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岐阜県下呂市の住宅リフォーム
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M様邸(岐阜県下呂市)
2003年12月竣工
飛騨川支流沿いに立地する古民家をリフォームしました。古民家の持つ力強さや清らかさに調和するような、現代の「和」の空間を作り上げました。

薄暗い玄関に入ると、陽のあたった石垣のさつきの花が切り取った絵のように窓に浮かびます。

古民家の雰囲気を壊さず、くつろげる間を作るよう心がけました。囲炉裏座卓も手造りです。
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初めて訪問した時、薄暗い玄関に入ると、正面の小窓から斜面に設けられた石垣と石垣の植栽が陽の光を受けて輝くように見えました。窓の位置や大きさを工夫すれば、石垣のツツジだけを切り取ったように見せる「ピクチャーウインドウ」として効果があると直感しました。

模型はリフォーム部分(吹き抜け含む1階部分)の断面模型です。(模型は1/50スケールです。)
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リフォーム前の状態です。リフォームを計画している部分は何回も改造を繰り返し、広いけど使いにくい家になってしまっていました。

当初は通り土間だったところが、台所になったり浴室になったりして、現状は2帖くらいの小部屋が連続する物置と味噌蔵に仕切られていました。又、手前の6帖の和室は動線になってしまっていて、部屋としての機能はなくなっていました。
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リフォーム後の状態です。リフォームのご要望は、「お客さんが集える板の間に囲炉裏を作りたい」「絵を飾れるような部屋にしたい」と言うものでしたので、囲炉裏座卓を手造りし、床は古風杉と言う特殊な加工を施した床材を使い建物の歴史に調和させました。
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正面にはピクチャーウインドとなる真四角窓と、坪庭を見る地窓を設けました。西側には一面の壁を作り、絵のギャラリーとして使えるようにしました。
玄関は広すぎたので半分を小さな畳空間しました。玄関先での来客対応もできるようになっています。

下足入れは既設の窓高さに合わせて低めにし、座り目線で飾り物を見られるようにしました。取っ手は黒檀です。
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囲炉裏の間の上部には小さな吹抜けを設ました。天井の一部をくりぬき吹抜け状に開放し、ハイサイド窓を設け、北側からの明りを取り込みました。

冬場は暖房の効率をよくするため、吹き抜け部分に水平の障子を引き出せるようになっています。明りを取りつつ、冷気の下がってくるのを止めます。
合板で貼られていた天井をはがすと、長い歴史の中で真っ黒にいぶされた柱や梁の木組みが現れました。モノスゴイ存在感がありましたので、汚れを丹念に落として、柿渋を塗り甦らせました。
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玄関扉は新しくして、ステンドクラス用の手延べガラスをはめ込みました。少しモダンな感じを出しつつも、民家に調和するようなおとなしいデザインに仕上げました。
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囲炉裏は床置きの座卓型囲炉裏とし、オリジナルで手造りしました。囲炉裏の表面はブラシなどで荒して、古い民具のイメージに仕上げました。節や虫食い跡がある材料でしたが、蝶型の埋め木をしたりして上手に使いました。

その他にも、蚕棚の受材を吹抜けの手摺りに再利用したり、何十年も眠っていたヒノキ板で飾り台を作ったり、物置の中のものを引きずり出して利用させていただきました。
お施主様と一緒に岐阜の銘木屋まで材木を探しに行き、囲炉裏座卓と下足入れは栗の一枚板で、玄関框は栃を拭き漆で仕上げました。
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