木とふれあい探検隊」でもお世話になった、長良川ウッド協同組合さんに事情を話すと快くOKをいただきました。

トラックで伺うと、すでにパレット積みされた荷物が3つも用意されていました。「全部持て行ってもらっていいですよ」とのことでしたが、エ〜これ、ありすぎ〜!

と言うわけで、30〜50センチ程度の端材を100本ばかり積ませていただきましたが、持って帰って空いた時間を見繕って10センチにちょん切るとするか…。
小野
2007.9.27
とある方から、映画「ガイアシンフォニー第6番」上映会のご案内をいただきました。実は僕はこの映画の大ファンで第1番〜第4番を見ています。第5番を見る機会を逃したまま、第6番の案内をいただきました。

何故機会を逃したのかと言うと…この映画は一般の興業とはちょっと違って、自主上映会による上映しか行われていないのです。でも、ひとつ見逃して次のを見ても全然問題はありません。映画そのものにストーリーはなく、インタビューが淡々と続くドキュメンタリー映画です。なのに、何でこんなに感動するのか?どこから熱いものがこみ上げてくるのか?全く不思議な映画です。

スポットを当てる出演者は、冒険者、研究者、サーファー、おにぎりを握るおばさん(失礼!)…と、分野は様々です。でも、共通して言えることは「天から与えられた使命を淡々とこなしている人」と言えるのではないでしょうか。皆さんとても穏やかで、究極の平常心とでも言いましょうか…。

「生かされている」と言う表現がありますが、この映画を見ると、生かされていることに改めて気付かされます。だから、内側から感動がこみ上げてくるのだと思います。「さぁ、感動してください!」と言わんばかりの、感動押し付け映画とは一線を画します。

「ガイアシンフォニー第6番」は、9月30日(日)13時より、岐阜市の未来会館長良川ホールにて上映されます。残念ながら、この日僕は予定があって見に行けないんです〜…。

マーサ21インフォメーションカウンター他でチケットを購入できます。後悔させません。ぜひ観に行ってください。問い合わせ先など詳しいことが知りたい方は小野までメールください。
小野
2007.9.24
安桜山(あさくらやま)の桜植樹会に参加してきました。安桜山は、僕の住んでいる関市の中央にある標高152mの山で、関で「山」と言うとこの安桜山を指すほど、市民に親しまれている山です。

植樹の会場となった安桜山公園は、この山を南北に貫く「わかくさトンネル」の南口真上にあるのですが、現在は草ぼうぼうで訪れる人は皆無…と言ってもいいくらい荒れています。昨日は植樹の準備段階の草刈り作業に親子で参加してきました。

朝9時に市役所の駐車場に集合して、そこから約30分徒歩で現場(なぜかゲンバと言う表現になっちゃいます)に到着です。参加者は100人くらいでしょうか…軍手とカマを借りて作業開始です。

子供達も結構がんばりました。カマでスパッと草を伐る感触が心地よいのか、「うぉりゃ〜」「とりゃ〜」と掛け声が聞こえてきます。…しかし、それもつかの間。バッタを追ったり、ドングリを拾ったりに興味の矛先が変わっていきます。まぁ、それもOK。楽しんでくれればいいんです。

草ぼうぼうの広場も、マンパワーで午前中にはすっかりきれいになったので、シートを広げてお弁当。午後にはオリエンテーリングで安桜山を散策しました。

この植樹会は、関の青年会議所主催のイベントです。いつも塗装工事をお願いしているペンキ屋さんのご紹介で参加させていただきました。関係の皆様ありがとうございました。そしてお疲れさまでした。

10月13日には本番の植樹が行われます。
小野
2007.9.22
今日は「岐阜木造塾」に行ってきました。年間を通して数回の講座があるのですが、今回のテーマは耐震改修でした。

耐震に関しては、以前マニュアルの解説・運用方法をテーマにした講習会に参加したことがあります。とっても実務的な計算の連続で、脳みそをフル回転させなくてはついていけない内容…終わった時には頭がボーっとするほどでした。

今回の講師の先生は、その耐震診断・耐震改修のマニュアルづくりに携わられた方です。マニュアルの元になる被災地の調査報告からは、ずいぶん足を使ってヒヤリングしたり資料を集めたりしたことが伝わってきます。又、公開実大実験の緊張感など、リアルでためになるお話をたくさん聞かせていただきました。

以前は「こんなにブ厚いマニュアル、誰が作ったんだろう…」と思っていましたが、地道なフィールドワークがあってのことなんだなぁと感動しました。マニュアルの運用を託された私たちとしては、身が引き締まる思いです。

夜は、関市のイベントで「名月と萩の夕べ」に行ってきました。途中雨に降られましたが、チェロの生演奏はなかなかしみますねぇ〜。例年はもう少し秋の夜っぽいのですが、今年は何となくもわぁ〜っとした蒸し暑い夜でした。
小野
2007.9.21
ハシゴこの前の日曜日に我が家で使うハシゴを作りました。5月の連休に息子の使うロフトを作ったのですが、ハシゴまでは手が回らず、その間ず〜っと机からよじ登っていました。「早く作って!」と言われつつ、4か月以上経ってしまいました…大変お待たせいたしました!!

2cm厚のパイン材で踏み板を作り、2.5cm×6cmの親板(両側の竪桟)に切り欠きを入れてはめていくだけの簡単な作りにしました。これだけでもいいのですが、ここでちょっと思うこともあって親板に溝を彫ってみることにしました。昇り降りする時にちょっと指がかかれば握りやすくならないかなぁ…との思いです。

仕事で造る時は、寸法を決めるという行為にかなり慎重になります。特にツマミや手掛けなどのように実際に握って使うものは、必ず試作を作ってみて使い心地を確かめてから、寸法を決めるようにしています。工場の2階で図面を描いているので、思い立った時すぐに試作を作れるのは大変便利です。材料も道具も揃っていますから。

ただ、この時は「まぁ、ためしにやってみよう」と言う気軽な気持ちで、テキトーな位置に溝を彫ってみました。…そうしたら、大失敗でした。部材の寸法と、子供の手の大きさと、溝の位置が全然しっくりきません…要は「使えない」です。

やっぱり拙速はいけませんね。
小野
2007.9.18
先日書いた「忘れぬは思い出さざる候」でもうひとつ。忘れようにも忘れることができないと言う本来の使い方に近い…かな?

仕事のことが頭にこびりついて、片時も離れないことが日常化しています。良いことなのかもしれませんが、ゴハンの時も寝る時もこんな状態がず〜っと続くと結構疲れます。

気分転換の方法は皆さん色々お持ちでしょうが、僕の気軽な気分転換は映画を見に行くことです。ほぼ毎週通ってますが、特別コアな映画ファンではありません。ジャンルも特に問いません。その時やっている映画なら何でもOKです。

おもしろかった映画もそれほどじゃなかった映画もありますが、映画上映中の2時間前後の時間は映画の世界に入りきっているので、全てのことを忘れることが出来ます。これがとても良いリフレッシュになるのです。

たいていは夜8時以降のレイトショーに行くので、料金も1000円だし、コーヒー代を入れても1250円…安上がりな気分転換です。以前は岐阜まで通っていましたが、数年前に自宅から5分のところにシネコンができたので重宝しています。

それにしても人間の脳みそは本当に複雑なんですね。忘れたいことは忘れられないのに、忘れてはいけないことはころっと忘れてしまいます。困ったものです…。
小野
2007.9.15
「忘れぬは思い出さざる候」誰の言葉かはわかりませんが、思い出すということは一旦忘れるからこそ思い出すことができる…と言う意味合いを持ちます。この言葉は「忘れようにも忘れることができない」という気持を表現する時に用いられていたようです。

モノ作りをする人間は、とにかく色々な物を見るんです。「見なくてはいけない」のではなくて「ついつい見てしまう」のです。何を見ているのかと言うと、周辺環境との関係や、太陽や風の動きとの関係と言った大きなこと、そして単体としての形や細かい部分の造りと言った小さなことまで、様々なことを見ています。

特にモノとモノとが取り合う部分、納まりとかディティールとか呼んでいますが、そういった部分などは念入りに、気がつくとジロジロ見てしまいます。僕たち大工は「どうやって作ったのか」とか「どうやって支持しているのか」とか「どんな道具を使って作ったのか」とか、このようなことについつい思いが巡ってしまうのです。

建物だけではなくて、家具や道具、小物など、又、住み方や使い方と言った形のないことまで、気になりだしたらキリがありません。モノは正直なので、心の中で質問を投げかけると必ず答えを返してくれます。なので、良いモノは見ていて飽きません。

で、見たことはさっさと忘れるようにしています。忘れるというよりも、頭の一番奥の方の引き出しの中にしまいこんでしまいます。

いくら良いと感じたモノでも、見たままをコピーするのはただの「サルまね」にすぎません。でも、たくさんモノを見ておくと、例え忘れていても何かの拍子にそれがぴょこんとアイディアとなって浮かび上がってくることがあります。半年前の記憶であったり10年前の記憶であったりまちまちですが、それが意図するものにしっくり来ればしめたものです。

だから「忘れぬは思い出さざる候」…無理して覚えていないで、忘れちゃうのも手です。
小野
2007.9.12
この夏のマイ・ブームは?と聞かれたら、迷わず「カキ氷」と答えます。実はカキ氷はそんなに好きだったわけではないのですが、家族の意見に押されて氷かき機を購入したのは夏休みが始まる頃のこと…。カキ氷が好きとか嫌いとかではなくて、赤や緑のシロップが好きではなかったのです。

そこで試しに、かいた氷に洋ナシのジャムを乗せてみました。そしたら、これが結構いけます。ちょっと甘すぎたので、林檎ジュースを少々たらして味の調整をしてみました。…ウン、なかなか美味しいではないですか。

これが私に火をつけました。次々に色々なレシピが思い浮かんできます。「キャラメルソースとメイプルシロップ」「梅シロップにカルピス少々」「杏ジャムに濃い目のアールグレー」ミントの葉っぱも添えたらいいかも…。コンセプトはもちろん「大人のカキ氷」です。

ひとつ極めつけのレシピをご紹介します。カキ氷の上にバニラアイスクリームを乗せて、その上から半分凍らせた林檎ジュースをドロっとかけます。最後の仕上げに、ノルマンディのフィリップの農園から持ち帰ったカルバドス(林檎のブランディ)をほんの少したらします。これ、めちゃめちゃうまいです!カキ氷を超越したうまさです!

まだ試していませんが、カンパリやシェリー酒のようなちょっと甘めのお酒と組み合わせてもいけると思います。などなど…イメージはとどまるところを知りません。私は普段お酒は飲まないんですが、ちょっとこの夏は異変が起きています。

ようやく涼しくなって「やれやれ助かった」と思いつつも、強烈な残暑がぶり返すのをちょっと心待ちに?しています。
小野
2007.9.10
庇の加工 先日書いたDIYの庇の加工が、ようやく出来上がりました。(手があいた時にちょっとずつやっていたので時間がかかりました…。)

材木の端部に「い二」とか「は二」とか書いてあるのが、番付(ばんづけ)と呼ばれる符合です。この符号にあわせて、土台・柱・桁、と組み立てていきます。

規模が大きくても小さくても、木造の建物ならば理屈は同じです。建物の柱が建つ位置に碁盤の目が来るように、東西南北に線を引いていきます。従来の木造の柱間隔だと91cm(3尺)間隔の碁盤の目になりますが、最近では間隔を1m丁度にするメーターモジュールと言う寸法体系も一般化されてきました。

この碁盤の目の南北軸に「い」「ろ」「は」「に」とひらがなを振り、東西軸に「一」「二」「三」「四」と漢数字を振っていきます。例えば「は」の南北軸と、「五」の東西軸が交わったところを「は五(ハのゴバン)」と呼ぶのですが、この「は五」の位置に「は五」と書いた柱を建てていくので、部材がたくさんあっても迷うことはありません。

更に、柱に番付を振る(書く)位置は柱の南面と決められています。こう言う「約束事」が大工の世界には今でも残っています。「約束事」があるからこそ、上棟の時に応援の職人を呼んでも番付を見ただけでスムーズに現場が進んでいくのです。

少人数でじっくり時間をかけて刻み(加工して)、大人数で一気に建ち上げるのが、日本の木造の建て方です。「a」「b」「c」でも「あ」「い」「う」でもよいのでしょうが、何故か未だに「い」「ろ」「は」なんですね…。

ところで「いのイチバンに○○する…」と言う表現を聞いたことがありませんか?とにかく一番最初にやってしまおうと言う時に使われますが、最近はあまり聞かなくなったかな。サザンの昔の歌に「いのイチバ〜ンに…♪」なんて歌詞がありましたが、これ大工言葉です。要するに「いの一番」の柱を最初に建てるのが縁起がいいということなんですね。
小野
2007.9.8
昨年お引き渡しをしたお客様のところに行ってきました。ふと外壁を見ると、上部に何やら雨だれのような白いシミが…。下を見るとヒジキを短くした様な黒いツブツブが散らばっています。

…コウモリです。お客様のお話によると、毎晩夜になるとやってきて鈴なりにぶら下がっているとのことでした。どうやら外壁上部にある換気見切りの穴が、ぶら下がる足がかりにちょうど良いようです。幸い小屋裏には入っていないようですが、鈴なりのコウモリは気持のよいものではありませんね…。

コウモリについてはあまり知識がないので早速調べてみました。「蝙蝠」と書いてコウモリと読みます。字の如く、中国では福をもたらす縁起の良い生き物なのだそうです。こう言った、縁起が良いとか悪いとか、ちょっと迷信めいたことにも何がしかの根拠はあるものです。

コウモリの場合は、害虫をたくさん食べる益獣(コウモリは哺乳類)なんですね。そのため駆除は法律で禁止されています。一晩で蚊を500匹も食べてくれるそうです。鈴なりのコウモリは…実は何万匹もの防虫効果があるんですね。

そして糞は、窒素やリン酸を多く含む良質な肥料となるので、わざわざ輸入している業者もあるそうです。「蚊」がコウモリのおなかを通ると「肥料」になるんです。そう思うと「気持ち悪い」が「カワイイ」に思えてくるので勝手なものです。

お客様には、駆除はできないのでなるべく来なくする方法を提案しようかと思います。「キラキラしたものを取り付ける」「強い光を当てる」「コウモリのいやがる超音波を出す」「壁から少し離してワイヤーを張る」「強いにおいをつける」…いろいろな手が考えられますが、コストや見た目を考えてワイヤーが良いかなと思います。
小野
2007.9.5
セルフビルドのお手伝いこのところ四季の家工房の大工たちは、ちょっとしたリフォームや修繕の仕事で外の仕事が続きましたが、今日は久しぶりに工場での作業でした。

これ、実はセルフビルドのお手伝いなのです。目隠しフェンスと小さな庇が一体になったようなものを日曜大工で作るそうですが、組み立てたり板を打ち付けたりは自分達でできるので、柱と桁の仕口(ホゾとホゾ穴)を刻んで欲しいとのご依頼でした。

お客様から直接依頼を受けたわけではないのですが、四季の家工房に出入りしている材木屋さんから頼まれてお引き受けしました。

こういうことって、どこに頼んだらいいのか案外わからないものなのかもしれません…。建築会社に直接依頼するのはちょっと気が引けるでしょうし、ホームセンターではここまでの加工はできません。知り合いに大工がいるならともかく、個人の大工がどこにいるのかなんて見当もつかないでしょう。

そこで材木屋さんを頼ったのだと思います。…これ正解ですよ!材木屋さんは、けっこう色々な情報を持っています。それは「材木=生物」と言う、元々特殊な商材であるがために、情報のネットワークをとても大切にしているからです。ある物だけを売っていても、商売にはならない世界なんですね。

この話題、詳しくはまたの機会に…。
小野
2007.9.4
四季の家工房が地盤保証と瑕疵保証を受けている、ジャパンホームシールド株式会社(JHS)さんの主催するセミナーに宇佐美と二人で参加してきました。建築士法や建築基準法、そして建設業法と、耐震偽装事件を機に住宅産業にかかわる法改正がこのところめまぐるしく続いています。今回は今年の5月に成立した「特定住宅瑕疵担保責任の履行の確保等に関する法律」に関するセミナーでした。

元々現行の法律でも、私たち住宅の作り手には「構造耐力上主要な部分」又は「雨水の浸入を防止する部分」に関して、10年間保証する義務があります。しかし、実際に保証できるかどうかは個々の建築屋さんの台所事情によってまちまちです。「エッ?そうなの?」と思われるかもしれませんが、事実毎年膨大な数の紛争が起きています。

そこで四季の家工房では、保証の裏付けとしてJHSの地盤保証と瑕疵保証を受けています。こういった保証は現在の所任意ですが、上記の法律が施行される2009年秋には完全に義務化されます。この任意の保証…自動車でしたら任意保険に加入するのは当たり前になっていますが、住宅の瑕疵保証を受けている割合は全体の4%にも満たないそうです。同じ業界にいる一人として、この数字はちょっと複雑な気持ちです…。

こういった保証を受けるためには保証機関による各工程の検査に合格しなければいけませんので、2年後の法施行を見越し、私たち住宅の作り手に十分な情報と準備期間を提供すべく、今回のセミナーは開催されました。

今回のセミナーに参加し、「四季の家工房は今までと同じ事をしていれば全く問題なく新しい法律に対応できる」ということが再確認できました。もちろん保険はあくまで保険ですので、事故を起こさないよう細心の注意を払い仕事をすることが一番大切なことです。
小野
2007.9.1
夏休み最後の土曜日を親子で木に親しんでもらおうと、「木とふれあい探検隊」を開催しました。「NPO岐阜・楽しい家づくり研究会」が企画する見学ツアーですが、小野もスタッフの一人として快晴の奥美濃・白鳥を半日楽しんできました。

まずは白鳥森林組合のお店「木遊館」さんで、電気ペン(焼きゴテのようなもの)を使って木に絵を描くウッドバーニングを体験してもらいました。今日は特別に木遊館さんから栃の木で作ったベースをプレゼントしていただきましたので、そこに電気ペンで線を描いていきます。

煙が目にしみたり、アッチッチッなんてこともありましたが、皆さん思い思いのイラストが出来上がっていきます。最後に紐を通してペンダントにしたり磁石を付けたりして完成です。

この木遊館さんには、木工品や製材したままの一枚板などが数多く展示販売されています。お気に入りの板を見つけて加工してもらえばオリジナルテーブルの出来上がりです。又、建物だけでも見ごたえ十分です。木造の大空間で木組みを見ているだけでも時間を忘れますよ。

後半は、プレカット工場「長良川ウッド協同組合」にて、材木の製材からロボット化された作業ラインのプレカットまで、普段なかなか見ることのできない工場の内部を見学させていただきました。

「プレカット」と言う言葉はあまり聞かないかもしれませんが、材木に仕口加工(ほぞやほぞ穴、欠き取りなどの木組み作り)をする工場です。昔は大工が手で刻んでいたのですが、今日ではコストやスピードなどの面でプレカットが主流になっています。

私たち大工にとってはちょびっと寂しい気持もしますが、自分たちの満足感のためにお客様に高い買い物をさせるわけにはいきません。新しい技術にはアンテナを張り、受け入れるべきは受け入れ、利用すべきは利用するというのが私たちのスタンスです。

でも機械はやっぱり機械です。手でなくてはできない作業もたくさんあります。いざという時に腕を振るえるように常日頃の研鑽も大切です。

…おっと脱線。話を工場見学に戻します。

特筆すべきは1本の木を余すことなく利用するシステムです。丸太はいきなり製材されるわけでなく、まずは皮を剥かれます。材木の端材を紙の原料のチップにする時に皮が付いていると最低ランクの紙にしかできないからです。

皮を剥いてから製材すると、出てくる端材も真っ白な木の部分だけなので、チップとしての利用価値も数段に上がるとのことでしたが、やはり「ひと手間を惜しまない」ことはどんな世界でも大切ですね。さらに剥いた皮は粉々に粉砕されたうえで発酵させ畑の肥料になるそうです。

地元の長良杉を愛し、流域の森林を愛する姿勢が端々に感じられた「木とふれあい探検隊」でした。
小野
2007.8.31
洗濯物が乾きません…。涼しくなったのは助かるのですが、小さな子供のいる我が家ではすぐに溜まってしまう洗濯物の干し場所に困っています。(…って、洗濯しているのは妻ですが。)そこで我が家では、脱衣室に除湿機を置いて衣類乾燥室として使っています。これが結構よく働いてくれて、通常の量なら2〜3時間で乾くし、電気代もそんなにかからないようです。

ところが、この除湿機が近頃調子が悪いのです。ちょっと運転すると、熱を帯びて自動停止してしまいます。冷ましてから再度試みても結果は同じです。蒸し暑い日には特に顕著になります。(除湿機の意味なし〜…。)

まあ10年以上も使っていますので、「そろそろかなぁ」と言う気もします。…なんてことをほのめかすと、女房の目がキラリと光って「じゃ、ついでに洗濯機も!」なんてことになりかねませんので、迂闊なことは言えません。でも今度買うなら、以下のようなことに気をつけて機種選びをしようと思っています。

まず除湿方法は大きく分けて2タイプに分かれます。コンプレッサータイプとゼオライトタイプです。コンプレッサータイプは高温時の性能が良くて、そこそこパワーがあります。ゼオライトタイプはどちらかと言うと低温時に効果があります。運転音も静かなので、冬場に居室の除湿をお考えの方に適していると思います。

我が家はコンプレッサータイプで、なるべく運転時の室温が上がらない物を欲しいと思っています。今使っている除湿機は結構室温が上がるので、洗面化粧台に置いてある化粧品がトロトロになってしまいました…。

排水方法は水をタンクに溜める方法が一般的ですが、タンクに溜めるタイプは、いちいち溜まった水を捨てるのが面倒ですし、タンク内にカビが発生したりもします。面倒だけならまだしも、カビの混ざった水を浴室や洗面台に流すのは衛生的とは言えません。

今度買うならホースで排水できるタイプにしようと思っています。このホースを洗濯機の排水と合流させれば、水捨ての手間から開放されます。しかも、現在の機種はほとんどがホースを併用できるようになっているようですが、新築時であれば除湿機を置くスペースを最初から確保しておくこともできるでしょう。専用の配水管を立ち上げておくのも手ですね。
小野
2007.8.29
ウチに小学校1年生の男の子がいるのですが、絵を描くことがあまり得意ではありませんでした。…と言うか、絵の描き方がわかっていなかったのだと思います。

先日、とある暑い日に郡上の美山鍾乳洞に行ってきました。親の狙いとしては、これを絵日記に描いてほしかったのです。絵日記の題材を探しにわざわざ遠くまで行く必要もないのですが、夏休みも後半になりなんとなくたるんでいたので、ドライブがてら涼を求めに行ってきました。

で、家に帰るまでモチベーションを持続させるべく、延々と絵日記の構想を話し合いながら帰って来ました。帰宅と同時に絵日記に取り掛かります。いつもは鉛筆をもったまま1本の線も引かないうちに集中力が途切れてごろ寝を始めるのですが、この日はやっぱり違いました。みるみるうちに絵ができていきます。

ちょっとだけ手を差し伸べて鍾乳石から垂れる水の雫を描いてあげると、自分でもコウモリを描いたり、人物にデジカメを持たせたりと細かい描写も加わりました。

この時はうまい具合に「描きたい気持ち」になってくれたようですが、これをきっかけに絵を描く楽しさを覚えてくれればと思います。いつも、こんなふうに狙い通りにいってくれればいいのですけどね…。
小野
2007.8.28
昨日、新しい模型を持ってお客様のところに打ち合わせに行ってきました。それと交換に、ずいぶん前(少なくとも半年以上前)に間取りを提案した時の模型を返却していただきました。実はこの模型、自分でも存在そのものを忘れていて、「これお返ししますね」と渡された時に、そういえば…と思い出した次第です。

久しぶりに屋根をはずして中の間取りを見てみると、これが新鮮で結構イイんです。自分なりに工夫したところや、お客様の生活スタイルを想像しながらあれこれ考えたことが思い出されてきました。

何より嬉しかったことは、「最初に提案してもらったこのプラン、その時は気が付かなかったけど私たちの要望に全部応えてくれていたんですね。」というお客様からの言葉…。そうなんです。住まいの間取りって、パッと見では気が付かないことがたくさんあるのです。時間をかけて考えたり、いろいろな物を見たりして勉強しているうちにお客様の目も肥えてくるのです。

四季の家工房の仕事はスローなんですけど、それなリにいいこともあるんですよ。
小野
2007.8.24
フランス藁の家」のその後が気になりませんか?実は私も気になっている一人です。そこへ昨日朗報が入ってきました。先回7月の上棟に参加した後藤君が、引き続き後半の造作(内装)作業をするために、この秋から3ヶ月間再度渡仏することが決定いたしました。

先回の滞在中も「また来たい!」と毎日のように言っていたので、まぁなるべくしてなった…という感じがします。彼自身、ノルマンディの田舎暮らしがよほど肌に合ったようです。それと今回の渡航は彼なりのたくらみがあって、素敵な時間と空間を分かち合うべく、大切な「だ・れ・か」を同行させるつもりのようです。若いってイイねぇ〜。

後藤君は正確に言うと四季の家工房のスタッフではないのですが、以前から手が足りない時の助っ人としてしばしば現場で活躍してくれていました。「藁の家」のプロジェクトも、身内の手で完成まで関われることは私たちにとっても嬉しい限りです。

このホームページにも後藤君のレポートが届くのが待ち遠しいです。遠く離れていてもITを駆使して遠隔操作でビシビシしごくよ〜…ゴトウ君!
小野
2007.8.23
家の模型家の模型ここ2日間はカンヅメになって、2軒分の家の模型を作りました。

1/50の縮尺なので10メートル四方の建物ならば、20センチ四方の模型になります。けっこう根を詰めて作りましたが、できた模型を眺めながらにんまりするのが至高の時間です。

でもこの模型が最終形ではありません。模型を見ながら空間のつながり方や風の通り道を検討したり、懐中電灯を太陽に見立てて光の入り方や軒の影のかかり方をチェックします。

模型からはとても多くの情報を得ることができます。時には敷地に模型を持って行って周辺にどのように溶け込むかをイメージしたりもします。そして窓を増やしたり、壁を増やしたり、屋根の形を変えたりして最終的な形に近づけていきます。

せっかく綺麗に作った模型を、切ったり貼ったり壊したりするのは、なんだかもったいないように思うかもしれませんが、これは全て通るべき道です。

…だって本物ができてから切ったり貼ったりするわけにいかないですよね?あとで後悔しないためにもこの手間は惜しめないものなのです。
小野
2007.8.21
今年は長い会社では9連休だったそうですが、ようやくお盆休みも明けて周囲も本格稼働し始めました。心なしか今日は道も混んでいたような気がします。それにしてもここ数日の暑さは強烈でした。私たちのような外仕事には「きつい」を通り越して、もはや「危険」な暑さです。

8月1日からスタートした四季の家工房ですが、このままじゃ日本から「四季」そのものが無くなってしまうのではないかと言う気さえしてきます。これってすでに冗談ではないですよね。このままじゃヤバイということは誰しもが感じていることと思います。でも、感じてはいるけれども、何をすればいいかわからない方も多いのでは無いでしょうか?

とにかくできることをすればいいのです。ちなみに、私たち四季の家工房にできることは…できるだけ無駄なく、できるだけ自然な材料を使って、できるだけ快適な空間を、できるだけ長期にわたって使えるように、そしてできるだけカッコ良く、作ることです。

自分たちのために、そして子供たちの未来のためにできることをしていっくことが大切です。完璧である必要はありません。皆でできることを続けていきましょう。
小野
2007.8.1
宇佐美建築ならびに住宅住具工房を長らくご愛顧くださり、誠にありがとうございました。この度、宇佐美建築と住宅住具工房は合併して、四季の家工房として再出発いたします。

イメージスケッチ集四季の家工房の設立に合わせて、ホームページも新しく開設しました。四季の家工房の家は、お客様と一緒に造り上げる家です。長い間愛着を持っていただけることが、何よりも大切であると考えています。

四季の家工房の家に興味を持たれましたら、どうぞお気軽に資料をご請求ください。資料請求していただいた方には四季の家工房特製「イメージスケッチ集」もプレゼントいたしております。