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四季便りバックナンバー
 
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2023.12.25
令和5年も終わろうとしています。毎年この時期になると思うのですが、「あぁ、また一年、無事に仕事を続けてこられたなぁ」…と。

続けてこられたと言うのには二つの意味がありまして、まず一つはケガや大きな事故もなく日々の仕事を消化することできたこと。僕たちのような仕事って大なり小なり危険と隣り合わせのところがあって、刃物や機械を取り扱ったり高いところで作業をしたりと、普通の…何が普通かはわかりませんが…普通の仕事と比べると、やっぱり注意する点が多い業種です。この点については自分自身で注意をしたり、声を掛け合うことで回避できることが結構あります。

まずは、睡眠を充分とってコンディションを整えることから始まり、まわりとのコミュニケーションをとって周囲の状況を認識すること、そして現場をきれいにすることでも事故は防げます。お互い気づきを与え合える今の仕事仲間、思えばともに仕事をしてもう20年近くになりますが、この間、大きな事故もなく続けてこられたのは、同じ認識や価値観を共有できた仲間の存在あってのことと思います。

もう一つは、より広い意味での「続けてこられた」です。世の中と言うか、社会、自然すべてを含めた環境の中で、継続するということがぜんぜん当たり前のことではなくなってきています。振り返ってみると、僕が生まれたのは「高度経済成長期」の真っただ中であり、社会に出たころは「バブル期」と言われる時代でした。そんな平和で勢いのある世の中で育ててもらったので、「続ける」ということをあえて意識したことはありませんでした。

「辞めない」かぎり「続く」ことに何の疑問も感じてなかったんですね。もちろん個人個人にスポットを当てると悩みや迷いを抱えるのは人間の常かもしれませんが、それでも社会全体では上昇することが自然の成り行きのような世の中でした。

そんなことを思いながら令和5年を振り返ると、コロナも5類に引き下げられ雰囲気としての日常は戻りつつありますが、身近なところでは同業者の廃業の話とか、もっと広くは世界のあちこちで紛争が起きて、変化を受け入れざるを得ない人たちがたくさんみえます。そして、それは遠いかなたの話しではなく、ある日突然、自分事となる可能性も否定はできません。

そう思うと、今年も無事に終えることができることに感謝の気持ちでいっぱいです。お仕事をいただきましたお客様、協力していただいた皆様、ありがとうございました。
  小野  
2023.10.20
先回の日記からの続きです。

…と言うわけで、大型の補助金事業が実施されていますので、リフォーム業界・サッシ業界とも大きなビジネスチャンスとして鼻息も荒くなっているのですが、「実はあんまり使われていない」というのが現状なんです。「なんで???」というところを、反省も込めて説明したいと思います。

現行の「先進的窓リノベ」と同時進行で「こどもみらい住宅支援事業」とか「給湯省エネ事業」とかあるのですが、ここではわかりやすいように「窓リノベ」に絞って解説します。現行の「窓リノベ」の申請受付がスタートしたのが令和5年の3月末です。当然、スタートと同時に全国で窓の改修工事が始まるので、サッシメーカーの工場もてんやわんやになるわけです。

改修工事の場合、現況の窓に合わせて作っていかなくてはならないので、いわゆる「作り貯め」ってのができないんですね。現場で窓の高さや幅を測って、開閉方式やガラスの種類、サッシ枠の色など細かいことを決めての発注…からの製作になるので、すべてオーダーです。

と言うことで、全国から一斉にオーダーが入ってメーカーの工場もパンク状態になってしまいました。通常でしたら2週間程度の納期で入荷するサッシも、あっという間に1ヶ月、2ヶ月、3ヶ月待ち…そのうち「納期回答できません…」ということになってしました。

じゃあ、「ウチは急いでないからいつでもいいよ」と言っていただけるお客様なら良いか…というわけにもいかないのです。補助金事業には予算があって、予算がすべて消化された時点でこの事業は終了…ということになります。で、申請業務の流れが決まっていて、工事完了後の申請しかできません。

したがって、(お客様)リフォームを決断→(工務店)現地寸法測定→(問屋)見積り→(工務店)見積り提示→(お客様)決断→(お客様・工務店)工事契約締結→(工務店)問屋に発注→(問屋)メーカーに発注→(メーカー)製作、とまずはこの流れなのですが、ここで問題発生です。

なにせ現在、発注から納品までの納期が読めない状況になっているんです。納品されないと工事が進まず、工事が完了しないと補助金の申請ができません。そうこうしているうちに事業の予算が消化となると、あてにしていた補助金がもらえないってことになってしまうかも…。

僕たちとしては良かれと思ってご案内した補助金事業が、いざ工事をしてみたら「予算終了〜!」なんてことになってしまたら、いったいその責任はどうなるんでしょうか?「調子のいいこと言って契約取っておいて、どうゆうことだ」って怒られても申し開きのしようがないです。となると、せっかくの補助金も安心してご案内することができないのです。

問屋もその辺は敏感でして、どの補助事業であっても予算の消化状況は毎回マメに案内してくれています。ただ、今回はそのスピードが想定外の速さで、5月の時点で納期が3ヶ月、現状から補助金の予算終了を読むと9月がせいぜい…ということで、そうなると「すぐにでも発注かけないとヤバい」ってことになります。

だけど、だけどですよ、僕たちとしても「お客様を急き立てるようにして契約をする」なんてことはやりたくないのです。新築にしてもリフォームにしても、ちゃんと計画が固まっていない状態での見切り発車は決して良い結果を生まないんです。何十年も建築やってますんで、そこのところはよくわかっているつもりです。なので、この状況は本当に悩ましいのですが、あえて「補助金をちらつかせてお客様を釣るような行為」はするまいと決めました。

と、と、ところがです、スタート時点で爆発的な伸びが予想されていたにも関わらず噂されていた9月になっても消化はされず、10月の現時点でも消化の割合は71%になっています。そして、一時は納期回答不能とまでなった工場の稼働も、だいぶ落ち着いてきたようで、現時点ではLIXILもYKKも約3週間と、まぁ通常の納期にだいぶ近くなってきています。たぶん「間に合わない」と考えて、工事を控えた方が大勢みえるのでしょう。

で、この後、残った29%の予算がどうなるか…というのが気になる所です。駆け込みでドドドッとなくなっていくのか、あるいは2024年も延長される見通しなので、まぁ慌てないで今回はパスでも良いかとなるか…どっちになるのでしょう。

ちなみに、2024年版では内窓の設置に関しては若干補助率が下がるみたいです。なので内窓設置だけに特化すれば今回やっておく方がお得なのですが、残りあと29%…どうなるのか予想がつきません。

というわけで、四季の家工房は2023年版に関しては「初動が悪かったため見送ってしまった」と言うところが大いに反省するところです。もうすぐ2024年版が発表になるはずなので、情報が出次第ご案内していきます。

家が温かくなると言うことは、快適で健康維持にも寄与します。とかく「バラマキ」と揶揄される補助金事業ではありますが、せっかくなので有意義に使っていけるとよいですね。
  小野  
2023.10.19
「先進的窓リノベ」が2024年度も延長されるらしい…今回は「それっていったい何?」というお話です。

この話を耳にするようになったのが先月頃で、ネット上でも一部のインフルエンサーが先駆けて情報発信したりもしています。その決定もいよいよ秒読みらしく、最近はメーカーサイドの情報スジからも、「つきましては補助金獲得のためのセミナーがありまして…ぜひご参加を!」みたいなご案内もいただくんですが、なにせまだ国からの正式決定が出ていないのでセミナーも開催日程さえ決まっていないうちからの勧誘なんです。

メーカーさんや問屋さんにしてみれば、まずは一般消費者との間を取り持つ僕たちのような工務店の囲い込みが重要課題なので、正式発表など待たずにとにかく陣取り合戦が始まっている…って感じです。

僕たちとしても取引先(この場合はメーカー・問屋さんですね)に求めることとして、もちろん製品の品質とか価格とかは重要なんですが、いかに正確でタイムリーな情報を届けてくれるかってことが大事なファクターになります。なので、開催日程が記載されていないセミナーの募集チラシに「???」な気持ちもあるにはありますが、「先進的窓リノベ」に対するメーカーさんの意気込みは汲み取れるのです。では、なぜこんなにも意気込んでいるかと言えば…やはり補助金の規模です。

と言うことで、事業の概要をお知らせしておきます。まずは正式名称ですが、「住宅の断熱性能向上のための先進的設備導入促進事業」という経済産業省の補助金事業です。それが延長されると言うことは、今年もあったのです。あったと言うより、現在もまだ継続中です。

実は、今年のこの現行の「窓リノベ」については、こちらも初動の遅れと情報の錯そうが相まって、正直言ってあまり活かすことができなかったのです。その反省も踏まえて、今回は早めに(と言うか発表前の見切り発車ですが)お知らせしておこうと思います。正式発表前なので若干内容が異なる可能性もあるかもしれない…と言う点だけご容赦ください。

では、補助の内容ですが…「先進的窓リノベ」という通称が示すように窓改修に特化した補助事業でして、簡単に言ってしまえば「既存建物の窓を先進的な断熱性を有する窓に改修することで建物の省エネ化を図り、それに対して補助金を交付する」という事業です。ご存じの方も多いとは思いますが、窓って建物の部位の中で最も熱の出入りが多い部分です。そこに重点を置いたリフォームは、断熱性を実感できるとともに、短工期による即効性の高い改修工事と言えます。

もちろん、床・壁・天井と建物を構成するすべての面を断熱改修すれば完璧なのですが、相応の時間と資金が必要になってきます。まだまだ現状では、寒い冬を耐えて暮らすような家や、エネルギーがだだ洩れする家がたくさんあります。まずはそこの底上げをするって言う意味では、とても意義のある補助金制度になっていると思います。

そして、この制度の特筆すべき点…というかメーカーさんや問屋さん、もちろん僕たちのような建築屋も鼻息を荒くせざるを得ないのが、その規模なんです。現行の予算額が1000億円、で発表が待たれる次回の枠は、なんとその上を行く1170億円と言われています!!

…と言ってもなかなかピンとこない金額ですが、近年の補助枠と比べるととりわけ大きいのです。そして一件当たりの交付金額が、工事費の50%を上限に200万円と言うなかなかの金額なのです。大雑把な言い方してしまうと「400万円の工事をしたら200万円もらえる」って話なので、お客様にとってもこれまでになくお得な補助金です。

まずは、この点を理解しておいていただいて、長くなってしまうので反省点とどのような情報の錯綜があったのかは次回に書かせていただきます。「補助金を使って暖かな家に改修したい」って思っている方…なるべく早めに続きも書きますんで次回も読んでください。
  小野  
 
2023.10.03
私はギターを弾きます。…なんて書き出すと「コイツそうとう弾けるんか?」と思われるかもしれませんが、いやいやそうじゃなくって、ただ好きでつま弾いているだけなのですよ。

弾きもせずただギターを抱えたままボーっとしてたり、弾きながら居眠りしたり、目が覚めてまたポロっと鳴らしたり…ってこともままありまして、これってギター弾きあるあるかもしれませんが、これがなかなか至極の時間だったりもするわけです。

別にこれと言って目的とか目標とかがあって弾いているわけでもなく、以前は小さなステージに立ったり人前で演奏したりってこともありましたが、今はそういう気持ちも湧かず、ただ一人で家でポロポロ弾いているわけです。

とは言え消極的かと言うとそうでもなく、誰に聴かせるわけでもないのに年に何曲かは新しい曲に挑戦してみたりもして、しかも選ぶのがまぁまぁ難しいアレンジだったりするもんで…まぁ弾けないんですな、これが。最初のうちは一音一音拾うように鳴らしていくので、我ながら何を弾いてるんだかわからなくなるほど弾けてないんです。

いや、わざわざ難しい曲を選んでいるわけではないのですよ。たまたま好きな曲とか、アレンジの難易度が高いものが多いだけです。身の程知らずなだけですが、好きでもない曲を覚えたところで全然おもしろくないしワクワクもしない…。もちろん、ギターを始めたばかりの人でしたらある程度の基礎は大切なのですが、一応ワタシ、キャリアだけはありまして…キャリアだけは数十年…キャリア「だ・け・は」あるのですよ。

よく耳にするのが「子供のころピアノ習ってたけどバイエルでくじけた」とか…あれって、ホントもったいない話です。ワクワクできなかったのだと思います。好きなアニメの主題歌とか、何でもいいので一曲弾けるようになると、楽器って本当におもしろいものなんです。

で、僕が選ぶ曲はと言うと…ジャンルは結構幅広いんですが、アレンジにジャズとかブルースのテイストがちょびっと入っていると、俄然「弾いてみたい!」となるのです。ジャンルにはあまり傾向がありませんが、傾向があるとすれば、僕は多くのミュージシャンがカバーしている曲に興味をひかれる事が多いかもしれません。

Youtubeを見ていると、プロだったりアマチュアだったり、国籍もいろいろだったり、ひとつの曲をいろいろな解釈で演奏しているのを聴くことができます。逆に言うと、多くのミュージシャンがそれぞれの表現でカバーしたくなる曲ってのは、そりゃイイ曲に間違いないんですけどね。

そんな中に自分の好きなアレンジがあったりすると、俄然やってみたくなってしまう…難易度が高いとか低いとか全然関係なくて、時間さえ掛ければ一つ一つだった音がやがてつながってメロディを奏ではじめ、それがだんだん手に馴染んで何も考えなくても指が動くようになってくると、ある時突然音が跳ねだし、自分なりのグルーヴ感が少しだけ目覚めたりしたりもする。その瞬間がたまらなく気持ちがよいのです。

これを繰り返していくと、「音楽が体に入ってくる」「しみ込んでくる」ってのを実感することがあります。聴いているだけではわからなかった、その曲の持つ味わいみたいなもので、これは楽器を演奏する人の特権かもしれません。

と、まぁそう言うわけで、楽器をいじっていると満たされるわけなのです、いろいろな意味で。…と思っていたら、これが本当のことだって話をある記事で見つけました。

「一度経験すると快感を覚え、ボケない…脳科学者が高齢者は真っ先にやるといいと説く”習い事の種類”(PRESIDENT Online)」

自分の手で音楽を演奏することは、脳の報酬系が刺激されて心地よい快感を覚えるってことです。「だよね、だよね」と、大いに同感せずにおれません。夜な夜な何時間もギターを抱えていられるってことは、それなりに脳内でご褒美をいただいていたってわけですね。

で、この記事のポイントは、「この心地よい快感は、認知症の予防とか手指のトレーニングとか、高齢者にとってとても良い習慣になる」ってことです。そう言えば、ミュージシャンでボケたって話もあんまり聞かないんで、案外当たっているのかもしれません。

僕もやがて高齢者の領域に突入していくわけで、その時にギターがとっても役に立ってくれるかもしれません。いや、もうすでに役に立っているのかも…。まぁ、正直言いまして夜な夜なのギターは家族には若干の迷惑をかけているという認識はあるんですが、その分ボケないっていうおまけがつきますんで、ここは勘弁してもらおうかと思います。

元気な高齢者が増えるってことは、若者の負担を減らし日本全体の国力増進にもつながります。皆さんも何か一つ、楽器を手に取ってみてはいかがでしょうか?ギターをかき鳴らすファンキーな老人が増えることについては、ここはひとつ大目に見ていただきたい!
  小野  
 
2023.09.05
フォトブック四季の家工房のフォトブック最新版ができました。ここ最近の施工事例やプレゼン資料として作成した模型やイメージスケッチなど、いくつかピックアップして写真集にまとめたものです。

これ…WEB上で編集できて、ポチッとやると完成したフォトブックが届くっていうフォトブック作成サービスを使っています。誰でも簡単にできる分、細かな編集はできないようになってまして、イイ写真なんだけど縦横比が合わないとか、文字数がもうちょっとだけほしいとか、ほんのちょっと痒いところに手が届かない感は否めませんが、その分お手軽で安いってのが最大のポイントです。

フォトブックを制作するサイトもいろいろあるので、それこそ予算次第で編集機能や画質や製本など選択肢はいっぱいあって、お金さえかければもっと完成度の高いものはつくることができます。…が、なにせ「チラシやパンフレットの延長として多くの方にご覧になっていただきたい」という意味合いでつくるフォトブックなもんですから、さすがに1冊何千円とか掛けるわけにもいかないんです。

そんなわけで、四季の家工房のフォトブックを作ってもらったのは「しまうまプリント」というフォトブック作成サイトなのですが、いやぁ〜便利になりましたね…と、ついオジサン的発言をしたくなるほど、まぁお手軽なのです。

僕が建築を始めた頃はまだ写真はアナログでして、写真を撮ったらカメラ屋さんにフィルムを預け、現像・プリントしてもらってようやく写真が手に入る…って感じでした。それに要する時間もだいたい2〜3日。早いところは翌日渡しや当日渡しなんてところもありましたが、いずれにしても「カメラ屋さんに持って行く」→「現像所に運んで現像・プリント」→「現像所からカメラ屋さんに」→「カメラ屋さんに取りに行く」という工程が必要でした。

カメラ屋さんで写真の受け取りの時にサービスサイズの写真が入れられる、クリアポケットのアルバムみたいなものがもらえるので、その中に建物の写真を入れて、「これが私のつくった建物です」みたいな感じでお客様にお見せしてました。昭和のにおいがプンプンですね。(笑) でも、平成前半まではこんな感じだったと思います。

で、デジカメの登場ですよ。僕が初めてデジカメを手にしたのが90年代後半だったと思います。当時35万画素ってのが標準的なスペックだったのですが、ちょっと頑張って85万画素のものを購入しました。今でしたら考えられないような数字ですが、それでもまぁまぁのお値段でして…カメラのサイズもクリームパンくらいはあったかな?でも「これからはデジタルだ!」との思いで奮発して手に入れたのを覚えています。

デジカメだけだと結局、撮影したデータをカメラ屋さんに持ち込んでプリントしてもらうってことになって、記憶媒体が変わっただけで今までの流れと変わらないじゃんってことになります。でも当時はそういう使い方をしている人もまだまだみえました。

デジカメと言ったらパソコンですよね。画像データをパソコンに取り込む…ってどゆこと??から始まるんですが、デジタルデータを使いこなすにはパソコンは必須というのは感覚的に理解はしてました。それ以前にWindows95は導入してはいたのですが、どのように活用したらいいかわからず、ワープロ代わりに使ったり表計算も使ってはいましたが、とてもではないけど使いこなしていたとは言えません。

そこにデジカメです。撮った写真がすぐにパソコンに取り込める、大きさも自由に変えられる、キャプションも入れられる、プリントして持っていくとお客様のウケも良い。デジカメ導入と共にパソコンに対する興味も俄然湧いてきました。

「だから何?」って感じの話ではありますが、フィルムからデジタルへの大きな変換機を目の当たりにしてきた者としては、いろいろ便利な機能やサービスが出てくると、ホントありがたいな、と思ってしまいます。フォトブック作りながらそんなことを思い出した…って次第です。

で、できたフォトブックがコチラ。ご希望の方は資料請求フォームからお申し込みください。オンデマンドでプリント・製本しますので、約1週間ほどお時間はいただきます。(お届けはしまうまプリントより直送になります。)

フォトブック フォトブック フォトブック

フォトブックそれと…これまで作らせていただいた建物を、邸別にまとめたフォトブックもあります。こちらは配布はしていませんが、四季の家工房が運営するゲストハウス「美山ハウス」のライブラリにてご覧いただけますので、ご希望の方はご連絡ください。
  小野  
 
2023.07.25
完成見学会にお越しいただいた皆様、ありがとうございました。おかげさまで、ほぼ「満員御礼」…重ね重ねありがとうございました!ん?ほぼって何??ってことですが、2日目の午後は仲間の大工とか設計士とか友人とか割と身内の訪問が多かったので「ほぼ」としましたが、建築のプロがわざわざ見に来てくれるってことは嬉しいことですね。

0LDKの家 0LDKの家 0LDKの家

さて、今回の建物は「ゼロLDKの平屋」を謳っているのですが、ご来場の皆様からは口を揃えて「ゼロLDKって何?」とのご質問をまずいただきます。そりゃそうですよね…あまり聞きなれない言葉なんで。実はこの「ゼロLDK」は僕たちからご提案したことではなくて、今回の建て主さんとの初回の面談の時に、建て主さんから「ゼロLDKの家を建てたい」というご要望をいただいたものなのです。

よく言われている「2LDK」とか「3LDK」というのは、リビング(居間)+ダイニング(食事スペース)+キッチン(台所)を兼ねた広い空間と、寝室などの個室が2部屋とか3部屋…って意味ですよね。今では当たり前のように使われている言葉ですが、ちょっと歴史を紐解くと、これは高度経済成長期の公団住宅に起源があるようです。

もともと昔の日本の家って寝るところも食事するところも調理するところも全部ひとつの空間でまかなってたんですが、戦後の人口が激増する時期に「寝食分離」という「寝るところと食べるところは分けましょう」という新しい価値観が提唱されるようになりました。そして作られたのが、都市近郊でよく見かける4階建てとか5階建ての鉄筋コンクリート造の集合住宅で、その間取りがダイニングキッチンに6畳間と4畳半が付いた「2DK」だったんです。

それに合わせて生活スタイルも変化していき、食事は椅子に座っていただくようになり、「ちゃぶ台」が姿を消していくのもこの頃からですね。やがて日本人の生活向上思考と相まって、ダイニングキッチンをもう少し広くして、くつろぎスペースの機能も併せ持った「2LDK」「3LDK」…「nLDK」に進化していくんですね。そして、この考え方は現在の住まいづくりにも踏襲されています。

で、「ゼロLDK」なんですが…一言で言うと「大きなワンルーム」です。要は「ひとつの空間で、食事の支度、食事、就寝、全部やってしまおう」という考え方です。あれっ??それって「寝食分離」の逆を行ってるんじゃない??って、そうなんです!一周まわって昔の生活パターンに戻ってしまいました。

これが良いかどうかと言うのは住む人の考え方や家族構成によるのですが、ただ言えるのは…昔のまんまに戻ったわけではなく、現代の建物としての性能とか最新の設備あってのこの間取りです。昔のように土間で煮炊きをして、寒さをしのぐために家族が一所に寄り集まって火鉢にあたり、藁にくるまって寝る…ってわけではなく、断熱性の良い広々とした空間に、それぞれの機能を持たせたコーナーを設け、ストレスなく暮らせるような工夫を盛り込んであります。

そしてこの「ゼロLDK」の家は、生活スペースとしての空間はひとつなのですが、収納には力をいれて用途別にかなり充実させています。まずは玄関に大容量のシューズクローゼットと外使いのもろもろのアイテム、例えば雪かきスコップとか庭掃除の道具とか…小さなもの長いもの、濡れたもの濡らしたくないもの、こういったものをいろいろ収納できるようにしました。

また、比較的使用頻度の低いものを収納する納戸、衣類専用のクローゼット、掃除道具用の収納、ルンバのためのスペース、食品庫、普段使いの日用品の収納…などなど、収納家具はほぼ持ち込まなくても生活を始めることができます。

いずれこの建物も施工事例に追加していきますが、現在新築中の建物があったり上棟作業の応援にも行かなきゃで、なかなかゆっくりパソコンに向かえる時間がなく…掲載までにはちょこっとお時間をいただきます。
  小野  
 
2023.07.05
現在、本巣市にて新築住宅の工事を進めているのですが、完成まであと少し…と言うところまで漕ぎつけています。昨日はちょうど左官屋さんが内部の壁に漆喰を塗っていまして、あとは設備器具や建具を取り付けたりすると、もう完成は秒読みです。

チラシと言うことで、見学会を開催いたします!まずは日程ですが、7月の22日と23日の土日に開催いたします。そして、ここが大事なのですが…見学は完全予約制となりますので、必ず事前にご予約をお願いします。

「ちょっと予定が立たんのだけど、行けるようなら行きたい」といったお申し出をいただくこともあるのですが、そりゃ僕たちとしましても一人でも多くの方にご覧いただきたい気持ちはやまやまです。でも、ゴメンナサイ。そういった形でのご来場はお断りしております。

なんでかと言いますと、一度に何組ものお客様に来場いただくと、こちらの受け入れ態勢がとれないからなのです。せっかく見に来ていただいたのに、他のお客様の対応に追われてまともにお話もできない…なんてことがないように、あらかじめ時間の枠を設定しています。

1枠を約1時間としていますが、それでもお話が盛り上がったり、細かい内容のご相談案件などがありますと、枠をオーバーしてしまうこともあったりもします。こちらも一人で対応するわけではないので、次のお客様をお待たせするようなことはありませんが、多少の重複はご容赦ください。

では、見どころを少しご紹介しておきます。「0(ゼロ)LDKの平屋」と言うのが、今回の建物のコンセプトです。

全体図家全体が大きなワンルームだとイメージしてください。独立した空間としては、お風呂や脱衣室、トイレ、収納などだけで、その他は部屋と言うよりも大きなスペースをコーナーとして利用するような形になっています。そして、それらの空間に軒が深い大きな屋根を架けてあるのが特徴です。

構造はもちろん木造で、自然素材をたくさん使っていることも四季の家工房の標準とするところです。自然素材に囲まれた空間は本当に気持ちの良いものです。見た目が優しく、光の反射も柔らかくなり、湿気や臭いも吸収してくれるので、居心地のよさは格別です。

建築模型そして、今回の建物で特に工夫した点としては、「敷地の高低差をどこで吸収していくか」ということです。もともと道路より地面が約65cmほど高い敷地条件でした。以前の建物は外部に階段を設けていたのですが、これがなんとも使いにくい階段で、ちょっと危険な状態でもありました。今回、新築するにあたって、「この段差をどうするか」というのが最大の問題でしたが、いろいろ検討した結果、間取りに取り込むことで解決することにしました。

ここらへんのことを実際に現地でご覧いただければと思います。ご予約は見学会のご予約フォームからか、もしくはメールお電話でも受け付けています。どうぞよろしくお願いいたします。
  小野  
 
2023.05.02
最近…と言ってもこの2〜3年ですが、屋根の作り方を従来の作り方と少し変えてみました。いわゆる「カイゼン」ってやつですね。屋根の作り方を変えるってことは、屋根と取り合う天井の作り方も変わってきます。そして、断熱層で考える建物の中と外の境界線なども変わってくるのです。では、どんな風に改善したのか…メリット・デメリット含めご紹介します。

まず、そもそも一般的な木造在来工法の家を建てる場合、当然柱のような垂直の部材に、梁や桁といった水平の部材を架けて水平の面を作っていきます。この時、1階の床や2階の床にあたる面は構造用合板の24mmや28mmといった厚手のものを、15cmピッチに打ち付けた釘で建物全体の水平面を固めていきます。

この考え方を「剛床(ごうしょう)」と言うのですが、僕たちが建築を始めた30年前くらいにはまだこの工法は一般的ではなくて、梁の上に根太と言う角材を乗せて、その根太の上に12mmの合板を敷くか、あるいは直に床材を留めていってました。

この根太を使った床と剛床とでは建物全体の剛性が全く違います。四角い平面形状の建物が揺さぶられてひし形の変形するのをこの剛床がしっかりと支えてくれるので、建物がとても丈夫になりました。支えるのは梁と構造用合板を止付ける釘なんですが、その釘も通常の釘よりも太めのN75と呼ばれているものを15cmピッチで打っていきますんで、家全体では何百本とか、かるく千本超えることもあるくらいです。その数の力で家全体をがっちりと固めてくれるのです。

ここまでは床の作り方なのですが、では本題の屋根の作り方の話に入っていきます。屋根も斜めの屋根自体を架ける前は、まずは水平の構面があるわけです。2階建ての建物なら2階の天井のレベルのことですが、ここを僕たちは「小屋」と呼んでいます。

「小屋」と言うと「物置小屋」とか「山小屋」みたいな小さな建物をイメージされるかと思いますが、建築の構造的には、1階の床レベルを「土台」、2階の床レベルを「2階」、2階の天井レベルを「小屋」、そしてその上に「屋根」が載る…という呼び方になります。

で、現在一般的な木造建物の場合は土台、2階には構造用合板を張って「剛床」を作るのですが、小屋に関してはこのような面で耐力を持たせることはしてなくて、「火打ち」と呼ばれる斜め部材を部屋の隅部などに取り付けて建物の変形に対抗するようにしています。

この「火打ち」でもよいのですが、僕たちが改善したのはこのポイントでして、この小屋レベルにも24mm厚の構造用合板を張って、床と同様に「剛床」仕様としました。構造計算で確かめてもらうと、当然こちらの方が建物全体の強度が増しているし、感覚的にもかなり丈夫になることはわかると思います。

例えば、段ボール箱をイメージしてもらうとわかりやすいかもしれません。フタをする前の箱を揺らしてみると、ぐにゃぐにゃと平行四辺形に変形します。でも、フタ部分を折りたたんでガムテープで止めるとどうでしょうか?ちょっとやそっとの力では変形しなくなります。ここが今回の改善の最大のポイントです。

で、それだけではないのです。これによって得られるメリットその2として「断熱」、そして断熱と1セットに考えなくてはならない「気密」が挙げられます。施工の順を追って説明しますと、小屋レベルに合板を止付けたら、そこが床のような安定した状態になるわけです。その面にまずは気密シートを敷きます。床に敷くのですから、とても簡単にきれいに張れます。

きれいと言うことは、美しいという意味だけではなく、シワや隙間などができないってことですから、きれいな仕事はとても重要です。次に束(つか)を建てて、母屋という屋根垂木を支える水平部材を組みます。これができたら再度小屋面に降りて、次に断熱材を敷いていきます。

断熱材にしろ気密シートにしろ、これまでの従来のやり方だと、建物の外側が完全にできてしまってから内部造作として天井を組み、そこに断熱や気密をしていました。これは、言葉で言うのは簡単なのですが、3〜4cmの細角材で組んだ天井の隙間から断熱材を持ち上げる…といった下から上への作業はなかなかやりにくいもので、どれだけ丁寧に施工してもどうしてもシワや隙間ができてしまうのです…。

ですが、上からでしたらとても簡単にきれいに納めることができるんです。なにせ床があるんですから、布団を並べて敷くようなものです。さらに、断熱材を敷く前に束を建て母屋組みを先行したのにも意味があって、ここまで組めていればせっかく敷いた断熱材を踏まなくても済むのです。断熱材を先に敷いてしまうと、この母屋を組むときにせっかくきれいに敷いた断熱材を踏んでの作業になってしまうので、ちょっと残念な結果になってしまいます。

そして、メリット3!この床があるってことは、僕たち作業者にとってもありがいのです。足場のしっかりしたところで作業できるってことは安全にもつながりますし、剛床張りの作業は増えたとしても後々の作業が減るのでトータルすると作業量も減らすことにつながります。

もう一つ別な観点でもメリット4がありまして、照明計画にも自由度が増すというおまけもつくのです。これは、これまで断熱・気密を破壊するという意味でなかなか使いにくかったダウンライトが自由に使えるようになるってことです。小屋面で気密を取ってあるので、室内側の天井にいくら穴を開けたところで何の影響もないのです。

反対にデメリットですが…これは小屋面の構造用合板が増える分、どうしてもコストアップにつながってしまいます。このコストアップ分を作業の効率化などでなるべく差し引きしたいのですが、合板も最近は高いので、なかなか…と言った感じです。それでもお客様にとってのメリットは多いと思い、このやり方に「カイゼン」しております。

「そんなこと言っても、文字ではなかなか伝わらん」という方もみえると思いますので、ご希望の方には現場で直接ご説明いたします。お問い合わせフォームまたはメールでご連絡くだされば、現場を見ながら説明いたしますよ!
  小野  
 
2023.03.07
この仕事をやるようになってからずいぶんな年月になりましたが、まだまだ知らないことはいっぱいある…というお話です。

扉を開くときに、「ぎっぎっぎぃー」と音が鳴ったらどんなもんでしょうか?僕としては扉は「すぅ〜っ」と開いてほしいのですが、この感覚ってもしかしたら現代の価値観にとらわれすぎているのかもしれません。

祠の扉これ…山の神様をお祀りする小さな祠なんです。祠本体は四季の家工房で作ったものではないのですが、なぜか扉の建て込みだけご依頼いただき、正面の観音開きの扉と、扉が取り付く枠の部分のみ作らせてもらいました。

サイズ感は扉一枚が手のひらより一回り大きい程度のほんの小さなものでして、桧の板を削って作ったものです。これがどのように取り付いているかと言うと…扉本体の端部が上下に飛び出していて、飛び出た部分を丸く削ってあります。ここが回転軸の心棒になって、受ける側の枠には丸い穴が掘られていて、そこに差し込んで扉を建てるわけです。

祠の扉ここからが本題なのですが、この丸い心棒と丸い穴の関係性が問題です。穴に対して心棒の直径が大きすぎると固くはまって動かないし、緩すぎるとカタカタしてしまいます。じゃ、どのくらいがいいかと言うと…これはつくり手の感覚になってしまうのですが、もし僕が作るのなら「すぅ〜っ」と開く程度に調整していたのではないかと思います。

でもこれ、違うらしいのです!実は「ぎっぎっぎぃー」と音が鳴らないとダメみたいです。音が鳴った方が格式を感じられるとのことです。そう言われてみると、確かにそんな感じもしますね。古い山門などでも扉がスカスカ開くよりも、おもむろに音を響かせながら開いた方が重厚さも感じさせます。何より、気軽に出入りするところではなく、心して敷居をまたぐ…みたいな精神性も加味されることでしょう。

いや〜、初めて知りました。建築の世界はやっぱり奥が深いですね…と感心してたのですが、なんと僕以外は宇佐美も堀部も知っていまして、「小僧の時に教わった」とか「誰それがそんな仕事をしていた」とか、薪ストーブにあたりながらそんな茶飲み話を楽しみました。

で、この音を鳴らすにはちょっとしたコツがあるそうで…心棒の部分をまん丸に削るのではなくて、ほんの少しだけ楕円になるように削るのだそうです。ほんの少しってところがミソで、ちょっとでも削りすぎてしまうと音は出なくなり、扉本体ごとつくり直しとなってしまいます。楕円の長径の2箇所をほんの少しきつめにして摩擦力を与えることで、微妙な音の加減と開くときの抵抗のバランスを取ります。難しいですね〜!

と言うことで、「ぎっぎっぎぃー」という音はコチラ!



知らずにスコスコの扉を建ててしまったら、「四季の家工房がつくった祠は音がならん!」ということで末代までの恥をさらすところでした。めでたしめでたし。
  小野  
 
2023.02.08
前回の四季便りでは排水管の勾配について書きましたが、ではウンコになった気持ちで、自然の摂理に従って配管を流れてみようかと思います。

まずは、トイレに座ってポトンと落ちたところが、トイレにたまった水(封水)の中です。タンクのレバーを引く、あるいはリモコンのスイッチで洗浄水が流され、サイホン現象により便器内部のS型の壁を越えてウンコは配管へと旅立ちます。

便器と配管のつなぎ方は床を抜いて真下に落とす床付けタイプと、壁を抜いて横に流す壁付けタイプがありますが、圧倒的に床付けが主流なので、ここでも床付けをイメージして…ウンコはまずは真下に落ちていきます。落ちたところで今度は横方向に曲がって建物の外を目指すのですが、上からはザアザアと水が流れてくるのでその勢いでウンコは横方向に流され、基礎の真下をくぐりぬけて家の外に出て、地面の下の配管までやってきました。

たいていの場合はここにマスという掃除口が設けられ、ここでまた90°横に曲げられて、今度は建物に沿って道路の方を目指して流れていきます。そして、公共下水道や浄化槽までたどり着いてくれれば一安心です。建築屋としては無事にウンコを送り出すという責任を果たせた思いです。

話を家から出て横移動を始めたウンコに戻します。ここまでくると当初はスゴイ勢いのあった洗浄水の力も弱まり、流しそうめんのごとくユラユラとした横移動が始まります。イメージは「ユラユラ」「プカプカ」です。水とともに流れるっていうのが重要です。

ここで先回の1/50とか1/100の勾配が重要になってきます。この時、配管の勾配が緩すぎたり水平だったらどうなるかというと…当然流れる勢いは弱まり、やがてウンコを流す力を失います。そうなると勢いを失った水はウンコを運ぶことはできず、やがて水だけが引いて行ってしまい配管内にはウンコが残されます。

配管の直径は10cmほどありますんで、この一撃で配管が詰まるわけではないのですが、水が引いてしばらくすると、これまで水というベールにまとわれていたウンコもやがてウンコの本質を取り戻し、ベタベタと配管にまとわりついてきます。そこに次のウンコが流されてくるとどうなるか…一旦できたウンコのダムにぶつかったウンコはさらに層を重ね、やがて配管全体がウンコで閉じられた状態になってしまいます。これがいわゆる「詰まり」です。

では、勾配を急にすればいいかと言うと…これはこれで宜しくないのです。どういうことが起こるかと言いますと、「水のスピードが速くなりすぎて、ウンコより先に水だけ流れて行ってしまう」のです。あくまでもウンコと水は一緒に流れる「ユラユラ」「プカプカ」というイメージが大切なのです。

そこで、話を先回の冒頭に戻して、「従来のトイレを節水タイプのトイレに交換するとトラブルが起こることがある」ってことですが、もちろん必ずこのトラブルが起こるわけではなく、たまたま悪い条件が重なってしまうと「こんなことも有り得る」という事例だと思ってください。

家の周りを見回してみて、地面が部分的に陥没しているとか、マスが沈んだり飛び出したり傾いたりしているとか、基礎がひび割れているなどの現象が見受けられたら要注意です。あるいは、過去にも外部で汚水があふれたことがあるとか、長い間空き家になっていた場合などもお気を付けください。

最後に…水道屋が使い方のヒントとしてこんなことを言ってました。「寝る前に水だけ流しておくとだいぶ違いますよ」と…まぁ、寝る前に「大」をすることはあまりないかとは思いますので、最後の「小」の時に「大」で流すとかでもよいと思います。

では、ウンコの話はここまで。ウンコ、ウンコと連発して失礼しました。リアルな方が伝わりやすいかと思って…というか、だんだん自分でもオモロクなってしまい…。
  小野  
2023.01.30
令和5年のスタートダッシュはいかがでしたでしょうか?四季の家工房は割と平穏な日々で、かと言って暇なわけでもなく、近所のリフォームの現場をいじったりしつつボチボチなスタートとなりました。

現場がとても近い…というか工場のほんとに近くなので、10時3時の休憩は工場に戻って、工場の片隅に置いてある薪ストーブに火を入れて過ごしています。火が起きると一人二人と人が集まってきて、ダベりながらコーヒーを飲む…というのが四季の家工房の冬の景色です。

「ダベる」と言うくらいで、本当にくだらない話や、どこでどんな魚が釣れたとか、あそこで食べたあれは旨かったみたいな話から、少し仕事に絡むような話…例えば、どこぞの大工が新しい道具を買ったらとても調子が良いようだとか、どこどこで道路工事が始まっているのであの道は通らない方がよいみたいな豆情報まで、まぁダベるわけです。火を眺めていると会話が弾んで良いですね、休憩時間が長くなりすぎてしまいますが…。

この日は、四季の家工房の大工の他に、水道屋の職人も交じって火を囲んでいました。で、聞いた話。「たまにですけど、古いトイレから節水タイプのトイレに交換してトラブることがあるんスよ〜」と、ここだけ聞くと「節水トイレはダメじゃん」ということになりますが、そういうことではありません。節水トイレ自体はTOTOとかINAXみたいなメーカーが設計して作っているものなので、便器本体に問題があるわけではないんです。

そもそも、ぼっとん便所から水洗トイレに変わっって来たのは昭和40〜50年頃のことで、当初は天井付近につけられたタンクから、高低差を利用して水を流す仕組みでした。ちょうど僕の少年時代とも重なるのでよく覚えているのですが、タンクからぶら下がったチェーンを引き下ろすとタンク底の栓が持ち上がり、それはそれは迫力のあるゴーという大音量と共に水が一気に駆け下りてきて、ウンコを流し去ってくれるのでした。

一度に流れる水量もかなりの量で、今調べてみると初期の水洗便所の水量は20リットル程だったようです。毎回ドバァ〜っと全量を流すと水がもったいないので、「オシッコの時は流す量を加減しなさい」とよく母親に叱られていました。

そんな初期の水洗トイレもやがて目にすることがなくなり、タンクの位置が低いロータンク式になりました。それも最初のころは壁の角に付ける三角形のタンクで便器とタンクが別々になったものでしたが、やがて洋式便器の一般化と共に便器とタンクが一体になったものも出回ってきて、カタチ的にはほぼ現在のトイレの形状に進化してきました。この頃の洗浄水量は約13リットルが標準的になり、3割以上の節水を実現したわけです。

僕は引っ越しが多かったおかげで、ここまで全てのトイレの歴史を身を持ってたどってきている…ということになります。その後は仕事を通してトイレを取り付ける側になって、数えきれないほどのトイレを設置してきましたが、現在主流なのが冒頭に出てきた「節水型のトイレ」です。タンク式のものもタンクレスのものも、現在は洗浄水量が約4リットル弱になり、初期から比べると8割の水を節約したわけで、トイレメーカーの技術革新は素晴らしいものですね。

これは僕の想像ですが…新しいトイレの開発のために、目標値を設定してフォルムを考え、実際につくってみて、実際にウンコを流してみて、しかも固いのや柔らかいのや、長いのや太いの…様々な実験を経て製品にするまでには、様々なご苦労があったものかと…。ちなみに、この節水トイレですが補助金の対象にもなっていますので、交換を検討されているならタイミング的には良いですよ。

で、なぜこれがトラブるかと言いますと…便器そのものではなく、建物側の配管に原因があるのではないかと思われます。水圧で下から上に持ち上げることができる給水と違って、排水はポンプアップという例外を除いては、あくまでも自然落下を利用して上から下に向かって流れるだけです。だから流れるためには自然の摂理が絡んできます。

そのため排水管に勾配をつけておくのですが、新築時はともかくとして、10年20年という時間の流れの中で土中に埋めた配管自体が沈下していく事もあります。その沈下も部分的に起こる場合があるのですが、そうなると新築時に確保していた勾配が水平に近くなってしまったり、時には逆勾配になってしまうこともあります。これまで13リットルの水で流していたので多少の勾配不足があっても流れていたものが、4リットルに交換したとたんに流れていかなくなる…と言うことも考えられます。

「じゃ、あらかじめ急な勾配をつけておけばいいじゃん」と思われる方もいるかもしれませんが、これはこれで具合が悪いのです。標準的な勾配は配管の太さにもよるのですが、1/50〜1/100と言う決まりがあります。これは「50センチで1センチ下がる」とか「1メートルで1センチ下がる」という意味です。これを守って配管を敷設するのって結構シビアな仕事でして、ただ穴を掘ってパイプを埋めてるだけに見える水道屋さんの仕事って、案外繊細な仕事なのです。

長くなるので一旦ここまでとして、続きは次回に回します。
  小野  
 
2023.01.01
あけましておめでとうございます。令和も5年目になりました。年頭のご挨拶として、気持ちの良いことばかり書ければ良いのですが、今年もなかなか難しい一年になりそう…と言うのが実感です。昨年から引き続き、年明け早々にも値上げの情報が飛び交っていたり、世界的不安定な状況にも未だ明るい兆しは見ることができません。

そんな中、日本が次世代半導体の国産化に向けて大きく舵を切ったことは、とても希望の持てるニュースです。半導体って、いまやこれ無しには生活も生産も教育も…ひいては国として重要な案件までも、ほとんどのことが立ち行かなくなってしまうほど無くてはならない存在です。

その最先端の次世代半導体を国産できるってことは、ある意味、国の有り様を左右する重大な事柄です。もちろん、一朝一夕に成ることではありませんが、次世代半導体が旗振り役となって、再び「モノづくりニッポン」として一人一人が前を向いて生きていけるような社会になってほしいですね。

僕たち建築屋もモノづくりの末端として、そんな社会を支えられような存在でありたいと思います。本年も、四季の家工房をよろしくお願いいたします。
  小野  
 
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