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四季便りバックナンバー
 
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2018.03.06
季節が真逆の出張先から戻ったのが先週の頭で、そこから一週間分の仕事をこなし、ようやくたどり着いた日曜日…長年の経験上、疲労の蓄積した身体をだましだまし使う術は心得ているものの、正直この二週間はきつかったです。環境の変化が激しすぎて体温の調節がうまくいかず、日焼けの跡は水ぶくれが割れて皮がむけヒリヒリと、そんな中で割とハードな仕事をこなしたもんでそれなりに応えるのですよ。

そして出張中は食べることが唯一の楽しみになるんで、暴飲暴食はまぬがれない!なにせ肉の国ですからね、サーロイン、Tボーン、リブ、ニューヨーク…これがデカくて旨いのです!年甲斐もなく胃もたれとは無縁の体質なもんで、連日のようにステーキを喰いまくるわけです。で、体重が増えている…まぁ、これは自業自得ではありますが、そんなこんなが重なって疲れが溜まった二週間だったわけです。…という事で、この前の日曜日は久しぶりの「完全休養日」と心に決め、パジャマさえ脱がずに家でゴロゴロを決め込みました。

僕のゴロゴロアイテムとしては、DVDで映画を観たり、本を読んだり、ギターを弾いたり…という感じなのですが、最近映画の見方がちょっと変化しまして、家で観るときはDVDとは別にアマゾン・プライムを利用することも増えました。なにせ会員になっていれば無料で見放題なので、ゴロゴロのお供にはありがたい…。で、実はここからが本題なのですが、とってもおもしろい映画を発見したので久しぶりに映画紹介をしてみたいと思います。

「セッション」
2014年のアメリカ映画で監督はデミアン・チャゼル。映画を観てからわかったのですが、この人「ラ・ラ・ランド」の監督でもあるのですね。僕はミュージカルには興味がないので「ラ・ラ・ランド」は観ていませんが、この映画を観てド肝を抜かれてしまったものですから、今度「ラ・ラ・ランド」も観てみようかなぁと思ったりしてしまいます。それほど映画を観るという事は、監督を観るという事だと思っているのです。

で、「セッション」に話を戻しますと…アマゾン・プライムをめくりながらゴロゴロのお供を探していると、真っ暗な背景の中ドラムをたたいているカバーが目に止まりました。一目で「あぁ、JAZZだなぁ」と直観させられポチっとクリック。

のっけから若者がドラムを叩くシーンで始まるのですが、どうやらここは音楽大学で、彼のドラムをチラ見したフレッチャーという先生が2〜3言、禅問答のような言葉を投げかけて去っていく。若者は才能を持ち野望を抱いている、先生は音楽家としての自信と実力を持ち学内でも一目置かれる存在であり、偏屈でもある。…どうやらこの二人の師弟関係がこの映画のテーマだなぁ、と観る物にまず感じさせるのです。

主人公の若者はニーマンと言います。彼はフレッチャーに見いだされ彼のバンドに大抜擢。野心家のニーマンはまるで自分の人生が開けたように思い、周囲に吹いて回り、ライバルを蹴落とし、音楽に没頭したいという自分勝手な都合だけで恋人も捨てます。ドラムを叩くという事が、彼の人生においていかに大きな位置づけであるかという事が伝わります。

そして、フレッチャーは鬼の部分をさらけ出します。自分の求める音が得られるまで執拗に何度もやり直しを求め、罵り、徹底的に叩きのめし、這い上がれない者は容赦なく切る。巨人の星の星一徹がちゃぶ台をひっくり返すのとまんま同じですね。この時点では音楽が楽しい事だなんてかけらも感じられなくなり、まるで狂気であり暴力でもあるのですが、ニーマンはそんなフレッチャーに認められたいという思いと、自己実現との思いから真正面からぶつけていくのです。

この映画、全体的に暗い中で進行していきます。暗いというのは陰湿だという事ではなく、スタジオ内とかコンサートホールとか背景が暗い中でキラリと光る楽器のエッヂが際立ち、音楽家として求道者的なストイックさを表現する効果としてとても有効な暗さだと思います。ストーリーも極めてシンプルなので、考えたり伏線を拾ったりする映画ではなく、そのままを感じられる映画になっています。

フレッチャーの常軌を逸した指導はニーマンに対する愛なのか、それともただのパワハラか?それでも喰らいつくニーマンは自己実現を目指すのか、それともフレッチャーに対する復讐か?…その答えは壮絶なラストシーンです。本当に息をするのも忘れてしまうようなラストシーンです。言葉など一言もありません。あるのは音のみ。それだけで観る者を理解させてしまうのです。ひとつ残念だった事は、この映画を大きなスクリーンで観れなかったことです。日本ではあまり目立った興行はなかったそうで、なんだかとてももったいない感じがして仕方ないのです。

で、この日は映画三昧で他にも何本か観たのですが、夜は散歩がてら近くの映画館にまたしても映画を観に行ったのです。こちらも素晴らしかったです。クリントイーストウッド監督の「15時17分、パリ行き」です。これも是非観てもらいたい映画です。
  小野  
 
2018.02.26
四季の家工房の守備範囲はおおよそクルマで1時間のエリアを想定していますが、年に何回か出張でのお仕事を頂くことがありまして、今も実は出張中で遠くの現場に来ております。どこに来てるかと言いますと…中部空港から約3時間半、時差は1時間のリゾートで有名な南の島なのです。大工をやってて海外に行くなんて事はイメージもしてなかったのですが、今までもフランスが1回と中国が2回…今回が4回目となる海外出張です。

何をしに来たかと言いますと…前々回の日記に上げたコンクリートの型枠の組み立てにはるばるやって来たのです。初日は遅めの午後に現地に到着したので仕事はできないのですが、まずは現場の下見と送った荷物の確認に行って来ました。もう17時を回っていたので現場は静まり返ってましたが、送った荷物とは無事に再会できて一安心!明日からの仕事場となる作業スペースも確認して初日はおしまい。

海外での建築作業で、2日目からは猛烈に働きましたよ。なにせ1週間というスケジュールの中で予定した作業を全て終わらせなくてはいけないし、しかも慣れない土地での作業なので、何か不測の事態が起こった時の手配や段取りの組み換えが容易ではありません。

なので、「できるだけ前倒しでやっておきたい」という気持ちの元、つい頑張りすぎてしまうのです。しかも、昨日まで雪がちらつく岐阜の現場にいたのにいきなり真夏の現場で、気持ちと体力のバランスがバラバラです。

それともう一つ大事なことがありまして、この型枠は「僕たちが組み立てておしまい」という訳ではなく、現地の職人さんが繰り返し使えないと意味がないのです。なので、フィリピン人の職人3人が僕たちに付いて、組み方やばらし方、取り扱いの注意点など細かくレクチャーしながら作業を進めるのです。

しかも彼らの技量すらわからない状態でのスタートなので、いやはや大変です。大変なのですが、ちょっとやってみて感じたのですが、案外彼ら真面目なとこがありまして、マイペースではありますが割とコツコツと仕事するし、図面も見る努力をしてくれます。

ただ、残念ながら本職の大工ではないので、道具の扱いも木材の知識もイマイチなのです。悪気はないのに叩いてはいけないところを叩いてしまったり、木材の端っこの方にボルトを打ち込んで、ひび割れを作ってしまったりするのです。そんな彼らに、僕たちの精度や仕上がりに対するこだわりを伝えるには、一緒に汗をかくのが一番の近道だと思います。

海外での建築作業そんな感じで、作業しながら丁寧に説明したり、時には厳しく注意したり、時には家族の話をしたり、こっそりお互いの日当を教えあったり…コミュニケーションを深めつつ、僕たちが求めていることを少しづつ伝えていくのです。

で、4日目の今日、無事に最初のコンクリート打設が終了して一安心…と思ったところで一名が熱中症に!!念のため夜間診療の病院に連れて行って長〜い待ち時間の間に、この日記を書いています。ありがたいことに病院のWi-Fiはビンビンで、ホテルのしょぼいWi-Fiではなかなか送れない画像も送れそうです!
  小野  
 
2018.02.13
木のまな板今年もぼちぼちイベントへの出店をしていこうと思ってます。何を出店するのかと言うと…これ!「木のまな板」です。手探りで始めたまな板屋さんですが、かれこれ足掛け4年目になりまして、わざわざ四季の家工房のまな板を買いに来てくれるリピーターのお客様も来ていただけるようになりました。大変ありがたいことです。

そんなわけで、ちょこっと告知させていただきます。

つながりフェスティバル ファイナル!「つながりフェスティバル ファイナル!」
東北の震災を機にスタートしたこのイベントも、今年で一旦きりをつけるってことで今回がファイナルイベントとなります。言わずと知れた岐阜で一番大きな規模のイベントですが、今回は特に盛り上がる事、間違いなし!

場所は岐阜市金公園で日時は3月11日(日)10時から16時頃までです。

「山県まるごと市」
もう一つ出店が決まっているのが、地元山県市のイベントです。場所は山県市四国山公園香りドームで、日時は4月14日(土)です。近くには桜の名所もあるんで、時期的にちょうど良いかもしれません。

こちらのイベントのチラシは現在作成中とのことで、もう少ししたらアップできると思います。少々お待ちください。
  小野  
2018.01.29
怒涛の1月が終わろうとしています…と、先回はこれを書こうとして大いに脱線してしまいましたので、今回は本題に触れてまいります。

外壁の型枠 年末の日記でも少し触れたのですが、これは昨年から新たなチャレンジとして試作を重ねているコンクリートの型枠なのです。主に住宅を作らせていただいている僕たちとしましては、「型枠」と言うと基礎の型枠くらいしか思いつかなかったのですが、これはもっと規模の大きな建物の外壁となるコンクリートのパネルを作るための型枠です。要は、建築物そのものを作るのではなく、建築物のパーツとなる製品を作るための型枠なのです。

そのため、現場で組む型枠のような単純な形ではなく、上下階の噛み合わせ部や床面との絡み、気密防水のためのゴムパッキン材をはめ込む溝、施工上必要な吊リ金具を取り付ける仕込みなど、けっこう細かい作り込みが必要です。

すでに昨年いくつか納品させていただいたのですが、それらは一回コンクリートを打設した後はバラバラに分解してしまう、言わば一回きりの使用を目的にした型枠でした。図面の読み込みからして慣れない作業だったこともありかなり頭を悩ませての作業でしたが、これらについては一定の評価をいただいたようで僕たちとしてもある程度のノウハウは得られたと思っていました。

ところが…今回いただいたのは更に難題となる「繰り返し使える木製型枠」というお題でした。しかも輸出向け!更に、組み立て、解体、再組立てという一連の作業を行うのは大工経験のない一般の作業員とのことで、要は木工の素人でも扱えるようなシステム化された型枠を設計、製作しないといけないという訳です。

コンクリートの型枠って、簡単そうで簡単ではありません。依頼先からいただくのは完成形の製品図面です。それを雌型にするわけですが、雨水を排水する微妙な勾配があったり窓との取り合いがあったりで、全てを反対に作るってのはかなり複雑で、頭の中で考えるだけでは混乱して間違いの元になってしまいます。

なので、まずは出来形のイメージを固めるために、完成形のコンクリート製品のスケッチを描くことから始めます。それを基に、型枠自体の出来形をスケッチして、組立の順番や寸法精度を確保するために急所となるポイントを抑えて、「どこからどのようにコンクリートを流し込むか」「流した後のコテ押えができる作業空間が確保できるか」「コンクリートの圧力で型枠が開いたり崩壊しないか」…など、検討に検討を重ねる訳です。

型枠の検討 型枠の検討 型枠の検討

そして無事に打設できたとして、忘れてはいけないのが…「型枠の解体がスムーズにできるかどうか」の検討です。これが案外難しい!組み立てるときは型枠単体の納まりを考えておけば良いのですが、解体時は硬化したコンクリートが密着しているわけで、バラシのツボを押さえておかないと最悪の場合「バラセない」という事態も起こり得るわけです。特に今回は海外に持って行って繰り返し使うと言うのですから、失敗は許されません。

型枠の試作 型枠の試作なので、「まずはやってみなくてはわからない!」ということで、試作の型枠を作って実際にコンクリートも打設してみました。やってみると、わかるのですよ!いろいろな事が!

ほぼほぼイメージ通りにできたところや改良が必要なところ、逆に過剰すぎるところなど、それらを図面にフィードバックして…いよいよ本番の製作です。これが冒頭の「怒涛の1月」の全容でして、ようやく先日、横浜港の倉庫に納品を済ませてきたところです。

四季の家工房の大工達はこういった「わけのわからない仕事!?」であっても、全然抵抗なく受け入れてくれるのです。未知なることにチャレンジをする時には明るさと言うか、ある意味能天気なまでの根拠のない自信が本当に助けになります。いや、根拠がないのではなく、「これまでやってきたことを応用すれば何とかできる」という自信なのです。…と言ってホッとしていたら、またまた型枠のご依頼をいただいてしまいました。まことにありがとうございます。あ、型枠は型枠でちゃんと作りますけど、四季の家工房の本業は「家づくり」です!誤解なきよう!(笑)
  小野  
2018.01.23
怒涛の1月が終わろうとしています。例年、建築業って1月は暇なパターンが多いのです…そりゃ、そうです。年末に「年内になんとか!!」という仕事をこなしてお正月を迎えると新年早々いじる現場もなくなるわけで、新しい普請事も「節分が明けるまではおとなしくしてましょ」という感じで、まぁ1月は暇な年が多いのです。

当然ながら営業的にはキツイのですが、これもひとつの季節感かなぁと思うと、世知辛い世の中にあってある意味贅沢な仕事かもしれません。贅沢と言っても、取り立てて儲かるわけでも休みが多いわけでもないのですが、季節の移り変わりとか日本の文化風習などに逆らわず大きな流れの中で働かせていただく…という建築の仕事も悪いものでもないなぁと思ったりもするのです。現代の経済活動の中では、農業や漁業の次くらいに季節感を感じられる仕事かもしれませんね。

1月はお正月とか、4月は入学式とか、8月は夏休みとか、そう言った暦や節目に従って人間の動きが受ける影響はけっこうあるものです。例えば、新居の建築とあわせて小学校の入学を控えている方でしたら、4月の新入学に間に合うように入居していただかなくては転校とか越境通学とか余計な負担が増えてしまったり…、あるいはリフォームをお考えの方でしたら、大型連休に家の中の片付けを済ませて連休明けから着工するとか、お客様によってご都合も違いますが、これも季節感と言って良いかと思います。

こうした暦とか数字で割り切れない、もっと漠然とした季節感もあります。「暑くなった」とか「寒くなった」などは、例えばコンクリートを扱う基礎工事や壁塗りをする左官屋さんにとってけっこう大きな影響があります。

例えば今時分の外壁の塗り仕事などですと、「凍ててまうで、春までまとまい」と岐阜弁だとこんな感じなのですが、要は寒い時だとせっかく塗り付けた壁も凍害を受けて、もぁもぁっとムラが浮き出てしまったり、表面の水分が凍ってしまって剥離を起こすことがあるのです。なので、春まで待ってから塗りましょうという意味なのですが、かと言って夏は夏で問題が起こります。余りにも暑くなりすぎると、水で練った左官材料の水分が蒸発するのが速すぎて困ったことになります。

コンクリートやモルタルが「乾く」と言いますが、実はこれは間違いでして…これらの材料は水と反応して硬化することで強度が出るので、硬化する前に乾いてしまうと肝心な水分が不足して反応を起こせず、硬化不良を起こしてしまいます。だから、工程が遅れたりして寒くなってきたり暑くなってきたりすると、「うわ〜、やばいやばい」と焦ったりもするのです。これはほんの一例にすぎませんが、建築にはこういうことがいろいろあるのです。

現代の僕たちであっても季節や天候には逆らえずに…逆らえないと言うよりは折り合いをつけて季節と向き合うと言った方がしっくりくるかと思いますが、僕たちより3世代とか4世代くらい前の大工はもっと自然の流れに寄り添って仕事をしてみえたのではないかと思います。材木だって、現代の僕たちは材木問屋に電話するだけで乾燥して寸法も整った材料が一年中手に入りますが、昔は山から伐り出していたわけで、それには11月以降の木が水を落とした時期でないと伐りだせない訳です。

また、昔の田舎の大工は多くの方が兼業だったわけで、田植えや刈り取りなどをイメージしつつ、梅雨や台風シーズンなどに微妙な工程が重ならないように…とか、更には、祭りとか盆正月とか地域ごとの様々な行事なども含めて一年の計画を立てていたのだと思います。建築行為そのものが自然のリズムの一部のようだったのでしょうね。

で、冒頭の怒涛の1月って…?書いているうちに話が違う方に行ってしまったので、これはまたの機会に!
  小野  
 
2018.01.01
あけましておめでとうございます。

私たちにできることは、「木」を使ったモノづくりです。今年もお客様に喜んでいただける「モノづくり」ができるよう、努力邁進して参ります。

今年も四季の家工房をよろしくお願い申し上げます。
  小野  
 
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