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四季便りバックナンバー
 
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2023.07.25
完成見学会にお越しいただいた皆様、ありがとうございました。おかげさまで、ほぼ「満員御礼」…重ね重ねありがとうございました!ん?ほぼって何??ってことですが、2日目の午後は仲間の大工とか設計士とか友人とか割と身内の訪問が多かったので「ほぼ」としましたが、建築のプロがわざわざ見に来てくれるってことは嬉しいことですね。

0LDKの家 0LDKの家 0LDKの家

さて、今回の建物は「ゼロLDKの平屋」を謳っているのですが、ご来場の皆様からは口を揃えて「ゼロLDKって何?」とのご質問をまずいただきます。そりゃそうですよね…あまり聞きなれない言葉なんで。実はこの「ゼロLDK」は僕たちからご提案したことではなくて、今回の建て主さんとの初回の面談の時に、建て主さんから「ゼロLDKの家を建てたい」というご要望をいただいたものなのです。

よく言われている「2LDK」とか「3LDK」というのは、リビング(居間)+ダイニング(食事スペース)+キッチン(台所)を兼ねた広い空間と、寝室などの個室が2部屋とか3部屋…って意味ですよね。今では当たり前のように使われている言葉ですが、ちょっと歴史を紐解くと、これは高度経済成長期の公団住宅に起源があるようです。

もともと昔の日本の家って寝るところも食事するところも調理するところも全部ひとつの空間でまかなってたんですが、戦後の人口が激増する時期に「寝食分離」という「寝るところと食べるところは分けましょう」という新しい価値観が提唱されるようになりました。そして作られたのが、都市近郊でよく見かける4階建てとか5階建ての鉄筋コンクリート造の集合住宅で、その間取りがダイニングキッチンに6畳間と4畳半が付いた「2DK」だったんです。

それに合わせて生活スタイルも変化していき、食事は椅子に座っていただくようになり、「ちゃぶ台」が姿を消していくのもこの頃からですね。やがて日本人の生活向上思考と相まって、ダイニングキッチンをもう少し広くして、くつろぎスペースの機能も併せ持った「2LDK」「3LDK」…「nLDK」に進化していくんですね。そして、この考え方は現在の住まいづくりにも踏襲されています。

で、「ゼロLDK」なんですが…一言で言うと「大きなワンルーム」です。要は「ひとつの空間で、食事の支度、食事、就寝、全部やってしまおう」という考え方です。あれっ??それって「寝食分離」の逆を行ってるんじゃない??って、そうなんです!一周まわって昔の生活パターンに戻ってしまいました。

これが良いかどうかと言うのは住む人の考え方や家族構成によるのですが、ただ言えるのは…昔のまんまに戻ったわけではなく、現代の建物としての性能とか最新の設備あってのこの間取りです。昔のように土間で煮炊きをして、寒さをしのぐために家族が一所に寄り集まって火鉢にあたり、藁にくるまって寝る…ってわけではなく、断熱性の良い広々とした空間に、それぞれの機能を持たせたコーナーを設け、ストレスなく暮らせるような工夫を盛り込んであります。

そしてこの「ゼロLDK」の家は、生活スペースとしての空間はひとつなのですが、収納には力をいれて用途別にかなり充実させています。まずは玄関に大容量のシューズクローゼットと外使いのもろもろのアイテム、例えば雪かきスコップとか庭掃除の道具とか…小さなもの長いもの、濡れたもの濡らしたくないもの、こういったものをいろいろ収納できるようにしました。

また、比較的使用頻度の低いものを収納する納戸、衣類専用のクローゼット、掃除道具用の収納、ルンバのためのスペース、食品庫、普段使いの日用品の収納…などなど、収納家具はほぼ持ち込まなくても生活を始めることができます。

いずれこの建物も施工事例に追加していきますが、現在新築中の建物があったり上棟作業の応援にも行かなきゃで、なかなかゆっくりパソコンに向かえる時間がなく…掲載までにはちょこっとお時間をいただきます。
  小野  
 
2023.07.05
現在、本巣市にて新築住宅の工事を進めているのですが、完成まであと少し…と言うところまで漕ぎつけています。昨日はちょうど左官屋さんが内部の壁に漆喰を塗っていまして、あとは設備器具や建具を取り付けたりすると、もう完成は秒読みです。

チラシと言うことで、見学会を開催いたします!まずは日程ですが、7月の22日と23日の土日に開催いたします。そして、ここが大事なのですが…見学は完全予約制となりますので、必ず事前にご予約をお願いします。

「ちょっと予定が立たんのだけど、行けるようなら行きたい」といったお申し出をいただくこともあるのですが、そりゃ僕たちとしましても一人でも多くの方にご覧いただきたい気持ちはやまやまです。でも、ゴメンナサイ。そういった形でのご来場はお断りしております。

なんでかと言いますと、一度に何組ものお客様に来場いただくと、こちらの受け入れ態勢がとれないからなのです。せっかく見に来ていただいたのに、他のお客様の対応に追われてまともにお話もできない…なんてことがないように、あらかじめ時間の枠を設定しています。

1枠を約1時間としていますが、それでもお話が盛り上がったり、細かい内容のご相談案件などがありますと、枠をオーバーしてしまうこともあったりもします。こちらも一人で対応するわけではないので、次のお客様をお待たせするようなことはありませんが、多少の重複はご容赦ください。

では、見どころを少しご紹介しておきます。「0(ゼロ)LDKの平屋」と言うのが、今回の建物のコンセプトです。

全体図家全体が大きなワンルームだとイメージしてください。独立した空間としては、お風呂や脱衣室、トイレ、収納などだけで、その他は部屋と言うよりも大きなスペースをコーナーとして利用するような形になっています。そして、それらの空間に軒が深い大きな屋根を架けてあるのが特徴です。

構造はもちろん木造で、自然素材をたくさん使っていることも四季の家工房の標準とするところです。自然素材に囲まれた空間は本当に気持ちの良いものです。見た目が優しく、光の反射も柔らかくなり、湿気や臭いも吸収してくれるので、居心地のよさは格別です。

建築模型そして、今回の建物で特に工夫した点としては、「敷地の高低差をどこで吸収していくか」ということです。もともと道路より地面が約65cmほど高い敷地条件でした。以前の建物は外部に階段を設けていたのですが、これがなんとも使いにくい階段で、ちょっと危険な状態でもありました。今回、新築するにあたって、「この段差をどうするか」というのが最大の問題でしたが、いろいろ検討した結果、間取りに取り込むことで解決することにしました。

ここらへんのことを実際に現地でご覧いただければと思います。ご予約は見学会のご予約フォームからか、もしくはメールお電話でも受け付けています。どうぞよろしくお願いいたします。
  小野  
 
2023.05.02
最近…と言ってもこの2〜3年ですが、屋根の作り方を従来の作り方と少し変えてみました。いわゆる「カイゼン」ってやつですね。屋根の作り方を変えるってことは、屋根と取り合う天井の作り方も変わってきます。そして、断熱層で考える建物の中と外の境界線なども変わってくるのです。では、どんな風に改善したのか…メリット・デメリット含めご紹介します。

まず、そもそも一般的な木造在来工法の家を建てる場合、当然柱のような垂直の部材に、梁や桁といった水平の部材を架けて水平の面を作っていきます。この時、1階の床や2階の床にあたる面は構造用合板の24mmや28mmといった厚手のものを、15cmピッチに打ち付けた釘で建物全体の水平面を固めていきます。

この考え方を「剛床(ごうしょう)」と言うのですが、僕たちが建築を始めた30年前くらいにはまだこの工法は一般的ではなくて、梁の上に根太と言う角材を乗せて、その根太の上に12mmの合板を敷くか、あるいは直に床材を留めていってました。

この根太を使った床と剛床とでは建物全体の剛性が全く違います。四角い平面形状の建物が揺さぶられてひし形の変形するのをこの剛床がしっかりと支えてくれるので、建物がとても丈夫になりました。支えるのは梁と構造用合板を止付ける釘なんですが、その釘も通常の釘よりも太めのN75と呼ばれているものを15cmピッチで打っていきますんで、家全体では何百本とか、かるく千本超えることもあるくらいです。その数の力で家全体をがっちりと固めてくれるのです。

ここまでは床の作り方なのですが、では本題の屋根の作り方の話に入っていきます。屋根も斜めの屋根自体を架ける前は、まずは水平の構面があるわけです。2階建ての建物なら2階の天井のレベルのことですが、ここを僕たちは「小屋」と呼んでいます。

「小屋」と言うと「物置小屋」とか「山小屋」みたいな小さな建物をイメージされるかと思いますが、建築の構造的には、1階の床レベルを「土台」、2階の床レベルを「2階」、2階の天井レベルを「小屋」、そしてその上に「屋根」が載る…という呼び方になります。

で、現在一般的な木造建物の場合は土台、2階には構造用合板を張って「剛床」を作るのですが、小屋に関してはこのような面で耐力を持たせることはしてなくて、「火打ち」と呼ばれる斜め部材を部屋の隅部などに取り付けて建物の変形に対抗するようにしています。

この「火打ち」でもよいのですが、僕たちが改善したのはこのポイントでして、この小屋レベルにも24mm厚の構造用合板を張って、床と同様に「剛床」仕様としました。構造計算で確かめてもらうと、当然こちらの方が建物全体の強度が増しているし、感覚的にもかなり丈夫になることはわかると思います。

例えば、段ボール箱をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。フタをする前の箱を揺らしてみると、ぐにゃぐにゃと平行四辺形に変形します。でも、フタ部分を折りたたんでガムテープで止めるとどうでしょうか?ちょっとやそっとの力では変形しなくなります。ここが今回の改善の最大のポイントです。

で、それだけではないのです。これによって得られるメリットその2として「断熱」、そして断熱と1セットに考えなくてはならない「気密」が挙げられます。施工の順を追って説明しますと、小屋レベルに合板を止付けたら、そこが床のような安定した状態になるわけです。その面にまずは気密シートを敷きます。床に敷くのですから、とても簡単にきれいに張れます。

きれいと言うことは、美しいという意味だけではなく、シワや隙間などができないってことですから、きれいな仕事はとても重要です。次に束(つか)を建てて、母屋という屋根垂木を支える水平部材を組みます。これができたら再度小屋面に降りて、次に断熱材を敷いていきます。

断熱材にしろ気密シートにしろ、これまでの従来のやり方だと、建物の外側が完全にできてしまってから内部造作として天井を組み、そこに断熱や気密をしていました。これは、言葉で言うのは簡単なのですが、3〜4cmの細角材で組んだ天井の隙間から断熱材を持ち上げる…といった下から上への作業はなかなかやりにくいもので、どれだけ丁寧に施工してもどうしてもシワや隙間ができてしまうのです…。

ですが、上からでしたらとても簡単にきれいに納めることができるんです。なにせ床があるんですから、布団を並べて敷くようなものです。さらに、断熱材を敷く前に束を建て母屋組みを先行したのにも意味があって、ここまで組めていればせっかく敷いた断熱材を踏まなくても済むのです。断熱材を先に敷いてしまうと、この母屋を組むときにせっかくきれいに敷いた断熱材を踏んでの作業になってしまうので、ちょっと残念な結果になってしまいます。

そして、メリット3!この床があるってことは、僕たち作業者にとってもありがいのです。足場のしっかりしたところで作業できるってことは安全にもつながりますし、剛床張りの作業は増えたとしても後々の作業が減るのでトータルすると作業量も減らすことにつながります。

もう一つ別な観点でもメリット4がありまして、照明計画にも自由度が増すというおまけもつくのです。これは、これまで断熱・気密を破壊するという意味でなかなか使いにくかったダウンライトが自由に使えるようになるってことです。小屋面で気密を取ってあるので、室内側の天井にいくら穴を開けたところで何の影響もないのです。

反対にデメリットですが…これは小屋面の構造用合板が増える分、どうしてもコストアップにつながってしまいます。このコストアップ分を作業の効率化などでなるべく差し引きしたいのですが、合板も最近は高いので、なかなか…と言った感じです。それでもお客様にとってのメリットは多いと思い、このやり方に「カイゼン」しております。

「そんなこと言っても、文字ではなかなか伝わらん」という方もみえると思いますので、ご希望の方には現場で直接ご説明いたします。お問い合わせフォームまたはメールでご連絡くだされば、現場を見ながら説明いたしますよ!
  小野  
 
2023.03.07
この仕事をやるようになってからずいぶんな年月になりましたが、まだまだ知らないことはいっぱいある…というお話です。

扉を開くときに、「ぎっぎっぎぃー」と音が鳴ったらどんなもんでしょうか?僕としては扉は「すぅ〜っ」と開いてほしいのですが、この感覚ってもしかしたら現代の価値観にとらわれすぎているのかもしれません。

祠の扉これ…山の神様をお祀りする小さな祠なんです。祠本体は四季の家工房で作ったものではないのですが、なぜか扉の建て込みだけご依頼いただき、正面の観音開きの扉と、扉が取り付く枠の部分のみ作らせてもらいました。

サイズ感は扉一枚が手のひらより一回り大きい程度のほんの小さなものでして、桧の板を削って作ったものです。これがどのように取り付いているかと言うと…扉本体の端部が上下に飛び出していて、飛び出た部分を丸く削ってあります。ここが回転軸の心棒になって、受ける側の枠には丸い穴が掘られていて、そこに差し込んで扉を建てるわけです。

祠の扉ここからが本題なのですが、この丸い心棒と丸い穴の関係性が問題です。穴に対して心棒の直径が大きすぎると固くはまって動かないし、緩すぎるとカタカタしてしまいます。じゃ、どのくらいがいいかと言うと…これはつくり手の感覚になってしまうのですが、もし僕が作るのなら「すぅ〜っ」と開く程度に調整していたのではないかと思います。

でもこれ、違うらしいのです!実は「ぎっぎっぎぃー」と音が鳴らないとダメみたいです。音が鳴った方が格式を感じられるとのことです。そう言われてみると、確かにそんな感じもしますね。古い山門などでも扉がスカスカ開くよりも、おもむろに音を響かせながら開いた方が重厚さも感じさせます。何より、気軽に出入りするところではなく、心して敷居をまたぐ…みたいな精神性も加味されることでしょう。

いや〜、初めて知りました。建築の世界はやっぱり奥が深いですね…と感心してたのですが、なんと僕以外は宇佐美も堀部も知っていまして、「小僧の時に教わった」とか「誰それがそんな仕事をしていた」とか、薪ストーブにあたりながらそんな茶飲み話を楽しみました。

で、この音を鳴らすにはちょっとしたコツがあるそうで…心棒の部分をまん丸に削るのではなくて、ほんの少しだけ楕円になるように削るのだそうです。ほんの少しってところがミソで、ちょっとでも削りすぎてしまうと音は出なくなり、扉本体ごとつくり直しとなってしまいます。楕円の長径の2箇所をほんの少しきつめにして摩擦力を与えることで、微妙な音の加減と開くときの抵抗のバランスを取ります。難しいですね〜!

と言うことで、「ぎっぎっぎぃー」という音はコチラ!



知らずにスコスコの扉を建ててしまったら、「四季の家工房がつくった祠は音がならん!」ということで末代までの恥をさらすところでした。めでたしめでたし。
  小野  
 
2023.02.08
前回の四季便りでは排水管の勾配について書きましたが、ではウンコになった気持ちで、自然の摂理に従って配管を流れてみようかと思います。

まずは、トイレに座ってポトンと落ちたところが、トイレにたまった水(封水)の中です。タンクのレバーを引く、あるいはリモコンのスイッチで洗浄水が流され、サイホン現象により便器内部のS型の壁を越えてウンコは配管へと旅立ちます。

便器と配管のつなぎ方は床を抜いて真下に落とす床付けタイプと、壁を抜いて横に流す壁付けタイプがありますが、圧倒的に床付けが主流なので、ここでも床付けをイメージして…ウンコはまずは真下に落ちていきます。落ちたところで今度は横方向に曲がって建物の外を目指すのですが、上からはザアザアと水が流れてくるのでその勢いでウンコは横方向に流され、基礎の真下をくぐりぬけて家の外に出て、地面の下の配管までやってきました。

たいていの場合はここにマスという掃除口が設けられ、ここでまた90°横に曲げられて、今度は建物に沿って道路の方を目指して流れていきます。そして、公共下水道や浄化槽までたどり着いてくれれば一安心です。建築屋としては無事にウンコを送り出すという責任を果たせた思いです。

話を家から出て横移動を始めたウンコに戻します。ここまでくると当初はスゴイ勢いのあった洗浄水の力も弱まり、流しそうめんのごとくユラユラとした横移動が始まります。イメージは「ユラユラ」「プカプカ」です。水とともに流れるっていうのが重要です。

ここで先回の1/50とか1/100の勾配が重要になってきます。この時、配管の勾配が緩すぎたり水平だったらどうなるかというと…当然流れる勢いは弱まり、やがてウンコを流す力を失います。そうなると勢いを失った水はウンコを運ぶことはできず、やがて水だけが引いて行ってしまい配管内にはウンコが残されます。

配管の直径は10cmほどありますんで、この一撃で配管が詰まるわけではないのですが、水が引いてしばらくすると、これまで水というベールにまとわれていたウンコもやがてウンコの本質を取り戻し、ベタベタと配管にまとわりついてきます。そこに次のウンコが流されてくるとどうなるか…一旦できたウンコのダムにぶつかったウンコはさらに層を重ね、やがて配管全体がウンコで閉じられた状態になってしまいます。これがいわゆる「詰まり」です。

では、勾配を急にすればいいかと言うと…これはこれで宜しくないのです。どういうことが起こるかと言いますと、「水のスピードが速くなりすぎて、ウンコより先に水だけ流れて行ってしまう」のです。あくまでもウンコと水は一緒に流れる「ユラユラ」「プカプカ」というイメージが大切なのです。

そこで、話を先回の冒頭に戻して、「従来のトイレを節水タイプのトイレに交換するとトラブルが起こることがある」ってことですが、もちろん必ずこのトラブルが起こるわけではなく、たまたま悪い条件が重なってしまうと「こんなことも有り得る」という事例だと思ってください。

家の周りを見回してみて、地面が部分的に陥没しているとか、マスが沈んだり飛び出したり傾いたりしているとか、基礎がひび割れているなどの現象が見受けられたら要注意です。あるいは、過去にも外部で汚水があふれたことがあるとか、長い間空き家になっていた場合などもお気を付けください。

最後に…水道屋が使い方のヒントとしてこんなことを言ってました。「寝る前に水だけ流しておくとだいぶ違いますよ」と…まぁ、寝る前に「大」をすることはあまりないかとは思いますので、最後の「小」の時に「大」で流すとかでもよいと思います。

では、ウンコの話はここまで。ウンコ、ウンコと連発して失礼しました。リアルな方が伝わりやすいかと思って…というか、だんだん自分でもオモロクなってしまい…。
  小野  
2023.01.30
令和5年のスタートダッシュはいかがでしたでしょうか?四季の家工房は割と平穏な日々で、かと言って暇なわけでもなく、近所のリフォームの現場をいじったりしつつボチボチなスタートとなりました。

現場がとても近い…というか工場のほんとに近くなので、10時3時の休憩は工場に戻って、工場の片隅に置いてある薪ストーブに火を入れて過ごしています。火が起きると一人二人と人が集まってきて、ダベりながらコーヒーを飲む…というのが四季の家工房の冬の景色です。

「ダベる」と言うくらいで、本当にくだらない話や、どこでどんな魚が釣れたとか、あそこで食べたあれは旨かったみたいな話から、少し仕事に絡むような話…例えば、どこぞの大工が新しい道具を買ったらとても調子が良いようだとか、どこどこで道路工事が始まっているのであの道は通らない方がよいみたいな豆情報まで、まぁダベるわけです。火を眺めていると会話が弾んで良いですね、休憩時間が長くなりすぎてしまいますが…。

この日は、四季の家工房の大工の他に、水道屋の職人も交じって火を囲んでいました。で、聞いた話。「たまにですけど、古いトイレから節水タイプのトイレに交換してトラブることがあるんスよ〜」と、ここだけ聞くと「節水トイレはダメじゃん」ということになりますが、そういうことではありません。節水トイレ自体はTOTOとかINAXみたいなメーカーが設計して作っているものなので、便器本体に問題があるわけではないんです。

そもそも、ぼっとん便所から水洗トイレに変わっって来たのは昭和40〜50年頃のことで、当初は天井付近につけられたタンクから、高低差を利用して水を流す仕組みでした。ちょうど僕の少年時代とも重なるのでよく覚えているのですが、タンクからぶら下がったチェーンを引き下ろすとタンク底の栓が持ち上がり、それはそれは迫力のあるゴーという大音量と共に水が一気に駆け下りてきて、ウンコを流し去ってくれるのでした。

一度に流れる水量もかなりの量で、今調べてみると初期の水洗便所の水量は20リットル程だったようです。毎回ドバァ〜っと全量を流すと水がもったいないので、「オシッコの時は流す量を加減しなさい」とよく母親に叱られていました。

そんな初期の水洗トイレもやがて目にすることがなくなり、タンクの位置が低いロータンク式になりました。それも最初のころは壁の角に付ける三角形のタンクで便器とタンクが別々になったものでしたが、やがて洋式便器の一般化と共に便器とタンクが一体になったものも出回ってきて、カタチ的にはほぼ現在のトイレの形状に進化してきました。この頃の洗浄水量は約13リットルが標準的になり、3割以上の節水を実現したわけです。

僕は引っ越しが多かったおかげで、ここまで全てのトイレの歴史を身を持ってたどってきている…ということになります。その後は仕事を通してトイレを取り付ける側になって、数えきれないほどのトイレを設置してきましたが、現在主流なのが冒頭に出てきた「節水型のトイレ」です。タンク式のものもタンクレスのものも、現在は洗浄水量が約4リットル弱になり、初期から比べると8割の水を節約したわけで、トイレメーカーの技術革新は素晴らしいものですね。

これは僕の想像ですが…新しいトイレの開発のために、目標値を設定してフォルムを考え、実際につくってみて、実際にウンコを流してみて、しかも固いのや柔らかいのや、長いのや太いの…様々な実験を経て製品にするまでには、様々なご苦労があったものかと…。ちなみに、この節水トイレですが補助金の対象にもなっていますので、交換を検討されているならタイミング的には良いですよ。

で、なぜこれがトラブるかと言いますと…便器そのものではなく、建物側の配管に原因があるのではないかと思われます。水圧で下から上に持ち上げることができる給水と違って、排水はポンプアップという例外を除いては、あくまでも自然落下を利用して上から下に向かって流れるだけです。だから流れるためには自然の摂理が絡んできます。

そのため排水管に勾配をつけておくのですが、新築時はともかくとして、10年20年という時間の流れの中で土中に埋めた配管自体が沈下していく事もあります。その沈下も部分的に起こる場合があるのですが、そうなると新築時に確保していた勾配が水平に近くなってしまったり、時には逆勾配になってしまうこともあります。これまで13リットルの水で流していたので多少の勾配不足があっても流れていたものが、4リットルに交換したとたんに流れていかなくなる…と言うことも考えられます。

「じゃ、あらかじめ急な勾配をつけておけばいいじゃん」と思われる方もいるかもしれませんが、これはこれで具合が悪いのです。標準的な勾配は配管の太さにもよるのですが、1/50〜1/100と言う決まりがあります。これは「50センチで1センチ下がる」とか「1メートルで1センチ下がる」という意味です。これを守って配管を敷設するのって結構シビアな仕事でして、ただ穴を掘ってパイプを埋めてるだけに見える水道屋さんの仕事って、案外繊細な仕事なのです。

長くなるので一旦ここまでとして、続きは次回に回します。
  小野  
 
2023.01.01
あけましておめでとうございます。令和も5年目になりました。年頭のご挨拶として、気持ちの良いことばかり書ければ良いのですが、今年もなかなか難しい一年になりそう…と言うのが実感です。昨年から引き続き、年明け早々にも値上げの情報が飛び交っていたり、世界的不安定な状況にも未だ明るい兆しは見ることができません。

そんな中、日本が次世代半導体の国産化に向けて大きく舵を切ったことは、とても希望の持てるニュースです。半導体って、いまやこれ無しには生活も生産も教育も…ひいては国として重要な案件までも、ほとんどのことが立ち行かなくなってしまうほど無くてはならない存在です。

その最先端の次世代半導体を国産できるってことは、ある意味、国の有り様を左右する重大な事柄です。もちろん、一朝一夕に成ることではありませんが、次世代半導体が旗振り役となって、再び「モノづくりニッポン」として一人一人が前を向いて生きていけるような社会になってほしいですね。

僕たち建築屋もモノづくりの末端として、そんな社会を支えられような存在でありたいと思います。本年も、四季の家工房をよろしくお願いいたします。
  小野  
 
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