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知多半島の真ん中、半田と常滑のちょうど中間あたりの丘陵地帯に建っていた「レストラン」を住宅にリフォームしました。
建て物は鉄骨平屋造で構造はそのままにしていますが、今回のリフォームの特徴は、藁をブロック状に束ねた「ストローベイル」を主軸とした独特な室内空間です。
ストローベイルの仕上げは土を塗り込んだ土壁です。それも、コテ等の道具を使わずに手で直に塗り込んでいくので、自然な凹凸ができて、かなり存在感のある壁になります。
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ストローベイルの土壁と調和するような木工事という事で、土塗り以外の壁や天井には、あえて仕上げ削りをしていないザラザラの状態の杉板を張ったり、床の端部を切りっ放しにしたり、釘を隠さず打ちっ放しにしたり、通常はあまりやらないような納まりにしてあります。
他にも、初めてやってみる挑戦が各所にあり、間取り自体もとても大胆な構成になっています。建て主さんの感覚を大切にして、割り切るべき部分は割り切って考えた結果の唯一無二の建物です。「いつもと違う」仕事をするのは刺激的でとても楽しい事ではありますが、「いつもと違う」がために発生するかもしれない不具合なども考えられる事は考えた上で、相談しながら進めました。
今回の工事は、ストローベイルプロジェクトの大島さんと四季の家工房とのコラボレーションです。ストローベイルの積み込みやベイルへの土壁の塗り込みなどは、毎週のようにワークショップを開催して、一般参加の多くの人にご協力を頂き完成させました。 |
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元々の状態です。南面の樹木がうっそうとして陽あたりがなくなっていたので、これは伐採する事になりました。 |
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内部は住宅にするには採光が足りないので、窓の位置や高さを調整する事にしました。そのためにブレス(鉄筋のスジカイ)の位置も調査しました。
照明器具などは再利用可能なので、お客様が丁寧にはずして保管してくれました。 |
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天井裏の設備配管や配線はすべて撤去して、鉄骨トラスをそのまま見せてしまう事になりました。 |
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天井がなくなったので、屋根部分には断熱材をはめ込みます。断熱材の上には杉板を張っていきますが、この杉板は通常は屋根の下地に使われる野地板を使用しました。製材機で挽いたままのザラザラで節ありの板なので、材料費はとても安上がりです。 |
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床を組んだ上に、間仕切り壁の下地を組みます。そして、外壁の内側にはストローベイルを縛り付けるための横桟をつけていきます。 |
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木のお風呂を据えるため、浴室の壁はコンクリートブロックで囲んで下半分はFRPで防水しました。 |
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左の写真は藁を束ねてベイルにする作業です。400個のストローベイルを搬入すると、現場内は足の踏み場もなくなりました。ここからがワークショップの始まりです。 |
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左の写真がストローベイルを積んだ状態です。これに泥を塗り込んで竹串でグサグサと差し込んでいきます。こうする事により、藁と土が強力にくっつきあって丈夫な壁になります。 |
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左の写真が1回目の土塗りが終わって乾燥させている所で、右の写真が中塗りのワークショップの様子です。 |
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玄関扉の上には、ガラスの浮玉を固定します。この周りにも土を塗り込んで、おもしろい明かり採りに仕上げる予定です。 |
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建物の形状は何も変わっていないのですが、窓を入れ替えたり、樹木を撤去したりして開放的な印象になりました。 |
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ひとつながりの空間なので室名はつけていませんが、ここは「まったりとくつろぐ」スペースです。
杉の床板の端材を利用して作った箱に、元々店舗に使われていたダウンライトをはめ込み、ペンダントライトのように天井から吊るしました。 |
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カーブのついた玄関は、床の杉板を切りっ放しにしてあります。 |
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書斎スペースには、書棚とカウンターを造り付けました。 |
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廊下とも部屋とも言えない、曖昧な空間もあります。ちょっと奥まっていて、案外落ち着くスペースになっています。 |
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玄関扉と明かり採りの「ガラスの浮玉」です。いい感じに仕上がりました。 |
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ストローベイルの壁に取りつくコンセントやスイッチ類は、あらかじめ木で箱を作っておいて取付ました。
ベイルと設備や出入口などとの取り合い部分を納める事には、結構神経を使いました。 |
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ガラスをはめ込んで、壁の中の藁の様子が見えるようにしました。名づけて「真実の窓」です! |
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どの方向からも使える丸いシンクのあるキッチンです。水栓は天井から吊下げてあるので、数人で囲む事もできるし、大きなお鍋なども楽に洗えます。 |
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その水栓のアップです。右の写真は水栓を取り付ける配管を作っている所ですが、これは溶接職人でもある建て主さんの手作りです。 |
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水廻りもオリジナルです。お風呂は木の浴槽ですが、目隠し格子で囲まれた大きな窓で外部と繋がっている開放的なお風呂です。 |
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トイレの壁には敷地内で採れた赤っぽい土を混ぜ込んでいます。写真ではわかりにくいのですが…。 |
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ストローベイルに8個の温湿度センサーを設置し、年間を通してモニタしています。ストローベイルプロジェクトを通して、某大学の研究テーマになっています。 |
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ワークショップ参加者が集まって竣工パーティーを開きました。
苦労話にも花が咲きました。(左の人がストローベイルプロジェクトの大島さんです。) |
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ワークショップの炊き出しをしてくれたお母さんは、この日も豚汁にケーキバイキングと心づくしの数々でした。 |
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どこまでが玄関かわからないような土間玄関なので、何人お客さんがみえても大丈夫です。 |
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