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卍戒壇巡り(まんじかいだんめぐり)で有名な関の善光寺さんの境内に、宿坊を併設したカフェを作らせていただきました。
今回の工事はもともと境内に建っていた古い木造の住宅の改修工事なのですが、築60年以上の建物であり、住まい手が去ってからすでに20〜30年経過しており、かなり荒れた状態でした。
このところ数年は地域の方がボランティアで手直しをしながらなんとか使っていたのですが、高齢化もあり「あそこは何とかせなあかん」と各方面から言われつつも、このままではいつか限界が来るのは明らかな状態でした。
そこで手を上げたのが、カフェ・マビッシュさんです。以前四季の家工房でリニューアル工事をさせていただいたご縁で、今回の大改造もご依頼いただきました。 |
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初めて現地を拝見させていただいた時の感想は、正直言って「これはひどい!」の一言に尽きました。雨漏りと不動沈下で床や柱が傾き、土台が腐り、壁の漆喰もめくれて、放置された空間には獣の痕跡もありました。
ですから、お店として作りこむ以前に「建物としてあるべき姿」に戻す工事だけでもかなりのボリュームになると思われ、そこまで費用をかけてこの建物を使うのはいかがなものか…と逆にこちらから止めたくらいです。
それでも、小さな頃からの遊び場でもあり、地域の心の寄りどころでもあるこの場所を「何とかしたい」というオーナーの思いは固く、そういう思いを四季の家工房に託していただいたことは大工をやっていて本当にありがたいことでもあり、責任重大なことでもあると思いました。 |
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現地の下見に来ました。
当時は建物内は使われていませんでしたが、軒先でお団子や鉢植えを販売していました。 |
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外部も傷みが激しく、竹やツルが壁の内部にまで侵入しています。 |
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雨漏りの原因となる屋根です。瓦の劣化が進み、さわるだけで崩れる状態です。 |
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写真ではわかりにくいのですが、廊下の曲がり角部分は不同沈下で10cm以上沈み込んでいます。
床、壁、天井はひずみによって割れやふくらみが出ており、障子やガラス窓も動かなくなっています。 |
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ここからが改修工事の様子です。廊下の角部分は床と壁を撤去して、躯体をジャッキアップして正しいレベルに調整します。
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角部分は基礎も割れていましたので、割れた基礎を包むように鉄筋とコンクリートで補強しました。
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内部の解体工事が始まりました。解体を進めるとさらに腐った部材が見つかりましたので、土台の交換や柱の根継ぎをしました。 |
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過去に土台などの木部をコンクリートに埋め込む工事がなされており、埋まった部分の土台の状態は非常に悪い状態になっていました。
土台と柱の下端部分が腐っている壁はすべて新しく作り直すことにしました。 |
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左がコンクリートに埋め込まれていた土台です。もともとは10cm5mm角だったものが、このとおりです。新しく作り直した壁の土台(右の写真)は、コンクリートより高い位置に設置しました。 |
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外周壁面には、耐力面材ダイライトを張って補強してあります。 |
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躯体の部材交換や補強が終わったら、新しく床を組んでいきます。内部の壁には、補強兼仕上げ材として構造用合板を張ります。
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お店のスタッフさんによるDIYで天井の塗装が始まりました。
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新しい天井と古い天井が調和するように、黒い顔料を混ぜた柿渋を塗ります。 |
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天井の次は壁の左官DIYです。廊下はスイス漆喰カルクウォール、宿坊の和室には珪藻土を塗っています。
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ウッドデッキの工事です。当初は縁側程度のデッキを作る予定でしたが、隣接する竹藪を伐ったところ素晴らしい景観を得ることができたので、奮発して崖にせり出す清水の舞台風に作ってみました。
予算的にも「キヨミズノブタイ」でした! |
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別案件の解体現場からもらってきた障子を、柿渋で黒く塗装して再利用します。 |
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四季の家工房の工場では家具の製作も始まっています。ケヤキのテーブルを作っています。 |
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桧でお風呂を作っています。お湯が漏れないように、溝を掘ってきつく嵌め合わせて組み立てます。 |
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店内は柿渋の黒を基調とし、ケヤキの家具や珪藻土の壁が映えます。
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土間の珪藻土三和土にはアクセントの石が埋まってます。 |
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ハイサイドの小窓からはナンテンの赤や鐘楼がちらっと目に入ります。
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テーブルの端部は、遊び心でギザギザになっています。 |
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店内の陳列台にはカフェ・マビッシュさんの焼き菓子が並びます。
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二間ありますが宿泊は1組限定で、最大6名まで宿泊することができます。 |
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浴室は浴槽も壁もすべて桧作りです。浴室の窓はウッドデッキにつながっていて、夜景を見ながらお風呂に入ることもできます。
脱衣場の床は浮造り仕上げの杉板で、足ざわりはとても気持ちがよいです。 |
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ウッドデッキからは関の街並みが見おろせます。浴室の外壁には杉板をランダムに張ってアクセントにしてあります。 |
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浴室の軒樋は、遊び心で竹藪を伐った時の竹を使ってみました。竹の先端から雨水のしずくがぽとぽと落ちる様子を見ていると、雨の日も楽しくなります。 |
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夕暮れから夜にかけて、ウッドデッキからの眺めは最高です。 |
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四季の家工房の家はライフスタイルに考慮した「あなただけの家」です。
間取りや細部にとことんまでこだわり、あなたと共に造り上げます。
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