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四季便りバックナンバー
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2010.12.27
今年も無事仕事を納めることができました。今年は年明けのストローベイルリフォームから始まり、新築工事も3軒続き、とても充実した一年を過ごさせていただきました。ホームページご来訪の皆様、建て主様、関係各業者の皆様、大変お世話になりました。

今年気がかりな出来事としては、今も続いているお隣の朝鮮半島の不安定な状況です。不況と言われつつもまだまだ平和な日本では何とも実感しにくいことではありますが、世界に目を向けるとそこらじゅうに火種がくすぶっています。

戦争はいけません。不況は「頑張ってなんとか乗り切ろう」という気にもなりますが、全てを奪っていく戦争には何の希望も持てません。

では、平和な国に暮らしている自分達にとって「何ができるのだろう」と自問してみると、「足るを知る」ということではないかと思います。全ての物には限りがあるのだから、分け合う気持ちは大切です。

あまり壮大なことを考え過ぎても何から手を付けていけばよいのかわからなくなってしまうので、まずは身の回りのことから「足る」を意識していきましょう。不況下を生きていくためにも、「足るを知る」ということは先人のありがたい知恵だと思います。

年末最後の四季便りが重い話題になってしまいましたが、重いだけで決して暗いわけではないですよ!今年一年間本当にありがとうございました。皆様、良いお年をお迎えください。
四季の家工房一同
2010.12.14
山県市の現場は先週お引き渡しとお引っ越しが済みましたが、今は小牧の現場の木工事が終わり、仕上げの工程に入った所です。

仕上げ工程現在、現場内はこんな感じです。高窓から入った光が奇麗でしょ。平屋なのですが、屋根裏部分を吹き抜けさせて、開放的なリビングダイニングになっています。

壁の白い点々は、塗装の下処理として、ビスの頭にしごき込んだパテです。明日あたりから柱や窓などをシートで養生して、チャフウォール(ホタテ貝殻塗料)の吹き付け作業に入ります。
家具制作家具制作この現場を担当している大工の森クンは、このところ工場に戻って箱モノの組み立に精を出しています。

この写真はまだほんの一部なのですが、この家に造り付ける「家具」の下加工です。今回は家具が多いのです。なんと大小合わせると15個も!おおかた、工場での家具制作だけで1ヶ月かかってしまいます。

でも、これは「嬉しい悲鳴」ですね。四季の家工房ではこれまでも、オリジナルキッチンや洗面台、収納家具などに力を入れてきたので、今回のような大量のご注文は嬉しい限りです。

「嬉しい」にもいろいろ意味がありまして、もちろん売上が上がるから「嬉しい」ってこともあるんですが、他にも…建物自体と質感やデザインが統一できるってことや、隙間なくピッタリ納められるってことや、いろいろなアイデアを盛り込めるってことなど、「嬉しい」ことがいっぱいあります。

お客様との打ち合わせ事項も、とっても多くなります。何せモノの配置や生活習慣等、皆さん少しづつ違うので、家具作りには「コレで良い」という定型があってないような物なのです。

例えばキッチンを思い浮かべてみると、シンクがあって、蛇口がって、コンロがあって、収納がついている…と言う程度の決まりごとはあるものの、どう言う配置にするか、どんなものを収納するか、どんな調理の仕方をするのか…まさに、千差万別です。

最近は一升瓶がめっきり減ってきましたが、それでも「我が家には一升瓶が必要」という家庭だったら、収納可能な高さと重さに耐える構造が必要になるわけです。家具に合わせて暮らすのではなく、どうせ作るのであれば自分達の暮らし方に合わせた家具を作った方がいいです。

自分の話ですみませんが、先日17年使っていた洗濯機が壊れてしまって仕方なく買い換えました。そこで問題発生…以前の洗濯機は上部のフタが平らだったので、お風呂に入る時のメガネ置場にできたのですが、こんどのは斜めになっていて置くことができないのです。そこで小さな棚を付けることにしました。

まぁこれは内輪の話ですが、こんな小さなカスタマイズでもお引受けしますので、お気軽にお問い合わせください。暮らし方の改善のお役に立てれば「嬉しい」です。
小野
2010.12.06
完成見学会この土日に完成現場見学会を開催いたしました。ご参加いただいた皆様、大変ありがとうございました。

建て主のY様、竣工したばかりの新居を開放供していただくばかりか、テーブルセットやソファなどをこの日に合わせて搬入していただきまして本当にありがとうございました。

おかげで室内も引きしまり、雰囲気のある見学会になりました。ちょうど小春日和の暖かい日だったので、全開口サッシを全開にして開放感を味わうこともできました。

完成見学会完成見学会内装には木をたくさん使っているので、吹き抜けやキャットウォークの手摺はあえて鉄で作りました。手摺の端部はくるっと丸〜るく。

相変わらず、ノボリ旗も案内看板も何もなしの地味〜な見学会でした。たまたますぐ近所で大手ハウスメーカーの見学会も開催されていたのですが、間違えてそちらに行きそうになってしまったお客様もお見えになり、案内不足、大変失礼いたしました。でも、地味にやるのは建て主さんへの配慮でもありますので、何卒ご理解のほどを!

今回も予約制で行ったので、ご来場のお客様とはゆっくりお話しすることができました。皆様、師走の貴重なお時間をありがとうございました。尚、12月12日までは個別でご案内することも可能です。見学をご希望の場合はメールでご希望の日時をお知らせください。追って案内をご返信させていただきます。
小野
2010.11.29
昨日はストローベイルハウスの竣工パーティーにお招きいただき、久しぶりに半田の現場に行ってきました。おっと失礼…「現場」じゃなくて「お宅」でした。いつもだったら、入居前の建物をお借りして四季の家工房の主催で「完成見学会」を開かせていただくのですが、昨日は全く趣旨が違って、建て主さんが工事にかかわった人を招待する「お疲れ様会」のような感じでした。

藁の家今回の工事は僕達プロの建築屋だけではなく、藁積みや土塗りなど、ワークショップに参加したたくさんの人の手を借りて完成にこぎつけた…と言ういきさつがあるからです。

一日だけの方も、毎週のように現場に通われた方も、ストローベイルハウスに住んでみたいなぁと思っている方も、すでにストローベイルのオーナーの方も、本当に色々な人達が携わった現場です。なんだか現代の「結(ゆい)」みたいでした。当然、苦労話にも花が咲きました。(左の人がストローベイルプロジェクトの大島さんです。)

ワークショップの様子は「ストローベイルプロジェクトのブログ」をご覧ください。(竣工のフォトムービーもありますよ。)実は、ワークショップが終わった時が完成ではなく、その後、仕上げ工程や器具取り付け、養生の撤去など、残工事がまだまだ残っていたので、ワークショップの人たちは竣工の姿を見ていなかったのです。

藁の家で、昨日のお披露目となったわけですが、皆さん、藁と泥と養生のブルーシートの状態しか見ていなかったので、「わぁ、素敵!」とか「こんな風になったんだぁ!」とか口々に感嘆の声をあげていました。(ワークショップの炊き出しをしてくれたお母さんは、この日も豚汁にケーキバイキングと心づくしの数々でした。)
藁の家四季の家工房のメンバーも全員で伺いました。宴は終われど、なかなか腰が上がらない…う〜ん、立ち去り難い!家づくりの仕事をしていて一番嬉しいことは、建て主さんに喜んでもらえることですが、昨日は全員でそれを噛みしめることができました。

これこそ明日への活力の源です。Mさん、ありがとうございました!

PS.一般の方対象のオープンハウスも計画中です。来春になるかと思いますが、決まったらご案内いたします。
小野
2010.11.25
あっと言う間の1ヶ月。日記の更新が滞りまくってしまいました。日記が滞っている間も現場の方は着々と進んで、6月に構造見学会を行った住宅も、ようやく完成まであと一歩となりました。そんな訳で、「完成見学会」を開催することになりましたので、ご案内いたします。

完成見学会完成見学会急な話で申し訳ありませんが、12月4日(土)、5日(日)の2日間、場所は岐阜県山県市、四季の家工房からすぐ近くの現場です。

建物の概要は、木造2階建ての住宅で、床面積は65坪と住宅としてはかなり大きな建物です。大きな建物は概して暗くなりがちなのですが、大小5か所の吹き抜けを設けて光の採り込みを工夫しています。

内部は構造をあらわした意匠で、柱・梁とも色土と柿渋で古民家風に着色してあります。外壁はすっかり定番商品となった九州シラスの「そとん壁」を、ランダムパターンでコテ塗りしました。内部の壁は、ホタテの貝殻を原料とする「貝殻漆喰」塗りです。

ホタテの貝殻ということで、調湿や臭いの吸着など自然素材ならではの機能はチャフウォールと同様です。チャフウォールと違う点は、左官屋さんがコテで塗る材料なので、なにせ塗り厚があることです。手仕事なので多少のばらつきは仕方ありませんが、計算上は2mm塗ることになっています。塗り厚があるということは、その分、調湿等の機能も期待できるわけです。

又、コテによるテクスチャーも楽しめます。チャフウォールの場合は、吹き付けかローラーによる塗り付けなので割とおとなしい感じに仕上がりますが、貝殻漆喰の場合は多少ゴテっとした感じもあり、まぁそれがテクスチャーなので後は好みの問題ですね。今回は、黒っぽいこげ茶色の柱梁と暗褐色のウォールナットの床に、白い壁が良く映えました。

この機会に、「四季の家工房の家」をどうぞご覧になってください。見学会は予約制になっていますので、お申し込みはこちらからお願いいたします。折り返し地図を送らせていただきます。
小野
2010.10.14
秋の三連休、いかがお過ごしでしたでしょうか?初日の雨はいたし方なしとしても、二日目は見事に予報を裏切る上天気に恵まれました。

僕はと言うと、土曜日はアンカーボルトのチェックをしていました。チェック自体は「図面に指示した通りにアンカーボルトが入っているか」スケールを当てながら確認するだけなので、1時間もあれば片付く作業です。

が、なにせこの雨だ。月曜日のコンクリート打ちの直前にやろうかとも思ったりするのですが、やっぱり直前でバタバタしたくないし、万が一訂正個所があった時のことを考えると、やはり前もってやっておくべきですね。

そんな訳で、連休初日は半日仕事をして、翌日の日曜日は終日休みで、昼間は地元関市の「刃物まつり」に行き、夕方からはお隣の美濃市の「あかりアート」を見に行きました。「あかりアート」はもう17年目とのことです。

そう言えば過去に3回ほど出品したことがあるけど、「もう十年以上前の話なんだなぁ〜」と、過ぎゆく年月の早さに今さらながらに愕然としつつ、出品数や来場者の数はずいぶんと増えたものの、「あかりアートのコンセプト自体は今も昔と変わりないなぁ〜」などと感心してみたり…。

月曜日は朝一番でコンクリート打設です。今日は学校が休みなので、「コン打ち見たい?」と息子を誘ってみると、「コン打ちって何?」「ドロドロのコンクリートを流し込む仕事だよ」「コンクリートってドロドロなの?カンカンなんじゃないの?」「ドロドロのが固まってカンカンになるんだよ、ドロドロのを生コンって言うんだよ」…う〜ん、コンクリートが最初っから固いと思ってたのか。

という訳で、社会見学にGO!ポンプ車と生コン車と締め固めに使うバイブレーターまで触らせてもらって、お土産はタッパに詰めた生コン…「おいおい、そんなものまで持って帰るんかい」と思ったけど、ここは子供の感覚を大切にしておきましょうか。

午後は休みモードに戻って、関市のプールへ。なんと、体育の日ということで入場料が無料でした。しかも、希望者にはタイム測定のイベントもついてきました。息子に10秒のハンディを与えた上で、「俺に勝ったら500円」という賞金をかけて25メートル勝負!種目はクロール。タイムを計るなんて、もしかして30年ぶり?

クロールの記録で、僕16秒88、息子27秒71でギリギリ僕の勝ちでした。かなり悔しがっている息子に「ワッハッハ、俺様の勝ちだ!」…でも、4年生にしては結構イイんじゃない?来年も勝負したいですね。いつまで勝てるのだろう?

それにしても、飛び込みなしの25メートル…自分のタイムも意外でした。指先を伸ばしてできるだけ遠くの水をキャッチしてヘソを叩くようにヒジから抜くべし。中学の水泳部の先生に習った通りにしてノーブレスで全力で泳ぎ切り、ハァハァゼィゼィ。

今では古い泳ぎ方なのかもしれませんが、体に染み込んだ感覚ってのは恐ろしいもので、トレーニングなしの47歳ぶっつけ本番にしてはまぁまぁの泳ぎだったんじゃないの?中学生の頃は、50メートルをクロール32秒くらいで泳いでいたので、そこそこ早い方というか学校ではトップの方だったんですが、このタイムを見ると案外まだいけるのかもね!

その後は今年オープンした温泉「マーゴの湯」にタダ券持って入りに行ったりして、なんと金のかからない連休だったことか!
小野
2010.10.07
イベント告知が続きますが、今度はNPO岐阜・楽しい家づくり研究会のセミナーのお知らせです。10月16日(土)の午後1時30分より、関市にあるアピセ関の第一研修室で行います。内容は昨年の障子の張り替え教室に引き続き「住まいのメンテナンス」セミナーの第2弾で、今回は「塗装」がテーマです。講師は地元のペンキ屋さんの三輪塗装さんにお願いしてます。

一言で「ペンキ」と言ってもこれはこれで奥が深く、用途や下地や耐久性などものすごく範囲が広いんです。ですから、「なんのために塗装するのか」という目的をしっかり持った上で、材料や工法の選定をしていくのが大事なんです。しかも、「塗れば良い」というものでもなく、塗ったことが原因で予期せぬトラブルを引き起こす…なんてこともあるのです。

又、一時よりは少なくなったようですが、悪質な訪問販売業者にだまされて質の低い施工をされた上、高額な工事費を請求される…ということが未だに無くなっていないのが現状です。ですから、まずは勉強をして、しっかりと知識を身につけていただきたいと思います。

今回のセミナーは、四季の家工房が事務局になっています。参加は無料ですが、お申し込みが必要です。お申し込みやお問い合わせはメールでも、TEL(0581-52-1714)でも、FAX(0581-52-1860)でも、いずれでも結構です。どうぞお気軽にご参加ください。
小野
2010.10.01
緊急告知です!明日10月2日(土)に、岐阜市の金公園(こがねこうえん)にて「左官フェスティバル2010」が開催されます。このイベントは岐阜県左官業組合連合会の青年部の主催で、なんでも全国の腕自慢が集まって技の競い合いをするとか…料理の鉄人のようなイメージなのかな。

手元にチラシがあるのですが、「最強の左官は誰か?」とか「激戦を制するのは?」とか、炎をバックにコテを握る職人の姿が描かれています。…って、もっと早く案内したかったのですが、僕もこれを知ったのが昨日の今日なもんで…スミマセン。こんなギリギリでのご紹介になってしまいました。

たまたま昨日、そとん壁の下地のラス(金網)張りに来た左官屋さんに案内してもらったのです。彼も運営スタッフの一人だそうで、結構熱がこもっていました。だったらもっと早く案内してもらわんと…こちらもお誘いしたい人いっぱいいるのに〜!

ということで緊急告知になってしまいましたが、入場は無料で午前10時〜午後4時までやっています。場所は柳ケ瀬の南側にある金公園(こがねこうえん)です。岐阜の人ならわかりますよね?天気が良ければいいのですが、晴れのち曇りで降水確率30%…まぁなんとかもってくれるでしょう。

詳しくは「左官フェスティバル2010」のホームページを見ていただきたいですが、プログラムはこんな感じです。

  • 激戦必至!壁塗り選手権
  • 究極の丸を目指せ!ぴかぴか泥団子作り
  • やってみよう!左官体験
  • 聴いてみよう!カリスマ左官パネルディスカッション
  • 観て納得!左官がわかる展示会
  • 驚き!これがいにしえの技だ!驚き左官大作品展
パネルディスカッションは、隣接の文化センターにて午後1時半から3時半です。こちらは収容人数に限りがあるので、ご希望の方はお早めに!せっかくなので、先にご案内した後藤木材の「秋の活木フェア」と抱き合わせで楽しむのも良いかもしれませんね。僕も息子を連れて行ってみようと思っています。
小野
2010.09.24
秋のイベントのご案内をさせていただきます。10月2日(土)に岐阜市大倉にある後藤木材さんが「秋の活木フェア」を開催いたします。

後藤木材さんは岐阜県最大手の木材問屋さんなのですが、木材に限らず住宅設備やエコ関連の商品など住まいに関する物はほとんど揃えている、ホント大きな問屋さんです。でもいくら大きくても、問屋って商売は一般の方との接点がなかなか掴めないので、年に何度かこういうイベントを開いているんですね。

内容を簡単に説明しますと、「学ぶ」「触れる」「比べる」「体験」「相談」と5つのテーマで色々な企画を用意しているようです。例えば「学ぶ」ですと、省エネシミュレーションや太陽光発電の展示の他いろいろ珍しいものを見学することができます。

「比べる」は、無垢のフローリングを何十種類も用意して、見て触るだけではなく実際に歩いて足の感触までも比べられるんです。その他にも、住宅設備や柱や梁などの構造材など…とにかくいろんなものが比べられます。「体験」は、IHヒーターでの料理体験やスノコ作り、かんな掛け体験などなど。又、ファイナンシャルプランナーや風水の相談コーナーまであります。

スミマセンが説明しきれないので、あとは実際に見ていただくのが一番良いかと…。一応、住まいづくりをご検討の方が対象のようですが、まぁこの際ヒヤカシでもなんでも良いと思います。いろいろもらえたりもするので、よかったら足を運んでみてください。

入場は無料ですが、招待状が必要です。ご希望の方は、お気軽に四季の家工房までご連絡ください。参加しても、その後で営業マンがいきなりやってくる…なんてことはありませんので、その点はご心配なく!
宇佐美
2010.09.06
先日、現在新築工事中であるH邸の床下探検隊に岡崎シロアリ技研さんと行ってきました。探検隊と言っても要は床下の検査なのですが、岡崎シロアリ技研さんと潜ると目の付けどころと言うか、構造的な納まりとシロアリの行動パターンの関係性や、この場合にこういう事例があったなど、一緒に同じ物を見ながら色々な話ができるので結構ためになるのです。

シロアリ屋さんを呼んで床下を検査すると言うと、「工事中なのにすでにシロアリが出たのか!」と思われてしまうかもしれませんが、このタイミングでの床下チェックを何のために行っているかと言うと、「シロアリ防御の対策」が目的となります。

で、この対策と言うのは薬剤を散布するのではなく、「建て物の構造自体が、シロアリが入りにくい物理的バリアになっているかどうか」「万が一侵入される時は、どこからどのように侵入されるのか」…このようなことをあらかじめ想定しておくことで、「今後のチェックポイントを明確にしておく」こととなります。もちろんその辺のことは念頭に置いて家を作ってますのでNG箇所はありませんが、配慮する点は何箇所かあります。

例えば、玄関周りの土間と木部が近接する所とか、配管が外部から基礎を貫通している部分など、どちらも住宅として成立するためには不可欠な部位です。「シロアリ対策のため玄関はありません!」という訳にもいきませんので、それなりの構造的な工夫をした上で「入るとしたら、ここから、こう言う経路で…」というシミュレーションをしながら、どのような点検したら早期発見できるかなど、シロアリの生態とか行動パターンをイメージしながら検証していくのが今回の検査です。

岡崎シロアリ技研さんはこうした理論と経験の蓄積がものすごく豊富な方で、薬剤を撒くだけのいわゆる「シロアリ業者」ではなく「シロアリ技術者」なんです。実際、薬を撒くだけならば誰でもできるんですよね…。又、研究室にこもっている学者でもなく、フィールドワーカーとしての現場経験はシロアリの心を読んでいるのかと思うほどシロアリの実態に迫っています。

確かに僕達も、古屋の解体やリフォームをすると、いわゆる教科書的な仕様書などでは説明のつかないような食害に遭遇することが多々あります。でも岡崎シロアリ技研さんのお話を聞くと、そうした疑問点がすとんと腑に落ちるように納得できるのです。シロアリにお悩みの方もこれから新築をお考えの方も、岡崎シロアリ技研さんのホームページを一度覗いてみてください。一見の価値アリですよ。

床下探検グッズこれが床下探検グッズです。まず照明は必須です。懐中電灯でもよいのですが、両手が使えるようにヘッドランプが便利です。白いのは、紙ツナギです。300円くらいで売っている使い捨ての物なのですが、これが案外丈夫で結構何回も使えます。ペンキ塗りの時なんかにも便利ですね。

木の板は裏側にキャスターを付けてあります。ベタ基礎の場合は、これに腹ばいになってシャーッと進むわけです。昔ながらの土の床下の場合は、歩伏前進で頑張るしかないですね。

ちなみに、このキャスター台…作り置きがあるのでプレゼントします!床下に置いておくと、いざと言う時に便利ですよ。先着5名様となりますので、ご希望の方はメールでお名前と連絡先をお知らせください。

さて今回床下点検をしたこの住宅ですが、今週末の土日に見学会を行います。場所は小牧市になります。8月1日に上棟して、今は内外の造作工事中です。このタイミングでしたら、軸組みや補強金物などの構造をご覧いただくことができます。

いつもながら完全予約制の見学会とはなりますが、どうぞお気軽にお申し込みください。お申し込みいただいた時点で、現地の地図など詳細をお知らせいたします。建て主さんのプライバシー保護のため、このような形でのご案内となりますが、ご理解いただきますようお願いいたします。
小野
2010.09.02
夏休みも終わりましたね。いやぁ〜、それにしても今年の夏は暑かったです。僕は夏には強い方なんですけど、それでもやっぱりキツかった。

背中が焦げるほど一日中陽を浴びているもんで、夜になっても体にこもった熱が抜けず、寝ようと思ってもポッポッと火照って眠れたもんじゃない…布団の上にも居れず、板の間に這い出して体を冷やす。それでもだめなら深夜の水風呂に浸かって、体が冷えた勢いで眠ってしまうしかない。昼間に耐力を消耗した上、睡眠もままならず、正直今年はこたえました。

でも、遊びとなるとやっぱりカ〜と暑い方が夏らしくてイイ。先日、過ぎゆく夏を満喫するために遅めの休みをもらって、手作りシーカヤックを積んで今年も能登島に行ってきました。

シーカヤック夜明けと共にフネを出して朝食の魚釣り。しばらく釣りをしていると、キラキラと海の中で光るものを発見…キラキラの正体はイワシの大群です。やがてキラキラが増えてきて、まるで天の川にフネを浮かべているようでした。う〜ん、心が洗われる!

で、釣りはと言うと、1時間も釣り糸を垂れればオカズにできるくらいの収穫はあります。シロギス、メバル、アジ、ベラ、ハゼ、小ダイ…釣れたものは全部食べちゃいます。

陽が高くなってきたら、浅場にフネを係留してスノーケリングを楽しんだり、捕まえたミズクラゲをペットボトルに入れて餌を食べる様子を観察したり…海を堪能してきました!

ジンベイザメ水族館にも行ってきました。お目当ては、この7月に富山湾の定置網で捕獲されたというジンベイザメです。入館して一番最初の水槽が直径18メートルもあるジンベイザメの水槽ですが、外の熱気がウソのようなブルー一色の神秘的な世界がありました。そこを悠然と泳ぐ姿は、いつまで見ていても飽きることはありません。

ちょうど数日前にお披露目があったばかりで、平日にもかかわらず結構な人出でしたが、時間が止まったような静かな感動が味わえました。

水族館に隣接したビーチではイルカと戯れることもできます。親子3人で腰くらいまで水につかると、イルカの方から近くに寄ってきてグルグル回ったりわざと人の間をすり抜けたり…まるで犬か猫がじゃれているみたいに擦りよってきます。

よっぽど好奇心が旺盛なのか、遊びたくて仕方ないのかわかりませんが、こちらもすっかり童心に戻って楽しませてもらいました。イルカの気分によっては全然寄ってこない時もあるのだそうですが、ご機嫌よろしくてラッキーでした。

という訳で、遊ぶだけ遊んだんで仕事に復帰させていただきます。まずは9月12日(日)に、工事中の現場見学会を開催いたします。場所は小牧市です。詳細が決まったら正式に告知しますが、予約メールは随時受け付けてますので、ご希望の方はどうぞご一報ください。
小野
2010.08.30
以前からこの「四季便り」にはちょくちょく登場しているのですが、本日スタッフの紹介ページに梅村をアップしましたので、ちょこっと前説させていただきます。

この日記ではアツコさんと呼んでることもあるのですが、フルネームは梅村敦子と言います。アツコさんの方が呼びやすいので、今後も「アツコさん」で登場してもらうかもしれません。

アツコさんは正確には四季の家工房の従業員ではなく外注スタッフです。でも実際のところは、新築の案件はほとんど言っていいほど彼女と共同で対応しているので、ホームページ上でもきちんとご紹介しておいた方が良いと思い、今回更新することにいたしました。

彼女とのお付き合いはもう十年近く…もちろん四季の家工房が始まった時も一緒に仕事をしていました。だったら何で今頃…?と思われるでしょうね。まぁ、いろいろあるんですよ。アツコさんは「A建築・宥アトリエ」と言う設計事務所を主宰していて、独立した建築士として仕事をしているんです。

…ということは四季の家工房以外にもお付き合いしている建築屋さんも当然あって、要はバランスというかそういう兼ね合いがあって、これまでは縁の下の力持ち的に協力してもらっていたのです。

僕達としても無理に「顔出し」「名前出し」する訳にもいかず、まぁ現状維持がしばらく続いていたのですが、ここにきてそのバランスが変化したというか、まぁいいかというか(笑)、そんな感じで今回のご紹介となりました。さて、そんなアツコさんの仕事内容は主に設計・監理・申請・届け出などで、お客様との打ち合わせにも、たいがい小野と2人で対応させていただいています。

僕から見たアツコさんは、頑固な一面もあるのですが(まぁそれは良い方に解釈するとして)、「記憶力が良い人だなぁ」というのが実感です。僕はけっこう結構忘れっぽいところがあって、「あれ〜、これってどうするんだっけ??」ということがたまにあるのですが、そんな時にも話のいきさつや会話のセリフまでアツコさんが正確にリプレイしてくれてホント助かっています。

反面、会話があっちこっちへポンポン飛びまくることがあって、「えっ?何の話??」ということが時々あります。しかも主語無しなんてしょっちゅうで、どこから球が飛んでくるのか予測もつかない、スリリングな会話展開が楽しめちゃうんです。頭の回転が速すぎて言葉が間に合っていないのか…な?

もちろん、これは内輪での話なんで、まぁそれもご愛嬌です。こんな梅村敦子を四季の家工房共々どうぞよろしくお願いいたします。
小野
2010.08.23
「キッズスタジオ」は大盛況のうちに、開催することができました。参加してくれたちびっこ職人の皆さん、どうもありがとう!

保護者の皆様も、暑い中大変ありがとうございました。直前まで参加人数が心配だったのですが、フタを開けてみれば、なんとなんと結構な賑わいで、準備した材料もあらかた使い切ってしまいました。初めてのことなので手探り状態での開催でしたが、皆様のご協力のおかげでどうにか無事に終えることができました。反省点も多々ありますが、又今後に活かして、楽しいイベントを企画したいと思っております。

さて、どんな様子だったかと言いますと…まずは仕事始めの挨拶から始まります。そう、これは「仕事」なのです。キッズスタジオは「子供たちに職業体験できる場を提供する」ということをコンセプトとして企画しました。

こちらが何か作ってあげるわけでもないし、ただ単に遊ばせるという訳でもありません。もちろん楽しく遊んでもらうには違いありませんが、そこに達成感とか、違う世界を垣間見た喜びとか、そういう体験をしてもらいたいんですね。

そして職人側としても、普段接点のない子供たちに自分達の仕事を見てもらえる、またとない機会なんです。まぁ僕達大工は割と目立つ方なんですが、例えば電気工事屋さんてどんな人たちがどんな風な仕事をしているかイマイチよくわからない…。壁紙って誰が貼るの?基礎屋さんて何やるの?地盤調査屋さんって何?…たぶん、大人でも全ての業種を正確に答えられる人はめったにいないでしょう。

しかも、いつも作業服を着ていて、タオルで鉢巻していたり真黒に日焼けしていて決して愛想も良くはなく…要するに、何となく怖いオジサンたちが現場でなんだかやっている…職人の印象はだいたいこんなものではないでしょうか?

でも、実は結構難しいこともやってるんだよということも知ってもらいたい…そんな訳で、皆さん趣向を凝らし、準備にも手間をかけていました。マジメなオジサン達の頑張りが少しは伝わったかな?

で、どんな様子だったかと言いますと…スミマセン、これがわからないのです〜。もうちょっと余裕があったら各コーナーを見て回りたかったのですけど、何せ予想外の大盛況で、次から次へと子供たちがやってきて順番待ちの列まで出来てしまいました。そんな訳で、レポートできるのは四季の家工房の「大工さんコーナー」だけです。

さてレポートの続きですが、挨拶したらまずは道具の説明です。今回はカンナがけに挑戦してもらいました。カンナの持ち方、注意事項、力の掛け方などを説明しながら、まずは手本にひと削り…ここでの反応がおもしろい!ふわっとカンナ屑が出てくる瞬間、ニコッと笑顔になる子や、目をまん丸にして凝視する子、思わず声を出しちゃう子。いろいろいてみんなカワイイ!

次にカンナを構えて自分でやってみる。…と、さっき見たようにはいかないんだな、これが。そこで、手を添えて声をかけながら一緒に削る。そうすると、シルシルとカンナ屑が出てくる感触が手に伝わってきます。リズムを付けてしばらく一緒に削ってから、また手を離して一人でやってみます。

キッズスタジオ「うん、いいぞ〜!」…真剣な顔つきを見てください。細沢クンも先生が板についてきました。ここで一旦カンナを置いて、削った木を触ってみましょう。ここでの反応もおもしろいんです。何せツルッツルッになってるもんで、みんなそれなりのリアクションを見せてくれるんです。

で、ここまでは練習。本番はハガキサイズの桧板を削ってもらいます。表面はザラザラのノコ挽きしたままの状態です。これをツルツルに仕上げるのだから、子供たちにとってはかなりのハードワークです。みんな汗だくになって頑張っていました。

ツルツルに仕上がったら木製ハガキの出来上がりです。もちろん切手を貼ったら郵送することもできますよ。そして、もちろん最後も挨拶で終わります。体験後にはたくさんのカンナ屑が残るので、これもネットに入れて持って帰ってもらいます。持って帰ってどうするのかと言うと、これをお風呂に浮かべれば桧の香りを楽しむことができるって訳です。案外、お母さんが喜んでましたね!

キッズスタジオケーブルTVの取材もありました。若いレポーターに、ちょっとちょっといつもとしゃべり方が違ってんじゃないの?堀部サン。(笑)
小野
2010.08.18
お盆休みも終わり、今日から四季の家工房も再起動いたします。前半は台風の影響を受けましたが、後半はいい天気(ってか猛暑!)で、近所の川も人出がすごかったです。皆様はいかが過ごされたでしょうか?

今朝は久しぶりに、全員で缶コーヒー飲みながらミーティング兼雑談で、それぞれの行動予定を確認しつつ、今年後半のスタートです。僕個人はと言うと実はお休みはとらず、ず〜っと出勤してました。お盆の間は現場から呼ばれることもないし、電話もかかってこないし、来客もないし、集中して取り組みたいことをするにはもってこいなのです。

何をやっていたのかと言うと、この秋に建てる住宅の施工図を描いたり、20日に当日を迎える「キッズ・スタジオ」で使う備品を製作したり…4日間はあっという間に終わってしまいました。新しいソフトを習得するというテーマもあったのですが、こいつには手が回りませんでした。

イメージしていたのは、「このソフトを使いこなしてチラシやパンフを作りまくって、年末年始に向けたリフォームや修繕の営業をしまくっている自分」なのですが…。

この秋は仕上げ工程の現場、造作真っ最中の現場、着工の現場と現場が重なってくるので、よっぽど心してかからないと「イメージする自分」にはなれませんね。と言いつつ、22日から25日は遅めの夏休みをいただき、能登までシーカヤックを漕ぎに行ってきます。これはこれで大事なもんで…息子との約束もありますし。(四季の家工房自体はやってますので、ご連絡は随時どうぞ!)

ところで、先回の日記で告知した「キッズ・スタジオ」が、いよいよ明後日(20日)となりました。実は先日たいへんなことが発覚しまして…なんと、当日が会場である大垣周辺の小学校の登校日と重なっていたんです!

なんか申し込みの勢いがイマイチと思っていたら、ヒエ〜ッ!こんなこともあるんですねぇ。半年も前から仕込んでいたので、そこまで読めなかったと言えばそうなのですが、まぁ素人の企画するイベントにはこんな落とし穴もあるんですね。

一瞬、目の前が真っ暗になりましたが、それはそれとして、せっかくやるのだからしっかり準備して楽しいイベントにしたいですね!開き直りと言うか、立ち直りは早いんです。そんな訳で、まだ募集定員には余裕があるのでぜひぜひご参加を!ってか、来てよ!
小野
2010.08.09
夏休みのイベントのお知らせです!

「キッザニア」って知ってますか?けっこう話題になっていて、メディアなんかでもしばしば取り上げられているので、「名前くらい聞いたことがある」と言う方もみえるのではないかと思います。元々の発祥はメキシコなのだそうですが、国内では東京と神戸の2ヶ所に常設されている施設です。何をやる施設かと言うと…職業体験にスポットをあてた、子供対象の新ジャンルテーマパークなんです。

受付をして入場すると様々な職種のブースが並んでいて、子供たちは自分のなりたい「○○屋さん」を体験することができるのだそうです。その職種たるや、ガソリンスタンド、宅配、郵便局、消防署、ハウスメーカー、パン屋さん、レストラン、銀行…と、ありとあらゆる業種が揃っています。

で、これにヒントをいただいて「岐阜でもなんかやろうか」ということになり、NPOぎふ・楽しい家づくり研究会を中心に準備を進めてきました。やっぱり家づくり…ということで建築関連の業種に絞って、タイトルも「キッズ・スタジオ(キッズ・子供×スタジオ・職場)」と名付けました。

今回、体験していただく職種は、大工さん、左官屋さん、建具屋さん、基礎屋さん、壁紙屋さん、ペンキ屋さん、造園屋さん、水道屋さん、電気屋さん、畳屋さん、地盤調査屋さん…ほぼ家一軒建っちゃいそうな顔ぶれになりました。

日時は8月20日(金)で、場所は大垣工業高校です。対象は5歳〜中学生の子供さんで、保護者の付き添いをお願いしております。参加費は子供1000円、大人(保護者)500円!これには材料代や保険代等も含まれています。

事前のお申し込みが必要となりますので、ご希望の方は四季の家工房までメールをください。折り返し、詳しいパンフレットをお送りいたします。尚、午前の部、午後の部共に定員が50名となっており、定員に達した所で募集を締め切らせていただきます。参加ご希望の方はお早めにご連絡ください。

夏休みの思い出づくりにいかがでしょうか?
小野
2010.08.04
上棟暑いですね〜。この暑い中、四季の家工房では連日上棟作業を行っています。「よりによって、なんでこの時期に!?」という感じですが、暑さ対策を万全にして日々汗を流しています。

その暑さ対策なんですが、なんと言ってもありがたいのが「梅干し」です。宇佐美の奥さんの実家で漬けてくれている物なんですが、よ〜く干してあって、塩の結晶がガリガリと歯ざわり良いのです。

その上、強烈に酸っぱくて、普通の状態だったら一口で食べるのがためらわれるほどです。でも、この暑さと大量に汗を流したからでしょうか、これがパクパクいけちゃいます!…ということは、それだけ肉体が塩分を欲しているのでしょうね。梅干し食べて、よ〜し今日も頑張るぞぉ!

で、この建物、平屋で一部片流れ屋根になってまして、この片流れの一番高い部分に並んだハイサイド窓が特徴です。敷地にゆとりがあるので軒の出も深く取れ、安定感のあるフォルムになりました。内部は平天井と屋根勾配なりの斜め天井を組み合わせ、縦、横、斜めと色々な方向に広がりを感じられる間取りになっています。

もう少ししたら、又、進捗状況をUPできると思います。
小野
2010.07.13
「竜馬伝」見てますか?僕は毎週欠かさず…と言う訳ではありませんが、3回に2回くらいは見ています。10代後半に歴史小説と言うマイブームを経験したおかげで、少々飛ばしても何となくあらすじをつかむことができるのです。

歴史小説が面白いのは、同じテーマについて書かれていても、作者の意図やスポットをあてる人物によって、描き方が180度変わることです。人物の性格付けや組織の思惑、事件の背景など、情報の蓄積が増えるほどおもしろくなってくるんですね。まぁ、僕の場合はずいぶんブランクがあってだいぶ忘れちゃってるので、流行りの「歴女」には適わないですが…。

ただ、歴史小説(TVや映画なども含めて)は、あくまでもエンターテイメントであって、歴史のお勉強ではありません。登場人物が実際の人物像と違うのは当たり前…と言うか、本物を知っている人は誰もいないはずですから。

当然、ストーリーを盛り上げるための演出もあるので、実際に起こったエピソードにプラスしたりマイナスしたり、作者の創造力と読者(視聴者)の想像力の織りなすもうひとつの歴史観と言っても良いかもしれません。

視聴者や読者はその辺のことを分かった上で、エンターテイメントとして楽しんでいるわけです…少なくとも僕の場合は。だからこそ、「そのエンターテイメントを楽しんでいる間は、その世界にどっぷり浸かりきりたい」と言うのが僕の思いです。映画などでもそうなのですが、演出上「ん?」と感じることがあると、いきなり現実の世界に引き戻されてしまうのです。

以前に映画「クローバーフィールド」についても書きましたが、破壊されたコンクリートに鉄筋が入っていないのが不自然に感じて、一瞬引き戻されてしまったのを今でも覚えています。ほぼ完璧な娯楽映画だっただけに、かえって気になるんですね。

ウルトラマンとかの破壊シーンだったら全然気にしませんが…。まぁ本当に細かい所なのですが、気になりだすと仕方がない。別に粗探しを楽しんでいるわけでもないのですが、気になっちゃうもんは気になっちゃう!

で、竜馬伝の話に戻りますが、囚われの武智半平太が、牢屋の木格子越しに話をする場面がしばしば出てきます。ところがこの木格子が問題なのです。木の木目に対して直角方向に規則正しいシマシマがあるのです。もしやこれは…自動カンナ盤(プレナー)の送材ローラーの跡か、あるいは回転するカンナ刃によるリップルマークの類ではないかと思われます。

幕末にプレナーはなかったろうに…という所が気になっちゃう!会話する相手は弥太郎だったり竜馬だったりするのですが、いずれにせよ感情移入できる重要なシーンな訳ですね。顔もアップになれば格子もアップになる。自ずとシマシマが気になる…困ったものだ。それともこれは僕の知識不足で、幕末に現存した加工技術による必然的なキズ跡なのだろうか…いずれにしても気になる。

竜馬伝の舞台美術は素晴らしいのです。裏路地とか弥太郎の生家とか、生活臭や時間の経過までとってもリアルに表現されています。だから余計に気になっちゃう。見る人が100人いれば100通りの見方があるので、注目する点も人それぞれ違ってくると思いますが、舞台美術って本当に大変な仕事だなぁと思います。

送材ローラーの傷跡リップルマークちなみに、1枚目の写真が送材ローラーのキズ跡です。2枚目の写真がカンナ刃によるリップルマークですが、材料を送りながら回転する刃物で削っていくので、このようにスプーンで彫ったような跡が残るのです。この状態にカンナをかけて仕上げをするのです。

さぁ、あなたならどう見る?武智半平太が切腹してしまったので、もしもチェックするなら今度の土曜日の再放送がラストチャンスかも。
小野
2010.07.06
「おもしろい建具を作ったんだけど見に来てくれんか?」と、建具屋の宮木さんからTELが入りました。建具屋さんっていうのは、扉や襖や障子なんかを作る、専門の木工屋さんのことです。15年以上付き合っている建具屋さんなのですが、こんな風に呼び出されるのは初めて…どんなモノができたのかワクワクしながら訪ねてみました。

目隠し衝立で、見せてもらったのがコレです。細か〜い組子の目隠し衝立なんですが、よく見ると組子ではない…。組子と言うのは、細い木材を細工して作る格子の集合体とでも言いましょうか、職人の技のなせる幾何学の妙なのです。

「これでもか!」と言わんばかりの困難な造形に挑戦して、コンクールや展示会等で発表する腕自慢もいたりする、ちょっとディープでオタクな、独特の世界だったりもするんです。

ただ残念なことに今は需要がない…。まぁ、世の中の流れなので仕方がないとも言えますが、手間のかかる仕事なのでコスト上の問題もあったりして、住まいを供給する我々側が切り捨ててしまったという側面も否めません。

中空ポリカーボネイト板中空ポリカーボネイト板そこで宮木建具は考えた。中空ポリカーボネイト板と細い杉材を組み合わせて何か表現はできないだろうか…?

中空ポリカーボネイト板というのは透明なプラスチックでできた、段ボールのような形状をした板です。その中に割り箸くらいのサイズに削った杉の細角を通して、格子のように見せてみたらどうだろうか…というのが発想です。

実はこのアイディア自体は既に発表されていて、僕も雑誌か何かで見かけたことはあります。でも、それらはシングルでの扱いで、タテあるいはヨコのみの意匠なので、「千本格子の表情が表現されている」に留まります。宮木さんはそれを進化させたわけですね。2枚のポリカーボネイト板を90度回転させて重ねることによって、「組子」の表情を付加したのです。

これってもしかして偶然の産物?僕達作り手はいつも材料のすぐそばにいるので、たまたま無造作に積み重ねた材料の表情が美しかったり、動かした瞬間の光の漏れ方が絶妙だったり、普段は組み合わせない材料同士が案外調和したり…と言う経験がしばしばあるのです。

まぁ、それを感じられるか感じられないかは、その人の持つ感性の問題なのですが、作り手としての職人がこういう感性を持つことはとても大切なことだと思います。

案外、モノ作りのアイディアはこうした身近な所から生まれたりするのです。図面やスケッチももちろん大切ですが、実際に材料を見たり、いじったり、削ってみたり…という行動自体が発想につながったりするものなのです。

そして、それを自分達の手で形にできるってことが、作り手としての喜びってやつですね。まぁ、上の写真の宮木さんの満面の笑顔を見たら、その喜びってのがわかっていただけると思います!

今回見せてもらったのは試作の衝立ですが、扉に組み込んだり、もっと小さいものをワンポイントに使ってもいいと思います。縦横の桟が外部に露出していないので「掃除も楽だよ」と言ってました。ごもっともです。
小野
2010.06.30
それは土曜日の夜更けの出来事だった…洗濯機からガランガランと異音がしてくる。女房が叫ぶ「あ〜、誰、こんなとこにケータイ入れたのは!」って、あんたでしょうに。

「だから洗濯機に入れる前にポケットの中確認しろって言ってるだろ!」
「洗ってもらっているくせに!脱ぐ時に出しておいてよ!」
「いつもは出してるけど、たまたまそういうこともあるから、ダブルチェックが必要だと言ってるんだ!」
「いつも見てるけど、たまたま見てなかっただけでしょうに!」
…と、しばらくこんな感じが続くのですが、肝心なケータイの方は振ればチャピチャピ音はするし、液晶パネルの中にもしっかり水が入って水平器のようになっているし、たぶん5分くらいは洗濯機の中で回っていたのだと思います。グルグル回りながらポケットから落っちて、急に音が激しくなって気がついたのでしょう。

で、日曜日は朝のうちに岐阜市での地鎮祭に参列して、午後はドコモショップにGOです。あるある…この夏のモデルが新発売されたばかりとあって、お客さんで混み合っています。さてどの機種にしようか?以前はSHだったけど別にメーカーにはこだわらないし…。

カッコイイのは「N-07B amadanaケータイ」だ。シックなデザインがこれまでのケータイと一線を画しています。カメラの使い勝手が良さそうなのも、現場写真をたくさん撮る僕にとっては嬉しい機能だな。なんでもモーションセンサーが内蔵されていて、振るだけで「瞬撮」できるそうです。

けど防水機能はないのです。打ちたてのコンクリートに落としたり、外仕事で急な夕立にあったり、シーカヤックや山登りや釣りなんかの遊びの面でも防水は欲しい所です。

「この際スマートフォンもいいかなぁ」とか悩んだあげく、結局選んだのは「F-06B」…スライドヨコモーションってやつですね。無造作にポケットに入れて現場作業する僕にとっては液晶画面が常に表に露出しているのが気になりますが、まぁ一度使ってみないとわかりませんね。

機能は使いきれないほどついていて、この夏モデルのフル装備と言ってもいいでしょう。カメラはかなり本格的で広角なのも現場写真にはありがたい上、フラッシュ以外にもライトがついているので暗い所の撮影にも役に立ちそうです。

アクセスポイントにもなるとのことですので、外出先でPCと無線LANでつないでインターネットが使えるのも便利そうです。ただ、この場合はパケット代の上限が上がってしまうので、実際に使うかどうかはまだわかりませんが…。

EXCELやPDFも見れるとのことでしたので早速試しに図面を入れてみましたが、画面が小さいのとスクロールが遅いので、実用的かと言うと?です。でも、標準施工図やマニュアルなどを入れておけば、何かの時には役に立つかもしれません。

メーカーサイトから図面なんかをダウンロードして閲覧することもできるのでしょうが、これはまだ試していません。現場で「資料がなくて寸法が決められない」なんて時にお世話になるかも?

F-06Bとかなんとか言って案外嬉しいオマケなのが、FMトランスミッターだったりして…大好きなリッキー・リー・ジョーンズを聞きながらドライブしています。

これまでは、電話以外の用途でケータイを使うことはほとんどなかったのですが、せっかくなのでこの機会にいろいろチャレンジしてみようかと思います。
小野
2010.06.23
ストローベイルハウスが大詰めの山場を迎えています。電気屋、水道屋、塗装屋、建具屋…色々な専門業者が立て続けに現場に入ってきます。木工事も最後の仕上げに入り、各部取り合いの仕舞いや造り付け家具の取り付け、ウッドデッキ等、毎日4人態勢で出動しています。

今回も家具をいくつか作らせていただきましたが、その中でも特筆すべきものがストローベイルハウスを象徴するような「藁のベッド」です。構造はいたってシンプルで、「ストローベイルを並べて木枠で囲っただけ」の物なので、ベッドと言うよりも「寝床」と言った方がしっくりくるかもしれません。

…とは言え、作るとなると前例があるわけでもなく、ああでもないこうでもないと色々アイデアを出し合ってようやく形になったんです。
藁のベッドで、どんなのかと言いますと…まずはベイルの通気を確保するために、巨大なスノコを作りまして、
藁のベッドベイルの寸法に合わせながら側板を立てて、さらにベイルの圧力で側板が外に膨らまないように長〜いボルトで引き寄せます。
藁のベッドちょっときつめにしておいて、ベイルをギュ〜っと押しこむのがミソかな。ユルユルだと、型くずれしやすくなったりお尻が落っこちてしまったりするかもしれません。
藁のベッド2列×5段の計10個のベイルを詰め込んで、おおむね1.6m×2.1mのベッドになりました。「お〜、藁のベッドの完成だ!」と喜びも束の間…ガ〜ン!寸法が違っていた…。

実は3列×5段が御要望の寸法でした。いわゆるダブルベッドの寸法と言うのが頭にこびりついていて、ありきたりな思い込みが間違いの原因でした。(涙)
藁のベッド今度こそということでやり直し!

間違いなく形になりました。飛び出した藁を剪定バサミでトリミングして、ベイルの隙間には屑藁を押し込んで、少しでも寝心地が良くなるように気合いをこめます。
藁のベッド最後に不織布タイプの透湿防水シートで藁をカバーをして、本当にこれで完成です。う〜ん、寝てみたい!でもその楽しみは建て主さんのためにとっておきましょう。

ところで、こんなベッド欲しい方いませんかねぇ?ハイジも喜ぶこと請け合いです。例えば、高原のペンションなんかで藁のベッドがあれば、話題にもなると思うのですが…。
小野
2010.06.10
今日はお風呂屋さんに行ってきました…正確には浴槽屋さんです。ここは木の浴槽を作る専門の浴槽製作所ですが、今ではすっかり珍しい商売になってしまい、たぶん岐阜県内でも他にあと1〜2軒しかないのではないかと思います。

昔はずいぶん忙しかったそうですが、最近は月に2台かせいぜい3台しか注文が入らないそうで、後継者もいないとのこと…ちょこっと寂しいお話ではあります。

作業場の雰囲気も忙しかったその当時のまんま、まるで「昭和」にタイムスリップしたようで、僕にとっては少年時代に見たことがあるような、懐かしい風景がそこにありました。

カンナ壁に立て掛けてあるカンナの数々…同じ物に見えるでしょうが、それぞれ用途が違います。何が違うかって、台の反り(カーブ)、刃の仕込み角度、刃そのものの角度…説明を受けたわけではありませんが、まぁ一応何となくわかるんですね。

ピンボケの写真ですみません、薄暗かったもので…でもフラッシュを焚いて撮る気にはなれないような、そんな雰囲気だったんです。
オガクズストーブもう1枚の写真は手作りのオガクズストーブです。オガクズが一気に燃えないような工夫がしてあって、チロチロゆっくり燃えて一日中暖が採れるようになってます。

で、何をしに行ったかと言うと、ストローベイルの家に設置する浴槽を引き取りに行ったのです。四角い形で、腰掛がついていて、フタも木でできています。

材は水に強いサワラの木です。昨日、現場に納めて来ました。写真は設置後にUPしますのでお楽しみに!
小野
2010.06.07
この土日に、現在建築中の家の構造見学会を行いました。お越しいただいた皆様、大変ありがとうございました。いつものことながら、告知もこのHPを通じてコンタクトをいただいた方のみで、現場には旗もノボリも何もない地味〜な見学会でした。

しかも予約制なので、「気軽に参加しにくい雰囲気があるかな〜」とも思うのですが、その分ご来場いただいた方とはゆっくりとお話をさせていただけました。

正直、もっと気楽な雰囲気を演出して、間口を広げた方が営業的には良いのかなぁ…と思うこともあるのですが、会場を提供してくれる建て主さんのことを考えると、やみくもに大人数を呼んでしまうのもどんなものか…と思うのです。

間口を広げれば、本気でお住まいをお考えの方から単なるひやかしの人までごちゃごちゃになってしまいそうで…お話どころか、まともにご説明もできない状況になってしまっては本末転倒になってしまいます。

ひやかし客だけならまだしも、もしかしたら泥棒が下見に来る…なんてことも考えられないことではありません。こんな時代だからこそ、営業活動の前にお客様のプライバシーを守ることは、最低限MUSTなことだと思っています。

そんな訳で、まだしばらくはこのようなスタイルの見学会にしようと思っています。見学会やその他のイベントの情報はこのホームページでの告知と、資料請求やお問い合わせをいただいた方へのメールでのお知らせがメインとなります。

また何か企画しましたらホームページでお知らせしますので、どうぞよろしくお願いいたします。(ホームページをチェックするのが面倒くさい方は資料請求をしていただければ、イベント開催時にメールでお知らせをしております。資料請求していただいても無理な営業活動はしておりませんので、どうぞお気軽に資料をご請求ください。)
小野
2010.05.28
木造の建物は木と木を組み合わせて作るんです…当たり前か。組み合わせ方の最も代表的なのが、ホゾとホゾ穴の組み合わせです。要は、土台の上端に彫ったホゾ穴に、柱下端のホゾを差し込んで柱を建てて、柱の上端のホゾを梁下端のホゾ穴に突っ込んで組み立てていくわけです。

ホゾ穴はホゾよりもほんの少しだけ小さ目に作っておくので、ギシッギシッと木がめり込みながら組み合わさっていき、丈夫になるわけです。

ところが、これだけで十分かと言うとそうでもないのです。大きな地震で建物が揺れると、スジカイによる突き上げでホゾがホゾ穴から抜けてしまいます。一旦抜けたホゾは再びホゾ穴に戻ることはないので、これが原因で建物が倒壊することもあるのです。

そこで重要になるのが、柱の引き抜けを防止する金物の取り付けです。金物にも色々な種類があって、引き抜き力に応じた耐力の物を取り付けていくので、一軒の家でも数種類の金物を使い分けることになります。

どの耐力の金物を使うかは計算やルールによって決めていくのでここでは割愛しますが、とにかく種類・位置・納まり…など、何せ数が多いもんで慎重に作業しないと「付け間違い」が起こりやすい工程でもあります。どんなに耐力の大きな金物でも、付け間違いをしていたら意味がありません。だから、Check!Check!

チェックをする時は、完全に作業ではない状態でチェックするのが肝心です。もちろん作業中のチェックも大切ですが、ここで言うチェックとは、ひとつの工程にピリオドを打つような、最終的な確認作業のことです。

…これは経験上言えるのですが、作業しながらだとどうしても頭が先へ先へと進もうとしてしまい、見落としが出てしまうものです。チェックは振り返る行為なので、作業をストップして気持ちを切り替えて行うことがとても大事になります。他人の目になって、自分のアラ探しをするんですね。

で、本日はまるっと半日チェックして回りました。残念ながら、と言うかやっぱり3ヶ所付け忘れがありました。何人もの人間の手で一気に取り付けていく作業なので、まぁいたし方ないことではあります。だからこそ、チェックが大事なんです。完成してからでは何ともならないことですが、この段階でならリカバーできます。

接合部チェックした所はデジカメで撮って記録していきます。全ての接合部を記録するので、本日の撮影枚数は…なんと300枚を超えてしまいました。今回の建物は大きな建物なので、枚数が増えてしまうのは仕方ありませんが、これを整理して報告書を作成するのが又大変だ〜!

この状態をお見せしたく、構造見学会を開催することにしました。日時は6月5日(土)と6日(日)の2日間になります。この写真をまとめた報告書もご覧いただけます。

詳しくはイベント情報のページをご覧ください。尚、ゆっくりとご説明をさせていただきたいので予約制とさせていただきました。ご予約は専用のフォームからお願いいたします。どうぞお気軽にご予約ください。
小野
2010.05.24
この週末も忙しかった…。寝る時以外はずぅ〜と作業服を着たまんまの状態が、もう数週間も続いてます。とは言え、仕事一辺倒と言う訳ではなく、仕事なんだか仕事じゃないんだかよくわからないようなことに首突っ込んでしまうので、結果的にいつも作業服姿になってしまうんです。

上棟土曜日の午前中は、先週上棟をした地元山県の現場に顔を出してから、境界ブロックの工事をしている小牧の現場に廻りました。この日はブロック積みの基礎ができたので、その出来型のチェックです。

埋め戻してしまうと見えなくなる部分なので、タイミングを見計らって現場に通う必要があるんです。
雨仕舞その後、41号線を北上して八百津に向かいます。久しぶりに通った道ですが、美濃加茂から川辺町にかけてバイパスが開通したおかげで、なんだかとても近くなったような感じです。

先回の日記でも書きましたが、この週末はお庭の見学会があるんです。その完成したお庭がこの写真です。…ちなみに建物が竣工した時の写真はこちらになりますが、やっぱりお庭があると建物も映えますね〜。四季の家工房でも外構はやりますが、ここまで凝った仕事はマネできません。

高低差を上手に利用して空間が構成されていて、中央の石壁には無意識のうちに視線が集まります。「ここからはプライベートですよ」と主張しつつも、「絶対入るな!」と言う威圧感もなく、昔からここにあったような静かな存在感を醸し出しています。

水場にオーバーハングした枕木のデッキや、石と石の隙間に作った小さな花壇のスペースなど、細かい見せ場もたくさんありました。森林限界を超えたあたりの夏山登山で見かける風景…を連想しましたが、いかがでしょうか?もう2〜3年経った頃が楽しみです。樹木ももっと茂ってきて、イイ感じになじむんでしょうねぇ。

このお庭を作ったのは樹洛さんと言う庭づくりのグループです。お施主様であるO様のお引き合わせで、代表の植野さんと言う女性とお話をさせていただきました。仕事への取り組み方に共感を覚えたので、樹洛さんのHPご紹介しておきます。よかったらどうぞ→「樹洛の庭」

ガラスの浮玉 お庭午後は少々時間があったので、カヤックの工房に行って、先日岩にヒットさせたスターンの修理と、削りかけのパドルを少々いじりました。

夕方には家族と合流して、「豊かな海づくり大会」のプレイベントの提灯行列に参加…無料配布の提灯がラスト4個のところでギリギリ間に合って、ぞろぞろ歩いて花火大会の会場へ向かいます。

スターマイン、尺玉…20分と時間は短めでしたが、今まで見た花火で一番良かったかも。最近のトレンドなのか、点で見せる花火ではなく面で見せると言う感じでした。

雨仕舞日曜は息子を連れて、半田の藁の家の現場に行ってきました。午前中は、例のガラス玉の取り付けです。ガラス玉に銅線を巻きつけて接着したものを、先週作っておいた木枠にしばりつけておいてもらって、本日はそれを壁に固定した上で、さらに横桟を取り付けます。

この横桟が土塗りの下地兼、ガラス玉の固定となります。予想以上にしっかり付いた…かな?

雨仕舞午後はワークショップに合流して、泥塗りです。4年生の息子もなかなか上手に塗り込んでまして、まわりの大人にも褒められてまんざらでもなさそうでした。

この日のワークショップはずいぶん賑やかで、たぶん20人以上参加していたのではないかと思います。中にはプロの左官屋さんも参加されていたのですが、現場に着くなり「いい泥だね」と言っていました。まだ触りもしないのに、匂いだけで泥の寝かし具合がわかるそうです。

雨仕舞皆さん色々な思いや縁があって、この場に集まっています。そうした出会いもワークショップの楽しさのひとつです。それにしても、泥だらけの老若男女が一心不乱に壁に張り付く図はなかなかの光景ですね。

そんな訳で…作業服姿の週末が続いてます。ONとOFFの切り替えがハッキリしている人とそうでない人がいるようですが、僕は間違いなく後者です。

おかげでこの週末も色々な人と出会うことができました。こういう出会いは仕事だけでは経験できないことですが、仕事をしていたからこそできる出会いでもあるので、これからも大切にしていきたいですね。
小野
2010.05.19
怒涛の週末でした…。土曜日に上棟をしたので、週末と言ってもOFFの週末ではなく、まるっきりONが続いて、4日目の今日あたりはもうへろへろです。

上棟今回の上棟は直前まで天気予報とにらめっこで、「やる」か「延ばす」かをギリギリまで悩んでいましたが、いざふたを開けてみればこれ以上はないような好天に恵まれ、やれやれ全て杞憂に終わりました。

まぁ天候で頭を悩ますのはいつものことなので慣れっこではありますが、結果オーライ!四日間の好天、ありがとうございました。
雨仕舞おかげで、無事棟を上げて屋根を組み、とりあえず雨仕舞できるまで工程を進めることができました。で、シートでぐるっと囲んで、余裕を持って明日の雨に備えることもできました。

同じ雨に降られるにしても、準備万端で降られるのと無防備に降られるのでは気の持ちようが全く違います。明日の雨は「恵みの雨に感謝」できることでしょう。
ガラスの浮玉他にも色々プロジェクトが進行中です。半田の「藁の家」の現場では、土塗りワークショップが進んでます。外壁にガラスの浮玉をはめ込みたいとのことでしたので、ベースとなる木枠を作りに行ってきました。これがそのガラスの浮玉です。

漁港で見かけるアレですね。ガラスの中に空気の泡が入っていたりして、手作り感がイイ感じです。…で、どうやって固定するんだい??まん丸でつるつるしていて、無理すると割れちゃうし…しばし悩みますが、まぁなんとかやってみましょう。ということで仕上がりが楽しみです。

お庭久しぶりにご訪問させていただいたりもしています。以前、建てさせていただいたお客様から「アプローチに庇をつけたい」とのご連絡をいただきましたので、見積り書を持って伺ってきました。

竣工から丸4年が経ち、お庭もイイ感じになってます。面積こそ小さなお庭ではありますが、道路側に開いた一角が花盛りで、道行く人の目も楽しませてくれます。実際、手入れをしたりしている時に、通りがかりの人から声をかけてもらうことが結構あるそうです。

そして、いよいよ小牧でも現場が始まります。着工に先立って、地鎮祭に参列させていただきました。おめでとうございます。心をこめて作らせていただきます!地鎮祭の後は、飛んで帰って、地下足袋に履き替えて、又上棟作業の続きです!

こんな週末を過ごしていますが、次の週末も忙しそうです。八百津で建てさせていただいたお客様から電話があって、「庭ができたので見に来てください!」とのことでした。写真を拝見すると…まさにハイジの世界ですね!もともと、里山に抱かれた環境の良い土地でしたが、その風景を活かしつつ素敵なお庭に囲まれて建物も嬉しそうですね!

外構は四季の家工房の作ではないのですが、地元の造園屋さんがプランしたお庭で、結構凝ったデザインになっています。今度の土日に見学会を開催するとのことでしたので、家とお庭に興味のある方はご覧になってみてはいかがでしょうか?チラシがありますので、詳細をご希望でしたら四季の家工房までお気軽にお問い合わせください。
小野
2010.05.10
柿渋の着色今週末は地元で上棟がありますので、現在はその準備作業で作業場がフル稼働の状態です。

この写真は、柱を柿渋で着色している所です。刷毛を使って柱に塗ってから、ボロ布ですりすりとなじませていきます。
柿渋これが、その柿渋です。柿渋そのものは赤紫がかった半透明の液体です。どんな色かと言うと、温泉宿で見かける「番傘」をイメージしてもらうとわかりやすいかと思います。

あの独特な色は、柿渋を塗り重ねて得られる表情ですが、この場合の柿渋は防水が目的であって、色付けは二次的な産物なんです。でも、なんとも「和」を感じる趣のある色です。

柿渋今回ご依頼いただいたのは「黒っぽい深いこげ茶」とのことで、この色は柿渋に色土を混ぜて作っています。この色を出すために、赤や黄色や黒や数種類の色土をブレンドしてオリジナルの色を作るのですが、ただ混ぜるだけとはいきません。

色土の中には大小様々なダマがあって、よく混ぜたつもりでも塗っている途中でダマが混ざると、その部分だけダマの色が出てきてしまうのです。

そのため、色土はあらかじめフルイにかけながら、キメ細かいパウダーの状態に戻して混合する必要があるのです。意外とこんな所にも手間がかかっているのですヨ。

最終的にこの上にもう一度無着色の柿渋を塗って、塗膜をつけてあげると微妙なツヤが出て奇麗に仕上がります。このツヤ…ツヤとは言えないくらいのおとなしいツヤで、きっとイイ感じに仕上がるはずです。

土塗り作業PS.藁の家のワークショップも進行しています。これは1回目の土塗りで、泥を藁と藁の間にギシギシ詰め込んでいる所です。

連休中は好天に恵まれて、心配されていた泥の乾燥も予想以上に具合良くいっています。この後、中塗りを経て仕上げ塗りへと進みます。
小野
2010.04.26
ベイル積み作業中の現場からTELが入って、「天井と干渉してベイルが入らない所がある…」とのことでしたので、急遽半田の現場にGO!…原因はちょっとした思い違いでした。

天井の下にベイルを納めるのか、ベイルの壁に天井を納めるのか…前者を「天井勝ち」、後者を「壁勝ち」と呼ぶんですが、ここは「壁勝ち」だったんですね。それを「天井勝ち」で作ってしまったので、ベイルが納まらなくなってしまった…という訳です。

で、天井にノコを入れてギコギコ切り取るわけなのですが…こんな時に限って新品のノコギリしか持っていませんでした。釘を切ってしまう可能性もあるので、解体の時なんかはもうボロボロになっていて捨てても惜しくないようなノコを使うのですが、う〜ん仕方がない。慎重にやるしかないようです。

釘を打ちそうな所や打つ間隔なんかはだいたい想像がつくので、それを避けるようにゆっくりとノコを挽いて行きます。(ノコギリは「引く」んじゃなくて「挽く」んです。)…が、やってしまいました。最後の所で「ギー」と嫌な音が…あ〜あ、新品だったのにぃ。

この作業は15分くらいで終了しましたが、せっかく来たのだからちょこっとワークショップのお手伝いをしていくことにしました。ストローベイルプロジェクトのSさんの相方を務めさせてもらって、トイレ廻りのややこしい壁を10個くらいは積めたかな?

Sさんは女性のスタッフなんですけど、この人なんかカッコイイんですよ!「闘う女」と言う感じで、ひそかに隠れファンです。(別に隠れる理由もないのですが!)

午後に予定があったのでお昼前には現場を出るつもりだったのですが、炊き出しのカレーのイイ臭いが…ワークショップの日には建て主さんのお母さんと、奥さんのお母さんの「ダブルお母さん」で手料理を準備してくれているのです。これは食べずに帰るわけにはいかないでしょう!

ご飯の上に素揚げしたナスやアスパラ、蒸し鶏なんかを乗っけて、野菜たっぷりのルーをドバッかけて、これは旨い!メチャメチャ旨い!(メチャメチャは否定の時につける言葉だと叱られちゃいました。日本語が乱れております。大変失礼いたしました〜。)あまりにも旨かったもんで、写真を撮る間もありませんでした。従って画像はありませんが、最高の青空の下で車座になってカレーを頬張る絵を想像してください!

ベイル積みのワークショップは、この日で完了です。5月は土塗りのワークショップになりますが、ご興味のある方はお気軽にお問い合わせください。
小野
2010.04.19
藁の家のワークショップが始まっています。この週末もベイルを積みに行ってきました。

まずは下準備として、躯体に打ち付けていある貫材に藁縄をしばりつけます。そこにベイルを据えて、カケヤ(大きな木槌)でドンドンとたたき締めて、縄で躯体とベイルとをぎっちぎちに締め込んで固定していきます。

ストローベイル2段目からはベイルを積んだ上での作業です。割竹で作った60cmくらいの大きな串を使って、上下のベイルをさらに緊結します。(写真は3段目まで積んだ所です。)これを繰り返して7段目まで積めば完了です。…と、言葉で書けば簡単なのですが、こりゃあ肉体勝負ですね!

そもそも、ストローベイルって、そう言う建材があるわけじゃあなくて、牛の餌となる藁を省スペースで保管するために、圧縮して形を四角くしただけの物です。これを積んだら家にできるんじゃないかな…と誰かが考えたのが、ストローベイルハウスの、元々の始まりなんでしょう。

もちろん、今回使っているベイルは建築を目的にしたもので、密度や寸法をかなりシビアに調整してあるものです。とは言え、藁の塊には違いないので、寸法があってないようなもの…軽いようで重いようで…柔らかいようで堅いようで…。

ストローベイル従いまして、積む側の人間も柔軟に対応せざるを得ません。びっちり詰め込まれた状態に仕上げるのが理想なので、カケヤで叩いて納まらない所は、蹴ったり、お尻で押したり、ラリアット?まで…かなりハイになっていて、ひと壁積み上がった時には言葉にならぬ爽快感さえ感じました。(写真は積み上がった壁です。ものすごい迫力と存在感です。)

このワークショップの中心人物は「ストローベイルプロジェクト」のOさんとSさんですが、段取りがとても良くて感心してしまいます。材料や道具の配置はもちろんですが、「どこに」「どの大きさのベイルを」「どのように積むか」が色分けと図案化された表記でわかりやすくなっており、一目瞭然で自分のやるべき作業内容が理解できる仕組みになっています。

せっかく手伝いに来ても、何をやったらいいか分からずにウロウロしてるだけで時間が過ぎてしまうと、なんだか釈然としない感じが残ってしまいます。

もう10年以上前の話ですが、茅葺屋根の葺き替えのお手伝いに行った時が実はそうだったんです。本当の意味での仕切る人がいなくて、わかっている人はそれなりに働くのですが、それ以外の何十人かはボケ〜っと屋根を眺めながら時々頼まれて何かする…という感じでした。

藁の家ですから今回のワークショップは、肉体的にはへろへろになりつつも、精神的には充実して皆さんイイ顔をしていました。

目一杯働いてもらえる環境を整えることが、参加する皆さんに対しての最大のおもてなしなんだなぁと感じました。(ちなみに参加者全員が名前やメッセージを残して行きます。ウチもロゴを描かせてもらいました。)

今後のワークショップのスケジュールは、4月中がベイル積みで、5月が土塗りとなります。参加ご希望の方はお気軽にご連絡ください。
小野
2010.04.12
映画の舞台挨拶を初めて見ました。そもそも田舎映画館で舞台挨拶なんて普通あり得ないのですが、今回は映画の原作者が関市出身ということで、公開初日の東京に引き続き、2日目は僕の行きつけのシネックスマーゴであったんですよ。

映画のタイトルは「ダーリンは外国人」…上映後のステージに上ったのは、原作者であり主人公のモデルもある小栗左多里さんとダーリンのトニーさん。(残念ながら井上真央は来ませんでしたが〜。)鑑賞後にいろいろと裏話を聞くのはおもしろいものですね。DVDの映像特典についてくるサイドストーリーなんかもそうですが、小ネタ探しにもう一度見たくなってしまいます。

今回は生まれ故郷での舞台挨拶ということもあって、親戚のオジサンとか近所のオバサンとか、同級生とか…なんだか和気あいあいな感じがとても良かったです。立派に故郷に錦を飾ってましたね!こういう姿を若い世代に見せることも、とても良い刺激になると思います。それにしても…この映画館が満席になったのは初めて見ました。(笑)

話は変わりますが、東京で活動中のヒップホップミュージシャンのHOMEYくんも関の出身で、彼も先日マーゴにてライブをやっていました。(関にはマーゴしかないんかい!)彼のお母さんとお友達というよしみで聴きに行ったので、なんだか親戚の叔父さん目線になってしまうのはいたし方ありませんが、なかなか良かったよ、HOMEYくん。

関市出身者が全国で活躍してたまに戻ってくる…っていうのはイイものですね。実は僕は関の生まれではありませんが、16年も住んでいるとほとんど地元の感覚だし、ココで生まれた息子にとってはまぎれもなく「故郷」になる所です。だから、こういうの嬉しいのです。
小野
2010.04.05
このところ半田に通っています。岐阜から名古屋を通り越して、知多半島にある半田です。とんでもなく遠い…と思いきや、高速道路が整備されたおかげで1時間ちょっとで行けちゃいます。10年前なら信じられませんが、どんどん動けるエリアが拡大していることを実感させられます。

で、半田で何をやっているのかと言いますと、元々イタリア料理のレストランだった建物を、構造はそのまま、内部を全部撤去して住宅に作り変えるリフォームの工事です。今回ちょっと無理をして半田まで足を伸ばしたのには理由があって、このリフォームのメインテーマとなっているのが念願の「藁の家(ストローベイルハウス)」なんです!ノルマンディで作って以来3年ぶり、ようやくその機会が巡ってきました。

もうひとつ楽しみなのが、ストローベイルプロジェクトのOさんとのコラボレーションで作業を進められることです。Oさんは藁のスペシャリストですが、建て主であるMさんにお引き合わせいただきました。Oさんには一昨年の見学旅行の時に大変お世話になっているので見知らぬ仲でもなかったのですが、まさかこんな形で再開できるとは…思ってもいない幸運です。

ベイル作りこの写真はOさんの作業場でのベイル(藁を圧縮して束ねたブロック)作りです。今回の工事には約400個のベイルを使います。

ベイルの元になる藁は、契約農家から集められたものを昨秋よりビニールハウスで保管して、含水率なども徹底的に管理されています。同じベイルでも、牛の餌になる物とは品質管理が全く違うのだそうです。
藁の家現場の方は、現在木工事が大詰めです。天井に張ってある板は製材所で挽いたままの杉板で、仕上げも何もないザラザラの板ですが、これが案外イイ味を出しています。ストローベイルの土壁ができると、もっと調和することと思います。

…コレ通常は屋根の下地に使う「野地板」と言う物なのですが、そのまま仕上げに使うのは初めてのことです。大胆な発想と建て主さんのご理解をいただかないと、なかなかチャレンジできることではありません。ただその分、材料費はかなりお値打ちです。

ここで、ワークショップ募集のお知らせです。4月と5月の週末に、「ストローベイルの積み込み」や「土壁塗り」のワークショップを行います。ご興味のある方は、四季の家工房までお気軽にお問い合わせください。日程や募集要項など、詳細をご案内させていただきます。
小野
2010.03.24
長いことご無沙汰していたハウスクリーニング屋さんから、「ちょっと助けてくれない?」とのお電話をいただきました。なんでも旧家の桧張りの廊下を塗り直すのだそうで、表面の古い塗膜やキズをめくって欲しいとのことなのですが、どこに頼めば良いのかわからない…いろいろ小回りが利きそうな所ということで僕の顔を思い出してくれたようです。

電話であれこれ説明を受けても、現場の状況がちっともイメージできません。お引受けできるかどうかわかりませんが、とにかく現場見てみないと何とも言えません。で、現場に急行!「ど〜も、お久しぶりです」ということで、まず大量のネギをもらっちゃいました。…まだ引き受けるって言ったわけじゃないのに、こんなのもらったら断れないじゃん!

では、現場を拝見。なんとなんと、素晴らしい材料を使った家じゃないですか!廊下の桧板も均質な穏やかな木目で、反りや収縮、隙間などもほとんどありません。キズや雨の降り込みによるシミは至る所にありますが、仕事も良いのでしょう、何十年も経っているとは思えないほど、しゃんとした廊下です。

これを一肌めくって新たに着色し直すのだそうですが…んっ?着色??イイ感じに古びていて、このままでイイんじゃない?とも思いましたが、こういう下請けで引き受ける仕事は、技術的な助言は別にして、できるだけ先方のイメージに添えるように、ただただ腕を振るうのみです。

当初は「カンナがけできないか?」とのことでしたが、既に出来てしまっている廊下にカンナをかけるのは…ちょっと無理。道具の構造上、隅まで刃が届かないということもありますが、木材の目に入り込んだ微細な砂粒などで、どれだけも削らないうちに刃先がすぐボロボロになってしまいます。しかも、作業可能な時間は1日しかありません。

電動サンダーということで、電動サンダーを使って作業することになりました。作業当日は、ベルトサンダー、オービタルサンダー、ランダムオービットサンダーと特性の違う3種類の電動サンダーと大量のサンディングペーパー、そして一人一台集塵機をつないで万全の構えで臨みました。

集塵機の威力はバッチリで、たぶん9割以上のダストは処理されているようで、思ったほどホコリに苦しむことはありませんでした。その代り振動で手がしびれて、箸を持つのも困る始末です…。

電動サンダー3人で床にはいつくばること丸一日、どうにかノルマ達成。無心に床と格闘する時間は、終わってみれば、案外イイ気分転換になったような気もします!木がツルツルに変化していく様を実感することは、けっこう気分が良かったりもします。

…と言うか、そういう感覚が好きだったりします。何かモノを作って、磨き上げて、眺めて、撫でて、ニンマリする…ちょっとナルシスト?

深いキズは残りましたが、全体にかなり奇麗に一肌めくることができました。
小野
2010.03.18
久しぶりに映画の話を…ちょっとタイミングを外しちゃっていますが、「インビクタス」いい映画でした。もう、すでに上映が終わっていたらすみません。ウチの近くの映画館も今週金曜日で上映終了です。

言わずと知れた、ネルソン・マンデラを描いた実話ベースの映画です。なので、ストーリーも結末も概ねわかっちゃっているのですが、クリント・イーストウッドならではの骨太の人間ドラマに仕上がっていて、ひと時も飽きることなくスクリーンに集中させられました。

キャストもイイ。モーガン・フリーマンはマンデラ大統領のイメージにまさにピッタリです。…と思っていたら、何とかつて実際のマンデラ大統領その人が「私を演じるならばぜひこの人に」とコメントしていたそうです。そして、南アフリカラグビーチームの主将を演じた、もう一人の主人公マット・デイモンも素晴らしい役作りでした。

まぁ細かい説明は抜きにして、心に残る名セリフは、タイトルにもなったインビクタスと言う詩の一節です。「私自身が私の魂の支配者である」…正確ではありませんが、意味はこんな感じです。27年間もの投獄生活で、マンデラ氏が自分を見失わないために心のよりどころにした言葉です。

僕はどちらかと言うと詩のような曖昧な表現は苦手な方で、小説とか映画のようにちゃんと状況説明がある表現手法の方がしっくりと受け止められるタイプなんです。しかも、きめ台詞があって、それを言わさんがために構成されているような映画もあまり好きではありません。

例えは悪いかもしれませんが、「ヒカエ!ヒカエ!このモンドコロガ目にはいらぬか!」…これを言わせるだけのために1時間もつき合わされるのはかなわんと言う感じでしょうか。(好きな人はゴメンね!) でも、この映画のきめ台詞には、本当に心に訴える力がありました。

人間は感情に流されるのは簡単です。クルマの運転中にちょっと割り込みされただけでカッとなってしまったり、お店などで対応の悪さにムッとしたり…。でもこれは反応しているだけですよね。尻尾を引っ張られた犬がガブッと噛みつくのとなんら変わりはありません。

これでは魂の支配者は自分自身ではなく、相手の行動に左右されているだけです。…とまぁ、わかっちゃいるけど、なかなか自分をコントロールするのは難しいものです。そんな意味でも、自分への問いかけにもなるイイ映画でした。詩の原文は検索すれば出てくるはずです。興味があったらぜひ探してみてください。

ついでながら、併せて観ることをお薦めする映画をご紹介しておきます。収監中のマンデラを担当する看守が、マンデラから影響を受けつつも、アパルトヘイト社会の中で葛藤する心の変化を描いた、こちらも実話ベースの映画です。「マンデラの名もなき看守」こちらはDVDになっています。よかったらぜひご覧ください。
小野
2010.02.25
この土日は羽島で完成見学会を行いました。いつもながら、このホームページとメールでの個別のご案内以外、何も告知をしていません。…告知もそうなんですが、見学会につきものの旗もノボリも出していません。

ご来場いただいた方からは「何もないので、ちょっとわかりにくかった」とのお言葉もいただきましたが、これはこれから生活を始める建て主さんへの最低限の心遣いでもあるのです。ご来場いただいた方には案内不十分で申し訳ありませんでしたが、「もしあなたが四季の家工房の次のお客様になっていただいた時には、同じような配慮をさせていただきます」ということで、何卒ご容赦のほどを!

見学会の方はいつも通り…一通り建物をご案内した後は、報告書(現場の工事写真帳)をご覧いただき、完成後には見えなくなる部分の記録や仕事の様子などを説明させていただきました。その後は家の話をあれやこれやと…家作りに対する想いや、今抱えている問題、学校の話、子育て、料理、趣味、融資の話、地震、将来の展望、景気等々…。

考えてみれば、多かれ少なかれ身の回りのほとんどのことは家作りに関連することばかりで、それぞれ皆さん優先順位も違います。だから、「想いを共有すること」って本当に大切なことだと思います。こうしたお話の時間を大事にしたいので、いつも見学会は予約制とさせていただいているのです。

さて、最後のお客様(?)は…ウチの大工の小林君が奥さんを連れてきました。自分の仕事を家族に見せられるっていうのはイイものですね。奥さんとしても、毎朝早起きしてお弁当を作って、こんな家を作ってたんだぁ、と見てもらうのが一番です。見学会は予約制なんですけど…まぁ嬉しい飛び入りでした!で、この奥さん、四季便りのファンだとのことで…更新のプレッシャーが又ひとつ増えました。
小野
2010.02.19
四季の家工房は新築しかやらない…と思われていることがよくあるのですが、いえいえそんなことはありません。僕たちは大工ですんで、家にまつわる大概のことは対応しています。で、今回は介護保険制度を利用したバリアフリーリフォームのご紹介です。

これは、手摺を付けたり段差をなくしたりといった改修工事なんですが、要支援・要介護の認定を受けた人を対象に市町村から改修費が補助されんです。補助の上限は20万円なんですが、これだけあれば生活に必要な動線の段差解消、手摺取付くらいは概ねまかなえる金額です。

バリアフリーリフォームこれが、改修前の玄関です。土間から床までの高低差が約30cm。玄関左手には寝室となる和室があるのですが、ここも畳の高低差が約3cm。その他、トイレや浴室の出入口など、昔の家はホント段差まるけです…。
バリアフリーリフォームで、改修後がこちら。まずは土間に踏み台を設置し、土間から床の高さまでゆるやかに斜めの手摺を取り付けます。手摺の高さは床から83cmを基準としました。この数字は、病院のドクターや担当のケアマネージャーさんから指示をいただき、体格や病状を考慮した上で最適な高さを出していただきました。

和室への段差には、擦り足で歩いても蹴っつまづかないように、三角形の断面をしたスロープを取り付けることになりました。この通称「三角スロープ」は、既製品が結構出回っていて誰でも簡単に取り付けることができます。

けれど、この家だけでも数種類の高さが違う段差があり、微妙な高さの加減や納まりを良くするためには、やはりオリジナルで作った方がしっくりくるようです。

バリアフリーリフォーム取り付けも一手間かければ、使い勝手を数段良くできます。例えばこの写真のように2方向に出入口がある場所では、付き付け部を45度に切ってスロープ同士をなじませたり、ドア枠のでこぼこの形状に合わせてスロープを切り欠いて納めたりもできます。

既製品を手配して床に設置するだけならば、一般の方でもできることです。…まぁそれでも事は足りるのかもしれませんが、どうしても隙間や谷間ができて、ホコリがたまったり足の指を引掛けたりしてしまう可能性もあります。そういう意味で、「プロを呼んでいただければそれなりの仕事はやりますよ!」という事例のご紹介でした。

バリアフリーリフォームちなみにこれ、着色して既設の床と色をなじませた方がカッコいいんじゃないの?と思われるかも知れませんが、視認性が良くなるようにわざと白っぽい木を使ってるんです。

他にもトイレへの動線や浴室の手すりなど、全20アイテムの工事になりました。お風呂の手すりも、「ユニットバス等の中空壁には後付けできない」と諦めている方もいるかと思いますが、特殊なアンカーを使えば施工可能な場合もあります。まずはお気軽にご相談いただければと思います。
小野
2010.02.09
「かまくらを作りたい」と息子が言う。「う〜ん、今度ね」と生返事を繰り返していましたが、いかんいかん!息子も今度は4年生になってしまうし、もしかしたら来年あたりは「かまくら作ろう」とこっちが誘っても乗ってきてくれないかもしれません。

子供の成長は大人が考えるよりはるかに速く、肉体的にも精神的にも今年のアイツは去年のアイツと確かに違っています。しかも今年は当たり年で雪が多い。もしかしたら、無邪気にかまくらを作れるのもこれが最後のチャンス?…と言うのも大げさかもしれませんが、あながち否定もできないかも。

という訳で、クルマで1時間、雪のたっぷりある荘川高原に来ました。スタートの時間がすでに昼をまわっていたので、作業の時間は正味2時間と見ました。それなら、雪を積み上げて中を掘るいわゆる「かまくら」よりも、十分な積雪のある場所まで足を延ばしてでも、単純に掘ることでできる「雪洞」の方が短時間で広い空間を作ることができると踏んだわけです。

雪洞つくりで、汗だくになること2時間…延べ床面積0.7坪、天井高1m20cmと言ったところでしょうか、なんとか3人がゴロンとできる程度の空間が出来上がりました。

落ち着き感が出るように玄関からL字に曲がっているのがミソなんです!最後にしつらえとして入口に階段もつけたし、手袋を置くニッチ棚や、息子は自分専用の椅子も作っていました。天窓も開けて…というより上を歩いたら足がつき出ちゃったのですが、そんなこんなでようやく完成!

本当はこの中でゴハンでも食べればもっと面白かったのでしょうが、スタートが遅かったせいもあり、日が暮れて汗も引いて寒くなってきたので、荘川温泉にGOということになりました。来年はもっと早く行動を開始してお昼ゴハンをたべたいなぁ〜。来年も遊んでくれればの話ですが…。
小野
2010.01.18
ちょっと前から気になっていた絵があるんです。それは石井一男さんの「女神像」…と言っても、宗教画をイメージされるとちょっと違うんですが、幾重にも絵の具を塗り重ねた、壁のような質感の奥から、言いようのない穏やかさ、温かさがにじみ出してくるような絵なんです。暗闇の中に蝋燭の火を見つけたような落ち着き、時間が止まったような静かさ…残念なことに、原画は見たことないんですけどね。

初めてこの絵を見た時の印象は、「これは円空さんが描いたのでは!?」と思いました。四季の家工房のある岐阜県は円空ゆかりの地が多く、意識さえしていれば作品を見ることができる機会は結構あるんです。

鉈で無造作に彫られたような「円空仏」と、石井一男さんの「女神像」がどうしてもダブって見えて仕方がない…この絵は「どんな場所」で「どんな風」に「どんな人」によって生み出されたんだろう?と思っていたのですが、時が経つうちにだんだん頭の中の隅の方に追いやられて、やがて忘れてしまっていました。

で、昨日の朝、新聞のTV欄をなにげなく見ていると、「奇跡の画家」とか「女神像」とか言う文字が目に飛び込んできたんです。人間の脳味噌ってのは本当に面白いもので、たったこれだけのキーワードで、一瞬にして絵のイメージや、その時自分が感じた印象なんかがど〜っと蘇ってきました。

その番組は「情熱大陸」…こりゃ、見逃すわけにはいきません!番組を見て、絵が生まれる瞬間も「奇跡の画家」と呼ばれる理由も、何となく…ちょっとだけわかったような気がします。やっぱりこの人は円空なのか??

番組では「女神像」の他に「ひとり立つ」と言う作品も紹介されていました。こちらも中々ぐっと来るものがあります。本当はこんな風にてっとり早く見ちゃうにはもったいないくらい重みのある作品ですが、「石井一男の小さな美術館」でも一部紹介されていますので、皆様もぜひ一度ご覧ください。
小野
2010.01.01
あけましておめでとうございます。旧年中は大変お世話になり、ありがとうございました。

今年も四季の家工房は、たくさんのお客様とご縁を持てますよう一層努力して参ります。そして、1つ1つの家づくりに対して丁寧に、そして誠実に向かい合って行きたいと考えています。

スタッフ一丸となって頑張って参りますので、今年も四季の家工房をよろしくお願いいたします。
宇佐美