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四季便りバックナンバー
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2018.12.26
今年を表す漢字が「災」になりました。私たちの地域も7月の水害、9月の台風と立て続けに襲われ、たくさんの被害を被りました。ハシゴとブルーシートを積んで、夜遅くまで応急措置に走り回ったのが昨日のようです。

この時にしばしば耳にした言葉があります。「建ててくれた建築屋さんが廃業されて、誰に依頼したらいいか困った」 そこで、近所の評判とか知り合いに聞いたとかで、四季の家工房にご連絡をいただいた…というケースが結構な件数になったのです。

遠慮がちにお電話いただくのですが、私たちとしてみれば自分たちで手掛けた家とかそうでない家とか全然関係ありません。困ったときに頼りにしていただけることは、建築屋をやっていて本当にありがたいことです。

家は傷んだ状態を放置しておくと、どんどん劣化の影響が進んでしまいます。四季の家工房はどんな些細なことでも相談していただけるような、身近なパートナーでありたいと思っています。更に、私たち自身が繁栄して、この仕事を継続していくことの重要性を感じずにはいれませんでした。

今年も一年ありがとございました。来年も四季の家工房をよろしくお願いいたします。
小野
2018.12.18
久々に二度見した映画があります。二度見って、DVDとかではなく映画館に足を運んで二回観たってことですよ。DVDとかではよくあるんですよ…二度、三度、いやそれ以上、同じ作品を観たくなることが!お手軽ですしね。あぁ、最近ではアマゾンプライムもあって、本当に簡単に観れるようになりましたしね。

何を何回も観るの?と聞かれると…う〜ん、いろいろあるけど例えば「猿の惑星」シリーズかな。たま〜に、突然「猿の惑星」が無性に観たくなって、シリーズまとめて一気に観るんですよ。カミさんには「また、サル祭りが始まったんかい」とからかわれますが、何でですかねぇ…やめられまへん。しかも「猿の惑星」が一番最高に好きな映画ってわけでもないんですが、何でですかねぇ…猿がねぇ…観たくてねぇ…。

初めて観たのは小学生の頃で、父に連れられて映画館に行ったのですが、猿メイクが気持ち悪くて仕方なかったし、小学生にとって字幕を追うのは大変しんどいことで、まぁ半分もわかっているかどうか…。時々、難しい場面では父が耳元で説明をしてくれたのがいい思い出です。そんな感じで観ていたのでどれだけ理解していたかは疑問ですが、ラストシーンの自由の女神に衝撃を受けて、椅子から飛び上がるほど驚いたのを今でも生々しく覚えています。小学生ながら自由の女神が意味する恐ろしさを完全に感じ取っていたんですね。

その後の作品は水曜ロードショーとか日曜洋画劇場などのテレビで観たんですが、猿と人間の立場が入れ替わっていたり、でありながらどちらが善でどちらが悪かといった勧善懲悪でないところがなぜか気に入ったみたいです。そう言えば、テレビ番組では映画が始まる前に水野晴朗や淀川長治のちょっとした解説があったのですが僕はこの解説も好きで、これから始まる映画へのワクワク感が増してました。決して「昔はよかった〜」的な話ではないんですけど、最近はDVDや配信で気軽に観れる分こういうワクワク感がちょっと減ってしまったようにも思えますね。

さて、最初から話が脱線しまくりで申し訳ありませんが、本題は久し振りに映画館に二度観に行ってしまった映画の話でした。猿の話でなんだか自分がおなか一杯になってしまったので簡単に書きますが、それは現在上映中の「ボヘミアンラプソディ」です。言わずと知れたQUEENの曲のタイトルがそのまま映画の題名になった、現在大ヒットしている映画です。

僕らの世代ですと、取り立てて洋楽に詳しくなくても「QUEEN」の名前くらいは知っている…と言うか、代表的な何曲は知らないうちに耳に入っているもんで、曲を聞いたら「あ〜、この曲知ってる」と言うくらい、まぁ大体の人は知っている超有名グループです。僕はと言うと、中学二年生の時に英語の先生に影響を受けてビートルズを聴きだしたことをきっかけに、洋楽にはまった時期がありました。そんな時に、まさに衝撃的に出会ってしまったのがQUEENだったわけですよ。

最近の中高生で洋楽が好きだと言う子はあまりいないみたいですが、僕たちの時代には今のJ-POPのようなお洒落な邦楽はなく、日本の歌と言うと身近なところでは演歌か歌謡曲かフォークソングくらいしかなくて、聴いたこともないような素敵な音を求めて洋楽にのめりこんでいく仲間も多かったです。そんな仲間とレコードやエアチェックしたラジオの音源を貸し借りしながら、階段を一段づつ昇るように洋楽の世界に浸っていったのですが、QUEENとの出会いはそんな階段を何十段も一気に吹っ飛ばしてしまうほど、それはそれは衝撃的だったのです。

そして、フレディ・マーキュリーの死とともに事実上QUEENの活動は終わります。(実際はQUEEN名義は継続されていますが…。) この映画はフレディの目を通してQUEENというバンドがどのようにできて、どのように世界に認められたか、また曲が生まれる瞬間をリアルに表現しています。映画の内容に関してはここで僕が解説するまでもなく、検索してもらえればいろいろ出てきますんでそちらを参考にしてもらえればよいと思いますが、そんな予備知識は一切なくても楽しめる映画です。

どちらかと言うと文字で情報を集めるよりも、QUEENの音楽とこれまであまり縁がなかった方はCDを買って聞きこんでから観に行くと楽しめると思いますよ。序盤では役者が演じるフレディ・マーキュリーに違和感を感じるかもしれませんが、じきに映画の世界に引き込まれて、本物のフレディが目の前で歌っている錯覚に陥れますよ!

そして、とっても嬉しいことがあります。「若者が洋楽離れしている」と言われて久しいですが、でもこの映画「ボヘミアンラプソディ」はそんな若者からも多くの支持を得ています。若者の趣味趣向と僕のモノサシがどうにも噛み合わず、「世代間のギャップはどうにも埋まらないものなのだなぁ」と半ばあきらめかけていたのですが、若者の「QUEENやべぇ!」と言う声には「良いものはどんな時代でもどの世代にとっても普遍的に良いのだ!」という一つの答えが秘められているように思います。

そんな訳で「ボヘミアンラプソディ」…映画館の大画面、大音響でぜひご堪能ください!
小野
2018.11.19
先日の新築住宅の完成見学会は、おかげさまで多くの方にご来場いただき無事終了することができました。ご来場の皆様、どうもありがとうございました。

今回の見学会は、先回の反省を活かして完全予約制で開催いたしました。これまでずっと予約制で開催してきたのですが、先回だけ試験的に予約なしでいつでもお越しいただけるようにしたのです。ただ…これがどうもうまくいきませんでした。

予約の手間がない分、気軽にお越しいただけるのですが、お客様が重なってしまってこちらの対応が間に合わずあまりゆっくりお話をできなかった方が多く、かえって失礼なことをしてしまったと反省しました。今回は1時間づつ時間をずらしてご来場いただいたので、皆様のご感想や家に対する思いなどを1対1でじっくりとお話することができました。

それともう一つの改善点が平日の開催です。これまでは土日での開催だったのですが、「土日は休めない」と言うお声をいただき、今回は土日月の3日間での見学会としたところ、月曜日にもけっこうなご予約をいただきました。「今後も平日開催も必要だなぁ」と実感いたしました。

さて、この住宅もいずれ施工事例にアップしますが、見学会にお越しになれなかった方のために、ちょこっとだけご紹介します。

テレビウォールこれがこの家の一番の特徴のテレビウォールです。「テレビ台を使わずに、壁掛けでスッキリとテレビを配置したい」というご希望から、いろいろなご提案を繰り返し、最終的に出来上がったのがこの形です。

壁を独立させて、正面は木の板を厚さも幅も長さもランダムに切り出して、モザイクのように貼り合わせた意匠です。この木板…ナラやカエデやタモなど、木目が美しく重厚感のある広葉樹の家具用材を使っています。本当は高級材なのですが、長さが中途半端なものをお値打ちに分けてもらってます。

で、この壁の裏側はカウンター机の付いた畳2枚分の小上りになっていて、書斎と言うか「こもり部屋」のようになています。旦那の隠れスペースと言ったところです。隠れると言っても、実際には同じ空間の中にいるので隠れているわけでもないのですが、生活の気配を感じつつちょこっと自分の時間を過ごしたい時などにちょうど良い加減だと思います。見学にみえた方でも、「この場所が気に入った」と言う方は多かったですよ!
小野
2018.11.05
「DIYで家づくりに参加したい!」…四季の家工房には、そういうお客様がけっこうみえるのです。…と言うか、最近はDIYと言う言葉もだいぶ定着してきて、「自分の手で床を張ったよ」とか「オイルを塗ったよ」とかネット上でもしばしば目にするようになりましたね。家族総出での作業風景とかペンキだらけになりながらローラーで壁を塗るお子さんの姿など、皆さん楽しそうに家づくりに取り組んでいる写真が印象的です。

四季の家工房はそういうお客様の受け入れに関しては、実はかな〜り先進的と言うか初期の段階から積極的にバックアップしているんです。僕が独立して四季の家工房の前身である住宅住具工房で受注した最初のお客様の頃からなので、たぶんもう17〜8年前からになるのかなと思います。その時は、左官屋さんに手ほどきを受けながら珪藻土で室内の壁を仕上げたのですが、現在も美しい状態でご家族の生活を包んでます。

これがきっかけとなったのか、その後も「自分でやってみたい」と手をあげるお客様がちらほらとおみえになって、いつの間にか「施主施工を積極的に受け入れる工務店」という印象が根付いてしまったようです。僕自身の考えとしても、建主さんご本人がご自分の家づくりに参加するってことは、家に対する愛着を増やすとか、家族にとってかけがえのない思い出づくりになるとか、多くのメリットがある行為だと思ってます。

なのですが…正直なことを申しますと、決して積極的に導入したわけではないのです。どちらかと言うと「やってみたい!」というチャレンジ精神のある方に対して全力で応援した結果、「DIYに理解のある工務店」と認識していただけるようになったみたいです。

さて、実際にやるとなると…乗り越えなくてはいけない壁がけっこうあるのですよ。まずは受け入れ側の私たちとしては、素人の方でも施工可能な部位の選定に始まり、前後の工程との調整、安全対策、施工指導など、普段の工事の流れより細かな配慮がどーんと増えます。

お客様側としても、材料の手配、施工の予備知識の情報収集、そして何より時間の捻出が一番大きなポイントです。これだけ全部揃ったとしても、「施工のイメージがわかない不安」とか「失敗したらどうしようという不安」とか「工期を遅らせるんじゃないかという不安」とか、とにかく「不安」の文字が頭の中でぐるぐるしてしまうみたいです。

そりゃ仕方のないことです、何十平方メートルという壁を目の当たりにしたりすると、途方も無いことを始めてしまった…という感覚に襲われたりもするのでしょう。ですから、技術的な直接支援と同じくらい、材料選定や数量の拾い出しや他の工程とのすり合わせ、メンタルな部分のバックアップも重要だと考えています。

あぁそうそう、数年前にDIYアドバイザーという資格を取りました。資格を使って何かすると言うわけではないのですが、自分の経験だけで指導するのではなく、体系的に勉強することで自分の頭の整理にもなりました。こんな感じですんで、DIYをご希望の方は遠慮なくご相談ください。

キッチンのタイル貼りで、こちらは完成を間近に控えた現場です。施主の奥様がキッチンのタイル貼りに挑戦しています。タイルがきっちり割付くように、キッチンの設置をする時点で位置を調整してあります。

そういう事前作業なしに場当たり的にやってしまうと、ちょっと残念な結果を残すことになるので、DIYをご希望の場合はできるだけ早い段階でご相談いただくことが成功のカギです!

タイルが貼れたら、日を改めて今度は目地を詰める作業です。もうひと頑張りですね!今月の10日(土)、11日(日)、12日(月)の3日間はオープンハウスです。お申し込みフォームよりご予約をお待ちしております!
小野
2018.10.26
濃尾平野を見おろせる丘の上に、かわいい住宅が完成しました。…モトイ、完成に向けて最後の工程の真っ最中です。建て主さんのご厚意により完成見学会を開催させていただくことになりましたので、ご案内させていただきます。

新築住宅四角い形状に片流れの屋根、シンプルなカタチにモスグリーンとダークベージュの2toneカラーをまとった、ちょっとかっこいい住宅が出来上がりました。

室内の仕上げには、なるべく塩ビ製品を使わないようにし、自然素材を多用した住む人にやさしい家づくりになっています。焦げ茶色のオイルで着色した無垢の床や、ドイツで190年の歴史をほこる紙のクロス「オガファーザー」で仕上げた穏やかな空間をぜひ体感してみてください。

特徴的なのは、居間空間を曖昧に仕切る独立した壁の存在です。この壁はテレビを設置するための特別な壁でして、計画の初期段階からあれやこれやといろいろ打合せを重ね、上棟後には現場の材料を使って仮設の壁を立ち上げて空間のボリューム感を体感していただきながらの微調整。空間を把握していただいた段階で、位置や高さなどの詳細な寸法を決めて、配線工事や壁の下地を組み立ての木工事を行いました。

で、残すは「仕上げはどうするか」ですが、エコカラットや塗り壁なども候補に考えつつ、四季の家工房ならではの木板で仕上げることになりました。それもただ板を張るのではおもしろくないので、ナラ、タモ、カエデなど木目の美しい広葉樹をバンドソー(帯鋸機)で割り、あえて仕上げ削りをせずに割り肌の帯鋸目を活かして、ちょっとワイルドにしてみました。それを厚さ・幅・長さともランダムに張ることによって、陰影の深い存在感のある壁が出来上がりました。

で、この壁で仕切った裏側はと言いますと、畳の小上りのご主人の隠れ家空間になっています。他にも「うんてい」など、楽しいしつらえやあそび心がいっぱいですよ!

日時は11月10日(土)、11日(日)、12日(月)の3日間を予定しています。「土日は休みが取れない!」というお声をもとに、今回は平日の月曜日も開催することにしました。どうぞお越しください!ご見学は予約制になっておりますので、お申し込みフォームよりご予約をお願いいたします。場所は各務原イオンから北にクルマで5分くらいの所です。ご予約いただきました際に、詳しい場所をお伝えさせていただきますね。
小野
2018.10.02
スランプです!…いやいや仕事ではないですよ。仕事はちゃんとやってます!おかげさまでそこそこ忙しくさせていただいて、ありがたい次第です。何がスランプかと言うと…これ、これです、四季便り!何か書かなくてはいけないと思ってパソコンには向かうのですが、打ったり消したり、打ったり消したりで、ちょっとも文章になりません。

気分を変えて紙に書いてみようと思って鉛筆を手に取ったりもするのですが、一行書いてみて出だしがすでに気に入らず、線で消してみたり、何本も線を描いているうちにそれが矢印になったり、四角や三角や波模様や、ぼぉ〜とした頭の状態で意味のない図形を描き並べたり描き重ねたりで…ある意味楽しいのですが…はっと我にかえって、くしゃくしゃポイ。こんなことばかり続けてます。

「そもそも、なんでオイラは文章書けるんだ?(書けてたんだ?)」なんてことを思い返してみると、それこそ小学生の頃から作文は得意だったような気がします。得意と言うか、特に好きだったわけではないのですが、作文であまり苦労した記憶が思い当たらないのです。

特に読書感想文。友達たちは読書感想文を書こうと思ってもアラスジしか書けない、あるいは何も書けない…と、とにかく読書感想文の宿題が出たりすると大変なブーイングだったりするのですが、僕にとってはかなり楽な宿題だったように思います。なにせ、感想を書けばいいだけなので、自分で創作したり調べごとをしたりする必要もないし、そもそも読書はそこそこ好きだったので、あとは読んで感じたことをそのまま書けば良いので、僕にとっては楽勝な宿題だったんですよ。いやな子供でしょ?(笑)

で、感じたことって言うのも限りなく自由で、どう感じるかは人それぞれで、計算問題のようにひとつの正解があるわけでもなく、人と違う感じ方をしたとしてもそれは減点にはならなかったのです。感じる範囲ってのも自由で、ひとつの小説の中で感じたことにとどまる必要も全然ないわけで、ある物語で感じたことがどんどん飛躍して、別の何かとつながって結論に向かって行っても良いわけで、むしろそういう展開の方が先生にうけてたかも?と思われます。

まぁ、今で言うところの引き出し…自分の中に引き出しがあって、そこに納められていた情報が何かのきっかけでバチバチっと化学変化を起こして、別の何かが生まれる、みたいな感覚です。そこにもって、そこそこ読書量があったためか、なんとなく体裁を整えて読むに堪える文章にまとめてしまうというこざかしい能力もあったみたいで、しかも、文章が書ける子供ってのは「頭の良い子供」と勘違いされるというおまけまでついて…ホント、嫌な子供だったわけですね。

そんな僕がとても頭を悩まして、大の苦手だったのが「詩」です。詩を書けと言われて紙を渡されても、一言も言葉が出てきません。詩のように曖昧でいかようにでも受け取れるような言葉の世界よりも、ちゃんと説明しきれるような文章の方が自分にはしっくりくるのです。先生は「ありのままを文字にすればよい」と指導してくれるのですが、僕の場合ありのままを文字にすると普通の文章になってしまうのですよ…。

まわりの友達が数行の詩をさっさとまとめて提出するなか、僕は書いては消し、書いては消し、ひとり苦しんでいたように思います。今でもその傾向は残っていて、寄せ書きに短いコメントを求められたりすると、かなり困ってしまったりするのです。

…ということで、スランプをネタに四季便りを書いてみました。これって、スランプ脱出???
小野
2018.07.30
昨年秋の「キッズスタジオ」に続いて、今回企画した「キッズスタジオ・ミニミニ版」』までが台風により中止となってしまいました。残念ではありますが、天候には勝てないので仕方ありませんね。

ですが、今年はこれから本番の「キッズスタジオ」が待ってますんで、この機会にご案内させていただきます。まずは、こちら…「キッズスタジオ」発祥の地、大垣での開催です。

キッズスタジオ「キッズスタジオ 大垣会場」

日時:平成30年9月30日(日曜日)
場所:かみいしづ緑の村公園 芝生広場
従来の職業体験に加え、小物づくりやお花のアレンジなど、住まいや暮らしのしつらえなど幅広く楽しめる内容になっています。内容ももちろんですが、会場の飾りつけやグッヅの充実など、運営の現代設計事務所の女性スタッフのセンスが光ってます!

キッズスタジオ キッズスタジオ キッズスタジオ
もちろん、四季の家工房もブース出しますよ!参加申し込みや予約などは必要ありませんが、小物づくりは数に限りがあります。詳しくは現代設計事務所までお問い合わせください。

そして、四季の家工房の地元・山県市でも、「キッズスタジオ・ミニミニ版」の仕切り直しでもう一回やりますよ!

キッズスタジオ「キッズスタジオ 山県会場」

日時:平成30年9月30日(日曜日)
場所:山県市四国山香りの森公園
会場は毎年「キッズスタジオ」を開催している四国山公園です。日時が大垣会場と同日なのですが、こちらは地元山県市のイベント「山県ふるさと栗まつり」のブースをお借りしての「ミニミニ版」での開催となります。

この「栗まつり」…山県市では一番大きなイベントでして、栗のつかみ取りや飲食・物販のブース、ステージイベントなど盛りだくさんの内容となっています。毎年大勢の来場者でにぎやかなお祭りです。具体的な内容はまだ決めてませんが、ここで何か小物づくりでもできれば…と思ってます。こちらも参加申し込みや予約の必要はありませんので、直接会場にお越しください。 ついでながら、直近のイベントをご案内しておきます。今度の日曜日に可児市のアーラにて、まな板の販売をいたします。

キッズスタジオ「ロック・フィル・ジャム2018」

日時:平成30年8月5日(日曜日)
場所:可児市文化創造センターALA
ライブイベント「ロック・フィル・ジャム2018」での出店となります。音楽好き、クラフト好き、グルメ好き、の方ならきっと楽しめるイベントです。珍しく室内でのクラフトマーケットなので涼しく楽しめますよ!
小野
2018.06.28
箱こんなの作りました。これ…サイズが約40センチ程度の箱で、一つ一つの箱に持ち手が付いています。箱の底部ははめ込めるような形状になっていて、上下を組み合わせて使うこともできるようになっています。

何に使う箱かと言うと、講演会やイベントでチラシや書籍などを置くための箱でして、搬入搬出時の持ち運びやすさと、そのまま展示できる便利さを兼ね備えた箱なのです。もちろん、普段はそのまま積み重ねておけば、通常の書棚としても利用できます。

先日納品させていただき、お客様からは大変な高評価をいただいたのですが、実はこの形状…ちょっとした勘違いから生まれた偶然のヒットだったのです。

四季の家工房は家を作る以外にも結構いろいろなご依頼を受けることがありまして、それこそ棚を付けるとか手摺りをつけるとか、どんな細かい仕事でもお引き受けしています。お引き受けするからにはちゃんとお役に立ちたいので、例えば棚を一枚付けるのであっても、どんなサイズの物を乗せて使用頻度はどのくらい?とか、軽いものか重いものか?とか、取りつけるための建物側の下地はどうなっているのか?とか、詳しいヒヤリングや現地調査は欠かせないのです。

もちろん、それを付けるのがリビングなのか物置部屋なのか、取り付ける場所によっても材質や仕上げも変ってきますよね。これってとても重要で、「どのように使いたいのか」という目的を掴んでおかないと、ちんぷんかんぷんなモノづくりになって残念な結果を残すことになりかねません。…と言うのも、すべてのお客様がご自分が欲しいと思っているものを、正確にイメージできているとは限らないからなのです。ですから、お客様のオーダーをそのまま作ることが親切とは限らないのです。

寸法感覚に優れた方もみえますがそうでない方もみえるので、「30センチの棚を付けてくれ」とご依頼をいただいたとして、本当に30センチで足りるのかとか、逆に30センチもなくても十分なのではないかとか、実際に現地に行ってスケールを当てながら具体的な寸法で物を考え、更に上げ下ろしの動作を交えたりしながら一緒に考えて確認する…ということを大事にしています。

で、最初の話に戻って…この箱ですが、この時も雑談も交えてあれこれと1時間くらいかけて、使い方のイメージをヒヤリングしました。この方はめちゃめちゃ理系の方で、略図や寸法もご用意されていて使い方のイメージもはっきりお持ちでした。その話を受けて、こちらからもちょっとしたアイディアを加えたり、材料の定尺寸法から無駄なく木取りするための寸法調整もしつつ、僕もその場でちょっとしたスケッチを描いてお互い確認しました。

…確認したつもりです。なのですが、ちょっとした勘違いがあったみたいで、出来上がったものとお客様がイメージしていたモノが違ってしまったのです。違うものをつくったんじゃ本来はアウト…なんですが、その打ち合わせ外の出来がたまたま高評価をいただきまして、作った本人としてみればなんだか複雑な思いです。

反省すべき点としては、お客様のイメージをとり間違えてしまったことと、こちらから「この様に作ります」という提案も伝えきれていなかった…ということです。お客様がバリバリ理系の方だったので、「あまり回りくどく言わなくても伝わっているだろう」という甘えもありました。

逆に救われたことは、「どのように使いたいか」というイメージを掘り下げてヒヤリングしていたので、出来たモノがそのコンセプト通り、あるいはイメージしていたモノの上を行けたという…まぁこれはケガの功名ですが。とりあえず喜んでいただけたので良かったのですが、仕事の進め方としては、反省点のあるプロジェクトでした。
小野
2018.06.15
住まいづくりの資金計画…どんなに理想のマイホームを描いたとしても、それを実現するためになくてはならないのが「お金」です。もともとお金持ちだったり、たまたま宝くじが当たったとか、高速道路の用地買収にかかったとか…そうした特殊な場合でもない限り、ほとんどの方は25年とか35年とかの住宅ローンを組んで、土地取得や建物建築の資金を調達することが多いと思います。四季の家工房のお客様もほとんどの方がこのように金融機関から融資を受けての、家づくりをされています。

しかしながら、四季の家工房としてお客様の資金計画に積極的に深くかかわることはしておらず、どちらかと言うと「ご予算をお聞きして、その予算をどのように使って少しでもご要望に沿った建物がつくれるか」ということに力を注いできました。

金融機関の選定やどのような金融商品を使うかは、お客様ご自身が考えて決めるのが最も良いと思ってました。それは、自分たちが「売り手」ではなく「作り手」であるという意識が大きかったからなのですが、それほど知識や情報を持っていなかったというのも正直なところで、また、そこまで突っ込んでご質問もいただかなかったという経緯もありました。

質問されたことに関しては持ってる情報はすべてご提供してましたし、わからないことに関してはわかりそうな人に聞いたり調べたりしてできる限りの回答はしてきたのですが、「聞かれなかった」ということは裏返してみると「聞かれたくないオーラ」を発していたのか、あるいは「この人に聞いても無理」みたいなダメダメ感丸出しだったのかもしれませんね。

とは言っても、これまで資金計画に取り組むきっかけがなかったのかと言うとそうでもありません。最近は減りましたが、四季の家工房を始めた当初はけっこう頻繁に金融機関の営業マンがみえて、「お客様の資金計画のお手伝いをさせていただきます」ということで、いろいろな金融商品の説明をして行かれました。こちらとしても最新の情報を得る機会でもありましたし、お金の専門家が近くにいてくれることはありがたいことなので、毎回ちゃんとお話は聞くようにしていました。

でもいつも、どうしても引っかかるポイントがあったのです。パンフレットなどを見ながら融資情報をご案内いただいているうちは実務的な話の流れなのですが、いよいよ話が本題になってくると「通らない融資でも通します」とか「できるだけ予算上げられるようにします」とかリアルなお客様の囲い込み論になってきて、ここにちょこっと引っかかってしまうのです。

作り手である僕たちとしては、家の計画から施工を通してずっと願うことは、「この家で幸せに暮らししてほしい」ということに他なりません。ローンであっても生活を楽しみながら計画的に返済して行くものであって、毎月の返済に縛られて苦しい生活を送るようなことになっては本末転倒です。

「通らない融資でも通します」と言われても、融資が通らない人は家を建てる前に解決しておかなくてはいけない問題を抱えている人ですから、無理してローンを組んであげることがその人のためになるとはどうしても思えないのです。

融資枠を広げるのも然りで、建築屋にとっては工事代金が増えるんで嬉しくない訳はないのですが、それをずっと返し続けるのはお客様ご本人であり…かと言って、金融機関としてはローンを組んでもらわないと自分たちの利益となる金利も得られないので、できるだけ多くの方に少しでも多く融資をしたいのは当たり前の話で、この説明をしてくれている方が悪徳営業マンであるとか断じてそういうことではないのです。僕の受け取り方がちょこっと斜に構えているってのも…外れてはいません。

ちょうどその頃、サブプライムがはじけてリーマンショックとかで世の中が大騒ぎになったころでもありまして「ほれ、みたことか」みたいに思ったりもしましたが、正直なところは、苦手分野の「お金のこと」から逃げたいという本音もありまして…自分から敢えて首を突っ込むようなことをしていなかったというのが実際のところではあります。そんな訳で、お客様個々の資金計画に関しては僕たちが金融機関と組んで偏ったご提案をするよりも、ご自身で情報収集して、考えて、決断してもらうのが一番良いのではないかなぁと思ってます。

でも!そんなことばかりも言ってられませんので、資金計画セミナーに参加してきました。…と言うのが今回の日記の本題なのですが、まだまだ基本の「キ」なので、それについてはまだ書けません。ただ、参加されている他の工務店さんにはプロのFP顔負けくらい知識豊富な方や、質問タイムにはいろいろなレアケースの具体例をあげて対処によるメリット・デメリットなどお客様目線で考えている方がけっこうおみえで、とっても刺激になりました。

僕としてはまだまだそのレベルには行けませんが、とりあえず関数電卓で瞬時に返済のシミュレーションができるくらいのところを目標にして勉強してます。金融商品を比べるにも、小数点の付いた金利○%よりも\マークの付いた「月々なんぼ」の方がよほどリアルでわかりやすいですからね!
小野
2018.06.04
この土日でリフォームの完成見学会を開催させていただきました。ご来場いただいた皆様と、大切な新居を開放していただいた建て主さんには感謝の気持ちでいっぱいです。どうもありがとうございました。

さて、両日ともにとても良い天気に恵まれまして、梅雨入り前の貴重な土日…ということもあって、もしかしたらどこかに遊びに出かける方も多いのではと思っていたのですが、フタを開けてみると想像をはるかに上回る多くの皆様にご覧いただくことができました。僕たちのようなモデルハウスを持たない小さな建築屋にとっては、作ったものを見ていただく機会って本当に限られてまして、今回のような見学会(オープンハウス)を逃すとあとは写真でしかご説明できない…ということになってしまいます。

もちろん写真でもある程度のイメージはできるのですが、建物ってやっぱりその空間の中に身を置くことが一番です。明るさや空気感、動線、物の位置関係、街との関連性など、そこに行かなくてはわからないことっていっぱいあるのです。僕が説明すると、こう…何と言うか理屈っぽくなるんですが、見学会にお見えになった方々はきっとそのあたりを体感していただけたことと思います。

完成見学会二日間見学会を開いていますと、お客様が集中する時間帯もあればピタッと途切れる時間帯もあります。で、ちょうどどなたもみえない時に写真を撮ったりしてたのですが、今回iPhoneに魚眼レンズをつけて撮ってみたのがこちらのお写真です。

この魚眼レンズは雑誌の付録でついてきた、まぁおもちゃみたいなものなんですが、クリップ状になったレンズをiPhoneのカメラのところに挟むだけでびっくりするほど視界が広がるのです。

魚眼レンズなので視野が広いのは当たり前と言えば当たり前なんですが、物の位置関係を一枚の写真に収めるには便利なアイテムです。その分周辺のゆがみは激しくなりますが人間の目もよくできたもので、写真の違和感はちゃんと脳の方で修正してインプットしてくれるみたいです。

実はこの手法は、僕が計画段階でお客様にご提案するときに描くイメージスケッチにも使っているのです。イメージスケッチは短時間で手描きで描く簡略化した絵なので、正確な寸法関係や素材の質感までは表現できません。それよりも、パッと見てその空間の中にいるように感じてもらうことや、室内の物の位置関係を把握することに重点を置いてます。

ですから、実際の人間の視野よりもかなり広い視野で描いています。どのくらい広いかと言うと…例えば、まっすぐ前を見て両手を真横に広げると手は見えませんよね。でも、僕が描くイメージスケッチではその状態で手が見えるくらい視野を広げて描いています。

そのため、実際には見えない景色を描いている…ということになるのですが、これまで一度も「違和感がある」とのご指摘を受けたことはありません。僕の絵のおかしな部分を、見る方の目がちゃんと修正してみてくれているのですね。このイメージスケッチでまずは空間を掴んでもらったら、実際にメジャーで実寸の位置関係を確認したり、サンプルで素材を確認したりしてもらいながら計画を進めるようにしています。

イメージスケッチここからが自画自賛!の本題ですが、魚眼レンズで撮影した完成現場の写真と、まだ工事も始まっていないときに描いたこのイメージスケッチ…ほぼ、同じに見えませんか?

計画を進めるうちに細かな変更点は出てますが、まぁまぁいい線いっていると思うんですが…いかがでしょうか?
小野
2018.05.24
前回の日記で触れた住宅のリフォーム現場ですが、ようやく完成の目途が立ちまして、この度お客様のご厚意により完成見学会を開催することになりました。実は…四季の家工房としては久しぶりの見学会なのです。このところ現場が遠方であったり入居の時期がタイトだったりでなかなか思うように見学会ができなかったのですが、ようやく条件が整いましてこの日記でもご案内をさせていただけるようになりました。

で、どういう住宅が完成したかと言いますと…場所は岐阜市鷺山の住宅街ですが、「もともとはお祖母さんが住まわれていた鉄骨造2階建ての住宅だった建物を、新婚のお孫さん世代が住みつなぐ」と言うのが今回のリフォームの目的です。

僕たちが初めて現地調査にお邪魔した時の第一印象は、細かく仕切られた各部屋には外からの自然光が届かず、特に中央の居間では昼間でも照明が必要なほど暗さを感じました。そして、天井裏や床下には断熱材が施工されておらず、かなり寒いお住まいであることが想像されます。さらに、長い廊下や脱衣場のないお風呂、急な階段など、この建物が現状かかえている問題点がいろいろと見えてきました。

さて、この建物がどんなふうに変身したかをぜひ見に来ていただきたいのですが、簡単にご紹介しておきます。

鉄骨住宅のリフォームまずは、建物内部を全解体して、新たに床を組みなおします。床には断熱材として6センチ厚のスタイロフォーム(押し出し方ポリスチレンフォーム3種)を敷き詰めて床下からの底冷えをカットします。
鉄骨住宅のリフォーム壁の断熱は既存の壁面に3センチ厚の角材を30センチ間隔で横に取り付け、その角材の間に3センチ厚のスタイロフォームをはめ込んであります。

天井裏には155ミリ厚の高性能グラスウール断熱材を敷き詰めて、これで、床・壁・天井と外気に接する部分はすべて断熱された建物になります。
鉄骨住宅のリフォーム新たに架けなおした階段です。壁に残る痕跡は古い階段を取り外した跡です。階段を架ける方向を変えたり踊り場を設けたりして、かなりゆったりと昇れる階段になりました。
鉄骨住宅のリフォームこの建物は鉄骨造なので外周部分の鉄骨構造のみで建物を支える構造になっているのですが、内部の間仕切り壁が建つ部分にはあえて桧の柱を建て、木を身近に感じてもらえるようなデザインにしてあります。

さらに壁の上部にはガラスをはめ込んで、光が巡って明るく広がりの感じられるような室内空間にもなっています。

鉄骨住宅のリフォーム…と、あれこれとご紹介してはみましたが、実際に空間を感じていただくにはお越しいただくのが一番です!詳しくはこちらのチラシやイベント情報のページをご参照ください。

なお、今回の見学会は予約制ではありません。6月2日、3日に現地でお待ちしておりますので、お気軽に直接お越しください。
小野
2018.04.10
古い鉄骨造の住宅をリフォームしてます。この建物…もともとは親世帯が生活していたのですが、ここしばらくの間は空き家になっていたものを、娘さんのご結婚を機会に「若夫婦用にリフォームしたい」ということで今回のご依頼をいただきました。

鉄骨の建物の特徴としましては、木造の建物と違って構造がとてもシンプルで、大きな柱と大きな梁で広い空間が作れることがあげられます。

木造の建物だとおおむね8畳間くらいの単位で柱を設けて2階や屋根を支える構造なので、間取りづくりもおおむねそう言った単位を意識しながら文字通り「間」を「取」っていくのですが、地震や台風などの揺れに抵抗するために柱と柱の間に壁を設けたりスジカイを設けたりして、「本当は動線にしたいところを動線にできない」とか「壁をぶち抜いて2部屋をつなげてしまいたい」とかいうことがなかなか簡単にはできなかったりするのです。

その点、鉄骨の建物は「最初に大空間を作っておいて、その中を間仕切って部屋にする」という作り方なので、リフォームの時もいったん間仕切り壁を全部撤去してしまえば、あとは割と自由に間取りを再構築することができます。

鉄骨住宅のリフォームで、内部の間仕切り壁を全撤去したところが、こちらの写真です。これから内部の造作工事を進めていくのですが、鉄骨の建物だからと言って事務所のような無機質な空間を作ってしまっては元も子もありません。

せっかく四季の家工房にご依頼いただいたのですから、「もしかして木の家??」と勘違いしてしまうような温かみのあるお住まいをつくりましょ!ということで、構造としては必要はないのですが、部屋の要所要所にはあえて桧の柱を建てて、木を身近に感じられるようにしました。

最近、柱に刻む「5月5日の背比べ」みたいな風物詩もあまり聞かれなくなってきましたが、それはそういう習慣が大切にされなくなったわけではなく、そもそも背の高さを刻む柱そのものが生活空間から消えてしまったことの方に大きな原因があるのではないかと思ったりもするのです。

あまりにも伝統とか習慣とかに縛られすぎるのも生活が楽しめなくなりますが、こうした「しつらえ」そのものがなくなってしまうと、やりたくてもやれなくなったり意識さえしなくなってしまうのかもしれません。

まぁ、これってご依頼いただいた内容ではないんですが、住まいを作らせていただく者としていつでもちょびっと頭の隅に置いておきたいことですね。子育てからちょこっと遠のいた僕たちの世代としては、これから子育てを始める若いご夫婦にバトンを渡すような気分でもあります。

あとは、鉄骨の建物の利点を活かした大胆なデザインと、寒さや暗さを改善するための技術的な手間も惜しまず、6月のお引き渡しに向けてガンバルのみ!!
小野
2018.03.06
季節が真逆の出張先から戻ったのが先週の頭で、そこから一週間分の仕事をこなし、ようやくたどり着いた日曜日…長年の経験上、疲労の蓄積した身体をだましだまし使う術は心得ているものの、正直この二週間はきつかったです。環境の変化が激しすぎて体温の調節がうまくいかず、日焼けの跡は水ぶくれが割れて皮がむけヒリヒリと、そんな中で割とハードな仕事をこなしたもんでそれなりに応えるのですよ。

そして出張中は食べることが唯一の楽しみになるんで、暴飲暴食はまぬがれない!なにせ肉の国ですからね、サーロイン、Tボーン、リブ、ニューヨーク…これがデカくて旨いのです!年甲斐もなく胃もたれとは無縁の体質なもんで、連日のようにステーキを喰いまくるわけです。で、体重が増えている…まぁ、これは自業自得ではありますが、そんなこんなが重なって疲れが溜まった二週間だったわけです。…ということで、この前の日曜日は久しぶりの「完全休養日」と心に決め、パジャマさえ脱がずに家でゴロゴロを決め込みました。

僕のゴロゴロアイテムとしては、DVDで映画を観たり、本を読んだり、ギターを弾いたり…という感じなのですが、最近映画の見方がちょっと変化しまして、家で観るときはDVDとは別にアマゾン・プライムを利用することも増えました。なにせ会員になっていれば無料で見放題なので、ゴロゴロのお供にはありがたい…。で、実はここからが本題なのですが、とってもおもしろい映画を発見したので久しぶりに映画紹介をしてみたいと思います。

「セッション」
2014年のアメリカ映画で監督はデミアン・チャゼル。映画を観てからわかったのですが、この人「ラ・ラ・ランド」の監督でもあるのですね。僕はミュージカルには興味がないので「ラ・ラ・ランド」は観ていませんが、この映画を観てド肝を抜かれてしまったものですから、今度「ラ・ラ・ランド」も観てみようかなぁと思ったりしてしまいます。それほど映画を観るということは、監督を観るということだと思っているのです。

で、「セッション」に話を戻しますと…アマゾン・プライムをめくりながらゴロゴロのお供を探していると、真っ暗な背景の中ドラムをたたいているカバーが目に止まりました。一目で「あぁ、JAZZだなぁ」と直観させられポチっとクリック。

のっけから若者がドラムを叩くシーンで始まるのですが、どうやらここは音楽大学で、彼のドラムをチラ見したフレッチャーという先生が2〜3言、禅問答のような言葉を投げかけて去っていく。若者は才能を持ち野望を抱いている、先生は音楽家としての自信と実力を持ち学内でも一目置かれる存在であり、偏屈でもある。…どうやらこの二人の師弟関係がこの映画のテーマだなぁ、と観る物にまず感じさせるのです。

主人公の若者はニーマンと言います。彼はフレッチャーに見いだされ彼のバンドに大抜擢。野心家のニーマンはまるで自分の人生が開けたように思い、周囲に吹いて回り、ライバルを蹴落とし、音楽に没頭したいという自分勝手な都合だけで恋人も捨てます。ドラムを叩くということが、彼の人生においていかに大きな位置づけであるかということが伝わります。

そして、フレッチャーは鬼の部分をさらけ出します。自分の求める音が得られるまで執拗に何度もやり直しを求め、罵り、徹底的に叩きのめし、這い上がれない者は容赦なく切る。巨人の星の星一徹がちゃぶ台をひっくり返すのとまんま同じですね。この時点では音楽が楽しいことだなんてかけらも感じられなくなり、まるで狂気であり暴力でもあるのですが、ニーマンはそんなフレッチャーに認められたいという思いと、自己実現との思いから真正面からぶつけていくのです。

この映画、全体的に暗い中で進行していきます。暗いというのは陰湿だということではなく、スタジオ内とかコンサートホールとか背景が暗い中でキラリと光る楽器のエッヂが際立ち、音楽家として求道者的なストイックさを表現する効果としてとても有効な暗さだと思います。ストーリーも極めてシンプルなので、考えたり伏線を拾ったりする映画ではなく、そのままを感じられる映画になっています。

フレッチャーの常軌を逸した指導はニーマンに対する愛なのか、それともただのパワハラか?それでも喰らいつくニーマンは自己実現を目指すのか、それともフレッチャーに対する復讐か?…その答えは壮絶なラストシーンです。本当に息をするのも忘れてしまうようなラストシーンです。言葉など一言もありません。あるのは音のみ。それだけで観る者を理解させてしまうのです。

ひとつ残念だったことは、この映画を大きなスクリーンで観れなかったことです。日本ではあまり目立った興行はなかったそうで、なんだかとてももったいない感じがして仕方ないのです。
で、この日は映画三昧で他にも何本か観たのですが、夜は散歩がてら近くの映画館にまたしても映画を観に行ったのです。こちらも素晴らしかったです。クリントイーストウッド監督の「15時17分、パリ行き」です。これもぜひ観てもらいたい映画です。
小野
2018.02.26
四季の家工房の守備範囲はおおよそクルマで1時間のエリアを想定していますが、年に何回か出張でのお仕事をいただくことがありまして、今も実は出張中で遠くの現場に来ております。どこに来てるかと言いますと…中部空港から約3時間半、時差は1時間のリゾートで有名な南の島なのです。大工をやってて海外に行くなんてことはイメージもしてなかったのですが、今までもフランスが1回と中国が2回…今回が4回目となる海外出張です。

何をしに来たかと言いますと…前々回の日記に上げたコンクリートの型枠の組み立てにはるばるやって来たのです。初日は遅めの午後に現地に到着したので仕事はできないのですが、まずは現場の下見と送った荷物の確認に行って来ました。もう17時を回っていたので現場は静まり返ってましたが、送った荷物とは無事に再会できて一安心!明日からの仕事場となる作業スペースも確認して初日はおしまい。

海外での建築作業で、2日目からは猛烈に働きましたよ。なにせ1週間というスケジュールの中で予定した作業を全て終わらせなくてはいけないし、しかも慣れない土地での作業なので、何か不測の事態が起こった時の手配や段取りの組み換えが容易ではありません。

なので、「できるだけ前倒しでやっておきたい」という気持ちの元、つい頑張りすぎてしまうのです。しかも、昨日まで雪がちらつく岐阜の現場にいたのにいきなり真夏の現場で、気持ちと体力のバランスがバラバラです。

それともう一つ大事なことがありまして、この型枠は「僕たちが組み立てておしまい」という訳ではなく、現地の職人さんが繰り返し使えないと意味がないのです。なので、フィリピン人の職人3人が僕たちに付いて、組み方やばらし方、取り扱いの注意点など細かくレクチャーしながら作業を進めるのです。

しかも彼らの技量すらわからない状態でのスタートなので、いやはや大変です。大変なのですが、ちょっとやってみて感じたのですが、案外彼ら真面目なとこがありまして、マイペースではありますが割とコツコツと仕事するし、図面も見る努力をしてくれます。

ただ、残念ながら本職の大工ではないので、道具の扱いも木材の知識もイマイチなのです。悪気はないのに叩いてはいけないところを叩いてしまったり、木材の端っこの方にボルトを打ち込んで、ひび割れを作ってしまったりするのです。そんな彼らに、僕たちの精度や仕上がりに対するこだわりを伝えるには、一緒に汗をかくのが一番の近道だと思います。

海外での建築作業そんな感じで、作業しながら丁寧に説明したり、時には厳しく注意したり、時には家族の話をしたり、こっそりお互いの日当を教えあったり…コミュニケーションを深めつつ、僕たちが求めていることを少しづつ伝えていくのです。

で、4日目の今日、無事に最初のコンクリート打設が終了して一安心…と思ったところで一名が熱中症に!!念のため夜間診療の病院に連れて行って長〜い待ち時間の間に、この日記を書いています。ありがたいことに病院のWi-Fiはビンビンで、ホテルのしょぼいWi-Fiではなかなか送れない画像も送れそうです!
小野
2018.02.13
木のまな板今年もぼちぼちイベントへの出店をしていこうと思ってます。何を出店するのかと言うと…これ!「木のまな板」です。手探りで始めたまな板屋さんですが、かれこれ足掛け4年目になりまして、わざわざ四季の家工房のまな板を買いに来てくれるリピーターのお客様も来ていただけるようになりました。大変ありがたいことです。

そんなわけで、ちょこっと告知させていただきます。
つながりフェスティバル ファイナル!「つながりフェスティバル ファイナル!」
東北の震災を機にスタートしたこのイベントも、今年で一旦きりをつけるってことで今回がファイナルイベントとなります。言わずと知れた岐阜で一番大きな規模のイベントですが、今回は特に盛り上がること、間違いなし!

場所は岐阜市金公園で日時は3月11日(日)10時から16時頃までです。
「山県まるごと市」
もう一つ出店が決まっているのが、地元山県市のイベントです。場所は山県市四国山公園香りドームで、日時は4月14日(土)です。近くには桜の名所もあるんで、時期的にちょうど良いかもしれません。

こちらのイベントのチラシは現在作成中とのことで、もう少ししたらアップできると思います。少々お待ちください。
小野
2018.01.29
怒涛の1月が終わろうとしています…と、先回はこれを書こうとして大いに脱線してしまいましたので、今回は本題に触れてまいります。

外壁の型枠年末の日記でも少し触れたのですが、これは昨年から新たなチャレンジとして試作を重ねているコンクリートの型枠なのです。

主に住宅を作らせていただいている僕たちとしましては、「型枠」と言うと基礎の型枠くらいしか思いつかなかったのですが、これはもっと規模の大きな建物の外壁となるコンクリートのパネルを作るための型枠です。要は、建築物そのものを作るのではなく、建築物のパーツとなる製品を作るための型枠なのです。

そのため、現場で組む型枠のような単純な形ではなく、上下階の噛み合わせ部や床面との絡み、気密防水のためのゴムパッキン材をはめ込む溝、施工上必要な吊リ金具を取り付ける仕込みなど、けっこう細かい作り込みが必要です。

すでに昨年いくつか納品させていただいたのですが、それらは一回コンクリートを打設した後はバラバラに分解してしまう、言わば一回きりの使用を目的にした型枠でした。図面の読み込みからして慣れない作業だったこともありかなり頭を悩ませての作業でしたが、これらについては一定の評価をいただいたようで僕たちとしてもある程度のノウハウは得られたと思っていました。

ところが…今回いただいたのは更に難題となる「繰り返し使える木製型枠」というお題でした。しかも輸出向け!更に、組み立て、解体、再組立てという一連の作業を行うのは大工経験のない一般の作業員とのことで、要は木工の素人でも扱えるようなシステム化された型枠を設計、製作しないといけないという訳です。

コンクリートの型枠って、簡単そうで簡単ではありません。依頼先からいただくのは完成形の製品図面です。それを雌型にするわけですが、雨水を排水する微妙な勾配があったり窓との取り合いがあったりで、全てを反対に作るってのはかなり複雑で、頭の中で考えるだけでは混乱して間違いの元になってしまいます。

なので、まずは出来形のイメージを固めるために、完成形のコンクリート製品のスケッチを描くことから始めます。それを基に、型枠自体の出来形をスケッチして、組立の順番や寸法精度を確保するために急所となるポイントを抑えて、「どこからどのようにコンクリートを流し込むか」「流した後のコテ押えができる作業空間が確保できるか」「コンクリートの圧力で型枠が開いたり崩壊しないか」…など、検討に検討を重ねる訳です。

型枠の検討 型枠の検討 型枠の検討
そして無事に打設できたとして、忘れてはいけないのが…「型枠の解体がスムーズにできるかどうか」の検討です。これが案外難しい!組み立てるときは型枠単体の納まりを考えておけば良いのですが、解体時は硬化したコンクリートが密着しているわけで、バラシのツボを押さえておかないと最悪の場合「バラセない」という事態も起こり得るわけです。特に今回は海外に持って行って繰り返し使うと言うのですから、失敗は許されません。

型枠の試作型枠の試作なので、「まずはやってみなくてはわからない!」ということで、試作の型枠を作って実際にコンクリートも打設してみました。やってみると、わかるのですよ!いろいろなことが!

ほぼほぼイメージ通りにできたところや改良が必要なところ、逆に過剰すぎるところなど、それらを図面にフィードバックして…いよいよ本番の製作です。これが冒頭の「怒涛の1月」の全容でして、ようやく先日、横浜港の倉庫に納品を済ませてきたところです。

四季の家工房の大工達はこういった「わけのわからない仕事!?」であっても、全然抵抗なく受け入れてくれるのです。未知なることにチャレンジをする時には明るさと言うか、ある意味能天気なまでの根拠のない自信が本当に助けになります。いや、根拠がないのではなく、「これまでやってきたことを応用すれば何とかできる」という自信なのです。

…と言ってホッとしていたら、またまた型枠のご依頼をいただいてしまいました。まことにありがとうございます。あ、型枠は型枠でちゃんと作りますけど、四季の家工房の本業は「家づくり」です!誤解なきよう!(笑)
小野
2018.01.23
怒涛の1月が終わろうとしています。例年、建築業って1月は暇なパターンが多いのです…そりゃ、そうです。年末に「年内になんとか!!」という仕事をこなしてお正月を迎えると新年早々いじる現場もなくなるわけで、新しい普請事も「節分が明けるまではおとなしくしてましょ」という感じで、まぁ1月は暇な年が多いのです。

当然ながら営業的にはキツイのですが、これもひとつの季節感かなぁと思うと、世知辛い世の中にあってある意味贅沢な仕事かもしれません。贅沢と言っても、取り立てて儲かるわけでも休みが多いわけでもないのですが、季節の移り変わりとか日本の文化風習などに逆らわず大きな流れの中で働かせていただく…という建築の仕事も悪いものでもないなぁと思ったりもするのです。現代の経済活動の中では、農業や漁業の次くらいに季節感を感じられる仕事かもしれませんね。

1月はお正月とか、4月は入学式とか、8月は夏休みとか、そう言った暦や節目に従って人間の動きが受ける影響はけっこうあるものです。例えば、新居の建築とあわせて小学校の入学を控えている方でしたら、4月の新入学に間に合うように入居していただかなくては転校とか越境通学とか余計な負担が増えてしまったり…、あるいはリフォームをお考えの方でしたら、大型連休に家の中の片付けを済ませて連休明けから着工するとか、お客様によってご都合も違いますが、これも季節感と言って良いかと思います。

こうした暦とか数字で割り切れない、もっと漠然とした季節感もあります。「暑くなった」とか「寒くなった」などは、例えばコンクリートを扱う基礎工事や壁塗りをする左官屋さんにとってけっこう大きな影響があります。

例えば今時分の外壁の塗り仕事などですと、「凍ててまうで、春までまとまい」と岐阜弁だとこんな感じなのですが、要は寒い時だとせっかく塗り付けた壁も凍害を受けて、もぁもぁっとムラが浮き出てしまったり、表面の水分が凍ってしまって剥離を起こすことがあるのです。なので、春まで待ってから塗りましょうという意味なのですが、かと言って夏は夏で問題が起こります。余りにも暑くなりすぎると、水で練った左官材料の水分が蒸発するのが速すぎて困ったことになります。

コンクリートやモルタルが「乾く」と言いますが、実はこれは間違いでして…これらの材料は水と反応して硬化することで強度が出るので、硬化する前に乾いてしまうと肝心な水分が不足して反応を起こせず、硬化不良を起こしてしまいます。だから、工程が遅れたりして寒くなってきたり暑くなってきたりすると、「うわ〜、やばいやばい」と焦ったりもするのです。これはほんの一例にすぎませんが、建築にはこういうことがいろいろあるのです。

現代の僕たちであっても季節や天候には逆らえずに…逆らえないと言うよりは折り合いをつけて季節と向き合うと言った方がしっくりくるかと思いますが、僕たちより3世代とか4世代くらい前の大工はもっと自然の流れに寄り添って仕事をしてみえたのではないかと思います。材木だって、現代の僕たちは材木問屋に電話するだけで乾燥して寸法も整った材料が一年中手に入りますが、昔は山から伐り出していたわけで、それには11月以降の木が水を落とした時期でないと伐りだせない訳です。

また、昔の田舎の大工は多くの方が兼業だったわけで、田植えや刈り取りなどをイメージしつつ、梅雨や台風シーズンなどに微妙な工程が重ならないように…とか、更には、祭りとか盆正月とか地域ごとの様々な行事なども含めて一年の計画を立てていたのだと思います。建築行為そのものが自然のリズムの一部のようだったのでしょうね。

で、冒頭の怒涛の1月って…?書いているうちに話が違う方に行ってしまったので、これはまたの機会に!
小野
2018.01.01
あけましておめでとうございます。

私たちにできることは、「木」を使ったモノづくりです。今年もお客様に喜んでいただける「モノづくり」ができるよう、努力邁進して参ります。

今年も四季の家工房をよろしくお願い申し上げます。
小野