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四季便り
2023.05.02
最近…と言ってもこの2〜3年ですが、屋根の作り方を従来の作り方と少し変えてみました。いわゆる「カイゼン」ってやつですね。屋根の作り方を変えるってことは、屋根と取り合う天井の作り方も変わってきます。そして、断熱層で考える建物の中と外の境界線なども変わってくるのです。では、どんな風に改善したのか…メリット・デメリット含めご紹介します。

まず、そもそも一般的な木造在来工法の家を建てる場合、当然柱のような垂直の部材に、梁や桁といった水平の部材を架けて水平の面を作っていきます。この時、1階の床や2階の床にあたる面は構造用合板の24mmや28mmといった厚手のものを、15cmピッチに打ち付けた釘で建物全体の水平面を固めていきます。

この考え方を「剛床(ごうしょう)」と言うのですが、僕たちが建築を始めた30年前くらいにはまだこの工法は一般的ではなくて、梁の上に根太と言う角材を乗せて、その根太の上に12mmの合板を敷くか、あるいは直に床材を留めていってました。

この根太を使った床と剛床とでは建物全体の剛性が全く違います。四角い平面形状の建物が揺さぶられてひし形の変形するのをこの剛床がしっかりと支えてくれるので、建物がとても丈夫になりました。支えるのは梁と構造用合板を止付ける釘なんですが、その釘も通常の釘よりも太めのN75と呼ばれているものを15cmピッチで打っていきますんで、家全体では何百本とか、かるく千本超えることもあるくらいです。その数の力で家全体をがっちりと固めてくれるのです。

ここまでは床の作り方なのですが、では本題の屋根の作り方の話に入っていきます。屋根も斜めの屋根自体を架ける前は、まずは水平の構面があるわけです。2階建ての建物なら2階の天井のレベルのことですが、ここを僕たちは「小屋」と呼んでいます。

「小屋」と言うと「物置小屋」とか「山小屋」みたいな小さな建物をイメージされるかと思いますが、建築の構造的には、1階の床レベルを「土台」、2階の床レベルを「2階」、2階の天井レベルを「小屋」、そしてその上に「屋根」が載る…という呼び方になります。

で、現在一般的な木造建物の場合は土台、2階には構造用合板を張って「剛床」を作るのですが、小屋に関してはこのような面で耐力を持たせることはしてなくて、「火打ち」と呼ばれる斜め部材を部屋の隅部などに取り付けて建物の変形に対抗するようにしています。

この「火打ち」でもよいのですが、僕たちが改善したのはこのポイントでして、この小屋レベルにも24mm厚の構造用合板を張って、床と同様に「剛床」仕様としました。構造計算で確かめてもらうと、当然こちらの方が建物全体の強度が増しているし、感覚的にもかなり丈夫になることはわかると思います。

例えば、段ボール箱をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。フタをする前の箱を揺らしてみると、ぐにゃぐにゃと平行四辺形に変形します。でも、フタ部分を折りたたんでガムテープで止めるとどうでしょうか?ちょっとやそっとの力では変形しなくなります。ここが今回の改善の最大のポイントです。

で、それだけではないのです。これによって得られるメリットその2として「断熱」、そして断熱と1セットに考えなくてはならない「気密」が挙げられます。施工の順を追って説明しますと、小屋レベルに合板を止付けたら、そこが床のような安定した状態になるわけです。その面にまずは気密シートを敷きます。床に敷くのですから、とても簡単にきれいに張れます。

きれいと言うことは、美しいという意味だけではなく、シワや隙間などができないってことですから、きれいな仕事はとても重要です。次に束(つか)を建てて、母屋という屋根垂木を支える水平部材を組みます。これができたら再度小屋面に降りて、次に断熱材を敷いていきます。

断熱材にしろ気密シートにしろ、これまでの従来のやり方だと、建物の外側が完全にできてしまってから内部造作として天井を組み、そこに断熱や気密をしていました。これは、言葉で言うのは簡単なのですが、3〜4cmの細角材で組んだ天井の隙間から断熱材を持ち上げる…といった下から上への作業はなかなかやりにくいもので、どれだけ丁寧に施工してもどうしてもシワや隙間ができてしまうのです…。

ですが、上からでしたらとても簡単にきれいに納めることができるんです。なにせ床があるんですから、布団を並べて敷くようなものです。さらに、断熱材を敷く前に束を建て母屋組みを先行したのにも意味があって、ここまで組めていればせっかく敷いた断熱材を踏まなくても済むのです。断熱材を先に敷いてしまうと、この母屋を組むときにせっかくきれいに敷いた断熱材を踏んでの作業になってしまうので、ちょっと残念な結果になってしまいます。

そして、メリット3!この床があるってことは、僕たち作業者にとってもありがいのです。足場のしっかりしたところで作業できるってことは安全にもつながりますし、剛床張りの作業は増えたとしても後々の作業が減るのでトータルすると作業量も減らすことにつながります。

もう一つ別な観点でもメリット4がありまして、照明計画にも自由度が増すというおまけもつくのです。これは、これまで断熱・気密を破壊するという意味でなかなか使いにくかったダウンライトが自由に使えるようになるってことです。小屋面で気密を取ってあるので、室内側の天井にいくら穴を開けたところで何の影響もないのです。

反対にデメリットですが…これは小屋面の構造用合板が増える分、どうしてもコストアップにつながってしまいます。このコストアップ分を作業の効率化などでなるべく差し引きしたいのですが、合板も最近は高いので、なかなか…と言った感じです。それでもお客様にとってのメリットは多いと思い、このやり方に「カイゼン」しております。

「そんなこと言っても、文字ではなかなか伝わらん」という方もみえると思いますので、ご希望の方には現場で直接ご説明いたします。お問い合わせフォームまたはメールでご連絡くだされば、現場を見ながら説明いたしますよ!

  小野  
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