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2008.12.26
ありふれた表現ではありますが本当に「瞬く間に終わった2008年」でした。毎年この時期になると、その年出逢った人たちの顔や出来事などに思いを馳せながら、ゆく年を惜しんでおります。

お世話になった皆様、ありがとうございました。手間を惜しまず汗を流してくれた皆様、ありがとうございました。知恵を授けてくれた皆様、ありがとうございました。喜びを分かち合った皆様、2009年も良い年になりますように!
小野
2008.12.15
昨日は岐阜県八百津町で見学会を開催させていただきました。いつもながら、クチコミとホームページのみでの告知で、ノボリも看板も無い本当に地味な見学会でした。でも、それでも多数の方にご来場をいただきました。誠にありがとうございました。又大切な新居をご提供くださった建て主さんには、心よりお礼申し上げます。

一生懸命作ったものを見ていただけることは作り手にとってホント励みになるのですが、何せ作っているモノが個人住宅と言う特殊なモノだけに、こう言う機会にしかお見せすることができません。本来でしたら、もっとゆっくり時間をかけてお話したかったのですが、なんだかバタバタしてしまってすみませんでした。

実は同じ日にもう一件おめでたいことがありました!この日、四季の家工房が建てた「四国山弘法堂」の落慶法要が行われました。山の木々もずいぶんと葉っぱを落とし、ふもとからもようやく祠が見えるようになってきましたが、その分、下は落ち葉だらけ…朝早くから山道の落ち葉を掃き清め、新しく完成した祠にお地蔵さまをお祀りしました。
小野
2008.12.11
14日に見学会を控えた八百津町の住宅が追い込み状態です。明日は、電気、水道、建具と当社が現場に入って最後の仕上げを行います。当日は誰でも見ていただくことができますので、お気軽にご予約ください。

さて、研修旅行の後篇です。2日目は三谷温泉から知多半島に移動して、常滑のINAXライブミュージアムに向かいました。開館時間の10時ちょうどに到着。僕たちが一番乗りかと思いきや、社会見学の小学生ですでに賑わっていました。市内の小学校なのでしょうか…こんなところに見学に来れるなんて羨ましいですね。

ここは建て物ごとにテーマがわかれていて、中でも泥んこをテーマにした「どろんこ館」は一見の価値ありです。泥を「こねる」「丸める」「干す」「塗る」「締め固める」などなど、様々な手法で作られた建物は、なんだか原始の昔からの、人と泥との長〜いつき合いを感じられるような、そんな野性的でもあり、それでいて穏やかな何とも言えないイイ感じなのです。

建築中のワークショップのVTRも流されていて、思わず見入ってしまいました。「盤築」…バンチクって読むのですが、一度やってみたいなぁ。土をバンバン叩いて築くから、盤築なのかな?詳しくは語りませんが、いいですよ〜盤築の壁の存在感!

常滑の次の目的地は名古屋市内です。今回の旅のメニューに、どうしても入れたかったのが「藁の家」なんです。昨年フランスで経験したのは骨組造りと藁詰めまでで、肝心の仕上がりを僕たちは見ていないのです。とは言え、再びフランスまで行くのもままならず、だったら国内で見学できるところはないだろうか?と探しあてたのが、名古屋の某「藁の家」なんです。

もちろん突然押し掛けるわけにはいかないので、建築プロジェクトの中心となったOさんと言う方にあらかじめ連絡を入れ、この建物をご紹介いただきました。Oさんには、建て主さんをご紹介いただいただけでなく、初対面にもかかわらずわざわざ案内までしていただき、本当に感謝感謝です。

藁の家現地近くでOさんと合流して、Oさんについて住宅街に入っていくと、あったあった「藁の家」だ!積み上げた藁の塊りに泥を手で塗り付けた外壁!大勢の大人や子供が、この壁に張り付くようにして泥を塗り込んでいった様子が目に浮かぶようです。

やはり、建て物の話は作ったご本人から聞くのが一番です。藁や土の魅力から苦労話や楽しい話まで、色々お聞かせいただきました。奇麗にまとめられた工事やワークショップの写真帳も見せていただき、その素敵な冊子を見ているだけでも、この建物がいかに大切に作られたのかが伝わってきます。建て主さん、Oさん、本当にありがとうございました。

次は同じ名古屋市内でも東のはずれの方に移動して、木工家具作家のMさんの工房にお邪魔しました。Mさんは「暮らしの中の木の椅子展」と言う展覧会への出品を機に知り合った、小野の十年来の知り合いなのですが、現在木工教室とご自分の作品づくりという独自の路線を構築され、知る人ぞ知る工房なのです。

僕よりも10歳くらい年上なのに、フットワークの軽さや情報収集の頭の柔らかさはスゴイです。ちょこちょこ海外に行っては、工法や道具やデザインなど、日本にいては得られないようなノウハウを集めてきます。そして、独自の理論や日本の伝統工法とミックスして自分のモノにしてしまう…。

作品に変化はあるものの、基本的に10年前と今を比べても作風と言うか、根底に流れるものはほとんど変わっていないように思えます。ご本人は「あんまり作っとらんからとちゃうかぁ」と言ってましたが、「生き方にブレがないからなのかなぁ」と思いました。

大工にとっては同じ木を扱う仕事ながら、見るモノ、触るモノ、新鮮なモノばかりです。治具の工夫や安全に対する配慮など、聞くたびにウ〜ンと唸っていました。

大量生産ではなく一品モノを作る仕事は、ある意味、非常に非生産的なことです。でもそれは、生産性のみを優先することにより失われてしまう「大切なモノ」を守るため、あえてする「遠回り」のようなものなのです。

その「遠回り」の負担を少しでも軽減できるように、あるいは気持よく安全に「遠回り」できるようにする、微妙な工夫の数々がビンビン伝わってきます。扱う道具や作るモノの大小はちがいますが、そこはやはり大工です。その辺の微妙なところがストンと腹に入っていくのです。

最後に春日井の「たむろ」と言ううなぎ屋さんで夕食を摂りました。このお店、造りからしてかなりスゴイです。実はこのお店を施工した方とは知り合いで、今回お店を見せていただく気持で伺ったのですが、味の方も負けてません…というか、とってもオイシイです。食べに行って損はしない!と断言できます。

いろいろ良いモノを見せていただきました。でもいくら良いモノでも、すぐにそのままマネをしたところで、それはただの「猿マネ」にすぎません。一旦は自分の中の引き出しにしまいこんで、何かの時に何かと何かが結び付く…なんて風に応用できれば、きっとそれが「モノになった!」ということなのでしょう。

当たり前のことですが、同じモノを見ても皆少しずつ感じ方が違います。でも、皆で一緒に同じモノを見て語り合えた研修旅行は、本当に貴重な2日間でした。「あの時のあんな感じだよ!」で伝わり合う仲間の存在こそが四季の家工房の「力」です!
小野
2008.12.05
研修旅行の後篇がなかなか書けません。なんでかって言うとNEDO(新エネルギー産業技術総合開発機構)の補助金公募期間がもうすぐ終わってしまうからです。

現在リフォームのお話を進めさせていただいているお客様がみえるのですが、なんとかこのお客様に「住宅・建築物高効率エネルギーシステム導入促進事業」の補助金を受けていただけないものかと、情報や申請書類作成のノウハウを集めるのにやっきになっています。

平成20年度の募集はとっくの昔に完了したものと思い込んでいました。ところがどっこい、ニュースでおなじみの「ホセイヨサン」の一環で、現在二次募集がかかっていました。その締め切りが12月12日必着!(女房の誕生日と同じ日だ!関係ないかぁ。)

そんな訳で只今募集要項熟読中です。これが終わったら導入システムの検討と、導入によって削減できるエネルギー量の算定に入ります。そして、最後に見積り&書類の作成…これが当面のミッションです。

この制度はCO2削減に国が本腰を入れた具体的な形です。来年度は、より内容を拡大して継続することがほぼ確実視されています。私達としても今回なんとか経験を積んでおけば、次回からのお客様にきっとお役に立てるはずです。

明日は導入システムを検討するために、お客様と一緒にパナソニックのショールームに行ってきます。ちょうど土日とイベント開催中です。行ったらジャガイモもらえますよ〜。
小野
2008.11.29
27、28日と久しぶりに全員揃っての旅行に行ってきました。フランス以来ですから、かれこれ1年半振りでしょうか。10人乗りのワンボックスをレンタルして、総勢8名でワイワイと出かけてきました。

まずは岡崎を目指します。ここで電動工具のトップメーカーであるマキタの工場を見学しました。自分の「手」の延長のように毎日使っている電動工具ですが、どのように作られているかはこれまで気にもしていませんでした。今回はちょっとした思いつきから見学のオファーをしたら快く迎え入れていただき、部材の加工から組み立てまで一連の流れに沿って案内していただきました。

何となく想像はしていたものの、生産管理と品質管理の徹底ぶりには目を見張りました。特に小ロット生産用の組み立てラインは、視覚的に訴えるものが大きかったです。

人と部品、そして道具はほとんど無駄無く配置されていますし、製品の大小により製品をベルトコンベアで流して組み立てるのか、人間が移動しながら組み立てていくのかなど、様々な工夫が随所に盛り込まれています。更には、終わりのない改善を繰り返していくそうです。

もうひとつ気になったのが、組み立て前日までの準備を専門にしている部署です。各ラインごとにカートが分かれていて、明日必要な部品を必要な数だけ仕分けしてあります。そのカートは見えなくなるくらいまでずらっと並んでいましたが、このカートが各ラインに向けて一斉に散っていく様はすげ〜だろうなぁと想像させられます。

こうやって、多品種生産を支えているんですね。まぁ、弊社も明日の道具と材料を前の晩にトラックに積み込んでおくので、同じようなことはやっていますが…。

研修旅行次に訪ねたのが、天竜にある秋野不矩美術館です。この建物、実はかなり有名なんです。まずは下から見上げたのですが、まるで野戦の砦のような異様な出で立ちに驚かされます。石葺きの屋根、土の壁、木板の壁、そして木でできた雨樋がにょきっと飛び出しているし!

ここは、美術館にしては珍しく入口で靴を脱いで入館します。中に入ると、真黒に焦がした柱と梁の木組みが目に飛び込んできます。一見、柱の表面はチェンソーで無頓着に削っただけの、文字通り「粗削り」な感じになっているのですが、粗いだけではなく手で触った時に心地良いように丁度良い加減に仕上げられています。あまりの存在感に、多くの訪問者が思わずナデナデしてしまうことでしょう。

低い入り口をくぐるようにしてさらに進んで展示室に入ると、白い石の床と曖昧な堺いで溶け合うように連続している壁に、思わず「う〜ん!」。この部屋の質感と、岩絵の具を使って描かれた秋野不矩さんの絵の表情とが絶妙に調和して、時間を忘れてしまいそうになります。

絵も建物も自然の材料でできているからでしょうか、程良いざらざら感と柔らかな色合いが本当に心地良いです。秋野不矩さんは90歳を超えてなお創作活動を続けた方ですが、僕たちは半分以下…まだまだこれからです。

その後は蒲郡方面に戻って、本日の宿は三谷温泉の某ホテルです。このホテル、おもしろい宿泊プランがあって、タオル、歯ブラシ、寝巻き、箸を持参すると、なんと一泊二食ついて6800円で泊まれるのです。「おい、箸持ってこないと、メシ喰えねえぞ!」なんて脅しておいた甲斐あって、ちゃんと全員忘れずに箸を持って来ました。(笑)

最初は「こんなに安くて大丈夫かなぁ…」と心配していたのですが、行ってみたらなんのなんの、全然OKでした!まずは到着時に抹茶のウエルカムサービス。まったく期待していなかったところに、このおもてなしはなんとも嬉しいものですね。食事もおいしかったしお風呂も良かったし、けっこう飲んで歌いまくって…部屋が狭くて山側なことも含めて、全て納得のいく内容でした。

2日目の報告は、また今度。
小野
2008.11.26
昨日はバスに乗って久しぶりの名古屋でした。僕の住んでいる関から名古屋に出るには、目的地までクルマで行ってしまうか、岐阜かあるいは鵜沼までクルマで行ってそこから電車に乗るか、高速バスを利用するかの3通りの道があります。

幸い家からはバス停が近いし、乗ってしまえば1時間で名古屋駅または栄あたりまで行けるし、料金も1000円と手ごろです。便数がちょっと少ないのが難点ですが、よほど帰りが遅くなる時以外はちょこちょこ利用させていただいています。最大のメリットは…「昼寝ができること」かな。

この日も乗車するなりウトウトと…。単調なエンジンの響きと高速道路の継ぎ目のリズムがあいまって、寝ているのか起きているのか、ちょうどその真ん中あたりを行ったり来たりするのが、何とも心地良いのです。

最もおもしろい現象は、意識を失う直前にやってきます。このバスは若い女性の利用者が多く、したがってあちらこちらでおしゃべりがペチャクチャと…別に盗み聞きするわけではないのですが、耳に入ってくるのは仕方が無く、それとなく聞いてしまうのですが、意識を失う瞬間それらの言葉は意味を失い、音のみが耳を柔らかくくすぐります。単語と単語の区切りもわからなくなり、まるで聞いたこともない異国の言葉のように、うわべの音だけが感じられる瞬間があるのです。

これが何とも心地良い!あまりの心地良さにハッと我に帰ると、また言葉に意味がまとわりつき、聞きなれた日本語に戻ってしまいます。そして、すぐにまた意味を失ってゆく…たかが1時間のバスの旅なのですが、なんだか地球の裏側まで旅したような不思議な気分が味わえるのです。しかも、たった1000円で!

こうして思うと、外人には日本語ってこう言う風に聞こえているのでしょうか。僕はこの言葉のリズムや響きを「美しい」と感じます。きっとフランス語にも負けないでしょう!

…で、何をしに名古屋まで行ったかと言うと、住宅金融支援機構(かつての住宅金融公庫)の「フラット35」の仕様書が改定されたので、その講習会に参加してきました。この仕様書は、「フラット35」の融資を受けようが受けまいが、現在の住宅作りの共通認識のような位置付けにあり、作り手として決して無視して通れるような物ではありません。

もしも、これから家を建てられる方で工務店選びに迷っている場合は、試しに担当者に(フラット35を利用しない場合でも)「フラット35の仕様書に沿って作ってもらえますか?」と尋ねてみるのも、ひとつの判断材料になるかと思います。仕様書を理解した上で自社独自の提案があればそれも良いと思いますが、仕様書そのものを理解していないようでしたらちょっと考えた方が良いかも…。

PS.27日と28日は社員研修旅行のためお休みとさせていただきます。旅行の報告はまた後日!
小野
2008.11.13
1人で移動するクルマの中ではたいていラジオを聴いていますが、先日ある放送で「図書館の利用法」と言うテーマの番組がありました。日本人は平均して年間に5回しか図書館に足を運ばないそうです。ただあくまでも平均ですので、少数のしょっちゅう行く人と、大多数のほとんど(まったく)いかない人に二分されるのではないかと思われます。

僕は月に2回くらいなので、年間20回程度は利用させてもらっています。これは欧米人の平均とほぼ同じだそうです。たいていは何かのついでに立ち寄ったり、あてもなく何か新しい発見を求めて行くのですが、調べる目的があってわざわざ足を運ぶ事もあります。

必要としている情報にたどり着くために、これまでは目を皿のようにして書架を睨み回すか、せいぜい端末で検索するくらいの利用方法でしたが、今回ラジオで聞いた「本来の図書館の利用の仕方」を実行してみることにしました。

それは「司書さんを利用する」ということです。本を探す時に、タイトルや著者など具体的な情報がなくても「こんなことが調べたいのですが、こんな感じの本ありませんか?」と尋ねると、それっぽい本をあれこれ教えてくれるのです。ちょっと違うようでしたら「こういう感じじゃなくて、もっとこんな風」などと、漠然としたキーワードを伝えるだけでも結構テキパキ探してくれました。

本のタイトルくらいわかっていないと探しようがないかなと思っていましたが、これは大間違いでした。しかも、開架式の書棚ではなく一般が立ち入れない書庫の方から割と色々と出てくるんですね。通常の書籍だけではなく行政がまとめた資料なんかも閲覧できるし、かなり短時間で得たい情報にたどり着くことが出来ました。

改めて考えると、素人が何万冊もある蔵書からお目当ての一冊にたどり着くのはそりゃ大変なことです!プロが手伝ってくれるのですから、こんな頼もしいことはありません。これまで図書館の司書さんは貸出とか返却とか、本の整理とか、そのようなことが中心なのかと思っていましたが、実は本のコンサルタントだったのですね。

本当に「通」の方は、司書さんをご指名で本探しをするのだそうです。司書さんの専門性もあるでしょうし、自分の好みを知っている人と言う意味もあるのでしょう。「利用」と言うとなんだか言い方が悪いですが、ラジオの中でも「もっと司書を利用してください」と言っておられました。図書館の見方がちょっと変わったような気がしました。
小野
2008.11.11
本日は「四国山弘法堂」の建て方をしました。葉っぱの色づいた晩秋の里山に、今朝も早朝から山登りです。天候は曇り空でうすら寒い一日でしたが、まあ降られることを思えばありがたいものです。

小さな祠ではありますが山の上での作業のため、できる限り準備万端で臨みました。工場で出来る作業は全て済ませ現場では組み立てるだけ…の状態にしてあります。

四国山弘法堂建て替え四国山弘法堂建て替えこの建物の特徴は、柱に溝を彫っておいて、そこに壁板を落とし込んでいくシンプルな構造です。(写真は柱の溝に壁板を落とし込んでいる様子です。)

この壁板で外部も内部も仕上げとなるので、上棟と同時に仕上げもできてしまうのです。割り切った感じが結構イイので、いつか住宅でも応用してみたいなぁ…こんな感じの家がイイなと思う方いませんか!?

四国山弘法堂建て替え柱と桁の仕口も金物を使わなくても済むように、長ホゾ込み栓打ちとなっています。
四国山弘法堂建て替え柱の上端まで板をはめたら、軒桁を取り付けます。この軒桁の下端にも溝が彫ってあって、壁板の上端と組み合うようになっています。
四国山弘法堂建て替え四国山弘法堂建て替え最後に屋根を架けて、本日の作業は終了です。日が短くなってきているので朝も早めに行動開始しているのですが、結局真っ暗になってしまいました。

次は瓦屋さんの出番です。
小野
2008.11.09
昨日は朝から山登りでした。四季の家工房の工場裏手には小さな山があるのですが、その頂上には「四国山弘法堂」と呼ばれる祠(ほこら)があります。今回は地元自治会からこの弘法堂の建て替えをご依頼いただきました。

四国山弘法堂建て替え四国山弘法堂建て替え前日までは久々に手刻みで準備を進めました。最近はほとんどプレカットを使ってますが、いざって時はちゃんとできるんですよ!(笑)

そして、山の上で万全を期すために、一度工場で仮組みをしました。で、再びばらして昨日の荷揚げとなりました。

四国山弘法堂建て替え小さな山とはいっても、急勾配の山道が片道15分ほど続きます。もちろん車は入れません。そこで、材木を荷揚げするために自治会や消防団の皆さんに朝から集まっていただきました。その数なんと140名!
四国山弘法堂建て替え会長さんの挨拶の後、体力や年齢に合わせて各々材木を担ぎ、山道を登っていきます。瓦は体力に合わせて、2〜3枚づつひもで縛ります。

4メートルもある棟木や軒桁は、つづら折れを曲がりきれないのでスイッチバックしながら登っていきます。道々、お地蔵さん八十八尊(お地蔵さんは「そん」と数えるのだそうです)があり、こんな身近な場所に霊験あらたかな山があったとは知りませんでした。

四国山弘法堂建て替えマンパワーとはスゴイもので、1時間で全ての荷揚げは終了しました。ありがたいことに、最後にはおにぎりと豚汁の炊き出しまであって、労をねぎらっていただきました。

皆様、たいへんお疲れさまでした。上棟は明日を予定しています。
小野
2008.11.04
11月2日、3日と岐阜県関市のお宅で完成見学会を行いました。このホームページとメール以外では告知していないにも関わらず、2日間を通して9組の方々にご来場いただきました。誠にありがとうございました。又、大切な我が家を私達のために開放してくださった建て主さんには本当に感謝しております。この場をお借りして、心よりお礼申し上げます。

何より嬉しかったことは、ご来場いただいた皆様と結構ゆっくりお話ができたことです。机に向かいあって話をするより、同じ物を見ながら、同じ雰囲気を感じながら会話をすることは、お互いのイメージを掴み合うためにとても重要なことだと思います。

四季の家工房では、派手な広告を出して集客だけを目的とするようなイベントは行いません。ささやかですが、一期一会を感じていただけるような見学会を今後もしていきたいと思っています。皆様に感謝!
小野
2008.10.27
昨日は久しぶりに休むことが出来ました。休日が無いわけではないのですが、何かと細々した仕事が入ったりして、完全に終日休んだのは久しぶりなんです。で、一日子供につき合って、各務原航空宇宙科学博物館の「水ロケット大会2008」に参加してきました。

水ロケットと言うのは、ペットボトルに入れた水を圧縮空気と共に噴き出す力を利用した単純な仕組みのロケットなのですが、原理としては実際のロケットも同じなのだそうです。午前中はまずロケットの製作です。ペットボトルを2つ連結して、尾翼と紙コップのフェアリングを付けるだけの簡単な工作なのですが、精度とバランスが結構重要だということは直感的にわかります。

一度組んだロケットを手の平に乗せてくるくる回してみて、軸のズレがないかチェックします。フェアリングが若干傾いていたので、セロテープをはがして修正。片眼で睨んだり、回したり…この時点で「つき合い」のはずの父は、かつての少年に戻ってしまいました。

昼からは芝生の広場に移動して、いよいよ競技大会です。競技の説明を聞いてビックリ…なんと60メートルも先の旗めがけてロケットを発射し、一番近くに落ちた人が優勝です。こんなもんが60メートルも飛ぶんかい!?と半ば半信半疑…。

発射のチャンスは各々2回ずつ!1回目は教えられた通り、自転車の空気入れで20回分、約6kg/c㎡の空気を充填しました。子供の力でポンピングするので本当に20回分入ったかどうかは怪しい所ですが、まぁだいたいということで…。仰角45度、目標の旗に向けて左右の微調整をして、準備ができたら、3・2・1の秒読みで発射!

ものすごい勢いで水を噴き出しながら、本当に飛んでいきました!何も知らずにロケットの真後ろで発射レバーを引いた息子は、びしょ濡れになりながらも、目線はしっかり我がロケットを追っています。多少ゆらゆらしつつも、旗の手前6メートルくらいのところに着地しました。ホンマに飛んだわ!しかも迫力あるし、なかなか感動的でした。

2回目の飛行は、1回目の飛行データに基づいて微調整を加えることにしました。まずは着地のショックでつぶれたフェアリングを直し、ゆらゆらをなくすために尾翼の先端を曲げました。これによって、ロケットに駒のような回転を与え、直進性が増すことが考えられます。そして、あと6メートル遠くへ飛ばすために、充填する空気の量を4回分増やすことにしました。かつての少年は、すっかり水ロケットに夢中になっているのでした。

2回目の発射、3・2・1、ビュ、ビュ、ビュ〜!イメージ通りの高速回転をしながら、奇麗な弧を描いて飛んでいき、旗のわずか左側に着地しました。こりゃあ、すごいぞ〜!…で、表彰式は、なんと優勝でした!!本当にうれしかったです。

その後も一日博物館を堪能させてもらいましたが、ここ結構おもしろいです。大人も楽しめますので、一度足を運ばれてはいかがでしょうか?
小野
2008.10.25
引き渡し間近になってくると、小物類や器具の取り付けなど色々と細かい作業が増えてきます。たいていの場合はカタログやサンプルから選んだ既製品を使うのですが、そればかりではつまらないので一部手作りをすることもあります。今日は「キッチンのシンクの上に吊下げる照明」と「引き出しの引き手」を作りました。

手造りの照明キッチンの照明器具は、梁に使った米松の端材に穴を掘って陶器製のソケットをつけ、鎖で吊っただけのシンプルなものです。でも、建物に使ってある材料と全く同じ素材なので、部屋にしっくりなじんで結構イイ感じなのです。電球や電線など含めても材料費は1,500円くらいです。

ちなみに、この写真を撮った時にふと思いついたアイデアがあって、もうちょっとプラスアルファしてみようかなとも思ってます。

手作りの引き手引き出しの引き手は、階段残材のタモを3cm角くらいに削って、直径13mmの穴を開けました。13mmのステンレスパイプの両端をこの穴に差し込み、引き出しの前板に取り付ければオリジナル引き手の完成です。

余った材料の再利用がほとんどなので材料費はあまりかからないのですが、手間は結構かかっちゃうんです。半分、自己満足(?)でやっているので、よほど大がかりな物でもない限り「建て主さんへの新築記念のプレゼント」ということでご笑納いただいています。

これらの現物は11月2日と3日の完成見学会の時にチェックできますよ〜。ぜひ見に来てください!
小野
2008.10.20
昨日は、引き渡し2年目のお客様のところに「2年点検」に行ってきました。久しぶりに建物の中を拝見いたしましたが、いや〜きれいに住んでいただいていて嬉しいかぎりです。点検は内部外部共に、目視とお客様へのヒヤリングが主な内容となりますが、出入口の建具(扉)や手摺などは実際に手でいじってみたりもします。又、普段は目に触れない床下を覗いたり、雨樋のゆがみなども見て回ります。

点検後の雑談では、息子さんの勉強机の話題になりました。一年生になるのを機会に「木の勉強机」を用意してあげたいとのことで、某家具屋さんのチラシを見ながら「こんな感じの木の机が作れますか?」とのご相談を受けました。弊社にご依頼をいただければもちろん作れます。ただそれとは別に、そのチラシの写真を見ながら感じたことがあったので、そのお話もさせていただきました。

デザインを売りにしている家具屋さんの机だけあって、とてもシンプルで木の持ち味を引き出した机になっています。ただ残念なことに、家具として「机単体の機能」や「美」は盛り込まれているのですが、使う人間(この場合小学生と親)の「動き」にまで想像をめぐらせたデザインとは思えないのです。

小学校低学年の子供が自分から進んで勉強する…なんてことは、まず無いことだと思います。少なくともウチではあり得ません。(涙) そうなると親が(たいていの場合、母親が家事の合間に)見てあげることになるのですが、その親がちょこんと座るスペースをあらかじめ想定しておいた方がよいと思うのです。

しかも、小学生の宿題の時間は夕食準備の時間とかちあったりしがちですので、頻繁に立ったり座ったりを無理なく行えるような配置上の配慮も必要になってきます。

いろいろなパターンが考えられますが、例えば…

  • 子供の表情が見えるように、机を壁に向けない。壁に向ける場合でも、少なくとも横顔は見えるような配置にする。
  • 壁面に書棚を置いて、書棚を背に座ると物を取るのに便利。この配置だと、正面が室内側を向くので表情も良くわかる。
  • 机の短辺側(左側)に親の座るスペースを確保する。右側だと字を書く手元が見えないので、漢字の書き順などを見てあげられない。
  • 個室化しない。小さいうちはダイニングテーブルでもよいと思う。
  • 直射日光があたらないこと。
  • 近くの壁面(親の後ろあたりがベスト)に黒板代わりのホワイトボードがあると便利。
  • 計算ドリルなどは縦にページをめくる本もあるので、奥行きもそこそこ必要です。
  • 勉強だけではなく、工作もできるようにヘビーデューティー(耐久性があること)にする。
まだまだありますが、とりあえず思いつくままに書きました。こんなことを考えながらデザインしていくと面白いですよ。まぁ上記は落ち着きのないウチの子の動きを想像してのことなので、全ての方に当てはまるとは思いません。

でも、子育て世代の親御さんは似たような悩みを抱えているのではないでしょうか?それをハード面で支援できたらなぁ…と思っています。

ちなみにうちの場合は、親の座る位置が右側になってしまったため、字を書く手元が見えないのが失敗でした!
小野
2008.10.16
すみません。更新をずいぶんサボってました…サボっているうちにすっかり秋になってしまいました。夏が大好きな僕にとって、夏から秋への変わり目の頃はなんだか寂しく、夏に何かやり残したことがあるような無いようなちょっと複雑な心境になるのですが、それも本当の「秋」となった今では、過去の話です。

その年にもよりますが、これからの時期、四季の家工房がある山県市(旧美山町)や僕の住む関市あたりでも、熊の出没情報が流されることがあります。

美山町はともかくとして関市は普通の町なんですよ。都会と比べるとそりゃあ田舎ですけど、標高100mにも満たないような里山がぽこぽこっと並ぶ合間に田んぼが広がっているようなどこにでもあるような風景で、熊が出てくることなどちょっと想像しがたいです。

それでも、数年前から何度かこの「熊情報」の放送が流されています。よほど食べるものがないのでしょうか。今年はドングリなど熊の餌となる木の実が比較的多いそうなので、できればうまいこと住み分けをしてもらいたいですね。

山や森に入ると「熊出没注意」と言う注意喚起の看板を目にすることもあります。これは日本中どこでも同じような物がありますよね。観光地のお土産物屋さんなどではステッカーになったものも売られています。

でもこれ、ちょっと見方を変えて熊の立場で考えると…山や森は元々熊やその他の生き物の住む場所なので、彼らにしてみれば出没するのは「人間」の方なのかもしれません。こんなことを感じたのは以前カナダでトレッキングをした時のことです。やはりカナダでも注意喚起のサインが出ているのですが、書いてある文言が180度違いました。

「You are in BEAR COUNTRY(あなたは熊の国にいます)」…だからここに立ち入るなということではなく、熊たちの住むエリアに入らせてもらうと言う謙虚な気持を持つと共に、自己責任で行動しましょうということなのでしょうね。
小野
2008.09.19
「透湿防水シート張り」その3です。ようやく具体的な張り方について語れます。

まずは窓廻りの張り方です。アルミサッシが取り付く開口部の下端を包むように透湿防水シートの部分張り「先張り」をします。

カットした透湿防水シート(横幅は窓の横幅プラス左右に40cm程度の伸び、高さは約50cmくらいの物)を使います。それを窓の下部分に張って、窓開口竪に沿ってカッターを入れて、窓台内側の方へ折り込みます。

切れ目を入れた角部分は防水テープを折り込むように貼りつけます。防水が目的なので、テープには切込みを入れないで、多少グチャッとさせるように、無理やり曲げこみます。それを縦横方向で貼るので、二枚重ねになります。

さらに言うならば、上から下に水が落ちることを考えると、テープを張る順番は横→縦になります。グチャッとさせたテープのシワが、水の通り道にならないように充分に圧着させます。
透湿防水シート張り 透湿防水シート張り 透湿防水シート張り
透湿防水シート張りこの下準備ができたら、アルミサッシを取り付けます。

ここらへんの前後関係の打ち合わせをきっちりしておかないと、先張りする前にサッシ屋さんがアルミサッシを取り付けちゃった…なんてことになりまねません。そうなったら全部はずしてやり直しです。
透湿防水シート張りアルミサッシが取り付いたら、サッシのツバと建物本体に張った面材(ここではモイスを使用)の両方にかかるように、防水テープを貼っていきます。

これも、水の切れを考慮して、下の方から上に向かって順番に貼りつけていき、最後に角部分に斜め貼りでダメ押しです。
透湿防水シート張りテープは両面粘着のもので幅広の75mmの物を使うと、サッシのツバとモイス両方にたっぷりと掛けて貼りつけることができます。

ポイントはここでもシワができないように、ギュ〜ッと圧着させることです。この時点では、テープ同士が重なる部分以外は、まだ裏紙をはがしません。
透湿防水シート張り窓廻りの処置が全部できたら、一番下から順番に透湿防水シートを張りあげていきます。上のシートは下のシートに10cm以上重ね合わせるのがルールです。

窓の下部分は、先張りしたシートにもぐらせるようにし、左右と上端は防水テープの裏紙をはがして、密着させるように張りつけていきます。

すっぽりと張り終わったら、さらなるダメ押しとして窓上端部分とシートを密着させるようにテープを貼り、ようやく窓開口部の防水措置は完了です。

透湿防水シート張り透湿防水シート張りその他、換気扇や電線などの外壁貫通部は、シーリング材を使って一次防水をします。

その後、外壁仕上げの段階とフードなどの部材を取り付ける段階で、最終的な防水措置を行います。
透湿防水シート張り透湿防水シート張り外壁と軒裏が取り合う部分や、桁など木部が突出する部分の防水措置です。

この部分は屋根直下なので、通常の雨ならば雨水が進入する心配はありませんが、強風による吹き上げなど万が一に備えて、野地板と透湿防水シートが一体になるようにシーリング材を指でギュ〜ッとなじませるように塗り込んでいきます。

軒裏に天井パネルを張るような納まりならば強風による吹き上げの影響も受けにくいのですが、野地板の木板をそのまま見せるような納まりだとこの部分が弱点になってしまいます。それでもやっぱり「木は見せたい」ので、このあたりの防水はしっかりやるようにしています。

又、シーリング材は外的要因により比較的劣化の早い材料なので、これに頼った防水には問題があります。しかし、直接外気や紫外線に触れない部分での使用に限って言えば、影響は少ないものと思われます。

その他にもまだまだ勘どころはたくさんあるのですが、この話は一旦この辺で…。(なるべくわかりやすい写真を選んだので、使用している透湿防水シートは統一されていません。)
小野
2008.09.15
前回の続きで「防水シート(正確には透湿防水シート)張り」について書きます。

建て物を上棟したら、まずは屋根を最優先に作っていきます。その次に外壁の面材を張り、その上に透湿防水シートを張ります。ここまで出来れば一応雨風はしのげる状態になるので、作り手としても建て主さんとしても一安心ということになります。

この透湿防水シートを張る手順と言うのが結構ややこしくて、工程の前後を間違えると取り返しのつかないことになってしまいます。何故かと言いますと、一般的なシートは幅1mのロール状になっていますので、重ねる順番がとても重要になるからです。

単純に言うと、下から順番に張り始めて、下になるシートの上端に上のシートの下端が10cm以上重なるように張り重ねていきます。屋根の瓦を下から順番に葺きあげていくのをイメージしてもらえるとわかりやすいかと思います。

こう書くと、「なぁんだ簡単じゃないか…」と思うかもしれませんが、建て物は単純な四角い箱ではなく、当然窓の開口があり、デコボコの平面形状があったり、1階の屋根が2階の壁に取りついたりします。

更には外壁を貫通する換気扇やエアコン、外部照明等の設備関係の部材による穴があちこちに開いていて、まさに防水上の弱点だらけになるのが現実…これら弱点をひとつひとつ潰していくのが「透湿防水シート張り」の工程です。「紙張り」などと簡単に言えるほど単純な作業ではないのです。

話が前後するようですが、そもそも何でこの透湿防水シートが必要なのでしょうか?最終的に外壁で仕上げるのですから、無くてもいいように思われるかも知れません。もちろん外壁の仕上げ段階でも入念に漏水対策はしますよ。…ただ、これも完璧とはいきません。作り手がこんなことを言っていては怒られるかもしれませんが、実際に外壁だけで雨水の侵入を食い止めることはできないのです。

例えば台風のような強風を伴う大雨では、水切り部材を乗り越えて下から上に水が入ってくることもあります。又、パネルの目地部分や左官壁のクラック、窓廻りのシーリング材の劣化など、経年変化によって初期の防水性能が得られなくなることも考えられます。雨、風、紫外線などの外的要因をまともに受けている外壁面はかなり厳しい環境にさらされていますので、年々劣化が進んでいくものなのです。

その点、透湿防水シートは外壁に守られた層に位置します。より長期にわたって建て物を守ってくれるとっても重要な部分なのです。ですから前回書いたように、少々値が張っても信頼のおける材料を使うようにしています。

八百津町にて建築中の住宅では、現在この透湿防水シートの施工状態を見ることができます。今月一杯くらいは多分見れる状態だと思いますので、見学ご希望の方はお早めにメールください。現場をご案内いたします。

…このテーマはもうちょっとだけ続きます。
小野
2008.09.04
雨・雨・雨…雨が続きます。大雨や洪水に被災された方には心からお見舞い申し上げます。僕たちは被害にこそあっていないものの、雨で仕事が思うようにはかどりません。外仕事、特に水を使う左官屋さんや塗装屋さんは、段取りも狂いまくりでこんな状態が続くと本当にバンザイです。

今日は昼過ぎまで天気が良かったので、外壁の防水シートを張りに行ってきました。この作業は「紙張り」などとよく言われて案外軽く思われているのですが、建物を守るためには非常に重要な工程なんです。

まずは材料。四季の家工房では、板張りや板金仕上げの外壁の場合、デュポン製のタイベックシートを標準にしています。透湿性や防水性に優れ、耐スクラッチ性も高いので、工事途中に木材の切り口でひっかいたりしても簡単に破れることはありません。最も評価の高い防水シートのひとつです。その分お値段も結構いいんですが…。

又、外壁の仕上げが「そとん壁」などの左官仕上げの場合は、さらに値の張るセーレン製のモルタルラミテクトを使います。こちらは前者の性能に加え、シートそのものの厚みや丈夫さがさらに高くなっています。

左官仕上げは、水で練り混ぜたザラザラした材料を、コテを使って壁に押し付けるようにして塗り込んで行きますので、その時に防水面を傷つけず、かつ起毛した表面に材料が良くなじむよう、左官専用に作られているシートなのです。

もちろん、いくらシートの性能が高くても張り方を間違えていては本来の機能を発揮できません。シートの張り方については又次回!
小野
2008.08.25
こんにちは、宇佐美です。先日、地元の中学校の進路学習の一環で職場体験があり、6人の生徒が四季の家工房にやってきました。

コンセプトは「身近な人々の職場を見学し、その職業や仕事から働くことの意義や目的、喜びについて考えよう。」ということで、会社事務所にて仕事や働くということについて色々な話をしました。仕事や職業には色々あり、働くためには今の勉強が将来絶対に役に立ちますよ等々…。

職場体験職場体験最初は、家づくりとはどういうことから始まるのかを、図面や模型を見ながら説明していきます。

模型にはだいぶ興味を示していました。これが物づくりの楽しみの始まりなんですよねー。
工場にていよいよ木材に触れて体験開始です。材料の整理から、材料を乾燥させるために立てかける作業などを行ってもらいました。木材の重さは約10kgなのでそんなに重くはないのですが、長さが4mもあるので扱いにくいです。でも四苦八苦しながらも頑張っていました。最初は「こんなの簡単やー」と言っていましたが、2本、3本と運んでいくと思いのほか大変さがわかったみたいです。
職場体験 職場体験 職場体験
職場体験実際施工している現場も視察に行きました。会社に戻ったら、今日の職場体験についての出来事を、学校から持ってきたレポート用紙に色々と書きこんでいました。

少しでも働くことについて理解してくれたと思いたいです。今日の一日の職場体験が将来の役に立つかどうか分からないけど、将来の希望の星たち、頑張れー!
PS.小野からの報告です。保育園のライブは無事終了しました。みんなの知っているあの歌この歌を、ガンガンのロックにアレンジして届けてきました。うまくできたかどうかはよくわからないけど、「カッコイイ〜」と声がかかったのが、オジサンは嬉しかったヨ。
宇佐美
2008.08.23
この数週間、夜な夜なオヤジが集まってはバンドの練習をしてきました。バンドと言っても、保育園の夏祭りのオープニングで3曲やるだけですが、けっこう真剣に練習してきたんです。

バンドは5人編成で、男性保育士2人がドラムスとベースです。そして、アコースティックギターオヤジとボーカルオヤジと、僕はエレキギターの担当のオヤジです。僕もギターとの付き合いは長いんですが、フォークギターを掻き鳴らしていた程度でエレキギターは初心者です。

ベースの保育士さん以外はほとんど皆素人で、よくもまぁまとまったもんだと、我ながら感心してしまいます。でも、この練習期間はとても楽しい時間を過ごさせてもらいました。普段と違う刺激を与えることはホントに良いものです。しかも、遠慮なく大音響で弾きまくれるので、ストレスもあっという間に飛んでしまいます。

で、今日これから本番です。残念ながら天候には恵まれず青空ライブとはいきませんでしたが、子供たちにノリノリの歌をプレゼントできるといいな!
小野
2008.08.18
お盆休み中、四季の家工房の作業場にて急遽「ミニ木工教室」を開くことになりました。ミニと言っても作るものがミニなのではなくて、参加人数がミニなのです。

そもそも、何で木工教室を開くことになったかと言いますと、以前キッチンをリフォームさせていただいたお客様から、「息子が工作でキッチンワゴンを作りたがっているのですが、どうやったらいいかわからない…教えてもらえないだろうか。」というご相談をいただいたのがきっかけです。

教えることのプロではないのでちょっと戸惑いましたが、「頼まれ事は試され事!」と、頼っていただいたことに感謝してお引き受けすることにしました。そこにたまたまもう一人、お付き合いのある設計事務所のG氏からも同じような依頼をいただきまして、どうせなら一緒にと言う訳で2家族合わせての「ミニ木工教室」となったわけです。

で、どうだったかと言いますと、時間的な余裕がなかったことと、教え方がうまくないということもあって、半分以上僕が作ることになってしまいました。…これは大きな反省点です。子供の工作にプロが手を出すことへ違和感を覚える方や、反対意見も多いとは思います。

ただ、僕自身がやってみて感じたのですが、「プロはこうやって作る」という場面を間近で見せたことは体験として大変意義があったのではないかと思います。もちろん、その前提として「何を、どのような寸法で、どのように仕上げたいか」と言うような明確なイメージを本人が持っていなくては意味がありません。ただ漠然と見ているだけではダメなんですね。

この「生徒さん」は事前にイメージスケッチを描いて、頭の中がよく整理されていたようです。ワゴンを置く場所の寸法やワゴンに収納するものの寸法、使用するキャスターの寸法などの下調べも良くできていましたし、組み立て方のイメージも一応できているようでした。

その上で、実際に切ったり削ったりする作業を見せてあげると、「こういう時には、こういう道具を使うんだぁ…」ということを感じ取ってもらえたようです。

半日であらかたの形は出来上がりましたので、あとは持って帰ってサンドペーパーをかけたり、塗装をしたり、ご自宅で続きをやってもらいます。

今回は、こんな成り行きで「ミニ木工教室」を開くことになりましたが、突然のことでしたので告知もできず事後報告となりました。正直けっこう大変でしたが、たまにはこういう催しもいいかなぁと思いました。(しょっちゅうは…無理、無理!)
小野
2008.07.30
炎天下の中で土曜日から続いていた建前がようやく一段落して、久しぶりに通常の朝を迎えています。

いやぁ〜、それにしても暑かったです。特に土曜日はこの夏最高だったとのことで、「多治見で39℃」とニュースネタになるほどの暑さでした。そもそもこんな時期に上棟の予定など立てなければ良いのですが、諸事情があって決めた工程なので仕方ありません。大量のペットボトルと梅干しをクーラーボックスに詰め込んで出陣しました。

もちろん、今回も東京ビケ足場さんの電動クレーンと上棟チームに来てもらっています。四季の家工房の大工6人と併せて総勢10人での建前です。「暑い」ということを除けば、上棟作業はいつものように淡々と進んでいき、夕方には予定通り棟木を上げることが出来ました。

今回は建て主さんのご意向で、昔懐かしい「餅まき」を行うことになりました。「餅まき」とは、上棟が終わった屋根の上に登って、文字通りお餅をばらまいて近所の人たちに拾ってもらうお祝いの行事です。20〜30年くらい前には当り前のように行われていたのですが、最近ではほとんど見かけなくなってしまいました。

かく言う小野も自分の携わる家で「餅まき」をやるのは初めてなんです。宇佐美や堀部も「そう言えば昔はやったねぇ…」と言う感じで、本当に久しぶりのようです。

「餅まき」の習慣がなぜ無くなっていったかと言うと、家が「建てる」ものから「買う」ものになってしまったことや、「地域とのつながりを求めない」と言った生活習慣の変化が大きいです。ただ一番の理由は「ものすごく手間がかかる」ということだと思います。

今回の建て主さんも、朝から餅をついて、丸めて、包んで…それに、天候の心配や作業工程とも絡むので、段取りすること自体がとても大変なことなのです。

もちろん一人ではできない作業なので色々な方に手伝っていただいたのだとは思いますが、お互いに「手間」をかけることで、お祝いの気持ちや感謝の気持ちがより深まったことと思います。「行事」と言うものは決して形だけではなく、色々な意味が込められているのだなぁと改めて気付かされる建前でした。
小野
2008.07.17
このホームページもようやく丸1年を迎えます。思っていたよりも多くの方、そして多岐にわたる方面からご来訪いただきました。又、建築に関すること、建築には全く関係ないことも含めて色々な方からメールをいただき、改めてインターネットの不思議な広がりに感心しております。

今回ご紹介するのも、建築と全く関係のない方からのメールがきっかけです。本来の仕事には何のプラスにもならないはずのこの手のメールではありますが、何故か不思議なつながりができると言うか、ご縁と言うか、なんだかとても嬉しく感じるのです。

1ヶ月ほど前の話ですが、「ホームページを見ました」と言う方からメールとお電話をいただきました。「ノルマンディの藁の家」のページを見られたとのことでした。…で、どんな内容だったかと言いますと、「あの場所に行きたいのだけど連絡がとれないでしょうか?」とのことでした。

「えっ、うちは旅行会社じゃないよ…」と一瞬戸惑いはしましたが、旅に対する熱意やお人柄がわかってくると、「この人ならば紹介してもいいかな?」と思うようになりました。もちろん個人宅ならば話は別ですが、フィリップさんのところは民宿やレストランもやっているのでお客さんを紹介しても問題はありません。早速メールを入れてあげました。

その後、うまいこと話もまとまったようで、先月の末から今月までフランス旅行を満喫されたようです。先日、旅日記のご案内をいただきましたので、ご本人の了承を得てご紹介させていただきます。

フランスからのお手紙

僕たちにとっても懐かしい風景と食べ物が満載で、思わず見入ってしまいました。同じようなネタはなぜか続くもので、またしてもフランス絡みの話題でした。
小野
2008.07.14
ノルマンディに藁の家を建てに行ってから、丸っと1年が経ちます。だからと言う訳ではないのですが、ちょうど今週、藁の家の長男クロードが日本に来ていて数日間ウチでホームステイしていました。

タダメシを食わせるわけにもいかないので、昼間はもちろん現場のお手伝いです。床の板張りやコンクリート打ちに行ったり、工場の作業や竣工現場の総点検まで、盛りだくさんのメニューだったと思います。

彼は現在夏休み中で、この秋から高校3年生になります。将来の進路について、いろいろ考えている時期でもあります。で、そのいろいろの選択肢の中に「建築」もあって、結構そっちに心が傾いている様子でした。ですから、今回日本に来た目的のひとつに「日本の大工の仕事を見てみたい…」ということがあったようです。そんな訳で、いろいろな現場に連れて行ったのですけど収穫はあったかな?

僕の心の中にも長年温めている夢があって、それは「日本の古民家を外国で建ててみたい…」と言うものです。昨年フランスに行った時も、当初の提案では日本の古材を持っていこうと思っていたのですが、なにせ予算が足りなくて実現することはできませんでした。

今回、クロードにちょっとした種を蒔いておきました。種と言うのは、古民家再生を写真やイラストで解説した技術書をお土産に持たせておいたんです。「おー、スゲ〜、こんなことできるの?」と興味津々目を輝かせていました。この種から芽が出るのか、実るのか、先のことは未知数ですが、僕の描くシナリオはこんな感じです。

フランスで建築の大学に進む→卒業後日本で大工の修行を2〜3年→帰国して実務経験を数年→独立して日本贔屓のお客さんから古民家移築の依頼を受ける→僕たちの出番!…なんと先の長〜い話でしょうか?しかも調子のよい話で…。(笑)

でも夢を見るのはタダだし、夢があると日々の仕事が何倍も楽しくなるので、年齢に関係なく夢はどんどん見た方が得ですね。…いえ、ただの夢ではありません。壮大な計画はすでに動き始めているのだ!!
小野
2008.07.03
今年の1月に着工した岐阜の住宅がようやく完成しました。完了検査も何事もなくパスし、あとはお引き渡しを待つのみです。実は今回の完了検査はちょっとドキドキしていたんです。いえ、別に悪いことをしたわけでも不具合があるわけでもないんですが、今回ちょっと新たなる試みがあって、それが検査でどのような判定を受けるのか、楽しみでもありドキドキでもあったわけです。

その「新たなる試み」と言うのは、準防火地域内において軒裏等に木材を現し(あらわし)で使用する方法です。「現し(あらわし)」と言うのは、木材をボードや左官で覆うことなく、木材自体を意匠に取り込み木造らしい木造住宅を作る手法です。四季の家工房では定番の納まりですが、これまで準防火地域内にあっては木部を出すことはほとんどできず、不燃材料で覆い包む必要があったのです。

これに風穴を開けてくれたのが、京都の町屋再生に携わる方々です。これまでは、京都の古い町屋を建て直す場合も、防火上の規制により全てを不燃材で覆い隠す、いわゆる今っぽい建物しか作れませんでした。そうやって変貌していく街並は京都であって京都でない…との思いが原動力だったのでしょう。

以前、講演会でお聞きしたのですが、それはそれは長い道のりだったとのことです。作っては燃やす実験と検証を繰り返し、木材の防火性能を実証してくれました。

そして、最先端の材料や技術に頼らず、昔からどこにでもある「木」や「土」と、どこの大工でも作ることができる「一般的な工法」の組み合わせによる、防火上有効な軒先の技術的な基準を作ってくれました。

それを国土交通省が認め、告示と言う形で全国一律に使えるノウハウになりました。大変なご苦労をされたのに、技術を独り占めにせずオープンにしてくれるというのには本当に頭が下がります。そして、その技術を使わせていただいたのがこの岐阜の住宅です。

告示と言う形で誰でも使えるディテールにはなったものの、まだまだ広く知られてはいないため知人の設計事務所などに訪ねても施工した実例がありません。どのような点を検査で指摘されるのかもわかりません。ですから、検査当日は何を聞かれても受け答えができるように、分厚い工事写真の記録帳を手に、設計を担当した梅村女史と二人で身構えて待っておりました。ところが…何事も起こらずスルッとパスでした。

さてこの住宅ですが、7月13日の日曜日頃まででしたら見学をしていただくことが可能です。ご希望の方は、四季の家工房までメールでお問い合わせください。個別にご案内させていただきます。
小野
2008.06.21
先週、「クルマを買い替えよう」と四季便りに書きましたが、そのせいかクルマの話題が耳に止まるようになりました。とりたてて積極的に情報を集めているわけではないのですが、意識の違いって言うのはこう言うところにも表れるのですね。普段はほとんど右から左〜なんですけどね。

例えばCM。そもそも夜のニュース番組くらいしかテレビを見る習慣がないので、必然的にCMを見る機会も少ないのですが、クルマのCMが流れると何となく意識が行ってしまいます。そんな中で、妙に気持ちにひっかかりを覚えたのが「エコ替え」と言うコピーです。エネルギー効率の低いクルマや家電などはこの際だから買い替えちゃいましょうと言う提案なのですが、これってどうでしょうか?あまりに飛躍しすぎに思えてなりません。

気になったので、ネットで見てみると、「ちょっと疑問に感じる…」から「欺瞞だ!」まで、色々な意見がありましたが、「受け容れ難い」と言う点ではほぼ一いたしているようです。

まさか、「エコ」だけを真に受けて「クルマを買い替えよう」なんて人はいないと思いますが、「そろそろクルマを買い替えようか」と迷っている人に対して、「エコにもなるし…」と言う理由を与える効果を狙ったのかなぁ…。

菊池桃子はいいんだけどなぁ〜。この人を起用した時点で、対象となる世代が僕たち前後であることは自明です。子供達の将来を考えたり、環境に対する意識の高い人たちもいますが、せっかく菊池桃子なのにちょっと反感買うCMになっちゃたかもしれません。

僕自身はとりたてて「エコ」な人間ではないし、毎週満タンのガソリンを消費する立場でエラそうなことは言えませんが、「エコ」が商業主義になるのはいかがなものかと思います。前にも書きましたが、タダで配るエコバックがゴミになっていたり、「エコ」がつく商品名が巷にあふれていたりします。「エコ」と名のつく物を手にしただけで環境に貢献できる…わけではありませんよね。
小野
2008.06.15
「クルマを買い替えるぞ!」と決めました。現在、仕事で使っているカローラワゴンは平成6年の車で、走行距離も18万キロを突破しており、この8月には車検が切れてしまいます。道具を積めて燃費も良く何ひとつ不自由は感じていないので、もう一回車検を通してオーバー20万キロを目指そうと思っていたのですが、この数ヶ月でちょっと事情が変わってきてしまいました。

これまで大した故障もなかったのですが、このところミッッションの異常を感じるのです。もうずいぶん前からATF(オートマチックフルード)の交換をさぼっているのですが、それが原因かもしれません。

とはいっても、無交換で数万キロを走ってしまった状態でいきなり交換するのもリスクが高いのです。あちこちにこびりついたカスがきれいな油で流れ出て、バルブを詰まらせてしまったりする二次災害を引き起こすようです。メンテナンスを怠ったツケが廻ってきた状態ですね。

元々「今回の車検はお金がかかるなぁ」とは思っていたところです。それは何故かと言いますと、あきれはてて怒るのも忘れて笑っちゃうのですが、実は以前妻がクルマに竹ザルを乗せて梅干しの土用干しをしたのです。それが原因でボンネットがボロボロになってしまっているので再塗装をする必要があるんです。

タイヤの交換時期も迎えています。ゴム製のシール部材の劣化も著しく、その他もろもろ指折り数えると結構な金額になってしまいそうなのです。…そんな訳で思い切って買い替えることにしました。宇佐美は「この際だから新車にしよう」と言うのですが、僕としては、まだ他にも仕事の道具やパソコンの周辺機器など欲しいものがあるので、今回は(今回も!)中古車で良いのではないかと思っています。

で、やることは皆さん同じかと思いますが、まずはネットでいろいろと検索してみました。中古車選びのサイトは、検索のしやすさ、比較検討のしやすさ等の工夫がされていて、見やすい内容になっていますね。モータースポーツにどっぷり浸かっていた20年前とは違い、クルマ選びの条件もさっぱりしたモノです。道具が積めて、たまにはお客様を載せることもでき、そして低燃費!

結構良さそうなものが出てくる出てくる…しかも結構安い!…でも、どうしてもここで買う気にはなれないんですね。で、やっぱり近所の縁故あるところで…ということで、いつも車検やタイヤをお願いしているI自動車さんに行ってきました。だいたいの予算とタイプを伝えて探してもらうことになりましたが、どんな車が出てくるか楽しみです。
小野
2008.06.09
四季便りをさぼっていたら、催促のメールをいただいてしまいました。すみません…でも、反応をいただけることはホントにありがたいことです。

先週はずっと上棟をしていまして、雨に打たれて体調を崩し(だから更新をさぼっていたわけではないんですが…)、ようやく週末あたりから調子が戻ってまいりました。実は週末に楽しみにしていたコンサートがあって、もしこれに行けなかったら今週は最悪の気分で始まる一週間になっていたはずです。

で、それと言うのはジョージ・ウインストンのピアノソロコンサートです。名前を知らない人でも、あの旋律はきっと聞き覚えがあるはずです。僕がこの音楽に出合ったのはかれこれ20数年前…冬の北海道を一人旅した時のことでした。

列車乗り継ぎの時間調整で数時間を帯広で過ごすことになったのですが、夜行に備えてとりあえず温泉に入り、ぶらぶらと駅に戻りつつたまたま見つけたジャズ喫茶に入りました。そのお店にお客さんは誰もいなくて、「ジャズじゃないけど、これかけていい?」とお店の人がかけてくれたのが、ジョージ・ウインストンのオータムと言うLP(昔はあったんだ!)でした。

勧められるままに聴いたら、これがイイんです。はじめて聴くタイプの音でした。今まで聞いたことのないような、透き通っていて自由でやさしい音でした。まるで、大自然の中で、誰に聞かせるためでもなく響いている自然の音そのもののような…例えるならば、風もないのに枯葉がハラハラ落ちる音のような、雪が降り続く音のような、そんな感覚にしびれました。

現代の我々は、この音楽から当然のように「癒し」をイメージすることができますが、この当時「癒し」と言う言葉の概念自体も現在とは少し解釈が違っていたと思います。ですから「癒しの音楽」なんて言う概念があるわけもなく、でも音楽から受ける感覚はまぎれもなく今日で言う「癒し」でした。

ようするに僕は、帯広のジャズ喫茶で言葉にできないような新鮮な音に出合って感動したわけで…(なぜか北の国から調)、車窓から見る雪原の風景と音楽が僕の中で化学変化を起こし、忘れえぬ思い出へと熟成していったのでした。

今にして思うと、80年代にあって21世紀の現代を予言したかのようなオータムと言うアルバムはそんな存在です。全然違う分野の話ですが、レイチェル・カーソンの「沈黙の春」に感じたのと同じような、なんだか大きな流れの源流(あるいは源流付近)のような、じっと自然を見つめるような、怒鳴っているわけではないのにどこまでも通る澄んだ声のような、そんな感覚を覚えます。

それにしても人間の脳みそは不思議なものですね。すっかり忘れてしまったようなことでも、思い出深い音楽を聴くと映像や匂い、それに温度まで次々に引きずり出されてきます。まるで、フィルムに映像が焼きつくように音楽に思い出が焼きついています。…で、その思い出のジョージ・ウインストンが岐阜に来ると聞きつけまして、大奮発で家族3人のチケットを手に入れたわけでした。

最後に家の話を少々。関市内で上棟した建物の構造部分を今なら見学可能です。大きな庇のある、結構イイ感じの家になりそうですので、見学をご希望の方はお気軽にご連絡ください。お待ちしております。
小野
2008.05.24
先日この四季便りでもご案内しましたが、NPO岐阜楽しい家づくり研究会の主催のセミナー「失敗しないための住宅資金計画」を本日開催いたしました。今回、講師にお招きした伊東先生は、独立したファイナンシャルプランナー(FP)として京都を中心に活躍されています。

この「独立した…」言う所が実はミソです。FPの資格を持った方は結構おみえになるのですが、たいていは金融機関や保険会社などの組織に所属する方ですので、当然自社の金融商品や保険商品を売るために知識や経験を活用する…ということになってしまいます。これはいたし方ないことだと思いますが…。今回の先生はそんなシガラミが一切ないので、100%相談者の立場に立ったライフプラン作りをしてくれます。

では、本日のお話の中から少し抜粋してみます。これは実際にあった事例なのだそうですが、わかりやすいように数字を追ってみます。例えば4000万円のローンを組むとして、利率3.3%で35年払い(毎月約16万円返済)だと最終的にいくら返済すればよいか?…なんと、総額6750万円になります。

元金を差し引くと利息分は2750万円分です。一生懸命働いて稼いだお金を2750万円も、銀行やお金を運用している人たちのために支払わなくてはいけないということです。言葉を変えると「お金のために働かされている」わけですね。これをできるだけ少なく抑えるのがFPの腕の見せ所です。

で、どうしたかと言うと、できるだけ借入を少なく抑えました。この事例では3500万円のローンを組み、年利3.3%で25年で返済する計画を立てました。返済期間を10年短くしましたが、毎月の返済は約17万円となり4000万円借りたときと1万円しかアップしていません。

すると総返済額は5145万円になり、元金を差し引いた利息の合計は1645万円になります。4000万円借りた時の利息と比べると、なんと1105万円も節約できることになります。

でも、500万円借り入れが減った分はどうなるの?…この事例では、手持ちの株式などを処理して現金化したそうです。「そんなもの持ってないよ」と言う声が聞こえてきそうですが、保険を整理したりすることでも同様の効果はあるようです。借入金を減らすことは、何よりもノーリスクで利回りの高い資金運用と言えるのではないでしょうか。

次に、こうした住宅ローンのプランを全体のライフプランに組み込んで、人生のキャッシュフローのシミュレーションをしてみました。この折れ線グラフを見ていると「人生、山あり谷あり」がそのままビジュアル化されたかの如く、実にリアルです。人生の終焉を迎える時まで、折れ線グラフがゼロの線より下に来ないことがポイントです。

例えば住宅ローンと子供の高校や大学の時期が重なる時など、数年にわたりゼロすれすれの位置をさまよいます。それをクリアすると徐々に線が上昇して行き、定年を境に今度は緩やかに下降して行きます。人生の幕を降ろすその時までこの線がゼロより上になっていれば、穏やかな老後を迎えられるということになります。

この事例の場合、キャッシュフローのシミュレーションをローン計画にフィードバックして28年と言う返済計画作ったそうです。3年間返済期間を延ばすことで、ゼロすれすれの数年間に多少の余裕をもたせることが出来ました。

家を建てる時はそこまで見込んで、「いくらをどのように借りることができるか」を判断することが重要です。金融機関が言う「いくらまでなら貸せます」と言うのは、このようなシミュレーションによって決まるのではなく、その人の信頼性や担保性によって決められるものです。貸す側の立場で考えると、できるだけたくさん借りてもらった方が儲かるのですから、貸せる金額ギリギリを提示してくる場合もあるそうです。

しかし、それは銀行さんだけではなく、僕たちの心の中にも「プロジェクトは大きい方が儲かる」と言う気持が無いわけではありません。でもね、家はしょせん道具でしかありません。家を建てさせていただいた方々には、家と言う道具を使って幸せになってもらいたいと思います。くれぐれも、家のために働かされるような計画だけはなさらないでください。ローンを払い終わったら財布の中は空っぽ…では困ります。

「独立した立場」が重要な意味が少しは伝わったでしょうか。「お金に詳しい」だけではダメなんですね。そんな訳で本日は内容の濃いセミナーでした。参加された方からは「ホント、いいお話でした〜」との感想をいただいています。惜しむべきことは…参加者がちょっと少なかったかな?告知が下手な僕たちの責任ですね。でも、いずれ又このような機会を作りたいと思います。

伊東先生のライフプラン作成費用はハッキリ言って安いですよ。大きな買い物をする時には、前もって相談をしてみてはいかがでしょうか?いつでもご紹介しますよ。銀行と建築屋のペースに巻き込まれないためにも押さえておくべきツボですね!
小野
2008.05.12
昨日の日曜日は「親子自然観察会」に参加してきました。と言うか、連れていかれました…。5回シリーズの第1回目である昨日のテーマは「植物観察」でしたが、まずは1時間ほどレクチャーを受けます。内容や会のコンセプトをほとんど理解していないまま何となく来てしまった僕は、この時点ですでに来てしまったことを少し後悔…なんと、植物観察とは雑草の採集だったのです。

この時期、いっぱい花が咲いていたり新緑がきれいだったりと、もっと他に見るモノがあるのではないでしょうか?…とは言え、せっかく盛り上がっている子供たちに水を差すわけにもいかないので、とりあえず楽しそうに振舞うのが大人の行動なのかなと思い、「草むしり」のフィールドワークに出かけました。

さて採集の始まりです。駐車場の際、側溝の縁、植込みの中、ただの草むら…あまりにも雑草だらけで何から採ればよいのやら…と思っていると講師の先生がおもむろに足もとの草をプチッ。「これね、カタバミの仲間のオッタチカタバミって言うの。この実かじってみて。酸っぱいでしょ。」…うん、たしかに酸っぱい。少し毒なのだそうですが、お腹いっぱいになるほど食べなければ大丈夫とのことでした。

先生は次々に草をつまんでは、「これは、ハハコグサ」「こっちはチチコグサ」「○○カズラ」「○×○×ナズナ」とどんどん説明していきます。花をつける雑草だけに限定してもこの近辺だけで百種類以上はあるそうですが、それをほとんど言い当てるこの先生、ちょっとスゴいんじゃないですか!?

当然子供たちにも火が付きます。「これな〜に?」「これは??」と次から次へと草をむしっては、先生の方に駆け寄っていきます。「こっちがカラスノエンドウ、こっちがスズメノエンドウ。実の大きさが違うやろ。」「ああ〜、これはヌルデだ〜、かぶれるぞ!」楽しそうに雑草を語る先生を見ているだけでも、なんだか楽しくなってきてしまうので不思議なものです。

「おっ、これは珍しいぞ、△◎×■草だ。よく見つけたなぁ。」たかが雑草のはずなのに、褒められた子供はさらに火が付きます。なぜか大人まで熱中してきて「おい、こっちに違うやつがあるぞ。」「誰も見つけていないのを探そう。」などと、雑草探しに目が光ってきてしまいます。

時間にしたらほんの1時間足らず、半径にしたら数十メートルのエリアだけで、何と百種類近い植物が採集出来ました。この時期のこのエリアだけで、これだけの収穫なのですから、もっと範囲を広げたら一体どれだけの種類の植物が集まるのでしょうか?たかだか雑草と一言で済ませていましたが、それぞれ違う顔を持っていて、まさに生物多様性の世界の一端を見させていただいたような気がしました。

どんなことでも実体験に勝る学習はありませんね。今回は親もしっかり楽しませていただきました。ちなみにゲットした雑草たちは現在新聞紙に挟まって押し花の真っ最中です。次回の観察会のテーマは「虫」だそうです。子供たちは間違いなく燃えることでしょう。

午後は、先日お知らせした「カフェささや」さんのライブ、谷ゴローさんの「ゴローショー」に行ってきました。前半後半の2ステージ、プラス、アンコールがなんと1時間。聴かせて笑わせる、サイコーに楽しいライブでした。楽器ができる笑福亭鶴瓶に見えてしかたなかったけど…。
小野
2008.04.27
いよいよ連休ですね。四季の家工房では、5月3日、4日、5日、6日とお休みをいただきますので、どうぞご理解をお願いいたします。

せっかくお休みモードになっているところに恐縮ですが、季節がらシロアリの群飛について触れておきます。シロアリの群飛とは、いわゆる「巣わかれ」のことです。コロニーの巨大化や環境の著しい変化が起こると、一部の個体に羽が生えて巣を飛び立っていきます。この「巣別れ」の時期が、一般的には連休前後あたりから梅雨時期にかけてと言われています。

どんなふうに飛び立っていくのかと言いますと、壁のちょっとした隙間やタイルの割れ目などから、次から次へと羽の生えたアリが出てきます。僕も子供の頃住んでいた家の浴室に羽アリが出てきたことがありますが、浴室中一面真っ黒になるほどで、ミミズやゲジゲジも平気で捕まえる少年でさえ「ギョエ〜」と感じたことを今でも鮮明に覚えています。

シロアリと言ってもこの時は黒っぽくなっているので、一見普通の蟻と見分けがつきません。しかし、よ〜く見ると蟻のようにウエストのくびれがなく何となくズン胴です。他にも特徴がありますが、詳しく知りたい方は「シロアリ」で検索すれば色々な情報が出てきます。特にお奨めなのは岡崎シロアリ技研さんのホームページです。

もしご自宅で羽アリを発見したとしても、出口に殺虫剤などを注入するのは禁物です。コロニーそのものを全滅させることはできませんし、危険を察知したコロニーの動きが変わり、その後の駆除作業の妨げになりかねません…なのだそうです。すみません、僕もシロアリの専門家ではないのでこれ以上詳しい生態はわかりません。

羽アリとして飛び立っていく個体はあくまでもほんの一部である…ということをお忘れなく。殺虫剤でおびただしい死骸の山を築き、何となく征服したような気になるのは幻想にすぎません。できれば、サンプルを捕獲して(死んでいてもかまいません)専門家を呼んでください。


さて、全然話題は変わりますがお知らせをひとつ。5月11日に関の「カフェささや」さんでブルーグラスのライブがあります。ここのご主人もマンドリン奏者としてかなりの腕前ですが、今回はそのご主人絶賛の谷ゴローさんのステージです。以下にお店からのご案内を添付いたします。お問い合わせはささやさん(0575-22-4484)までお願いします。

「親愛なるお友達の皆さま、今日はささやのステキなお知らせです。5月11日(日)の13:30〜17:00くらいに、ささやにて"ゴローショーライヴ"があります。ゴローショーをご存知ない方が多いと思いますが、私を信じてぜひ見に来てください。想像を絶する桁外れの面白さ!音楽的センスの素晴らしさも去ることながら、思いっきり笑わせてくれること間違いなしです!

リーダーの谷ゴローさんはラジオ関西のパーソナリティーですが、ブルーグラスをベースに歌謡曲、演歌、小学唱歌までをネタにします。社会派、時事ネタ、モノマネを交えた巧みなトークは、とにかく爆笑したいあなたへおすすめです。チケットはささやにて好評発売中!前売り2500円、当日3000円です。ご連絡お待ちしておりまぁっす!」
小野
2008.04.22
先日、建て方の応援に行ってきました。以前からおつき合いのある大工さんですが、主に神社仏閣を中心として昔ながらの工法で施工されている大工さんです。

現場は庭も広く大きな植木があり、アプローチには石畳がある旧家の建て替えでした。材料は立派な材料ばかりで、大黒柱はなんと尺角(30cm角)!…久しぶりにこんな大きな柱を見ました。ついつい「この材料はいくらぐらいするのだろう?」と考えてしまうのは職業柄でしょうか…。

ベテランの大工さんばかり6人とクレーン車での建て方です。四季の家工房の建て方は、東京ビケ足場という会社に依頼してます。足場がメインですが、電動レッカーを持っていますしスタッフも若くていい人ばかりです。年間70件ぐらいの建て方をやっているそうで、僕らより建て方に関してはベテランです。

それに4、5人でチームを組んでいてチームワークがすごくいいので、僕たちが建て方のサポート役のような感じです。そんな建て方をやっているので、久しぶりにカケヤ(大きなハンマー)を使っての作業となりました。

初日終盤には長さが約9mもある地棟を上げました。地棟には「祝上棟」という文字と「施主名」と「施工者」が大きな字で書かれていましたが、僕が若かった頃はこんな大きな地棟をよく使っていました。建て方もお祭り騒ぎの様な感じで、親戚の方や近所の方などがお手伝いに来て、大工よりお手伝いさんの方が多いぐらいでした。

ちょっとお年を召した方は材木についてよく知ってみえましたが、やっぱり幾度も建て方のお手伝いをしていたからなのでしょうか…。

2日目は屋根作業です。高所作業と屋根勾配での作業はなかなかつらいです。また明日から天気が悪くなるようなので、「今日は大屋根をかたづけるぞー!」と大工さん全員が一丸となり、なんとか終了しました。帰りの際にはお施主さんよりお酒とお料理をいただきました。ありがとうございました。

明日からは四季の家工房の仕事に戻ります。がんばるぞー!
宇佐美
2008.04.14
めちゃめちゃおもしろかったです、映画「クローバー・フィールド」。臨場感という一言では済まされないほど、まさに我が身に降りかかりそうなほど緊張感あふれる映画でした。上映時間は90分とそこそこ短めではありますが、見終わった時にはぐったりと疲れを感じるほどスクリーンに集中してしまいました。

ストーリーは、謎の怪獣がニューヨークの街をめちゃくちゃに破壊する…と言う荒唐無稽な内容で、状況説明も何もありません。怪獣がどこから来た何者かもわからないまま、とにかく猛烈に破壊を繰り広げます。一見、数年前のハリウッド版「ゴジラ」を連想しますが、映画としての興奮度は間違いなく「クローバー・フィールド」が上でしょう。「説明がない」「わからない」ということが、こんなにも映画に引きずり込んでくれるとは!

それを成り行き上ハンディカメラで撮りながら逃げる…と言った記録映像風に作られている作品です。これは「ブレアウィッチ・プロジェクト」と同じ手法ですが、スケールが桁はずれにデカくなっています。

もうひとつ脳裏にダブるのは、映画ではなく事実としての「9.11」の映像です。粉塵に逃げ惑う人々の映像は誰しもの目に焼きついています。その残像が、全くありえないフィクションの世界を実際に起こっているかのようにリアルに感じさせるのかもしれません。舞台がニューヨークであることにも必然性があるのでしょう。

映画を見る方も、そのハンディカメラに映された映像からしか状況を把握することができません。目の前で現在起こっていることしかわからないというのは、非常事態の臨場感が最も伝わる手法なのかもしれません。説明よりも事実のみを突き付けられることによって、観客も逃げ惑って右往左往する群衆の一人になりきることができます。

一見、無計画に撮られたような作りの映画ではありますが、そこに観客をすんなり導くための隠れた工夫がいっぱいあることに気付かされます。例えば、「成り行き上」ハンディカメラで撮影するわけなのですが、唐突に撮影が始まるわけではなく、観客が違和感を感じないようにスムーズに、必然的な流れで平穏な時から異常事態へとカメラが引き継がれていきます。

又、素人が逃げながら撮った映像なので、カメラはあっちを向いたりこっちを向いたり、グルグル回ったり、通常の映画では考えられない動きをします。その画面の中に映らせたくないものは入れないという一見当たり前のようなことですが、たぶんこれは結構すごいことなんだと思います。

細部にばかり目が行くわけではないのですが、映画って見ている方がどこまで入り込めるかがポイントです。けっこう感動的な内容なのに細かなディティールが破綻していると「あれっ??」と感じてしまい、せっかく入り込んでいた映画の世界から現実に引き戻されてしまいます。

仕事の話ですみませんが、建物を作っていても似たようなことが言えます。一見奇麗に作っていても、細部の納まりが悪いとなんだか締まりのないない空間になってしまいます。例えば、同じ形状の空間でも、縦・横・斜めの線が一点でピタッと交わっていたりすると何とも言えない気持の良い空間になりますが、微妙にずれていたりすると何とも言えずパッとしなくなってしまいます。

色々な意味で、作り手の気配りや計算など、ものすごくプロの配慮を感じる映画でした。まぁ、僕が感じることができたのはほんの一部なのでしょうね…。きっと感じることもできないほどの細やかな配慮や計算が何百倍も詰め込まれていて、一つの作品を完成させているのだと思います。気付かせないことこそ最大の配慮なのでしょう。

そんな完璧な映像の中で1つだけ「あれっ?」と感じた部分があります。ほとんど職業病的な世界なのですが、ビルが崩れた瓦礫を見て「このコンクリート、鉄筋入ってないぞ?」と、そんな所に目が行ってしまいました。気のせいか、もしくはあれは石の塊りだったのかもしれませんが…。

どんな世界でもそうですが、うまくいった点はなかなか気が付いてもらえない代わりに、うまくいかなかった点は案外気が付かれてしまいます。

「クローバー・フィールド」大満足の映画でした。まだしばらく上映されていると思いますので、興味があったらぜひ映画館で大迫力を楽しんでもらいたい映画です。感動系ではありませんが…。
小野
2008.04.07
「四季便り」の文字通り、この時期イチバン季節を感じるのはやっぱり桜ですね。…言わずもがな。そんな訳で、関市の安桜山に昨年植樹した桜を見に行ってきました。

日曜日はちょうど天気も良く、この日が桜もピークです。通常、公園へのアプローチは正面の階段を昇って行くのですが、ちょっと趣向を凝らして違うコースを選びました。小さな尾根をまたいで、桜を上から見下ろしながら公園に下りていくコースです。

尾根の突端は市街地を見下ろせる展望台になっており、時を告げるモニュメント「サイレン塔」があります。このサイレン塔、現在は使われていません。でも、創建当初は市民に愛されていたのでしょう。どっしりとした造形は今も健在で、当時が偲ばれます。

岩盤が盛り上がったような安桜山は、小山の割には案外急峻で足もとが悪く、息子は喜んで先へ先へと駆けていくのですが、ハーフブーツの妻にはちょこっとヒンシュクでした…。

サイレン塔から急な石段を下ると安桜公園です。サイレン塔の位置から既に桜はちょこちょこ見えていましたが、どうやら無事に根付いて花をつけてくれているようです。「枯れていたらどうしよう…」「息子も落胆するだろうなぁ」などと少し心配もしましたが、まぁその時は現実を受け入れてもらうしかないか…と下見無しで来てみました。

自分達の植えた桜の前に立って、う〜ん、ひと安心!幹の太さは大人の親指ほどしかありませんが、立派に花を咲かせていました。来年は、再来年は、10年後は…と、桜の木にわが子の成長を重ねてしまうのは親の性か、はたまた日本人のDNAか??…ともあれ、あの草ぼうぼうだった荒れ果てた公園が、こうも生まれ変わるとは!発起人の関JCの皆様に改めて感謝です。
小野
2008.03.28
東邦ガスさんにお招きいただき、岐阜に新しくオープンする体験型ショールーム「リベナス岐阜」のプレオープンに行ってきました。今回は宇佐美小野に加え、知り合いの設計事務所のKさんもお誘いして3人で参加してきました。

約1時間かけて展示品をめぐるガイドツアーは、ガス発電給湯システム「エコウィル」のコーナーからスタートします。あまり聞きなれないシステムかと思いますが、簡単に言うと、ガスでエンジンを回して発電と給湯をする仕組みです。実際に展示されているエコウィルも運転した状態で展示されており、排気口に手をかざして排熱の温度を感じたり、運転音を確かめたりすることが出来ました。

カタログでは運転音44デシベルとなっており、深夜電力を利用するエコキュートより多少上回ってはいます。しかし、運転時間帯が深夜のエコキュートと違いエコウィルは日中の運転となりますので、まわりの生活音に運転音が消されてしまい、音がうるさいと言った感じは受けませんでした。

床暖房とエアコンによる暖房効果を比べる部屋もありました。隣り合った2つの小部屋に、一方は床暖房、もう一方は壁掛けのエアコンを設置し、床から天井までの温度分布がわかるようなセンサーが付けられています。床暖房の方が床から天井までの温度が均一なのは言わずもがな…ですが、床暖房=輻射熱により床や壁が温まる感じと、エアコン=対流により暖かい空気をかき回す感じの違いが体感できます。

これは小野の個人的な感覚ですが…輻射熱の方が質の良い温かさですが、床暖房の温度はもう少し低い方が好みです。床は冷たくない程度の温度であれば良いと思いますが、それでは暖房にはならないのかな?そもそも貧乏性のせいか、冬はセーターと毛糸のクツシタで、暖房は控えめの生活に身体が馴染んじゃっているのかもしれません…。

マイクロミストサウナの体験ルームもありました。服を着たままで入れる不思議なサウナなのですが、入った瞬間お肌がしっとり!します。その他、本当に入浴できる浴室もあり、バスタオルや石鹸、シャンプーも完備と言う「至れり尽くせり」です。浴室内には給湯器リモコンと一体型のテレビもあって、サウナ浴しながらの長風呂も可能です。カラスの行水の小野には無縁の物ですが…。

目玉は、ガス調理器とIH調理器で実際に料理の作り比べができるキッチンスタジオでしょうか。もちろん試食もできます。しかし、時間切れとなった宇佐美と小野はここでおいとまとなりました。Kさんはしっかり食べていったそうです。

全体を通してまとめの感想ですが、このショールームは「見る」だけでなく、文字通り「体験する」ということを軸にしています。従来のショールームのような展示だけでなく動きや温度を伴った工夫がなされていて、見せ方のコンセプトは非常に明瞭だと思いました。

又、ガスが電気に対して優位性を語る時、一昔前だと電磁波の影響と言う電気のマイナス要素を主に語っていたような印象がありますが、最新のガス機器はスゴイです。作業性や安全性、清掃の容易さ等、スペックの上でもIHコンロと対等になってきていると思います。

ガスが良いか電気が良いかは、それぞれの暮らし方や考え方によりますので一概にどちらが正解とは言えません。それを確かめるためにも、新築やリフォームをお考えの方は一度ご訪問してみると良いでしょう。例えオール電化をご希望の方であっても、プロパンガスのエリアの方でも、ちゃんと対応していただけるとのことです。

ガイドツアーやキッチンスタジオなどは要予約です。東邦ガスさんに直接問い合わせていただいてもよろしいですし、四季の家工房にご連絡いただければ取り次ぎもいたしますのでお気軽にご相談ください。
小野
2008.03.24
名古屋パルコのパルコギャラリーに「PIECE OF PEACE展」を見に行ってきました。レゴブロックで作った世界遺産がテーマの展覧会です。どの作品も大作ばかりで、細かい部分までかなりリアルに表現されています。使っているブロックも数千から、なかには1万ピースを超えるものもありました。

たまたま、朝の情報番組で紹介されているのを妻が見かけ、このところレゴに熱中している息子に見せてあげようと思ったのがきっかけなのですが、なんのなんの、大人にも見ごたえ充分な展覧会でした。

実際、会場には子供もいましたが、断然大人の方が多かったです。大昔にレゴを卒業した、かつての子供だった世代(僕も含めて)が、表現方法や技に見入るのは当然のこととして、意外だったのは若い女性の姿が多かったことです。

やはり、女性と男性では見るポイントが違うようで、「可愛い〜」「奇麗〜」と口々に感嘆の声を出していました。確かに、レゴの色って不思議な魅力があります。はっきりしたビビッドな色合いなのですが、決して原色ではなく、微妙に奥深い色をしています。

そして、表面的な色と言うより、「モノ自体の持つ色」と言う力強さもあり、材木で言うと「無垢材」のような塊感あふれる素材です。

何十年か前のかつての子供だった頃の僕も、知らず知らずのうちに、この微妙な色合いを敏感に感じていて、「レゴ=ガイコクから来た玩具」と言う印象を強く持っていたことを思い出します。

最近では、更に中間の色調も増え、組み合わせによってはモザイクタイルのような、思わぬ美しさを表現することもできます。グレイ→ワームグレイ→ブラウンと言ったような、ダル調なモノトーン色調なども大人の捜索意欲をそそり、ターゲットとする客層も以前のように「コドモ」だけでな無いようです。そう言った意味でも、今回の展覧会は戦略的に的を得ているものだなぁ…と感心させられました。

ただ、ちょっとだけ残念なことは、最近のレゴのキットは完成度の高さを意識してか特殊なパーツの組み合わせが多く、プラモデルに近づいている印象を受けます。よく言えばリアルなのですが、逆に創造性が少なくなっているように感じます。子どもとしては、恐竜やF-1のセットが欲しくなのもわからぬではないし、親としては基本ブロックを多く与えたいし…。

この展覧会、残念ながら昨日が最終日でした。今回がPART-2となっているので、もしかしたらPART-3もあるのかな?…さて、息子はと言うと、帰ってすぐにレゴをやりたがっていたのですが、帰路の車中であえなく沈没…そのまま布団に運ばれました。すぐに春休みが始まりまるので、ゆっくり楽しんでね〜。
小野
2008.03.18
1週間の工程で、キッチンのリフォーム工事をしています。

リフォームの目的は2つあります。1つは、配膳したりお弁当を詰めるための作業スペースを増やすことです。そのため、現在壁に付いているシンクを撤去して、カウンターと一体になった対面式の配置に変更します。そして、シンクがあった壁には収納を備えた調理台を設置します。

もう1つは、現在お使いのIHヒーターはそのまま継続使用し、別にガスコンロを設置することです。 …家を建てる時、キッチンの熱源を「電気」にするか「ガス」にするかは、皆さんとても悩むポイントです。

単に「どのように調理するか」ということだけでなく、給湯や暖房、安全性、イニシャルコストとランニングコスト、さらには災害などの非常事態に対する対応など、比較検討するファクターは多岐にわたります。又、意識の高い人達にとっては、「自分達の家が環境にどのような影響を与えているか」ということも関心の高いポイントですね。

四季の家工房としては、「ガスがいいですよ」とか「電気がいいですよ」とは言いません。何故なら、暮らし方や価値観は千差万別だからです。どちらが正解ということではなくて、「どのように住みたいのか」を突きつめて、答えを導いた方が住まい手にとって正しい選択になると思います。

リフォーム中のこのお宅は「どちらも必要」と言う答えを出されたわけです。私達は日々の業務の中で「電気かガスかどちらにしますか?」とつい言ってしまうのですが、「どちらも必要」と言う選択も「あり」なんですね。なんだかとても新鮮な気分です。

ところで、IHヒーターとガスコンロを同時に試せる施設がJR岐阜駅近くにオープンします。東邦ガスさんの体験型ショールームです。ガス屋さんの施設なので「やっぱりガスの方がイイね」とやんわり誘導される…のかどうかわかりませんが、プレオープンの内覧会のご案内をいただいたので、来週にでも偵察に行って参ります。

実際にお料理して試食することができるそうですよ。又、ご報告いたします。
小野
2008.03.11
現在新築工事中の岐阜市の現場は、外壁の下地防水が終わって、大工たちが内部の造作に取り掛かったところです。ここでの防水と言うのは、外壁の下地面材(ここではモイスを使っています)に透湿防水シートを張る工程です。一般的に「紙張り」と言われるほど軽〜く考えられがちな工程ですが、これは家のために大変重要な工程だと思っています。

外壁が単純に連続した四角い箱ならばいざ知らず、そこには当然窓があり、バルコニーの手摺壁や、1階の屋根が2階の壁に取りついたり…通り一遍にはいきません。複雑な形状になればなるほど、防水的に弱点が増えるのはいたしかたないことです。その上、換気扇や吸気口、エアコン配管など、外壁を貫通する設備配管は結構な箇所になるので、外壁は弱点だらけと言っても過言ではありません。

そんな訳で、外壁の下地段階の一次防水はとても重要な工程なのです。使用する材料は透湿防水シートと呼ばれ、文字通り「湿気は通すけど水は通さない」と言う優れものです。でもその性能もモノによってピンキリで、中には爪でひっかくだけで穴が開てしまう粗悪なものまで流通しています。

四季の家工房では、乾式工法(サイディングや木板張り)の外壁にはデュポン製のタイベック、そとん壁のような湿式工法の外壁にはセーレン製のモルタルラミテクトと言うように、外壁仕上げに合わせて2種類の透湿防水シートを使い分けています。

どちらも、対スクラッチ性や摩耗に強く、材木が擦れたくらいで穴があくことはありません。透湿性や防水性も高く信頼のおける材料です。…値段もイイんですけどね。

この透湿防水シートと防水テープやシーリング材を併用して、窓枠や外壁貫通部分の配管にきっちり留め付けていきます。これにより、万が一外壁を通り抜けて進入した雨水も透湿防水シートの層で確実に止めるようにしています。台風のような横から吹き付ける風雨の時でも、この一次防水がしっかりしていればまずは安心と言えるでしょう。

で、この大事な工程は、住宅瑕疵保証のジャパンホームシールドによる検査の項目でもあります。家が完成するまでにこの第三者検査は全部で3回あって、基礎のコンクリートを打設する前に鉄筋の状態をチェックする「配筋検査」、上棟後に構造材や接合金物をチェックする「構造検査」、そして今回の「防水検査」があります。

毎回1時間くらいかけて入念に検査してくれるのですが、この検査には必ず立ち会うように心がけています。質疑応答と言う意味もあるのですが、検査員さんとの何気ないトークも結構いい勉強になるんです。何せあちこちの現場を検査しているので、情報の蓄積たるや膨大な量です。目から鱗のような話も聞けたりします。

もちろん検査の方は問題なくパスして、来週からは外壁の仕上げ工程に取り掛かります。当然ながら合格しないと次の工程へ進むことはできません。
小野
2008.03.02
今日は工事中の現場で構造見学会をさせていただきました。先週の完成見学会に続き、2週連続で見学会を開催するのは四季の家工房にとっては大変珍しいパターンです。(あまり仕事してないもんで…笑)

見学していただいた現場は、外壁の耐力面材と金物の取り付けが終わったところです。普段あまり見る機会のない木造の骨組を見ていただくにはちょうど良いタイミングでした。

建築中の工事現場はよく見かけますが、中に入ってしげしげと眺めることはなかなかできません。僕たちも通りがかりに変わった工事現場を見かけたりすると、つい中に入って見学してみたくなりますが、遠くから眺めるのがせきの山です。「こんにちわ〜」なんて言いながら、仕事中の工事現場に入っていく度胸は…ないですね。

ご来場いただいた皆様、ありがとうございました。そして大切な住まいを見学会のために開放していただいた建て主さんには心よりお礼申し上げます。
小野
2008.02.22
先週上棟した建物のシロアリ対策について、 専門の技術者を招いて現場の調査を行いました。普通このタイミングで行うのは「調査」ではなく「防蟻の薬剤塗布」です。よく柱の下半分がオレンジ色に染まっているのを見かけると思いますが、あれが防蟻の薬剤を塗布した目印です。

薬剤自体は無色透明なので、オレンジ色の顔料を混ぜることによって「ここは塗りました」と表示しているのです。しかし、この処理をすれば絶対にシロアリは入らないと明言できるわけではありません。又、「安全」を謳ってはありますが、薬剤に対する反応も個人差があり、必ずしも影響がないとも断言できません。(シロアリ対策については「よくあるご質問」でも触れてますので参考にしてみてください。)

で、昨日は岡崎シロアリ技研の神谷さんにお越しいただき、建て主さん立ち会いの元、現場調査をしていただきました。調査するポイントは、主に基礎の形状と玄関など土間と木部が接する部分、そして配管や配線が基礎を貫通する部分などです。

神谷さんはシロアリの気持ちが読める(?)この道の大ベテランで、著述や講演なども多数こなしてみえます。神谷さんがすごいのは、その情報のほとんどがご自分の調査経験に裏付けられたものであるということです。まさに床下のフィールドワーカーです。

僕たちも浴室の改修工事などでシロアリの食害を目にすることがよくありますが、「どうも、一般的に常識とされているシロアリの習性と違うなぁ」と肌で感じていました。そういうことを理論と実例をおりまぜて語ってくれるのが神谷さんです。

調査の結果「シロアリ対策上問題なし」の判定をいただきました。玄関ポーチまでべた基礎を伸ばしたり、ポーチのステップは本体と数センチの隙間をあけたり、土台や柱に無垢の芯持ち材を使うなど、私達なりの配慮を評価していただけ、又その上で弱点となりそうな部分も指摘していただき、点検方法を教えてもらいました。

お話を聞くと、日本中かなり遠方まで出張調査と駆除業務で飛び回っているそうです。防虫の薬剤を撒く業者は日本中いたるところにありますが、神谷さんのような技術者は人材不足のようです。神谷さんの半日出張エリアにいる私達は、かなりラッキーなのかもしれません。

シロアリ対策については、点検に勝る予防はありません。年に一度くらいは床下に潜ってみましょう。親子で「床下探検隊」なんて言うのも楽しいかもしれませんよ。
小野
2008.02.12
昨日は上棟を行いました。このところリフォームの仕事が続いていたので、久しぶりの上棟作業となります。現場の日陰部分には一昨日の雪がまだ少し残っていましたが天気は快晴…まずまずの上棟日和でした。

上棟にはクレーン車(レッカーと呼んでいます)がつきものなのですが、四季の家工房では電動クレーンを使っています。小型なので狭い敷地でも設置可能ですし、排気ガスも出ません。何より静かなのが助かります。「お〜い、○○揚げてくれ〜!」なんて大声で怒鳴りあいながら作業しなくて済みますので、それだけでも疲れが半減します。

逆に、静かすぎて荷物の動きに気がつかない…なんてことになるので、合図がわりの童謡が流れてきてなんとものどかなもんです。小型なので、吊上げ能力が150kgとやや少ないのですが、木造住宅の大黒柱程度でしたら問題なく吊り上げることができます。

又、通常のレッカーですと、運転席に座った専属のオペレーターが操作するのですが、この電動クレーンは首から下げた無線のリモコンで操作します。通常ですと、上にいる作業員が手でサインを出して、オペレーターに上げたり下げたりの指示を出すのですが、リモコンなので部材を吊り上げる位置ではなく、部材を取り付ける位置で操作することができます。組立ての最前線で操作できるため、作業要員も減りますし、微妙な操作もできるので一石二鳥です。

この一連の作業は足場を掛ける専門チームが行います。作業の進行に合わせて足場の組み替えをしながら上棟作業をするので安全ですし、毎週のように上棟作業をしている専門チームなのでチームワークも手際も見事です。

7年前に初めてこの電動クレーンを採用した時は、「えっ?電動で吊れるの?」とか「足場屋さんに上棟なんかできるの?」などと、正直ずいぶん不安でした。何度も説明を聞いて、実際に作業している現場も見学させてもらって、検討を重ねた上で採用したことが思い出されます。それが今となってはなくてはならない存在で、他の大工仲間にも自信を持って紹介できるチームです。

そして、もうひとつ嬉しいことがありました。数年前に子供部屋の間仕切りを付けさせていただいたお客様から、今度はキッチンをリフォームしたいとのご連絡をいただきました。飲食店などと違って、リピーターのご依頼をいただく機会がそうしょっちゅうあるわけではないので、本当に嬉しい気持ちで一杯です。
小野
2008.01.31
昨日はとっても濃い朝霧の中での通勤となりました。僕は霧の風景が大好きです。特に霧が晴れる瞬間は最高にドラマチックです。夜が明けてしばらくは青みがかった濃い霧に包まれていますが、8時頃になると、厚い霧の層を透かしてなんとなく太陽の光を意識できるようになります。

やわらかい光は木や建物やクルマを美しく浮かび上がらせます。強い影もできず、それでいて遠近感は強調され、見慣れた景色がまるで違って見えます。やがて、青い空の一部がぽかっと穴を開けたように出てきたかと思うと、みるみる間に霧は晴れて跡形もなく消えてしまいます。

まさに「霧散」です。湿度を帯びた空気は肌にも心地よいです。それと、霧の朝はいつもより暖かく感じませんか?

霧発生のメカニズムはいくつか種類がありますが、僕の住んでいる地域のような、内陸のやや盆地に近い形状の地域では、放射冷却による地面と空気の温度差によるものだと考えられます。夜間に地表近くの空気の温度が下がり、そしてやがて飽和状態となり、保ちきれなくなった水分が結露した状態が霧です。

ではなぜ暖かく感じられるか…?あくまでも個人的な考察ですが、

  • 霧発生の条件に「無風あるいは風が弱いこと」が挙げられます。風がないので、当然その分寒くは感じないはずです。
  • 湿った空気は実際の温度より暖かく感じられます。蒸し暑い夏に除湿をするだけで、涼しく感じられるのはこの理屈です。これを図式化したものを「湿り空気線図」と言って、住環境を科学する時にはとても参考になるグラフです。

    このグラフを使えば一目瞭然で、湿度と気温の関係をエンタルピと言うエネルギーに置き換えることができます。例えば昨日の朝の気温を0℃と仮定し、そして霧が発生しているのですから相対湿度を100%だったとします。(わかりやすいように仮定の数字です。)

    これを「湿り空気線図」に置くと、エンタルピは約10キロジュールになります。相対湿度50%の時に同じエネルギーを得ようとすると、気温は約4度必要になります。つまり、普段の4℃の時と霧発生時の0℃の時は同じエネルギー条件となります。したがって、霧発生時は暖かく感じられるのです。
  • いつもと違った景色なので、何となく心がワクワクする。したがって、寒さを忘れる。霧がうっとおしくて寒々と感じられる…と言う人には、この項は成り立たないかも。
…なんだかんだ挙げてみましたが、3が一番かなぁ〜。要は、暑いも寒いも気の持ちようなんですね。その上で、1や2のような理屈の裏付けがあれば、より気持も楽になりませんか?せっかく四季のある日本に生まれたのですから、四季を楽しむようにしましょう!
小野
2008.01.21
息子が「7歳の誕生日プレゼントにインラインスケートが欲しい」と言うので、家族で買い物に行ってきました。

しかし、この手の物って本当にピンキリですね。高い物は子供用と侮れないほどの価格です。いい物の方がイイんだろうなぁ〜とはわかってはいたものの、どの程度本気で欲しいのかも未知数なので、とりあえず…お値打ちなセットもので、ということになってしまいました。

その代わり、ついでと言ってはナンですが、僕用に大人用をもう一足買ってしまいました!言い訳するわけではないですが、「自分も欲しい」と言うより「つき合って一緒に滑ってあげた方がいいかな」と言う親心?です。(見ているうちにやりたくなってきたのもありますが…。)

で、その足で長良川右岸の「高橋尚子ロード」に行ってきました。ここでは国際大会も開かれていますが、岐阜はインラインスケートの盛んな地なんですね。…とは言うものの、ほとんどは堤防の道路をクルマで通過する時にチラッと目にする程度で、実際のスケート人口がどのくらいいるかは不明です。この日も、日曜日なのに人はまばら…。新参者の親子にはちょうど良かったですけど。

早速、息子の初挑戦です。思いの他、前に進んでます。何度か転びますが、この調子ならば案外すぐに慣れるかもしれません。それよりも驚いたのが自分自身です。最初のうちは体重を内側に入れたり、足をクロスするのにちょびっと怖さを感じていましたが、10分くらい滑っているうちに重心が軸に乗かっているのを実感できるようになってきて、くるくる回ったりバックしたり結構楽しむことが出来ました。

高校生の頃、一時熱中していたことがあったので、「なんとかなるだろうなぁ〜」と思ってはいたのですが、内心「乗れなかったらどうしよう…」という不安もありました。なにせ20数年前のことですし、道具も違うわけですし…。

昔のローラースケートとインラインスケートでは、ウィールの付き方が全然違います。でも、それ自体はほとんど抵抗なく受け入れることが出来ました。

困ったのはブレーキです。バランスを崩して急に止まりたい時、体が昔のつま先ブレーキの感覚を覚えているのです。しかし、インラインスケートはかかとブレーキ…つま先を立てると、むなしく空を切ってスッテンとこけてしまいます。

慣れるにはもう少し時間が必要なようです。かかとのブレーキって要らないような気がするけどな〜。本日は冬空の下でいい汗かかせてもらいました。
小野
2008.01.16
映画「earth」を観てきました。美しいです!地球と言う星の営みを感じます。人間や人工物は一切出てきません。「きっと一万年前も同じ景色だったのだろうなぁ」と想像させられるような、壮大な映画です。

強烈なメッセージ性はあえて出していないのでしょうが、根底に流れるテーマは誰が見ても一目瞭然です。つまり、我々見る側の意識のレベルは、すでにそこまで上がっているのです。細かい説明や問題提起をしなくても、映像を見るだけで何を言わんとしているか理解できるはずです。

20年前ならば、「わぁ〜奇麗な映画!」で終わっていたかもしれませんが、現代の我々には何を伝えたいのかが良くわかる…意識の積み上げは重要ですね。ですから子供にはぜひ観てもらいたいです。子供料金500円の設定も素晴らしい取り組みだと思います。子供会で観覧しに行く地域もあるそうですよ。

ウチは家族3人で観に行ったのですが、大人は前売り1300円で、子供は当日500円。しめて3100円はかなりお得です。そして、前売りにはオリジナルトートバックがついてきます。これは、お得…なの?もらっておいて言うのもナンですが、サイズが中途半端で何に使えばよいのかわからない…。

最近、いろいろな企業の景品やノベルティでトートバックをもらう機会が多いのですが、どれもこれも使い道に困るような物ばかりです。サイズも小さいし、マチがついていないので薄い物しか入らない…。最初は子供の図書館通いにちょうどいいと思ってましたが、それも一つあれば十分です。

元々環境配慮をコンセプトにした、企業のイメージアップ戦略なのでしょうが、それが押入の肥やしになってしまってはまったくの本末転倒です。

タダであげるモノにお金はかけられないと言うのもわからなくもないし、タダでもらえるモノはとりあえずもらっておけば嬉しいと言うのもわかります。その辺で何となく折り合いがついちゃっているのがこの類のプレゼントなのでしょうが、なんだか悪しき習慣に思えてなりません。そもそもタダってありえないし。

「earth」本編から受ける感動と、使えないトートバックが自分の中で消化しきれなかったので、ついつい語っちゃいましたが、映画そのものは本当に素晴らしいです。ぜひご家族でどうぞ。
小野
2008.01.11
僕の中で「毎年お正月にあって当たり前」の行事のひとつにパリ=ダカールラリーがあります。ところが何と、今年はスタート直前にドタキャンされてしまいました。新聞などでも報道されているのでご存知の方も多いと思いまが、テロの予告により参加者の安全が確保できないという理由だそうです。

参加者の多くはパリ=ダカールを一年の基軸にとらえ、多くの労力や時間をかけて準備をします。スタートを目前に控えて突然中止にされたのですから、気持を整理するのにもただならぬエネルギーが必要かと思われます。

気持ちだけならまだしも、「お金の整理」と言う現実問題もあるでしょう。出場にかかる費用の調達は、大概どこのチームでも企業とスポンサー契約を結んで支援を受けています。たいていの場合、その条件となるのが公式スタートです。要するに、何らかのトラブルでスタートを切れなかった場合は、それまでかかった費用が全てチームの負債となってしまうのです。

パリ=ダカールのスタート台に立つ出場者があんなに晴れ晴れと見えるのは、何も大会の華やかさだけではなく、「これで仕事が終わった。ここからは砂漠で大遊びだ!」と言う解き放たれた爽やかさがあるからなのです。

かく言う僕も、第10回大会あたりから数年にかけてこの大会に関わってきた、パリ=ダカール卒業生の一人です。その頃知り合った方が結構いいお年になった今も現役で活躍されているのですが、そのような姿を見るとこちらまで元気が湧いてきて毎年いいエネルギーをいただいています。

ですから、今回のような主催者側からのドタキャンは、色々な意味で心が痛みます。できればルート変更などで対応できなかったのかと、遠く離れた地で思うばかりです。「こんなことやってられるのは、世の中が平和なおかげだね」…当時、よく言い合っていた言葉です。

逆に言うと、平和でない世の中になってきていることを実感させられます。ガソリンや小麦が値上がり、株価が下がり、犯罪が増え、気候が変わる…良い要素が見えにくいですが、それでも今年も頑張るぞ〜!

…で、昨日、四季の家工房では今年最初のビックイベントを行いました。各業者が集まり、これから始まる家づくりの最初の全体会議を兼ねて、建て主さんを囲んで工事契約を結ぶ会です。お互い顔を合わせて、建て主さんの思いを伝え、業者側もサンプルを持ってきたり仕様の説明をしたり、たいへん盛り上がりました。

特に設備関係に関しては、今回ガス発電のコ・ジェネレーション(エコウィル)の採用や、床暖房、ソーラー発電パネルの併用もあり、僕の知識だけではまとめられそうにありませんでした。又、無理やりまとめたとしても、工事がスムーズに進むはずがありません。

一人で解決できないことも、関係者が一同に会することで、いとも簡単に答えが出てくることもあります。電気、ガス、給排水の専門業者と四季の家工房の堀部も交えて、図面や模型をいじりながら、使い勝手の検討や配管の経路、設置位置の確認、お互いの工程の前後関係の確認など、かなり細かい所まで詰めることが出来ました。

熱中のあまり最後は22時までかかってしまいましたが、建て主さんもこれまで僕の説明で不十分だった部分がクリアになり、十分納得していただけたようです。工事業者に対しても建て主さんと直接お話をする機会を作ることは重要です。「どういう人が、どういう想いでこの家を建てるのか」ということを知っているのは、良い意味で緊張感やモチベーションが高まります。

キックオフのホイッスルが鳴ったような、そんな日でした。
小野
2008.01.01
あけましておめでとうございます。

昨年の8月に屋号を「四季の家工房」に改めて、初めての新年を迎えました。旧年中はたくさんの方からお祝いや励ましのお言葉をいただき、おかげさまでなんとか船を出せた年となりました。

本年も初心を忘れることなく、皆様のお役にたてるよう研鑽して参ります。本年も宜しくお願い申し上げます。
四季の家工房一同