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岐阜県八百津町の新築住宅
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O様邸(岐阜県八百津町)
2008年12月竣工
一番最初にいただいたイメージは、スイス旅行をした時に撮った、とんがり屋根のかわいい家の写真です。白壁にむき出しの木の柱や梁がそのまま意匠になっている、ハーフティンバーと言う様式の建物です。

言葉で簡単に表現すると、サザエさんのエンディングで一家が駆け込む山荘のような家です。このご要望は最初から最後まで計画の軸となり、一度もブレることはありませんでした。

そのイメージを表現するために矩勾配(かねこうばい:角度45度)の屋根を設け、そとん壁の白壁とリボス社のタヤエクステリアで着色した木部とでコントラストをつけました。

さらに格子を入れた上げ下げ窓や赤いオーニング、緑の玄関扉などでアクセントをつけて「カワイイ」印象を作り出しました。デザイン上扱いの難しい雨樋も金属製の丸型雨樋とし、シンプルな外観を心がけてあります。
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敷地の北側裏手には小さな山があり、3方は程よく開けていて明るく良好な立地条件の敷地です。背景が広葉樹の森になっていますので、四季折々の色の変化が楽しそうです。

構造は8m四方(メーターモジュール)の「田の字」作りで、真中に18cm角の大黒柱を配置してあります。軒の高さは通常の建物より約1m低くして、全体のフォルムを落ち着かせると共に、「サザエさんの山荘」のようなカワイイ印象を表現しました。

掃き出し窓を1ヶ所も使わない建物なので、家具や資材の搬入方法は計画段階から明確にイメージし、ピアノなどの大きな物は原寸図を作って確認しました。
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竣工は12月なので背景は冬枯れの里山です。春夏秋冬、景色の変化が楽しみなロケーションです。

赤いオーニングや緑の玄関扉、自然木のポーチ柱などが外観のアクセントになっています。
玄関右手がリビングへの入口の引き戸です。引き戸はすべてレールなしの上吊式になっています。

正面はウォークインのシューズクローゼットになっています。両側10段づつ棚板があり、たっぷり靴を収納できます。さらにその奥が納戸です。
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リビング側から玄関を見た所です。東西の通風を取ると共に、西日の影響を少なくするため窓は低めの地窓としました。
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1枚目の写真は玄関からリビングに入った所です。手前は書斎兼勉強スペース、中央はソファを置くくつろぎスペース、腰壁の奥がダイニングスペースです。目的を持ったスペースを腰高の作り付け家具で仕切り、全体はひとつの空間としました。

2枚目の写真はダイニング側から見たリビングですが、奥左手小窓の下は郵便受けになっていますので室内から新聞を取り込むことができます。

壁と天井は白のチャフウォール(ホタテ貝殻漆喰)で仕上げ、所々には意匠の柱や梁を組み込み、明るく温かみのある素材で内装全体を仕上げました。床には、冬暖かく夏涼しい桐の無垢フローリングを張ってあります。柔らかいのでどうしてもキズがつきやすいのですが、そういう変化に寛大な建て主さんにはお薦めの材料です。
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書斎兼勉強スペースではカウンター上部に収納棚を設け、背面には書棚を設けました。書棚の裏側は一体になったTV台となっています。

子供が小さいうちは、リビングの一角に勉強ができるコーナーを設けておくと何かと便利です。宿題を見てあげたり時間割を確認したり、しばらくは母親の手助けが必要なので、家事をしながら気配を感じられる位置関係が大切になります。
リビング中央のくつろぎスペースでは、ソファを置いた状態での位置関係を想定してスペースの寸法を決めました。

写真には写っていませんが、おばあさんの代から使っている古いソファを張り替えして置く予定です。

ソファの張り替えも四季の家工房で手配させてもらいましたが、シックなグリーンに生まれ変わりました。
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リビング空間の一番東側は、ダイニングとキッチンの「食のスペース」です。空間はひとつながりですが、床材をコルクタイルに切り替えて用途の違いを意識させてあります。
腰壁のダイニング側には煉瓦に蓄熱する蓄熱暖房機を設置してあります。

とても暖かいと言う訳ではないのですが、ほんわりと暖かな輻射熱の暖房機ですので、オール電化を採用する場合にはお薦めです。
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ダイニングテーブルの上には、梁の端材を利用した照明器具を手作りしました。
キッチンはオリジナルの手作りキッチンです。シンク上部には手元灯を組み込んだ棚板を吊ってありますが、棚による圧迫感を感じないように細くて薄い材料で作ってあります。
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キッチンサイドには、下膳などを仮置きするための台を設けました。使わない時は折りたたんでおくことができます。
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1階は南側のリビングと北側の水廻りを、階段を中心とした動線でつなぎ、回遊性のある空間にしました。

左側に写っている家具はアクアリウム用に作り付けた水槽置場ですが、循環ポンプの配管や内部に熱がこもらないよう上部に窓を設けたり、水槽の水面のラインが視界に入らないよう扉の高さを加減したり、色々な工夫をしてあります。

リビングに面する階段の裏にも動線がありますが、こちらは裏導線になります。裏動線に面して収納や棚なども設けてあります。浴室やトイレなどの水廻りには、リビングから直接ではなくこの裏動線を通って入ります。
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洗面台は、普段の手洗いや来客の手洗いにも使うため、脱衣室の外としました。タイルと木で作った手作りの洗面台です。
キッチンの北側には家事室を設けてあります。正面左手に洗濯機を置きますが、中央の小窓は脱衣室とつながっていますので、洗濯物はこの小窓からほうりこめるようになっています。
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2階南側の寝室です。造り付けの棚の後ろ側はクローゼットになっており、クローゼットは半分屋根裏のようになっています。
2階の各スペースには押入れが付いています。押入の中段は桐板で作ってあり、スノコ状になっています。
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2階は間仕切りを作らず、家族全員の就寝や着替えの空間にしましたが、将来の家族構成変更や年齢の変化に合わせて、間仕切りができるようにしてあります。

ロフトへは、普段天井に格納してある折りたたみの階段を降ろして上がります。
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4m×8mのロフト空間です。ちなみに「ロフトの天井高さは1.4mまで」と言う決まりがあります。しかし、このロフトは天井を細かい格子状にしてありますので、立って歩くことはできませんが目線が通る分広く感じます。

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